第8話 傭兵の孤島 / 見えない代償 Hard Out
脚本/Rashad Raisani
監督/Craig Siebels
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『旧式の爆弾は不格好で威力もないが作りが単純な分、足が
付きにくい。しかし最新の爆弾は高性能な分、誰が作ったのか
痕跡が残る。』
フィーはマイケルたちが持ち帰った爆弾の起爆装置を調べると
かなり腕のいいプロが作ったものだという。水深測定器と連動
させる方法なんて思いつかなかったというフィー。
マイケルはジェシーのコネでC4の成分を科学分析してもらった
が、盗まれたもので旧ソ連製、20年以上前のものだという。
政府のテロ対策データベースにアクセスするしかないという
マイケル。しかしフィーは国土安保省に侵入すればそれこそ終わり
なのではないかという。マイケルは犯人を見つけるか、テロリスト
収容所で人生を過ごすかだという。フィーは知り合いがこれを
突き止める方法を知っているが気が進まない事を語る。でも
この状況ではそれをするしかないようだと語る。その変わりに
ママとランチするのを忘れないでよというフィー。
マイケルたちはマデリンと共にランチを取るため車で移動していた。
マデリンは、ストレッチクラスで知り合ったベニー(ベン)を
紹介したくてフィーとマイケルを誘ったのである。ベンはココナッツグロ
ーブからボートで来ているという。しかしマイケルはまるで
心ここにあらずという感じだった。フィーはマデリンに対して
今のマイケルは陰謀と戦う以外の楽しみがないと語る。マデリン
はマイケルにもっとフィーをデートに誘うとかして喜ばせるよう
告げる。そんな中マイケルたちはライダー軍団によって取り囲まれて
いる事を知る。銃を用意するが、フィーは相手が分かったことを
告げ、例の知り合いのお迎えだという。フィーに行く必要はない
というマイケルだが、大丈夫だとしてバイクにまたがり彼女は
去っていく。
フィーが連れて行かれた先に居たのはアーマンドだった。
アーマンドはフィーから電話を受けた時にはリオで仕事を終えた
時だったが電話を受けて急いで来たという。爆弾を作ったヤツを
調べられるか?というとアーマンドは当然だという。報酬は
幾らなのかと問うと、アーマンドは金は要らないが一つ頼みが
あるという。ライカー社というドラールにある兵器会社で
この写真に写るトラックを盗み出して欲しいとのこと。木曜日に
徹甲弾が積み込まれるのでそれを手に入れて欲しいという。
しかしフィーは正面ゲートだけでもガードマンが4人もいるとし
て一人でやれと言うのかと問うと、アーマンドはやり方は任せる
が爆弾の製造相手を調べるならばやるしかないぞと語る。明日まで
に返事を待っているとのこと。
フィーはみんなの元に戻るとこの一件を話す。
サムは兵器工場に強盗に入るなんて正気じゃないと語る。
フィーならばともかくマイケルがそれを行うのかというサム。
マイケルはオレも気にくわないが行き詰まっていることを
語る。芝刈りとか飛行機を洗うとかして別の手伝いの形に出来ない
のかと問うが言われた通りにするしかないと語る。
マイケルはピアースからCIAの極秘任務に付けと呼ばれていて
この任務には参加出来ないという。サムはCIAがマイケルに
怪しい任務を押しつけるのを見ると別のヤツにコキ使われていた
時を思い出すと語る。マイケルに対して一ヶ月はモヒートを飲み
放題で手を打つとして仕方なくサムも引き受ける。マイケルは
二人に感謝する。
ピアースに逢うマイケルは彼女が眠そうにあくびをしているのを
知る。カイロからの夜行便で来たことを告げる。そこでは
マックスの知り合いはみんな死んだか無関係だったという。
その為に出発点である場所に戻ってきたとのこと。マックスが
殺害されたのはここであり、犯人はマイアミにいたのだという。
これからはここを中心に探すというが、その前に任務があるとの
こと。
スティーヴ・ケイヒルという世界中の悪党の仲介役を捕まえる
任務だという。ケイヒルの行く先にはいつも悪事がつきまとって
おり、現在はバンコクのバーで諜報員からケイヒルが明日
カリブで人に会うというのを話していたのを聞いたとし、何を
企んでいるのか、そして誰と逢うのかを先ず突き止めて情報を
記録するという。その後に拉致して専門のチームが拷問して
吐かせるとのこと。しかしチームは2人だけなのか?というマイケル。
この作戦には最低3人は必要だという。ターゲットに2人、そして
逃走に1人を配置すべきものだという。機密を扱える人を一人
雇うことは出来るというピアース。それならば・・・ということで
マイケルは元CIAのジェシーに頼むことになる。
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マイケルは自分とそっくりの人物(ジェイコブ)を捜索している
ウチに、彼に指示を与えていた人物を更に探っていく。その
過程でジェイコブを殺害しようとしてC4爆弾がボートに仕掛けら
れていた為に、爆弾の起爆装置と爆薬の成分から誰が関わって
いるのかを探ろうとする。起爆装置はかなり精巧に作成されて
おりプロの仕業であることは明らかだったがフィーでは、それ
以上の情報は掴めなかった。そこでフィーはアイルランド時代に
世話になったであろうアーマンドの助けを得ることになる。しかし
フィーにとっては逢いたく無さそうな相手だった。
一方マイケルはマイアミに戻って来たCIAのピアース捜査官から
極秘任務を与えられ、テロ組織などと仲介役をしているスティーヴ
ケイヒルのことを監視することになる。彼らがカリブ海で集まる
ことを知り、ジェシーも加えた三人で任務に就くことになるが・・
今回は二つのエピソードの流れが有った。
一つはマイケルのCIAとしての任務。
ピアースとジェシーと三人でカリブ海の島での諜報活動。
