第3話 金持ちな患者 Charity Case
脚本/Sara Hess
監督/Greg Yaitanes
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トリーナは就職斡旋所・フェニックス財団で働く。依存症のもの
を更生させて社会に復帰させる為に仕事を覚えさせて就職させる仕事。
ベンジャミン・バードはそんなトリーナの元を尋ねると、
昔クスリをしていても再就職に問題は無いのかと問う。トリーナ
は恥じることではないとし、依存と戦っている事も多く克服した
いならば力になるという。子供が居たらどうすれば良いのかと
問うベンジャミンは、娘を預けたい時にはどうすれば良いのか
と問う。するとトリーナは残念ながら託児所までは手が回って
いないとし、資金がなくて手が回らないのだという。
そんなベンジャミンは、フェニックス財団宛に封筒を残して立ち
去る。トリーナはそれに気が付いて封筒を開けるとなんと100万
ドルの小切手が置かれていた。急いで外に出るトリーナはベン
ジャミンを追いかけると彼は突然歩いている最中に倒れてしまう。
ハウスはシェーバーを使って病院で髪の毛を短くしていた。
パクは何故こんなところで髪の毛を切るのかと問うと、ウチで
切ると掃除が面倒だろうと語る。新たな門出に切っていること
を語ると、新しい生活を気に入っているということなのかと
問われる。私は正式採用なのかというパクに対して、今日のケース
をどう診断するかで首かどうかを決めるという。
患者は何時間も歩いた状態で倒れて居ること。今日は暑いし
朝食を取っていないという。ERでの検査では異常はないとし、
単なる脱水症状ではないかという。しかしハウスはベンジャミン
が金持ちだという事を知り、サイフを調べることにしたのだとい
う。金持ちだから引き受けたのかと告げる中、アダムス医師も
またハウスのオフィスにいた。ハウスはパクに対してカルテを
彼女に渡せと語る。チームで診断するのがオレのやり方だという。
ジェシカはハウスからコーヒーに誘われたので来ただけだとい
うが、まさかセックスも期待してきたのかと問う。ジェシカは
お喋りをするのかと思ったとすると、ハウスは医学の話を
するのだと語る。しかしジェシカはここでは働かないことを
告げ、給料の出る仕事を探しているのだという。確かに無料診断所
でたまに働いてはいるというと、ハウスはこれを今日の無料診断
だと思えば良いと語る。パクはやっぱり患者は脱水症状なだけ
ではないかと。刑務所で働いていた時にオレの言うことを聞いて
どうなったのかと問うとジェシカは首になったという。しかし
ハウスはそれを否定し、命を救ったのだと語る。
ベンジャミンは超音波検査をすることになる。
いきなり倒れるのは心筋が弱っている証拠だという。
ベンジャミンに対して貧乏なフリをするのは辞めてくれというと、
良いスーツで現れると相手は媚びるだろうという。何百万ドル
も持っているのにスーツが一着もないのかとすると、全て寄付
をしたのだという。有意義に使うのが良いとし、最初に寄付
したのは1千万ドルだという。その後も続けて寄付しているとの
こと。ベンジャミンは2万5千ドル有れば一年は暮らせる額だと
し、ワンルームのアパートと定期券、リサイクル店が有れば
十分だという。ソフトウェア会社も持っているが、もっと
稼げるようになったらそれも譲ろうと思っているとのこと。
パクはイカれているという。ジェシカは寛大な人なんだという。
神経に問題が有るのろうというパク。心筋症は陰性で脳梗塞や
出血の所見も見られなかったという。彼ほどの金持ちならば
普通はペットの肖像画を画家に描かせたりするのだろうし、
ベンジャミンは快適な暮らしを犠牲にして人を助けていると語る。
それは良い事だとして病気ではないというジェシカ。しかしパク
は考えが甘いとすると、ウチの親は移住してきた時には800ドル
