第21話 アルバトロス Any Questions?
脚本/Matt Byrne 監督/Mark Tinker
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【ストーリー】
サイラスはファーストレディーがBNCの生放送の番組で夫であり
大統領のフィッツが浮気していることを発言した事を受けて
記者会見をしていた。サイラスは大統領夫人の発言については
夫婦間の私的問題だと考えている事を告げ、国民への変わりない
支持とプライバシー尊重を求める。記者のエリックからは
発言を事実なのかと問われ、アシュリーからは単純な質問にも
答えはないのか?と問われるが、サイラスは全て”私的な問題”
として一蹴する。あの暴露以降二人は話をしたのかと問われるが
暴露ではなく夫人が一方的に非難しただけだという。
サイラスはフィッツとオリヴィアが一緒の部屋に居るのを知り
門番をしているトムに対してそこを退いて今すぐ私を中に
入れろと命じるが、大統領命令だとして断る。従わなければ
辞職させるとか、テディの子守役にするとか色々と発言するが
なかなかビクともしないトム。理由がなければ開けられないと
すると、サイラスは大統領が心臓発作を起こしたのだと語る。
中ではフィッツとオリヴィアが暢気にもベッドで楽しんでいた。
それを知ったサイラスは「起きるんだ」として二人に激怒する。
デビッドはテレビでのサイラスの発言を見ながら、絶対に大統領
は浮気しているとしてみんなに語る。選挙ではインチキして、妻
まで騙していたのだという。しかしデビッドは仲間達に対して
ディファイアンスの件では根に持っていないとし、オレは今は
このチームの一員だとし、「ゴー!グラディエーター」と語る。
不正までして大統領になった男が浮気で失脚するなんて皮肉だと
して笑う。事務所のデビッド以外は大統領の相手がオリヴィアだ
と知っていることも有り微妙な立場だった。
アビーは不倫は違法ではないというが、デビッドは愛人に職を
与えて黙らせていたのだろうとし、彼女が少しでも政策に影響を
及ぼしていたら一巻の終わりだという。「さらば大統領!」と
上機嫌のデビッド。彼と寝た女は時間の問題でいずれ明らかに
なるとし、その時こそ我らがリブの出番だなというデビッド。
新規の依頼が来るぞと。
オリヴィアは今から世論を分析し、メリーが次に何をするか情報
を集めるとしてフィッツに語るが、フィッツは何もしなくて良い
と語る。僕が全て対処するという。しかしオリヴィアは私の専門分野
であり、誰よりも一番修復できることを語る。乗り切るには
私が必要だというが、僕のことも修復しなくて良いのだと語る。
二人で乗り越えて一緒にやっていくつもりならば大人しくしていて
くれという。僕の力で片付けるのを待っていてくれと。何もかも
背負わなくて良いのだという。それを聞いたオリヴィアは分かった
と語る。
オリヴィアは事務所に行く。
チャーリーの行方はどうなったのかと尋ねると、まだ見つかって
いないという。読書倶楽部の女性はチャーリーの彼女ではなかった
とアビーは語る。彼の狙いは彼女の持つパソコンであり、彼女は
ディファイアンスを巡る大陪審での審理の速記者だったとクインは
語る。サイラスはディファイアンスの件では当事者だから
内通者ではないこと。内通者も不正を知っている人物だとハリソン
は語る。サイトロンのカードを金庫の中から確認するオリヴィア。
そこに有ったのかというデビッド。アビーは私が盗んだと認める。
しかしデビッドはオレもチームに入ったのだから気にしていない
と語る。
メリーのフィクサーとしてマーティンが呼ばれる。
マーティンは他に優秀な人材がいるのに自分で良いのかと問う。
オリヴィアがいるのではないかと問うが、メリーはあれは夫の
アドバイザーだという。フィクサーはみんな同じ方法なのかと
問うと、「一つルールがある」という。嘘はなしだと。
僕はいわば依頼人にとっては神父であり分析医であり美容師でも
有り親友・・・何でも話して絶対に嘘はつかないよう語る。
しかしメリーは私は世界一強いファーストレディであり、必要と
あらば嘘だって付くという。自分に徳になると思えば幾らでも
付くと。マーティンはこれまで貴方の行動には敬服してきた
という。南部出身の上品な可愛らしさ、法律の学位を取ったこと
を再三持ち出しての知性のアピール、流産を打ち明けた時のあの
泣きの完璧さ、最近は必ず愛らしい赤ちゃんを抱っこして写真に
写る姿。妙案・演技力も凄いと。最高の政治家と完璧な結婚を
した妻だという。そんなあなたが突然全国放送で世界に向かって
夫の浮気を暴露したのは矛盾する行為であり何故なのか。そして
もう一つ疑問なのは浮気相手の名前を明かしていないことだという。
フィッツ陣営ではスタッフがマスコミ・世論対応会議をする。
リンはクリントン政権に習い「無い無い無い」の全否定で行こうと。
