第3話 新人モデルの悲劇 Inventing the Girl
脚本/Moira Kirland
監督/Dwight H. Little
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男女のカップルが噴水へ。
女性は噴水が大好きだとし、男性に入ろうと誘う。もしも
掴まえれば私を好きにして良いと。いざ噴水に入るが、そこに
は女性の遺体が有った。
マーサは朝から台本の練習にアレクシスとリックを巻き込む。
ブロードウェイの主役公演のオーディションが有るのだという。
合格すれば9ヶ月は不在にするとのこと。
そんな中リックに電話が鳴ると、「死」「殺人」「暴力」、
毎度お馴染みの事件だとして出かけるという。台本のセリフ併せ
が嫌なアレクシスは一緒に連れて行ってと頼むが、自分で隠れ家
を探せと語る。
被害者は白人の女性で裸のカップルが発見したというエスポジート。
バッグやID、そしてクツを履いていないという。クツは舞踏会
で遭った王子が持っているとし、カボチャの馬車を探そうと
いうリック。ケイトは周辺で聞き込みをするよう指示する。
ラニに対して死因を尋ねると、背中に刺された跡が有りそれが
致命傷だという。背が高くで美人、痩せすぎで、髪がバサバサ
アイメイクが濃いところからすると被害者はモデルで有り、
昨晩はクラブにいたのだろうとし、ファッションウィークが近い
のだというリック。イケてるスポットにはモデルが集まるとのこと。
手首にはデザイナー、テディ・ファローのロゴが有った。
ケイトは高級婦人服だというと、きっとショーモデルだという。
テディから話を聞く。
被害者の写真を見せると彼女はジェナ・マクボイドで、今日の
ショーに出演する予定のモデルだという。昨晩パーティーで
遭ったのに・・と。最近変わったことはなかったかと問うと、
多少不安定だったが、ストレスからではないかという。オハイオ
から出てきたばかりの子だったとし、彼女のことをブランドの
顔にしたいと思っていたという。しかし最近やたらと不機嫌で
不安定だったのでブランドの顔にするには早いかと考えていた
という。現場ではワイアットというカメラマンが写真を撮って
いた。
ジェナは誰とパーティーに行ったのかと問うとシエナだという。
クツは何を履いていたか分かるかと問うと、クリスチャン・ルブ
タンのピンクサテンのパンプスであり私が貸したものだという。
彼女のドレスは一点物だとして返して欲しいというが・・・
そんな中、リナはリックを見るとまさか会えるなんてと語る。
彼女は手に発売したばかりの雑誌を持っていた。
そこには「リチャード・キャッセルの新作「長い酷暑」」のこと
が掲載されていた。リナはサインして欲しいと告げると、電話
してくれとしてリックの手に電話番号を書く。
シエラに話を聞きに行く。
ジェナとは親友だったという彼女はジェナはショーのラストを
飾る人物だったという。今朝からずっと連絡が付かないとの
こと。彼女はパーティーに一緒に出て真夜中に出て行ったという。
彼女が最近不安定だったということに関して何か知らないか
尋ねると、明日に誰がテディ・ファローデザインの広告塔になる
かが発表されるところだったので過敏になっていたのではないか
という。私よりもジェナの夫のトラヴィスの方が事情に詳しい
のでないかと。
トラヴィスから話を聞きに行く。
夕べは23時頃ベッドに入り、彼女が帰ってくれば起こしてくれる
かと思ったという。しかし午前3時になっても帰らずに電話した
とし、警察にも電話したという。すると警察は48時間待たないと
届けは出せないのだと言われたという。一緒にパーティーに行って
いれば良かったという夫は、パーティーは嘘くさいヤツラの集まり
だったという。ジェナに危害を加えそうな人物はいたかどうかを
尋ねるとトラヴィスは警察の対応に不審がる。今までに僕らは
何度も届けを出して居るのだという。妻に気持ち悪い内容の手紙を
送って来たヤツがいて写真も撮られて見張られていたという。
妻はボロボロになり何度も通報したこと。しかし警察は決まって
重要な事件の方で忙しいと相手にしてくれなかったとのこと。
リックは手紙を見てソーホーの郵便局から投函されていると
いう。エスポジートはストーカーならば名前と住所を書くもの
ではないかという。そんな中写真の角度から向かいのビルの屋上
から撮影していただろうことを知り、ライアンとエスポジート
に調べるよう頼む。
帰宅したリックはアレクシスが、リックの新作小説を特集した
雑誌を持っている事を知る。パパの小説をベタ褒めしていたと
いう。母・マーサはどうしたのかと問うと、部屋で役者人生の
終演を嘆いているようだとのこと。話を聞くと希望とは違う役に
合格したのだというが・・・
アレクシスやマーサから、ファッションショーで知り遭ったと
いうリナという女性について尋ねられる。アレクシスは、
もしかしてリナは金髪で目が大きくて少し出っ歯の子か?と
問われる。なんで分かるのかと問うと、その人は私のベビーシ
ッターだった人だという。何度も一緒に映画「ハイスクールミュ
ージカル」を見たとのこと。カトリーナは”醜いアヒルの子”で、
大変身してモデルになったのだという。
ラニは被害者ジェナの死亡推定時刻を特定する。
午前2時から午前5時だという。パーティーは24時まで。
性的暴行を受けてないが、抵抗した跡が有り、腕には手にアザが
有りドレスを引き裂かれているという。頬にも殴られた痕がある
とのこと。凶器は少し変わっていて、長くて先端が尖ったもので、
普通の刃物とは違うという。四角錐みたいになっているとのこと。
傷口からガラス片が見つかる。まるでワシントンの記念塔みたいな