しか持っていなかったという。節約と借金で良い学校に通わせて
くれたのだという。
そんな中、フォアマンはハウスのオフィスにやってくると、一体
何を企んでいるのかと問う。ハウスは偏見だとしてフォアマンに
文句を言う。最低4週間は好きにさせてくれるものだろうとする
と、フォアマンは患者から金をだまし取ろうとしているのかと
問う。チームを呼び出す為、オフィスを取り戻す為かと告げる
フォアマンは、隣さんがいて、部下は一人ボランティアが一人
なのが現実だと語る。そのウチの一人も仕事が見つかるか、
貴方に愛想を尽かすかまでしかいないだろうという。ハウスは
チェイスとタウブに声を掛けたら戻っても良いと言ったという。
サーティーンには声をかけないのかと問うと、彼女は戻さない
という。寿命を考えたら長くは雇えないだろうという。フォアマンは
単に電話をかけられないのではないかと疑う。
そんな中患者についてコンサルする。原因不明の意識喪失に心筋症や
無酸素症、くも膜下出血の可能性があるというハウス。しかし
フォアマンはこれは脱水症状だとして退院させるよう告げる。
他に症状が有れば別だが・・というフォアマンに対して、パクは
極度の利他的行動を取っていると語る。
ハウスは新規の患者全員の資産を調べろと語る。
そんな中サーティーンが病院にやってくると、ハウスに対して
私は戻りませんよと言いに来る。もう電話しないでくれとし、
17件のメッセージは感動だったが・・という。チーム再結成する
というと、いつもならば家にまでやってきて食らいつくハズ
のハウスの行動が変だった。監視装置のせいなのねというと、
私はもう医者は辞めたのだという。肉体的にではないという
サーティーンに対して、男が出来たのか?とし、残された時間
を楽しく過ごすのかと問う。その彼と一緒にタイにいくのか?
と問うと、サーティーンは相手は女性(エイミー)であり、行くのは
ギリシャ/ミコノス島だと語る。
もう電話はしないでと語ると、ハウスはわざわざ遭いに来たという
ことは気持ちが揺れているということではないかと問うと、
オレは言葉よりも行動に耳を貸すと語る。行動の方が正直だと
いうハウス。
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フォアマンが医院長になったプレインズボロ病院。
ハウスも取りあえず仮釈放中の身でありながらも病院への
復帰が認められ、診断チームを戻したい考えを示す。しかし
フォアマンから前回ハウスのチームに予算は配分出来ないこと
を言われ、資金不足からチームのメンバーを増やせないことが
障壁となっていた。チェイスとタウブに声を掛けたところ、
金さえ有れば戻ってこれることを確認していたハウス。
ハウスは運ばれて来た患者が金持ちで、多額の寄付魔だと知り、
自分達にも寄付してもらおうとして色々と奔走するが、ウィルソン
やフォアマンは病気の相手からそんな施しをしてもらうのは
辞めるべきだとして止められるのだった。ハウスは病気ではない
とするが・・・
それそれの心の中にある他人に対する気遣いの程度を図るような
エピソード。
人によって考え方は様々だろうけど、自分にとって一番大切で大事
なものは何なのか。
患者は「プリズン・ブレイク」のWentworth Millerだった。
彼、ハウスが囚人となっている一話に出てくれば面白いものが有っ
たけど、流石にそれは狙い過ぎに見えるか。
それにしてもWentworth Millerは「プリズン・ブレイク」以降も
あんまり役に恵まれないというか、ゲスト出演での形が多いですね。
ドラマとしてはなかなか凝りに凝っていて面白かったけど、
相手の裏の裏を読んで行きすぎて、なんだかよく分からないもの
が有ったな。
大事なものってなかなか手放したくはないハズなのに、患者はどん
どんと其の身を削っては施しを与えていく。「アンパンマン」の
様に再生出来れば良いのだけど、金はともかく臓器まで提供する
