第17話 最期のワナ Acceptable Loss
脚本/ Ben Watkins
監督/Jonathan Frakes
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【前回までのあらすじ】
6年前ママを診た代理のセラピストがアンソン・フラートンだ
ったこと。アンソンはマイケルを首にした組織の最後の一人だ
という。そのアンソンがベニーを殺害。ヤツはオヤジにも近づ
いていたのだという。アンソンはマイケルに対して「君の父親
は君が思う程ヤツではないとし、子供の頃父の死を何度も願っ
ただろうとして、与太柴その願いを叶えてやった」のだと語る。
【ストーリー】
『スパイの人生は不幸な子供時代から始まる。危険と不安と恐怖
に満ちる家庭はスパイの予行演習だ』
マイケルとマデリンは父・フランク・ウェスティンの墓参りに
いく。お葬式以来にここに来たという。夫はお前を守っていた
のか。しかしマイケルはアンソンの話はアテにはならないと語る。
人を殺す事に躊躇いもなく、フィーを罠に掛けたヤツだと。
しかしマデリンには今思うと思い当たることが有るという。
フランクが亡くなる前、突然「マイケルは元気か?」と聞いて来た
のだという。気まぐれかと思ったが、でも一週間後に酒と心臓
の薬を飲み過ぎて死んだというのは辻褄が合うという。しかし
マイケルはアンソンはオレを惑わそうとしているんだと。
マデリンは違うとし、組織がお前を探っていることに父さんは気が
付いたのだとし、ロクデナシだが最後は息子を真ミッ他のだという。
マデリンは暫く落ち着くまでネイトの元にいることを語る。
アンソンの件はお前が止めなさいとし、これ以上アンソンの犠牲
者を出すなという。その為には弱みを見つけること。それは
どんな手を使ってもだとマデリンは語る。
フィーはマイケルに対してアンソンの尻尾を掴んだことを語る。
金の流れを追うのを諦めていたが、バリーが調べたのだという。
アンソンの金の300万ドルが6つのダミー会社を通ってブローカー
の口座にいき、そしてワシントンの法律事務所に入金されている
という。フィーは既に荷造りした事を告げる。
『法律事務所を使えばどんなに怪しいビジネスもマトモに見える。
独立性が高く警備は厳重で秘密を守るのがルール。』
フィーとマイケルは法律事務所からグレーのスーツの女性が出て
来るのをみて、アノ女性に扮しようと語る。マイケルにIDを
取ってきてもらいフィーがそれにすり替わるというもの。
マイケルは女性にスミソニアン博物館への道案内を尋ねる振りを
してIDを盗み出すと、フィーと共に事務所内へと入って行く。
彼女の昼休み中になんとか証拠を見つけなければならなかった。
事務所のファイルを調べるが、名前がなく番号で分類していて
なかなか見分けが付かなかった。アンソンと書かれたファイル
は一切なかった。しかしフィーはアンソンではないが知った顔
のファイルがあることに気が付く。それはヴォーンのファイルだ
った。ファイルは二日前に更新されたばかり。アンソンは
刑務所のヴォーンと手を組んでいるのか。
マイアミに戻るとサムにこの件を話す。
刑務所へぶち込んで二度と逢わずに済むと思ったのにまた逢う
のかというサム。一番厳重な独房にいること。アンソンがヴォーン
の資産を勝手に動かしているだけなのか。ヴォーンに逢うという
マイケルにグアンタナモに行くのかと問うと、フィーはピアース
に言えば連れてきてくれるハズだという。マイケルはジェシーに
頼んでファイルの数字の意味を調べてもらうという。
マイケルはジェシーに電話するとこの件はコッソリとやって
欲しいと頼む。
その頃ジェシーは国務省のイアンに呼びだされて待ち合わせ場所
にやってくる。イアンはジェシーに対して質問があるという。
君に関する噂を聞いたが、スパイ帽子チームを辞めてからも
マイケルと人助けをしているのか?と。ジェシーはそうだと語る
と、彼は退職する前に懲らしめたいヤツが居るのだという。
ヤシュ・アルワリアというインド領事館の外交官で、自分は
国務省の命令で自分が彼の不祥事の処理をしているのだという。
しかしそんな彼が外交官であることを良い事にダイヤの密輸に
手を出しそれに荷担させられているのだという。ジェシーは
違法な商売ならば手伝えないと語る。しかしウィーン条約を
使うと合法なのだという。警察は外交官を逮捕出来ず特権を
利用していること。上司に話したらどうかというが、もちろん
話はしたが目を潰れと言われたのだという。だけどこの記事を
見てから我慢出来ないのだという。「紛争ダイヤで数十人が死亡」
という記事だった。密輸だけでなく殺人罪も逃れているのだと。
今週に取引することになっているので証拠を押さえるだけで良い
のだという。しかしそうなると君も荷担されていたことを問われて
首になり年金もなくムショに送られるとするが、このまま退職
したらロクでも無しを手伝っただけで自分を許せないと語る。
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アンソンがウェスティン家の父・フランスの死について自分が
殺した様なことを臭わす中、マデリンとマイケルはその発言に
動揺する。マイケルはそれこそアンソンの作戦だとするが、マデ
リンは酷いことをされた今でも何処かで夫のことを信じたい
気持ちが存在していた。
そんな状況の中、フィーはバリーからの情報でアンソンの口座の
金の流れを調べていると、ワシントンにある法律事務所に6つの
ダミー会社を経由して振り込まれている事を知る。法律事務所
に行き、アンソンに関する情報を探りにいくと、ファイルの中に
