第11話 ファミリービジネス Family Business
脚本/Joe Henderson 監督/Paul Holahan
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エレンはニールに父親のことを聞かされる。ニールの父・ジェ
ームズは汚職警官だったこと。ニールは3歳の時から証人保護
の対象者だった。エレンもまた証人保護を受けていたが、この度
移動することになった為に、父親のことを聞く最後のチャンス
だと考える。聞きに行こうとした所で殺害される。銃にジェー
ムズの指紋が付着していたこと。そして自白したこと。
エレンは亡くなる直前に”サムを信じて”と語る。サムに逢うと
ジェームズはワシントンの犯罪組織・フリンファミリーに潜入
していたとし、そこでは警察が買収されていたのだという。
エレンを殺害したのはデニス・フリンで、父は獄中死していた
ことが分かる。恐らく復讐だろうとする中で、サムの血を
密かにDNA鑑定した結果、ピーターはサムがニールの父親・
ジェームズ・ベネットだと知る。そのことをピーターはニール
に電話で伝える。
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ニールはジェームズ・ベネット(サム)に対して、何故黙って
いたのかと問い、父さんだろうと語る。ジェームズはそれを
認めると、オレのことをロクでもないヤツだと思われていて
受け入れられないと思ったからだという。ニールはなんで
そう勝手に決めるのかとして憤る。警察を殺したのか?と問うと
オレは問題の多き人物だがそこまでは酷くないと語る。
ニールは全てを話してくれと語る。
ニールに3歳の時の写真を見せる。ニールはその時のことは覚えて
いないという。3月にしては暑い日だったとし、その写真を
撮った時にはエレンとオレは勤務明けだったとのこと。オレは
刑事になったばかりで、ニールはオレの要らなくなった警帽を
気に入っていたという。若くて何でも出来ると思っていたこと。
しかし思い上がっていたという。当時エレンとオレは名コンビで
悪いヤツラは俺たちを恐れていたという。家族を愛していたが
養うのが大変だったこと。警察の給料では生活は楽ではなかった
こと。銃の密輸を摘発した際に、金が隠してあり、一束だけ
でも給料の3ヶ月分有ったが、目の前に大金が積み上げられて
いて誰もいなかったのでそれを盗ってしまったという。それに
よって全てが変わったこと。普通は警察としてのキャリアは終
わるが上司から仕事を受ければ見逃すと言われたこと。それが
フリンファミリーの仕事で、警察が来る前に逃がすことなど
簡単なものだったが、エレンはオレがそんな仕事をしていること
は知らなかったという。その内ファミリーの商売敵などを逮捕させ
られるようになったという。オレとサムは別人だとエレンは
知っていたが、オレはこれまでずっとモンタナで一人で暮らして
いたという。しかし10年も経過するとその暮らしに耐えられず
ワシントンに出てきたこと。その時頼りにしたのはサムだった
という。オレをハメた証拠をエレンと共に集めて居たが、
サムとエレンの連絡方法は私書箱だけで、緊急用にだけそれを
使っていたという。エレンからある時一通のメールが届いていた
為に、オレは正体を明かすつもりだったが、エレンがあんなこと
になってしまったのだという。エレンを殺したヤツもオレを襲った
ヤツも分からないと告げると、ニールはデニス・フリンだという。
フリンファミリーの息子が現在ファミリーの再建を考えている
ようだという。そんな内情を知るものたちを葬りたいものが居るの
だろうと言うと、サムは事件について自分も手伝いたい事を語ると
出て行く。
ニールとピーターはこの件をどう思うか語り合う。
今はフリンの逮捕のことだけを考えたいというニール。
デニス・フリンJr.についてピーターはチームで話す。
この10年フリンは再建しようとしていたとし、組織犯罪班によると
ホワイトカラー犯罪にも手を出している様だというダイアナ。
ファミリーの稼業は元々酒の密造屋をしていたこと。禁酒法時代が
終わり高級酒の偽造を初めて、コンロイファミリーに販売を任せ
ていたのだという。デニスは自分の手は汚さないが、偽造には
自らも手を出しているという。その偽造品を見るとニールは
レタリングの浮き彫りがちょっと浅いことを指摘。ファミリーが
誇って繁栄していた時の象徴であり、儲けよりもプライドから
偽造酒を始めたのだろうという。デニスは現在腕のいい職人を
探しているとし、偽造酒の販売でデニスを逮捕しようとピーターは
語る。ピーターは拘留している間にエレン殺人の証拠を探し出せば
良いという。ニールでは心配だとしてジョーンズに密造酒の作り
方を教えてくれというピーター。エレンを殺した男を目の前にして
自制出来るのか?と問うと、出来る事を告げ、密造酒の作り方を
