第14話 暗殺者集団の目的 Take Out
脚本/Sean Crouch
監督/Leslie Libman
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3品コース、レストラン一店舗、強盗犯4人、暗殺団による殺人
1592人。
高級レストランで食事をする人々。そこに二人組の覆面をした
武装強盗が現れ、客達にバッグと携帯を出すよう求める。
張り込みしていたロス市警の刑事はそんな二人組に対して、
銃を捨てろとしてその場を制圧したかに思われたが、客の中の
カップルが突然刑事二人を射殺すると強盗たちと合流して
逃走する。
チャーリーはミリーと共に寄付集めの為にパーティーに出席する
のを余儀なくされていた。チャーリーは着慣れないタキシード
姿に辟易。しかも数学ネタのユーモアが通じないとして呆れる。
ミリーはユーモアは相手を選ぶものだという。寄付集めなんて無理
だというが、ミリーは既にあなたがいるだけで金は集まっている
とし、25万ドルの助成金が出ることになったのだという。ここに
集まるロビイストや政治家は金を回す対象なんてどうでも良い
のだという。天才数学者のチャーリーを見て実物は噂以上だと
思っていると語る。あなたは普通にしていれば良いとして、私が
寄付してくれそうな人を捕まえるという。天体学用語で「朔望」
というのだとし、複数の天体が直線に並ぶ時の状態だという。
そんな中チャーリーにドンから電話が鳴る。事件が起きたという
ことでパーティーを抜け出すことになる。
ドンとチャーリーは現場を指揮しているジミー・パウエルズに
話を聞く。連続強盗犯で2人組、覆面に防弾服を着ていて、
いずれも高級レストランを狙い10分以内に退散するという。
奪うものは主にハンドバッグやサイフや携帯で、宝石とかレジの
金には手をつけないのだという。12カ所のレストランで張り込み
させていたがプランが悪くて部下を死なせてしまったと嘆く。
客のウチの2人がLAPDを名乗った部下に銃を向けて発砲した
という。その後犯人は薬莢を回収して逃げたという。
そんな中FBIのオフィスにチャーリーが到着。
まるでジェームズ・ボンド・・・。コルビーはレストランばかり
を狙う強盗犯で現在8件目が襲われた事を語る。次は何処に現れる
のか調べて欲しいというが、かなり犯行現場は散らばって今の所
パターン性は見られないとのこと。手口や犯行時間が分かれば
もっと絞れるだろうという。ドンは前に銀行強盗が狙われた際に
予測してくれた(S3-4より)だろうと言うと、兄が撃たれた時の
事かと問う。
メーガンは予約リストを調べたら偽名だったと語る。他の店の
件でも調べたが一致する名前も番号も見あたらないという。
男性3人女性1人、可能性が有りすぎて絞れないとのこと。
分かっているのは大型銃とスペイン語交じりって事以外目撃証言が
取れないと語る。デビッドは携帯を奪ったのはカード会社に
使用履歴の停止の連絡を入れさせない為のもので、毎回犯人は
6万ドル以上をカードで使っているという。インターネットを
使いプラズマテレビやホテルの予約を入れているという。ネット
上のダミー会社に納品され、購入が済んだら後で閉鎖するのだという。
新手のマネーロンダリングなのか。
ドンはビバリーヒルズで宝石強盗をしたリッキー・ジョーンズなら
ば何かを知っているかも知れないと語る。彼は品物には手を出さず、
カードだけを奪っていったヤツだという。メーガンはどんな犯罪者
も最初からパーフェクトではないとし、ヘマするし証拠だって残す
だろうという。最初の数件を見直すべきかも知れない事を告げる。
チャーリーの元にミリーがやってくる。
まるで物音を立てずにチャーリーのそばに来たので驚く。
南極研究基地で静かに動く癖が付いたとのこと。夕べのことを
チャーリーは謝罪するが、ミリーはお陰で多くを得た事を語る。
ミリーはチャーリーが黒板に書く数式を見て面白そうだと語る。
以前銀行強盗のターゲットの予測に使ったものだが、今回は
どうしても当てはまらないと語る。ミリーは少し前にシステムの
