第21話 残される者 Holding On
脚本/Russel Friend、Garrett Lerner、David Foster
監督/Miguel Sapochnik
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朝6時30分のアラームでウィルソンは目が覚めるがベッドから
はなかなか起き上がろうとはしなかった。ウィルソンはハウス
に対してもう化学療法は辞める事を告げる。ハウスはそれは
いい考えだとして5ヶ月後には死ねるぞと。あれだけキイツ治療
でも効かなかったのだから後5ヶ月でも普通に過ごしたいという。
例え一年生き延びても病院で激しい痛みに苦しむのは耐えられ
ないという。2週間置きに化学療法を続ければ一年以上生きられ
るとし、上手く行けば2、3年は生きられると説得するハウス。
しかしウィルソンはすまないと語ると、ハウスは絶対このまま
死なせないぞと語る。
ハウスは病院へ。
フォアマンがやってくると突然経営リサーチによると軽い付き合い
からいい考えが浮かぶそうだとして、先生のシーズンチケット
だとして手渡す。開幕は10月8日だぞとし、ウィルソンの寿命の
切れる一ヶ月後だという。お前がウィルソンの変わりをしたいの
だろうと。フォアマンは先生が心配だとすると、俺ならば多分ボロボロに
はならないという。
ハウスのオフィスにタウブ、アダムズ、パクがいた。
46歳の腫瘍科医が治療を拒否しているとしてハウスはみんなに
語るが、アダムズはフォアマンが患者を回してきた事を語る。
普段通り仕事をして欲しいとし、続けられる限りはこのままの体制
でいかせたいのではないかという。ウィルソンが死にかけて
チェイスが辞めたっていうのに普段通り仕事が出来るのかという
ハウス。
タウブは患者は19歳のチアリーダーのデリック。大量の鼻出血
と目眩で運ばれて来たという。ハウスは親友が死にかけている
ことを忘れられたと皮肉る発言。頭部CTは正常だというパク。
ウィルソンを終わりのみ去るバカから終わりの見えないウザイ
ヤツに変えるにはどうすれば良いんだ?というハウス。
はかしタウブは軽度の脳卒中なのか、神経症状も物を落とすかも
知れないという。俺の親友が命を絶とうとしているのだとすると、
アダムズは尊厳のある死に方をしたいんですよと告げる。
そんなの無理だというハウス。どうしようも無いとし、先生に
出来るのは受け入れるか激しく悲しむかだというアダムズ。
ハウスは正中線肉芽腫だというとPETスキャンをしろと語る。
視索に病変は見つからないというタウブ。このケース、他の人に
任せた方が良いのではないかというパク。モニタを見ていたタウブ
は側頭葉が活発に動いているとし、聴覚野だという。何かが
聞こえているのだろうというタウブ。
ハウスはウィルソンの元へ。
フォアマンがデートを誘って来たとすると、お前がヤツに頼んだ
のだろうという。コーヒーに何かを入れたのか?というウィルソン
は眠りだしてしまう。5ヶ月先の俺がそんなに心配ならば5ヶ月後
に死ななければ良いんだよという。眠らせるとウィルソンに
薬物を点滴で注入する。
タウブたちがやってくると、鎮静剤を打っているだけだという
ハウス。タウブは患者は幻聴が聞こえるようだとし、本人は否定
しているがスキャンが証拠だというアダムズ。年齢から統合失調症
かも知れないというパク。腹部を調べて確定しろというハウス。
パリ分析は既に依頼したが薬物原因かもというタウブ。しかし
アダムズは薬物検査はシロだったという。ハウスは住んでいる
寮を調べろと指示する。
フロイドというルームメイトが薬物でラリッていた。
ルームメイトのデリックのことを尋ねる。もしもルームメイトが
