第8話 人気コメディアンの死 The But in the Joke
脚本/Keith Foglesong
監督/Ian Toynton
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セスは高いところに貼られている看板を自らの作品に張り替え
ようとして作業していたが、ポスターを貼る為の接着剤をした
に落としてしまい、更に自らも落下してしまう。
ブースとブレナンはそんな彼の元に駆け寄る。
名前を聞くが話そうとしないためにブースは”ミケランジェロ”
と呼ぶ。セスは背中に何か当たっているし臭いが凄いことを
口にする。ブースはバッジを見せるとFBIは看板荒らしも捜査
するのかと問う。ブレナンはあなたの背中には腐乱した遺体が
付着していることを告げる。強力な接着剤によって遺体と
くっついている状況だと。ブースはビリっと剥がせないのか
と問うが、ブレナンはそうすればミケランジェロの皮膚が裂ける
し証拠が汚染されるという。遺体を見る限り、特異な発射体
が被害者の頭頂部に貫通していることを告げると、ブースは
要するに頭に矢が刺さっていて殺人事件だということだという。
ブレナンは昆虫やネズミに食べられた痕が有ることから近くには
下水溝があるハズだという。
ホッジンズはラボに居るアンジェラの元にいくと、”良い物が来た”
として語る。良い殺人なんてないというアンジェラ。ホッジンズ
は普段アンジェラが隠しているピータツバターをくれと頼むと
これは落ち込んだ時に食べる為に用意しているものだという。
何か落ち込むことが有ったのかと問うと、違反切符を取られたと
して赤信号を右折してしまったという。違反ではないだろうという
が、ブロードウェイとナッシュでは禁止になっているのだとし
警察が張り込んでいたのだという。待っているのよ・鱒を狙う
漁師のように・・というアンジェラに対して、塩はめ場のハンター
みたいにだろうと告げる。標識が小さすぎて見えなかったというと、
ホッジンズはそれならば戦わないとダロだという。オレの結婚した
爆弾娘はそんな人物じゃないと語る。自由なセックスライフを
楽しんで同じ場所に2年以上滞在したことのないあの頃の私に
戻って欲しいというのか?と問う。
フィッシャーは遺体とセスの状態を見て笑っても良いか?と問う
がカムは”ダメ”と語る。ブレナンたちはそこにいるミケランジェロ
を接着剤から剥がしたい事を告げると、セスはミケランジェロ
なんて報酬をもらって絵を描いていたエセ芸術家だろうとして
一緒にするなという。フィッシャーはなんで名前を言いたくない
のかと問う。そんな彼は遺体を見て、頑丈な骨盤から被害者は
白人男で恥骨結合上縁の形態から判断して30代前半だという。
被害者の第5、第6頸椎が癒合しているとのこと。若い人には
珍しいとし、手術した医者が分かれば身元がわかるという。
フィッシャーは二つを引き離す為にレーザーを使いますか?と
問うとカムはダメだという。そんな彼女にセスは”頭の良い綺麗な
天使”だという。カムは自分は首の骨の治療医を捜すので、
フィッシャーたちに後を任せる。
フィッシャーは遺体の骨は胸骨にまで伸びている事を告げる。
死亡時のものだろうというブレナン。フィッシャーはこれって
スティーブ・マーティンか?と告げる。頭に矢が刺さっている
ように見えるが実際には小道具であり、矢の両端が付いている
ベッドバンドだという。ブレナンは証拠を損なわずに接着剤を
剥がす方法を見つけるよう告げる。ホッジンズはピーナツバター
のオイルでシアノアクリレートの結合を分離出来るとして
アンジェラからもらったピーナツバターを持ってくる。
アンジェラはセスが持っている絵に目を向けるとこれはあなた
が描いた物なのかと問う。これはゼッドの絵だとし、誰も逢った
ことのない謎のストリートアーティストだという。それを
口にすると突然彼は自分の名前はセス・ザリンスキーであり
こんな情けない男がゼッドの筈は無いと否定する。
ブースらの元にテレコム社のデニー・ベネットがやってくる。
彼は緊張した様子で、部下のモーガン・ドネリーの捜索願いを
出したのは私だという。彼は3日前から出社していなかったとの
こと。亡くなって発見された事を告げ、殺害されたものだと
いう。彼は私の後継者になるハズだったというと、テレマーケテ
ィングでは現在何を販売していたのかと問う。するとインディアナ