本を読んだ時にターゲットをカテゴリー別に分けるシステム
のことを読んだという。国土安全保障省の「脅威マトリックス」
か?と問うと、あなたにはそっちの方が役に立つのではないかとい
うとその論文を手渡す。
そんな中ミリーはチャーリーにマクミラン製薬のロビイストと
話をしたが大学に寄付してくれるというが見返りが欲しいと
言われた事を語る。「薬物動態モデリングプロジェクト」の看板
になって欲しいという。
デビッドは刑務所に召喚されるリッシー・ジョーンズに遭うと
現在起きている銀行強盗事件での情報を求める。仮釈放審査で
有利になると告げる。するとジョーンズは彼らの犯行はロスの一味
ではないと語る。警察を罠にかけようとするヤツはいないこと。
この手の連中には二種類居て、金だけを目当てにしているか暴力が
目当てなのか。しかし今回は暴力が目当てでもなさそうだという。
狙いたい店に警察が張り込んでいたら大抵のヤツは暫く大人しくするか
諦めるものだという。でもコイツらは違い警察にメッセージを送って
いるという。「俺たちのすることに手を引け」と。イカれたヤツラ
だということは明らかだという。
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高級レストランが次々と襲われる。
地元ロス市警も既に8軒も襲われていることから、それぞれの店
に警察官を二人常駐させて網を張っていた格好で、ついに相手
を捕まえられるところだったが、犯人は目の前に押し入る
目指し帽の人物二人だけでなく、更に客の中に犯人の一味が紛れ
込んでいて市警の刑事は殺されてしまう。
FBIにも協力要請が入りドンは、チャーリーに対してかつて銀行
強盗を予測した際の公式を使って予測を立てられないかと問う。
捜査しているウチに相手はスペイン語を使用していること。
規律の正しい行動を取っていること、短時間で整然と行動を取って
いることから、元軍人かもしれないと考えていく。
相変わらずラリーは不在の中でのエピソード。
ラリーのラの字も今回は出てこなかった。
チャーリーはオタクっぽい感じはするけど、どうしてもミリーが
数学者という設定は違和感が有り、捜査のヒントを与えるだけにし
てもどうもしっくりと来ない。
最初に登場したシーンに於いては相当嫌なオバサンだと思って見て
いたけど、アランと懇親にしていることも有ってか、チャーリー
に優しい態度を見せ、FBI捜査に協力している方針にも容認する
姿が有る。アランとミリーが二人きりで良い感じの中で、
チャーリーが家に居る行動の中に、「父がアミタと僕のことを邪魔
したので仕返し」的流れを見ると微笑ましいというか、数学者の
割に幼いというか、それが良さなのかもしれないけどね。
単独のエピソードでは、チャーリーが大学の顔としてチャリティ
に於ける資金集めの為にかり出されるというものが有った。
数学者としては相当な人気もので色んなところから引っ張りだこ
らしい。製薬会社(マクミラン製薬)なんかからもプロジェクトの
顔になって欲しいとされるが、ちょっとチャーリーを不自然に
持ち上げすぎって感じがしないでもない。
チャーリーが協力しようとしている製薬会社自身が、途上国相手に
搾取しているという現実が有る中で、倫理感を問いかける流れに
なっていた。
テーマとしてはそんな途上国とアメリカって感じの流れが有る。
ドンはS3-2の中で教師をしているクリスタルを射殺した流れ
に関連してカウンセリングを受けるという流れが有る。
当初は形式張ったもので、サインさえもらえれば良いとしていた
ものの、軽視しているカウセラーのジミー・パウエルズは
過去ドン以上に激しい現場を経験していて、イーストLAで麻薬の
潜入捜査、コンプトンではギャング対策班に2年間いたとして、
「相手のことを知りもせず私の仕事をバカにして自分の仕事だけ
を尊重しろと?」と手厳しく言われる姿が有った。
黒人カウンセラーとの関係を見ると、「DR.HOUSE」でバイコディン
中毒に陥ったハウスがS6で施設に入った際のノーラン医師との