病気になるとしたらどんなドラッグが原因だと思うかというタウブ。
デリックはドラッグはしないという。アダムズは机の奧から男児
の写真を見つける。なんでこんなものが入って居るのかと。
アダムズたちは病室に戻るとデリックから話を聞こうとする。
聞きづらいことなので同行している彼女・コートリーに退席
してもらおうとするが、彼女なので一緒にいてもらっても良い
という。部屋からこれを見つけたがどうして引き出しに隠して
いたのかと問うと、それは弟のクリストファーだという。10年
近く前に死んだんだというと、幻聴は弟の声なのか?と問う。
ウィルソンが目覚めるとハウスは語る。
「見よ!あの方が復活なさった。」それを聴いたウィルソンは来週
になると髪の毛が抜けるのかと問う。俺は一時的に死ぬ経験を
させただけだとして、どう思ったのかと問う。死んでない、意識
を失っただけだというウィルソン。夢も見ず、考えもせず、何一
つ体験しなかったら死ぬとはそういうことだとし、無の世界で
果てしなく続くのだというハウス。プロポフォールの効果を
試したんだろうというウィルソン。死んでも終わりじゃないと
でも言うのかというハウス。何もしない方が煩わしいよりマシ
ではなく「天使が待っている」ってか?と問い、また理にかなわない
からかと問う。君の考えを変えるつもりはないが何よりも僕の
考えは変わらないというウィルソン。
天国なんて無いし地獄もない。死んだら魂が胴体から抜けだして
大いなるエネルギー体に融合するなんてこともないんだぞと
いうハウスに対して、ウィルソンは出て行ってくれと語る。僕は
この20年間患者の手を握ってきたのだとし、死んで行く人たちの手
だという。彼の表情を見て来たから分かるんだ・・人間は化学物質
の塊ではないと。
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ハウスはウィルソンがガンの化学療法を辞めると聞いてショック
を受け、なんとかして化学療法を再開させようとする。治療を
辞めれば半年も持たない状態だが、ウィルソンは傷み苦しむこと
を耐えられないことを告げる。ハウスは絶対にこのまま死なせない
として色々と対策を講じて説得していく。そんな中病院には、19歳
のチアリーダーのデリックという青年が大量の鼻出血と目眩によっ
て運ばれてくる。ハウスは親友が命を絶とうとしているのに患者を
見ているヒマはないとするが・・・フォアマンは苦肉の策で自分が
ウィルソンの変わりとなるべくして、チケットをプレゼントしていく
が、そのチケットの日付がウィルソンの寿命が尽きる頃だと知り、
彼の思惑を知ってフォアマンに対する怒りも同時に”イタズラ”の
形で現していく。
ついに長年楽しんで来たドクターハウスも残り2話。
レビュー・あらすじを書くのが面倒臭いドラマだけど、もうそれ
も慣れて来た感じもするし、このドラマの本当の意味でドラマを
楽しむ為にはかなりの集中力が必要で、複数の流れが同時進行
している状況の中で、一つのテーマとして割り出し、それが何か
ということを見極めながら見ていくとホントこのドラマの楽しさ
が分かるものが有った。
色んな困難をハウスにぶつけてきたけれど、物理的な傷みに耐えて
来たハウスも精神的傷みにはどこまで耐えられるのかって感じで、
ガンであるウィルソンの方が死に対して受け入れている状態に
対してハウスの方が悪あがきをするというところがなんとも言えない
ところ。行き違った性格の差なのか、それとも長年腫瘍を扱って
きたものと診断チームで戦って来たものの違いなのか。
ガンも最近では退治出来るものが多いと聞くけど、ウィルソン先生
のガンって結局化学療法では小さくならなかったのだろうか?