もう一つはマイケルの冤罪を晴らす為の過程の一つで、情報を
得る為に、相手が求める兵器工場ライカー社のトラックを盗み
だという任務。
フィーの過去の一端が描かれたという意味では興味深い流れが
有り、これまでにもフィーがアイルランド出身で、彼女が爆破事件
に関わっていることとか、彼女の家族のこと、それに関連して
マイケルと共に行動しているのかについてはシーズン3の後半部で
取り上げられていた。フィーがマイケルとの関係にこれ以上
進展がないと感じた際に、彼女はアイルランドに帰国しようとした
ことが有り、シーズン3の後半部に於ける最大の盛り上がり処
だった。
今回もまたそんなアイルランド時代の過去を引き寄せた格好で、
フィーとしては過去に付き合っていた人物であるアーマンドと
情報の取引をするエピソードだった。
アーマンドにしてみるとフィーにはまだ気が有る感じで、フィー
の仕事は最優先で駆けつけるみたいな役所。アーマンドはそんな
フィーと過去によく関係を絶ち、渡米の為に取引したなと思う。
もちろんそれくらいドライな人物故にフィーとしてもある程度
仕事としては信用出来る人物だと感じたのかも知れないけど、
逢いたくないとした理由自身の方に問題があるという感じ。
過去に於いてフィーは彼の仕事を手伝う際、知らない間にベルファ
ストで誘拐事件に荷担させられていたことを知り、アーマンドと
別れたけれど、現在のマイケルとの関係に於いてもフィーとして
の立場は、体の良い形では有るけれどマイケルに利用されてしまっ
ている状況になっている。勿論自主的に助けてはいるのだけど、
シーズン3で一度フィーがマイケルとの関係に切羽詰まった状況と
いうのも描かれていることも有るので、それを思うと二人の間に
ある積もり積もった感情の差というのが、またいつか爆発しそうで
恐いところが有るね。
そんな気持ちを喚起するかのようにして、昔の男から、「今の生活
で良いのか?」なんて言葉をかけられた日には、理想と現実との
ギャップで揺れ動きそうだし、マイケルとしてももう少しフィーの心の
ケアに対して、気を配る必要がありそうだ。
今のところそんなケア役に徹してくれているのは、マデリンでも
有るし、またサムやジェシーも含めた仲間の存在がある。
そんなママさんを危険な任務に荷担させてしまう辺りはちょっぴり
罪作りな感じかな。ママさんも息子の為に戦いたいとは思うのだろう
けど素人だということをもう少し認識しないとね。
意外に感じたのは、ピアースとフィーって初対面だったということ
か。またピアースの私生活の一端に触れて、8年前に婚約者は死んで
いることを口にしていたけど、スパイ業をしている手前、そんな彼
を恋人に持つフィーの気持ちはわかるという感じに見える。
ピアースにして見ればフィーも監視対象の一人で、政府の人間とし
ては微妙な立場なんだろうけど、敢えて深く触れることなく”凄い人”
とだけ語っていた。
またアーマンドとマイケルの間にも互いの事に関してはまるで
面識がなく、アーマンドとしてはフィーの今の彼氏のことに関して
必要以上に詮索はしなかったけれど、気にかけている感じにも
見えた。
カリブ海のエピソードは相当厳しい状況だったこともあり、
危機的状況を共有し、それを乗り越えた人物同士は、戦友のような
絆が生まれるという戦争に於ける部隊理論やバディシステムと
似たようなものが有るね。これまでのピアースとマイケルの間には、
マックスという共通項だけしかなく、そこには絆はなかったけれど、
今回のことを通して、少しは距離が縮まった感じにも思える。
いずれマイケルが一連の件でハメられたということが知られる可能性
も有るので、こういうところで信頼関係を結んで置くとかなり
安心出来るところもあるんだろうね。
ドラマでは二つの組織があり、雇い主と雇われ側(ヴァンダーウォー
ル)、仲介役のケーヒル、そしてヴァンダーウォールの上司
ジャクソンとの関係などに於いて、色々と信頼と不信感を植え付けて
いく様は、綱渡りのようで恐怖心が有り面白かったけど、
よく見ていないと関係がこんがらがりそうだ。
マイケルの作戦にジェシーにしてもピアースにしても、もの凄く
自然にあうんの呼吸で対応していくところは流石だと思いました。
マデリンの彼、ベンと対面したけど、悪い人じゃなければ良いね。
敵はマイケルのことをよく知っているのだろうから、マデリンの
側面から狙われる可能性だってあるものね。
関係無いけど、アーマンドが髪の毛を挙げているところは、
サッカースウェーデン代表のイブラヒモビッチに似ていた(笑)
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
ピアース (Lauren Stamile) CIA捜査官
マイルス・ヴァンダーウォール (David Dayan Fisher) ハイランクの傭兵
スティーブ・ケーヒル (Henri Lubatti) 悪党の仲介役
アーマンド (Gavin Rossdale) アイルランドでフィーを出国させた元彼
ジャクソン (Richard Haylor) 司令官、ヴァンダーウォールの上司
ベニー (Steve Zurk) “ベン”、マデリンの彼
— (Richard Cravens) Commando
— (Dean Napolitano) Riker Executive
— (Tim Pulnik) Sentry
— (Arthur Joseph) Servant
— (Rene Granado) Armed Guard
— (Terrance Murphy) Suited Man
— (Steve Gebara) CIA Agent
— (Helmy Lavezzari) Hotel – Tourist
— (Mike Rio) Mercenary
— (Tom Stedham) Mercenary