州にあるホテルの使用権を販売していたとのこと。彼とトラブル
に有っていた人はいないかと問うと、先週の金曜日に彼の恋人
のアレクサが会社に来てみんなの前で怒鳴り込んだという。
彼が浮気したという主張だが、自分の方が浮気していたとし
棚に上げていると主張。デニーも過去アレクサと付き合っていた
ことが分かる。恋人が奪われたのであればデニー自身にも容疑が
かかる事を告げるが、別れたのは一年前のことだという。
ホッジンズはアンジェラが交通違反で捕まったことを語ると、
フィッシャーはブロードウェーとナッシュの交差点で取締りを
していることを知っていて警察の罠だと語る。ピーナツバター
をセスと遺体の間に塗っていくと日曜日の朝の母の朝食みたいな
臭いだという。パパはTears for Fearsの古い曲「シャウト」(
原題:Songs from the Big Chair)に合わせてよく父とダンスして
いたという。カムがやってくるとチョコレートの天使だという
セス。ハイテンションになっていることを知り、フィッシャー
がクスリを飲ませていた事を知る。ウツと不安とパニック障害
のクスリだという。
アンジェラはセスに対してあなたには別の名前があるのでしょ
としそれを認めて欲しいという。高校時代はデカチンと呼ばれて
いたというが、セスはゼッドはオレの分身だと語る。
会えて光栄だというアンジェラはあなたは素晴らしいアーティスト
だと語る。オレと寝たいか?という彼に対して結婚しているので
尊敬のキスだけにしておくと告げる。
ブースとブレナンは被害者の恋人の元にいく道中、車内で会話
する。今は音声認識のカーナビがあること。もう地図を開く必要
はないという。カウボーイの開拓時代が懐かしいなという
ブースに対して、当時は抗生物質がなかったので擦り傷で死にたい
のかというブレナン。
アレクサの家に行くと弟のエリオットと同居していることが分かる。
ブレナンは姉と同居していても恥ではなく最近は晩婚化の傾向に
あるし、この不況に適応した生活だと語る。
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違法なストリートアーティストが自らの描いたポスターを貼り
付けようとしていた際に接着剤を落として、その中に自らも
落下してしまう。落ちた先には遺体が有り、自分では引きはがせ
ない状況となっていた。首の治療痕から被害者を特定。
行方不明者として捜索願いが出されていたテレマーケティングの
社員・モーガン・ドネリーだと分かる。死ぬ直前にケンカしていた
という恋人アレクサに話を聞くと、彼はコメディアンを本職として
いて寧ろテレマーケティングがバイトだったことを知る。
今回のインターンはフィッシャーくんだった。
テーマとしてはそのまんま笑いだけど、ドラマを見ると笑いとは
何かという考察を交えて描いた感じで、笑いとは人が常識だと感じ
ているものからはみ出したところに有り、それが至るところで
表現されるものが有った。
コメディと笑いの関係の中には、相反するものとして暴力や恐怖と
背合わせなものがあり、笑いを求める為に、人を傷つけるような
言葉や行動を取ることが多く、過激である程にウケるという傾向は
まさに、正反対の要素であるということを皮肉る話だった。
人それぞれウケるツボの違いというものを感じさせるけど、そこに
は年齢による世代のギャップなり、生育環境、そしてその人となりに
関心のある文化によって、ウケるものウケないものの差として現れ
ていた。
フィッシャー自身も持ちネタはダーマでおぞましくて不快なもの
だとし、分かる人にはウケていることを口にしていた。
コメディも芸術や文化の一つとして捉えれば、アンジェラのアート
の流れにもある程度共通点を見出すことは出来るけれど、寧ろ
アートそのものというよりもサブカルチャーとかアングラ的なもの
を意図して取り上げた感じだね。
今回はなんと言っても人が亡くなることに対して、多くの人が
笑っている姿が有った。人の死は悲しいという常識と、笑いの持つ
非常識さが加味された結果のものだった。
冒頭からホッジンズは死体が運ばれてきたこと、その遺体の状況
を目にして”いいものが来た”と表現していたし、フィッシャーは
至る所で遺体を目にして笑いを隠せずにいた。
容疑者であるエリオットやアレクサたちも初めて話を聞きに行った