傷で凶器なのかとリックは語る。
そんな中ケイトの元にエスポジートらから電話が鳴り、屋上から
大量の煙草の吸い殻とソーダ系の飲み物缶、デジカメ用のメモリー
カードの空き箱が見つかったとのこと。指紋を鑑識に回すよう
指示する。
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ファッションウィーク中のニューヨークで女性モデルのジェナが
殺害されて発見される。親友・シエナや夫・トラヴィス、デザイナ
ーのテディから話を聞いていくと、みんな共通して最近本人が
精神的に不安定な状況に有ったということ。オハイオから出てきた
ばかりで厳しい業界故に神経質になっていたのかと思われたが、
その裏では彼女を狙うストーカーらしき人物がいたことを知る。
しかし全国レベルのモデルではなく新人のモデルにストーカー
するのは変ではないかとして疑いを持つ。そんな中被害者の
体内から微量のアルコールと共にアドマールというアンフェタミン
の一種が検出される。注意欠陥障害者に処方される薬だが、
モデルの間ではダイエット薬として利用する人も多いのだという
が・・・
うーん、面白かったかと言われるとそうでもないし、つまらなかった
かと言われるとそうでもない感じのエピソード。
そもそもこのドラマを視聴している自分の中のモチベーションの低さ
を感じる(笑)
友達とか支えてくれる人がいればこんな事件は起きなかったのでは
ないだろうかという視線を投げかけつつも、実際には事件を起こして
しまったのは夫であり親友でありと、人間関係による複雑で面倒な
感情的側面が悲劇を喚起してしまうというものだった。
アレクシスのベビーシッターだったリナが、成長したことで確変し、
モデルになっていたということで、変化とか成長を感じさせる中、
都会に出てきたことで変わってしまった妻のことを憂いて殺害して
しまうという流れが存在した。しかし実際には殺した夫の早合点で、
親友だとするものがドラッグを盛り込み、出し抜こうとしていたこと
が発端となっていた。
妻がモデルなど花形職業をしていると、夫としても余程しっかり
して自分に自信を持っていないと妻を信じて支えることは難しい
のかな。
キャリアを巡り親友同士が出し抜こうとしているのではないかと
いう動機に関しては、このドラマの刑事よりも先に視聴者は
感じているので、リックたちの捜査官としての閃き度にはやや
ヤボったいものが有る。
広告塔になれば凄い影響力が有るということで、
映画「リプリー」「戦慄の絆」「ショーガール」などが取り上げ
られた。
物の価値感というものを改めて浮かび上がらせるものが有り、
捜査の過程で色んなものを眺める価値感の違いが人となりとして
現れていた。
服に関して「たかが服」と称するものがいれば、それは「文明だ」
と語るものも居る。出世の為にカメラマンによく映してもらう為の
便宜を図る為に、体の関係を持つことの是非に対して、「たかが
セックス」だと言いきるものも居る。
「モデル」という職業そのものも、ケイトにとってはウェイトレス
よりも金が儲かる仕事の一つだったとして、17歳の頃の一夏の経験が
暴露してしまった訳だけど、人には色んな価値感が存在しているな。
この辺はドラマではよく有る身内ネタって感じだった。ただそのこと
を恥ずかしいと思うケイトのちょっとした嫌みさ加減も感じられる
し、リックの小説が常に絶賛されていることへの違和感が感じるとこ
ろ。
身内ネタでは、エスポジートたちがやたらとリナに興味を持って
ニヤニヤしていたけど、彼らにはリックに近づいた女性がシッター
だと知っていたのだろうか?それとも女性の影がリックに近づけば
ケイトとの間でまた面倒が起きると思ってわくわくしていたのか?
「ビッグ・リックにとっては彼女が貞操対もしているのも同然」
とケイトがピシャリ。
ケイトが終始不機嫌な顔をしていたけど、実際にはリックの新作本
に関して、先ずはいの一番に読ませてくれるのが相棒なのではない
かとする彼女からの視線が浮かび上がる。
また事件解決しても晴れない心を通して、ケイトがリックに対して
こんな時にニッキー・ヒートならばどうするか?と問う流れが有り
「家に帰って強い酒を飲んで風呂に入って本を読む」ことを語り、
リックの世界観の中に見るケイトの行動の中に、ヒントを見出して
自我を取り戻そうとするところは、このドラマの良さなのかも知れ
ないけどね。
※ワイアット演じるJeffrey Pierce。
過去「プライベート・プラクティス」をレビューした際に取り上げた
のでそちらを参照あれ。
http://itawind.web.fc2.com/kaigai/p/privatepractice209.htm
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ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課の刑事
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ロイ・モンゴメリー (Ruben Santiago-Hudson) 警部
ワイアット・モンロー (Jeffrey Pierce) カメラマン
トラヴィス・マクボイド (Matt Barr) ジェナの夫
シエラ・グッドウィン (Torrey DeVitto) モデル、被害者、オハイオ出身
リナ (Shanna Collins) モデル、かつてアレクシスのシッター
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