その後に執刀して患部を切るような段取りになっていた気がするん
だけど。
前回の荒療治は相当ウィルソンの心を折るだけのインパクトのある
エピソードだったけど、あれを耐え抜いたのだから頑張って欲しい
ような気がする。人の死というのは本人だけの問題じゃないんだよね。
で、気になるのはやはりその人となりの思惑の違いかな。
ハウスが本当に求めているのは、ウィルソンの命なのか、それとも
ハウスが自分の親友が居なくなることへの自分本位によるところが
大きいのか。ウィルソンもまたハウスからの影響を解かれる為なの
か、それとも生きる事に疲れてしまったのか。
ハウスはウィルソンに色々と生きる為に説得工作をする。
・鎮静剤を打って疑似的に死を経験させたこと。
・ウィルソンがこれまで助けたとする患者を登場させて説得しよう
とさせたこと(全部サクラだったけど)
・サーティーンを登場させて死ぬ実感について尋ねたこと。
・実家の親に電話してウィルソンに連絡を入れてくれと語ったこと。
・登山に二人で言った時の思い出・・オレオを食べて凌いだこと。
その間にハウスを説得する流れというのも多く存在していて、
・フォアマンはシーズンチケットを用意してハウスを慰める。
・アダムズは尊厳のある死に方を認めるべきこと
・サーティンは友達ならば決断を尊重すべきこと。それが忠誠だと。
・ウィルソン本人は、「僕には友達が必要、君に傍に居て欲しい。
言って欲しい、僕の人生に価値が有ったと。そして僕を愛していた
と言って欲しいと。」お前が戦わない限りは言わないとしていたし、
最終的にはハウスが折れて、
「そろそろ認めよう。お前の方が賢い。でも愛してるは言わないぞ。」
サーティーンがハウスの元に戻ってきた時には、放蕩娘が戻ってき
ましたよ~としていたけど、久しぶりに見るサーティーンは
ブロンド色に髪の毛を染めていたね。プロポフォールを打って
欲しくて来たのかと問う姿が有ったけど、ハウスはサーティーン
が死にたい時には自分が死なせてやると約束していたんだっけか。
忠誠心について話合う際に、親友でもないのにあそこまで私のことを
思ってくれた人は居なかったとしてハウスのしたことの行動の意味
も説いていた。
■
ハウスがフォアマンに対して行ったイタズラ。
最初はオフィスに水が溢れてくる程度だったけど、トイレに水が
溢れて最終的にはMRI中に天井から水が流れ落ちてきて大変な
ことになっていた。ハウスはあのチケットだけを使ってここまで
凄い破壊工作が出来たのだろうか?
■
タウブは早いところ転職の準備をする為にフォアマンに推薦状
をもらおうとしていた。
パクはハウスが患者を殺そうとして首を絞めた際に、杖で思いっ
きり頭を叩いていた。
「先生はいつでも真実を追究するが真実は時に毒になる」という
パクのセリフ。
■
フォアマンが最後の説得
ウィルソンとハウスは結局仲違いしてしまった。
ヤツとは終わったというハウスに対してタウブは見捨ててはダメ
だと語る。見捨てようとしているハウスに最低の行為だとするが、
「俺は毎朝苦しんでいる。仕事に行くときも何回諦めようと、
何回死のうと思ったか」と。そう言われるとタウブも言い返す
言葉もないね。
ウィルソンは一両日中に病院を辞めるとして辞職を出していた。
「ハウスは僕の子供じゃない。ハウスを幸せにする責任は僕にはない」
そんなウィルソンに対してフォアマンは
「責任は有ります。この20年、あなたには3人の妻がいて、同僚
は何百人、患者は何千人もいた。でも親友はずっと一人だ。」
「人生を豊かにするのは化学療法じゃない。思いやりだ。大事な人の
為を思って苦しみに耐える。それが人生では?」
■
ラストの試練
ハウスが今回チケットを使ってトイレを詰まらせそれが大騒動
に発展した。フォアマンとしても内々に処理しようとしたけど、
結局仮釈放違反でハウスは5ヶ月刑務所に戻ることになる。
これって実はハウスがウィルソンに戻るまで治療して生きていて
欲しいとする願いから起こしたことなのではないか。策士のハウス
の最後の行動だったりして・・・
■今回の患者
・デリック (19歳)
チアリーダーをしていて彼女にはコートニーという女性が居る。
鼻血と目眩で来た患者。
肉芽腫を疑いPETスキャンの際に側頭葉が活発に動いていて、幻聴