習得するにも時間が必要なので自分が直接潜入するというニール。
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ピーターとニールはエレンを殺害した人物はフリンファミリー
に関連し、息子のデニスJr.だとする証拠が挙がってくる。
デニスはまたフリンファミリーの復活を目論んでおり、獄中死
したフリンSr.の復讐の為にエレンや証言したニールの父・ジェー
ムズのことを狙っているものだと思われた。エレンの殺害の証拠
を掴みたいが、なかなか見つけることが出来ず、取りあえず
彼らが行っている偽造酒の件で逮捕しようと考える。しかしニール
としては酒の偽造くらいでは大した罪には問えないとし、エレン
の復讐にもならないと考えて、潜入する過程でなんとかして
証拠を掴みたいと考えていた。
ニールが美術品に精通しているだけでなく酒まで造れるというのは
ちょっと違和感が有ったな。酒の知識に詳しいというのは分かるし、
味に詳しいというのも分かるにしても、作るとなるとまた別な感じ
がする。
テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」で鑑定人達は古美術に
詳しい訳だけど、そんな彼らが同じように再現して作れるのかと
言われると出来る訳がないしね。手先の器用さはあるし、詐欺師の
腕は天才なので、場当たり的駆け引きは上手そうだけどね。
ドラマとしては、ニールとジェームズが如何に信頼関係を築くこと
が出来るのかというところに有った。
ニール自身の心の問題でもあるけど、これまで家族を不幸にしてきた
父親に対する不信感や憤り感が勝るのか、それとも父親を求める
気持ちが勝るのかの葛藤が行われている感じ。
それと同時に今回は、エレンを殺害した人物を目の前にして
逮捕の為にデニスと手を組むことも有るので、ニールが感情的に
ならずにミスを犯さないかどうかの心配も有った。
今回はジェームズから色々と情報を聞き出し、空白を埋める為に
ジェームズが紳士的に話をする流れが有ったけど、その情報が
何処まで本当のことなのか。こういうドラマだと、いつそんな父親
が裏切るのか分からないところも有ったりするんだよな。
息子さえも裏切るというのが生粋の悪。
「BONES」のブレナンの父は、改心した流れが有ったけど、
果たして父に全幅の信頼を寄せても良いのかどうか。
そんなジェームズのことを信頼出来ない理由はいくつも有る。
サムという偽名を使っていたこと。
そして何よりも金庫のことを気にしている流れがあること。
デニスが所持していたエレン殺害の銃に関してもなんとなく仕込ま
れた感も有り、この辺はジェームズがハメられた時と同じような
ことが起きている感じもする。
ピーターもまたマフィアのコンロイに成りすます姿が有るけど、
本物のコンロイの二代目たちは何をしているんですかね。
ピーターの姿はまるでマフィアにまるで見えない。
かつてコンロイとフリンファミリーが仲違いするエピソードの一つ
にブーツに銃を隠していたということが有ったらしく、その辺を
ジョークとして使うところは如何にもアメリカンって感じだったけど
ね。
サッチモへのエサの挙げ方が似ていることを通して親子だとして
いた流れが有ったり、エリサベズがサポートしたお陰で、ニール
とデニスの関係をつなぎ止めたことを考えると、エリザベスの
活躍もまた大きかった。
ニール・キャフリー (Matt Bomer) 天才詐欺師
ピーター・バーク (Tim DeKay) FBI知能犯専門チームの捜査官
モジー (Willie Garson) ニールの友人、犯罪者社会との深いコネ
ダイアナ・バリガン (Marsha Thomason) FBIピーターの部下
エリザベス・バーク (Tiffani Thiessen) ピーターの妻
クリントン・ジョーンズ (Sharif Atkins) FBI ホワイト・カラー・ユニット
リース・ヒューズ (James Rebhorn) FBI・ピーターの上司
ジューン (Diahann Carroll) ニールのアパートの大家
ジェームズ・ベネット (Treat Williams) “サム”、元ワシントン警察、父
デニス・フリン (Scott Evans) フリンファミリー/アイリッシュマフィア
若い頃のエレン (Sprague Grayden)
若い頃のジェームズ (Gregg Prosser)
若い頃のニール (Owen Elkin)
— (Kevin Nagle) Supervising Officer
バージニア (Elliott Brooks)
フリンSr. (Alexander Cendese)
ルーイ (John Palumbo)
フランキー (John Bianco)
— (Brian Donahue) ボディガード
— (Christopher Stadulis) 救命士