のは流石に行きすぎた行為。ただこういう行動が、本当に神経疾患
などを通じて現れるものなのかというところに疑問点が有った
ので、なかなか入り込めないところも有ったのかも。
色々と感情が抑制できずに、嘘がつけなくなる患者というのが
以前に出てきたけど、他人を助けたくて仕方がなくなるということは
現実に病気を通して現れるものなんだろうか。
病気で性格が変わりそうなる人よりも、元々そういう人が中には
居るという方が確率は高そうな感じはする。ドラマの中でも腎臓を
提供したいとしてくる人が年に数名いるみたいなやりとりが有った
わね。
チームハウスの中で初めての再会はフォアマンを除いてはサーテ
ィーンだった。そもそもチーム解散後、みんなが何をしているのか
まるで語られることがないので気になっているのだけど、
サーティーンはともかくチェイスとかタウブって病院内の別の科
で働いているんですかね。
ハウスが途中で「チャーリーズエンジェル」と語っていたけど、
サーティーンが参加したことで成立。
ハウスが突っ込む前に自分も見ていて、今回は女性3人の構成で、
患者もイケメン。いよいよ視聴者に媚びうる為の構成かと
思わせたけど、サーティーンは今回だけの参加になった様だ。
流石にサーティーンが衰え行く姿を見たくはないので、出来れば
幸せに暮らしていることを想像させる作りにはして欲しいけどね。
意外と腹黒いのはジェシカだった。
人間観察とか実験とか好きな人じゃないとここではやっていけない
のだろうか。パクがコーヒーをもらうことを拒んだ時に興味を
抱いたということをハウスに語る。そのハウスは清掃員に二階から
ゴミ投げつけるという以前にも見られた行動を見せていた。
勝ち気な性格故にハウスも彼女が気に入ったのだろうけど、
上手い事、ハウスの車の修理代金を払わせるという流れを
パクに強要して作らせていたみたいだ。
今週のDlifeの「LAW & ORDER クリミナル・インテント」のS5-14
が「強欲な白人」で有り、そのドラマの中でのジェイは、ロビースト
をしていて、賛成派と反対派の両方からの依頼を受けてバランサー
的役割を果たしていたのだけど、ハウスはまさにこのタイプだね。
今回のハウスは分かりやすいようにして、相手の行動に対して
その意図を3つくらいに分類して、行動心理を探る姿が有ったね。
またウィルソン先生がTPOに合わせて、優先させるべきことに
対して都合良く主張を切り替えていたところが印象的だった。
罪悪感につけ込んでハウスはチームにサーティーンを呼び戻そうと
するも、本人にその意思を確認する際に、「分からないわ」という
サーティーンに対して「お揃いのTシャツオーダーをしたいんだ」
と語るところが笑えた。最初の頃は電話して、「画面がブルースク
リーンになっちゃった」とか「来る時にはフナンパレスに寄って
焼きそばと四川風牛肉炒めを買って来てくれ」とし、自分はいつも
病院のカフェで食事しているとしてサーティーンの罪悪感を
喚起していたね。
フォアマンにしても患者にクスリを盛ったであろうハウスの行動
を疑ってかかり、互いに7年間の師弟関係を主張していた。
「7年間あなたの下で働いた。やり口は分かっている。タイミング
よく症状が現れるように仕組んだんだ」(Fore)
「オレは7年ボスだったんだ。お前がどれだけ疑り深くて頑固
なのかは分かっている。馬鹿なマネをして刑務所に戻ると思うか?」(H)
しかし相手の反応を探る為に、色々と嘘を付くというのはなんだか
解せない感じもするところも有ったかな。人間は追い込まれないと
何処まで本音なのか分からない。
ラストで患者も死を直面して、大事なものが分かったとし、
家族を愛しているので傍にいたいとする流れ・主張が、そのまんま
サーティーンに該当して、ハウスも察していく流れが有って、
なんとも言えない良さがあった。
■今回の患者
・ベンジャミン・バード (以後ベン)
ソフトウェア会社で財を成した人なのかな?