時には、モーガンが死んだということを聞いて大爆笑していたし、
コメディアンにとっては死も笑いに変えるという辺りは、万国共通
なところが有るのかも知れない。
なんと言っても今回の最大のコメディは、決してこれまで知られる
ことの無かった謎のストリートアーティストが自分の取り餅で
捕まってしまい正体が発覚するということだった。
そして普段は非常識なブレナンが最も常識的に見えるという辺りが
最大の皮肉として描かれたのかも知れない。
コメディが常識を越えたものとして描かれているところを見れば
アートを好んでいるアンジェラにも日常に収まって欲しくないと
する意図も有ったのかも知れない。
ブースが学者・博士号・スクインツたちの作ったコメディの台本
を読むが一向にウケずにいる。しかし自分のフィールド内である
刑事ネタを使って観客を笑わせるところなど笑えたし、逆に
ブレナンにしてみると、スイーツたちが作った
「良い事を思いつくのは?・・・ランプだ」
「円はつかみ所がない」と言ったことに大笑いしているところが
如何にもブレナンらしいところだったし、恐怖の先にある笑いと
いうものを表現して、突き刺さった矢の古典的なネタを目の前に
してブースとブレナンが化かし合いするところはなんとも言えない
良さが有った。
シーリーが舞台に立つときに、シーローと言われていたのが印象的
だった。英語のスペルではSeeley Boothだけど、シーローに読める
のか?「FBIだ、来てもらおう」とバッジを見せたり、銃を見せた
だけで笑いが起こるというところがまたなんとも言えなかったね。
相変わらずコメディのネタで笑えるとした際に「三バカ大将」の
ことが取り上げていた。
事件は恋愛の縺れによるものでもなく、ネタを盗まれたから発生
したものでもなく、コメディアンとしてネタを提供していた弟が
自分を捨てていくことに対して憤りを感じて居たこと。
トイレで殺害されたことが胃の内容物(セラミック)から発覚し、
どのトイレなのか調べる際に、アメリカには一人一つのトイレが
あるというブレナンはワシントンにはトイレは550万カ所ある
とし、ホッジンズが調べていけば125万時間かかるとしていた。
しかし有名なマジシャンたちもマジックネタを売買する市場がある
ことは知っているけど、コメディでもネタの売買が有るんだね。
日本の笑いの一つの中に裸になるというのが有るけど、この辺は
日本らしい文化から発生したネタということなのかな。
■検索用キーワード
・グロムファドリナナポルテントーサ マダガスカルゴキブリ
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の聖地よ。ユダヤ人はメッカを避けるのが当然なの」(Bones)
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・「ボクは他人を心から愛することが出来ません。だから子種を
まかないんです」(Fish)
■使用された曲
・Problems by move.meant
・The Party by 11 Acorn Lane
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
キャロリン・ジュリアン (Patricia Belcher) 検事
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
コリーン・フィッシャー (Joel David Moore) インターン
セス・ザリンスキー (Jay Paulson) ストリートアーティスト”ゼッド”
アレクサ・イートン (Stephanie Lemelin) 長女、モーガンと付き合っていた
エリオット・イートン (Adam Cagley) 弟、モーガンにネタ提供
アニー・ピンクス (Eva Fisher) コメディの脚本、モーガンの同僚
ラリー・バロン (Joe O’Connor) “ラフタスティクス”の店長
デニー・ベネット (Jeff Witzke) テレコム社、テレマーケティング
— (Kurt Caceres) Paramedic
— (Donnell Barrett) M.C.
レックス (Marcus Folmar)
モーガン・ドネリー (Ralph Garman) コメディアン、被害者