関係を想像させるものが有るな。
今回は犯人の目的が金なのか暴力的なものなのかという流れが有る。
犯人を育てたのはアメリカであり、それによって不利益を被って
しまうところなど切ないけど、なかなか難しい現実が有ったね。
特殊部隊/暗殺者が市民相手の犯罪者に転化すると恐いものが有る。
それを育てたベルナルドは小学の教師をしているという中には、
特殊部隊が過去に村を襲った際の3人の子を匿うだけでなく、
殺したことでの罪滅ぼし的なものも有るのかな。
ベルナルド演じるJose Zuniga。色んなドラマで見かける人だけど、
大抵は刑事役か悪人役だよね。
結果として犯人は当時虐殺した村の生き残りで目撃者である3人を
殺そうとしてアメリカに渡って来る中で、軍資金の為に強盗を
繰り返していた感じだけど、目撃者を殺す為にあらたな目撃者を
増やすというまさに本末転倒な流れが有って不条理なものだった。
チャーリーの捜査も役には立ったけど、似たような犯罪を繰り返して
いたリッキー・ジョーンズに話を聞いたり、コルビーが元軍人だ
ということを利用して色々と犯人の行動心理を分析する辺りが
目立ったかな。
現実の捜査ではネットを使ったマネーロンダリングが行われている
ことから流れを掴もうとする。オフショア口座はナウルという
南太平洋の小さな島国にあることが分かる。その島が世界中の犯罪者
の金融センターとしての利益で成り立つことから、追跡が限りなく
難しいとする流れが有る。
しかし口座を作るのに裏金融の推薦者/紹介者(イントロデューサー)
が必要だと分かり、その人物を追跡。
大金なので口座の流れを調べて特定するのは難しいとしていたけど
正直そんな口座からアメリカに振り込みされている流れを見れば
ある程度絞り込むのは簡単な気がするんだけどね。
チャーリーは国土安保省が採用している脅威マトリクス(ターゲット
カテゴリー別に分けるシステム)を改良して調べる。
しかしそれに該当せず別のレストランが襲われたことで、迷走して
しまう。しかし犯罪組織が一つという前提で調べていたのが
間違いだったとする流れから、解決に導いていく流れが有った。
その過程で「外れ値検出」というテロ資金追跡プログラムを
使ったり、狙いが判明したことで、一気に事件解決に繋がった。
■使用された曲
・New Day by Griffin House
■その他
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
メーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
Dr.ミルドレッド・フィンチ (Kathy Najimy) “ミリー”学部長
ベルナード・インファンテ (Jose Zuniga) 小学の教師
リッキー・ジョーンズ (Rhys Coiro) 宝石店強盗で服役中
— (Marc Jablon) Meisner
ジミー・パウエルズ (Montae Russell) Officer at Scene
ウィリアム・ブラッドフォード (Wendell Pierce) カウンセラー
ヘクター・カンポス (Benny Nieves) 強盗団・暗殺集団
マリア・カンポス (Elisa Llamido) 強盗団・暗殺集団
ヴァマノス (Emiliano Torres) Masked Man 強盗団
ラピード (Oscar Ezpeleta) Masked Man 強盗団
— (Toby Holguin) Driver
— (Omar Leyva) Valet / レストランの駐車係
— (Andrew Carrillo) Hispanic Man
— (Con Schell) Businessman / LAPD Cop
— (Paul Lacovara) Businessman / LAPD Cop
— (Jeff Brockton) Reluctant Victim
— (Caleb Campbell) FBI Agent
— (Hugh Daly) FBI Swat Team Member