何がきっかけでそんな寄付するように至ったのかイマイチよく
分からない。最後にハウスがごちゃごちゃ説明していたけど(笑)
走行中に倒れて運ばれて来た。
脱水症状ではないのか。いきなり倒れるのは心筋が弱っている
とするのはジェシカだった。しかし心筋症は陰性、脳梗塞も
出血の所見も無し。これだけの寄付をすることには神経に問題が
あるのではないかと疑う。
「原因不明の意識喪失」。
心筋症と無酸素症は除外されたが、くも膜下の可能性は僅かだが
有るという。脱水症状だとしていたのはパクとフォアマン。
しかし極度の利他的行動にはどう説明を付けるのか。
退院させることになるがその前に最後の検査。
ジェシカはベンがあまりに利他的なので恐いと語る。
自分も国境医師団に入りたいと思っていてその行動は自己犠牲
だとしているが、パクはジェシカは恐いのではなくて、罪悪感を
抱いているのだという。
リクルートメントと交渉派は異常はなく脚は正常だと告げた途端
に胸が変だとして頻脈に陥る。心拍数が185まで上昇。
抑える為にアデノシン18mmを投与。
— 次の日 —
ちょうどこの辺で次の日に時間が進んでいた。
ジェシカはコーヒーを持ってパクにもそれをプレゼント。
それぞれの診断では・・・
「潜在性QT延長症候群」ジェシカ。「ホイップル病」パク
ハウスは本能に逆らうのは神経症状だが、施しするのはただの
バカだという。
患者はアレルギーの薬を飲んでいるので、薬がQTを誘発した
のではないかという。ハウスは抗ヒスタミン剤を体外に排出
して、心電図を取れと命じるが、ハウスは「やっぱり自分でやる」
と告げる。<——この辺でハウスは薬を盛ったのか(笑)
ハウスはベンに寄付の打診にいくと、いきなり100万ドル寄付
するという。それは計画の第17段階で得られる予定のものだ
としてハウスがまた詭弁を垂れるところが笑える。
ハウスの良心は一応この段階でウィルソンにもらって良いか
どうかを聞きに行ったことかも。
倫理的に正しさを求めることに対して、「ここはカナダか」と
語るけど、カナダ人は礼儀正しいという認識がアメリカには
有るんですかね。自分が取り上げた別のドラマでもカナダ人か
という突っ込みが過去にも有った。
QTはコントロールが難しい病気だとする中、今度は「手が震える」
症状が出る。
現時点で、「不整脈、失神、筋肉の震え、精神的変化」が有った。
症状を勇払している可能性のリストを作る中、症状は回復して
来ていた。パクは「結節性多発動脈炎」を、ジェシカは「エコーウ
イルス」を指摘し、抗ウイルス剤を打つことに。
プレコナリルの投与。
患者は生活の質を落としてろくなものを食べていないということで
マグネシウム欠乏症を疑う。採血して電解質組成を調べろという。
しかしこの辺でホイップル病の可能性に関して、サーティーンと
ハウスとパクの間でのやりとりが笑えたね。ハウスは否定して
いたけど、サーティーンがパクのことを指示するかのようにして
ホイップル病説に該当する事を語る。
内視鏡とPCL検査で確定しろとのこと。
しかし内視鏡で病変はない。PCR検査をする。
しかしそこでもトロフェリマホウィッツペリは見つからないという
ことでホイップル病ではなかった。
腎臓を移植しようとするがその最中にまた血圧が上昇。
手術は中止になる。
フォアマンはタイミングからして、ハウスが薬を盛ったであろう
ことを指摘。否定するけどフォアマンの言うとおり盛っていた。
「バセドー病」か「甲状腺疾患」か。
しかし入院時に調べた際に甲状腺ホルモン値は正常だったという。
「ユクサッキーB群」なのか「ポルフィリン症」なのか。
「急性間欠性ポルフィリン症」ならば説明が付くという。
ヘマチンを投与。
そして最後はハウスとウィルソンとの会話の中で、
甲状腺疾患だとして、「プランマー病」だという。
結節が甲状腺ホルモンに過剰に分泌しているものがあり、結節を
切除すれば治るということだった。
■その他
・
■使用された曲
・The Ballad of El Goodo
Performed by Talia Osteen & Dov Rosenblatt (The Wellspring)
グレゴリー・ハウス (Hugh Laurie) 偏屈な医者
エリック・フォアマン (Omar Epps) 黒人、ハウスにイジメられ
ジェームズ・ウィルソン (Robert Sean Leonard) 腫瘍科、ハウスの親友
チ・パク (Charlyne Yi) 脳外科医、ボスを殴る
レミー・ハドリー (Olivia Wilde) “サーティーン”、ハンチントン病
ジェシカ・アダムス (Odette Annable) ジョンズホプキンスで研修した医師
— (Bobbin Bergstrom) Nurse
ベンジャミン・バード (Wentworth Miller) 患者、富豪
Dr.ロン・シンプソン (Ron Perkins) バネッサの担当医
トリーナ (Toni Trucks) ホームレス再就職支援
キャロル (Rene Hamilton) 母
ケイト (Joanna Strapp) ベンジャミンの妻
エイミー (Jaclyn Jonet) サーティーンのパートナー
クランシー (Niko Baur) 手が湿疹の少年
— (Dan Zins) Patient