はなんとかつてマイケルを陥れた組織の一人・ヴォーンの名前が
浮上する。
一方ジェシー絡みで定年間近の国務省の役人・イアンからの依頼
を受ける。インド領事館の外交員がその特権を利用して、密輸に
関わっているというものだった。密輸だけならばまだしも彼らは
紛争ダイヤを扱っていて、その村では数十人が死亡したという
記事を目にして、なんとかして彼の悪事を暴きたいとして協力を
求められるのだった。
アンソンの流れがかなり核心に迫る流れが有ったので興味深かった。
それとマイケルの父親って随分前に亡くなったものかと思っていた
のだけど、マイケルがCIAのスパイとして活躍していた時には
まだ生きていたのね。なんかその辺の事実に今更ながら驚いている
自分がいる。もう父親との件に関してはとっくの昔という印象が
有るのだけど、まだ6年くらい前のことなのか。
よく分からないけど、マデリンがセラピーを受けて居たのって
そんな父親が亡くなったから受けて居たのか。フランク自身も
セラピーを受けて居たようなことをアンソンは語っていたけど、
その辺の流れがよく分からない。
アンソンとヴォーンには繋がりがあり、その件を調べる為に
ピアースを巻き込むことへのちょっとした不安感を覚えつつ、
重警備刑務所のヴォーンをグアンタナモからマイアミのタンパ
に移送して面会することになる。ただこんな派手な流れを演出
すると正直アンソンには筒抜け状態なんじゃないかって感じだ
し、アンソンが復帰させようとしている組織は完成しそうな
ものだけど、そう言う流れもCIAとして流れを把握しているんじゃ
ないのかな。なんとなく都合の良いところだけ発覚したり
発覚しなかったりが続いているのが気になるところ。
上述するようにピアースとは相当関係性も近づいた事から、
大事に至る前にある程度の情報は話して欲しい感じもする。
マックスはその結果殺されてしまったのだろうけど、それでも
一人で対峙するには少々難しい流れが有りそうだね。
一方のジェシーの流れから始まる依頼人イアンの流れは、
国務省・外交官が関与する流れだったので、これまた容易では
ない流れが有った。マイケルが関与してしまうと途端に外交問題
に発展しそうな流れ。
ただ厳重警備だとしていたけど、サムが計画変更を余儀なくされた
際に突入する際の警備状況を見ると大したことがないって感じ
で特別なセキュリティがあるようにも感じ無かったな。
依頼人のイアンは「スキャンダル」ではシーズン1で猛威を
ふるっていたホリス・ドイル役のGregg Henryだったことも有り、
この人が男気溢れて、今まで役人で悪事も静観していたけど、
死ぬ前に良いことをしたいとした際には、なんかイメージが
違うって感じにも思えてしまう。Gregg Henryさん、つい先週の金曜日
のDlife放送の「キャッスル」S2-8で見たばかりだったので、
また出てきたって感じだった。
グリーンパーム銀行前でバイヤーから金を奪い取る作戦も
意外と安易なものが有ったけど、フィーの車とバイヤーとの今時
カーチェイスシーンとかアメリカでしか取れない迫力が有ったな。
フィーとサムが最近コンビを組むシーンが多く、この一連の流れ
でもサムがフィーに対して「助手席の鍵をかけて意地悪するなよ」
と語ってみたりフィーはサムに「マニュアル車を運転出来るの?」
と語ってみたり、果てはフェリシアの宝石店では店員のフェリシア
から二人が来店した際に「婚約指輪ですか?」なんて言われた際、
昔のフィーならばこんなデブと結婚する訳がないとして拒絶感を
示していたところなんだろうけど、この辺は忙しい事態だった
ことも有り、あまり否定しなかったな。
最後はタイミングの問題だった。
警察官が来ている際に撃たれていたのを目にすることが大切だった
のだろうし、自殺しようとする人がよく捜査官に向けて銃を
発砲しようとする姿勢を見せて撃たれるシーンが有るけど、振り向く
瞬間のあのスローモーションがまたなんとも言えない良さを出して
いた。
亡くなってしまったのは残念だけど、イアンが見せる信念はマイケル
のそれと通じているところが有り、ある意味では彼の父親の晩年の
ことを示唆している流れが有るのかなと思って見ていたんだけどね。
■使用された曲
・
マイケル・ウェスティン (Jeffrey Donovan) スパイ
フィオナ・グレナン (Gabrielle Anwar) 元・彼女”フィー”、武器商人
サム・アックス (Bruce Campbell) 元相棒
マデリン・ウェスティン (Sharon Gless) マイケル母
ジェシー・ポーター (Coby Bell) 民間の警備員
ピアース (Lauren Stamile) CIA捜査官
アンソン・フラートン (Jere Burns) 声・国防情報局勤務の精神科医
ヤシュ・アルワリア (Ravi Kapoor) インド領事館・外交官
イアン・コーヴェイ (Gregg Henry) 国務省
ヴォーン・アンダーソン (Robert Wisdom) 元組織
ブライアン (Zach Sale)
フェリシア (Karin Kelts) ダイヤ店
ガス (Tim Bass) 自動車修理工
— (Nishant Gogna) Yash’s Guard
— (Jerry Sommer) 捜査官
— (Tamara Jones) 捜査官
— (Jessika Brodosi) Petite Woman
— (Christopher De Stefano) Washington D.C. Businessman
— (Robert Schlegel) Armed Prison Guard
— (Mark Alan Ziegler) バーテンダー