が聞こえているであろうことを掴む。本人はなかなか認めようとは
しない。薬物によるものか統合失調症なのか。
彼の寮の机の中には弟のクリストファーの写真が入って居て10年
近く前に飲酒運転の車に轢かれて亡くなったという。
父は酒に溺れてしまったし、母親は弟をなき者として頭の中から
排除することで悲しみから逃れようとした。
症状は10年続いているということから側頭葉てんかんなのかと疑う。
検査する際に照明をチカチカさせたけど脳波に異常はなかった。
しかしそんな状況の中右目が見えなくなる。
アダムズは目をゴシゴシしていたけど、さっきまで斑点が見えて
いたという。目の裏にある動脈の血栓症ではないかというもの。
患者の症状は生理的なものなのか心理的なものなのか。
悲しみを避けたことであらゆる不安障害を起こしてそれが身体
疾患として現れたのではないかというパク。
感情を抑圧した方が悲しみに浸るよりも問題に上手く対処出来ると
証明されていると語っていた。
真性多血症か、ホジキンリンパ腫なのか。DICも発症したのか。
検査をする。血液検査と髄液検査。黄色っぽければくも膜下出血が
疑われるとしていた。声が聞こえるのには理由が有るハズ。
パクは声が聞こえることに関しては専門科医に診てもらうべきこと
を提言。
デリックの母・ジェンがやってくる。
極度の偏頭痛で脳内の髄液が増えているだけならば治しようがある
としていた。10年間クリストファーの声が聞こえているそうだ
と語る。
デリックは検査中に再び気分が悪くなる。それと同時に天井から
水が振ってきた。アダムズはハウスがやったとしてもの凄く怒って
いたね。
MRIの映像が残っているということでハウスが診たら、耳に注射器
を指していた。プランジャーを引いたら何が出るのか。
空気は赤いか?として、患者がアブミ骨動脈が残っていることが
原因だとしていた。普通は生まれる前に無くなるもの。この動脈が
外耳道のすぐ上の側頭葉を圧迫していることが原因だった。
執刀して取り除くことで幻聴を消えるが、幻聴が消えたら弟のこと
が分からなくなってしまう。アンモニアを飲んで自殺しようと
した患者。最後は母親やハウスとすったもんだが有ったけど、結局
母親も写真は一部残していたようで、デリックに手術後見せていた。
■その他
・
■使用された曲
・Blunt by Bob Mair
・Euphoria by Motopony
グレゴリー・ハウス (Hugh Laurie) 偏屈な医者
エリック・フォアマン (Omar Epps) 黒人、S8から医院長
ジェームズ・ウィルソン (Robert Sean Leonard) 腫瘍科、ハウスの親友
ロバート・チェイス (Jesse Spencer) 外科医、離婚
クリス・タウブ (Peter Jacobson) 元整形外科医、離婚歴、浮気
チ・パク (Charlyne Yi) 脳外科医、ボスを殴る
ジェシカ・アダムス (Odette Annable) ジョンズホプキンスで研修した医師
— (Bobbin Bergstrom) Nurse
レミー・ハドリー (Olivia Wilde) “サティーン”
デリック (Skylar Astin) 19歳、チアリーダー
コートニー (Natalie Dreyfuss) デリックの彼女
マイキー・キンブル (Jacob Zachar) “マイケル”、網膜芽腫だった役
フロイド (Derek Mio) デリックのルームメイト
マット・ジョンソン (Enzo Cilenti) 病院側の弁護士
ジェン (Moira Squier) デリックの母
— (Michael Christian Alexander) 男性
— (Pat McNeely) 女性
— (David Danino) Janitor
— (David Fraioli) Janitor
クリストファー (Brayden Brooks) 6歳、デリックの弟
— (Lindsay Dennis) チアリーダー
— (Lyn Alicia Henderson) Vet
— (India King) ガンの患者
ペネローペ (Sonya Macari)
ライアン (Joshua Rush)