いっそ認めてそこから始めるのが良いのではないかというサイラス。
パトリックは現在修復に努めていることを語るべきだと。
ジニーンはアレから道を誤ったというべきだとし、暗殺未遂から
PTSD、ブルッタ・ケイガンの死、ヴェルナ・ソーントンの死で・・と。
後者は外せとサイラスはボソボソと語る。しかしサイラスは
これは弁明で有って説明になっていないとみんなの意見を一蹴する。
サイラスはフィッツの元にいくと何が有っても説明しないと再選を
狙えなくなる事を語る。しかしフィッツは二期目を狙うつもり
はないと正式に発表するつもりだと語る。
サイラスはオリヴィアに対する気持ちは分かるがその前にメリーを
約束して連れ戻して欲しいとし、その後ならばオリヴィアと幾ら
関係をしても自由にしていいという。どうか歴史から下りないで
欲しいと。問題は全て私たちが片付けるし、クリントンも切り抜けた
のだという。しかしフィッツは彼はモニカ・ルインスキーを愛しては
いなかったが、私は違うのだとし、彼女と堂々と一緒に居たいのだ
と語る。その為に大統領で居られないのであれば構わないと語る。
ジェイクとローワンは逢うとこれが出てきたとしてチャーリー
のことを話す。ローワンは何故夕べのウチに話さないのかとし
お前の任務は大統領とオリヴィアの間に入り込むことだという。
その任務に失敗しただけでなく、大統領が彼女と一夜を過ごした
事実を言わなかったことを責める。写真の相手はサイラスの手先
だというと、ローワンはオリヴィアと君が関係を持っている写真
を持ってこいと命じる。
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メリーがテレビ局の生放送のインタビュー番組の中で、夫で
有り大統領のフィッツが浮気している事実を話してしまい、
ホワイトハウスにはマスコミが多数詰めかけてくる。説明を
求められるが、サイラスは私的な問題だとして一切語ろうと
せず、肝心のフィッツはオリヴィアと共に我関せずとばかりに
ベッドを共にしていた。
そんな状況の中、オリヴィアの事務所ではフィッツ政権内の
内通者”アルバトロス”の存在を調べていた。サイラスが内通者
だと想定し彼と精通しているチャーリーを調べていたが、
チャーリーが狙っていたのはディファイアンスでの大陪審での
審理の記録であり、速記官の女性に近づいていたことが分かる。
ディファイアンスの件では当事者であるサイラスが調べるハズも
ないとして、別に居ることが分かる。
多くの人がそれぞれの思惑の元で働いているので、見ている方と
しては可能性が多すぎてどれが正解ルートなのかを絞るのも難しい
内容だった。
この手の政治的な世界に於いては、それぞれのキャラクターが主張
する「ルール」に関しては、自制心を持ってそれに従っているよう
なことを口にするけど、有って無いようなものだよなという感じ
がする。
チャーリーとハックの間でも「ルールがある」としていたし、
オリヴィアとハリソンの間でも「ルールがある」ことを口にしていた。
そんなルールに対して、そのボーダーを越えるものにこそ、その人
となりの「大事なもの」が有るけど、破れば破るだけの魅力と同時
にリスクというものが存在する。
そんなルールを最初に破ってしまったのが、そもそもの根っこに
存在しているディファイアンスという事になるのだろう。
ボーダーの辺りで彷徨う辺りの危うさと興味深さ。
これまで思っていたことにチャーリーは言及していたけど、
ハックのような裏社会の人物が生きていられる原因は一体何なのだ
ろうか。それもルールを守っているからこそなのだろうか。
闇の社会のものたちが、自らの契約から外れれば秘密が口外される
ことも必至の中、守秘義務を守ることが絶対条件で、その辺は依頼人
にとっては、いつでもそんな人物を掌握出来るだけの圧倒的な力を
持って接しているからこそ、何の対策もせずにいるのかな。
デビッドが冒頭からやたらとハイテンションぶりだったのが
笑えた。オレもチームの一員だという冒頭からの繰り返しの主張に
逆にハイテンション過ぎないか?という感じがして不気味に思って
いたら、サイトロンのカードがオリヴィアの金庫にあることを目
にして、アビーが今まで最後の最後で嘘を付いていたけど、
これで決定的に誰かの責任にすることは出来なくなってしまった。
デビッドが仲間となったことで、事務所としても彼の人脈とか
経験をハリソンとは比べものにならない程の価値があり
そうだと思っていただけに、最後に裏切るあたりは流石にちょっと
凹むところが有った。ただ人生をダメにされたものとしては
そう簡単にオリヴィアたちのことを許せるほど人間としての
感情を抑制出来るとは思えないし、虎視眈々と復讐する時を
狙っていたのだろう。
サイラスとしてもローワンにしても、メリーにとっても一つの
「切り札」を握っているところが有った。そしてオリヴィアにも
“黒いファイル”が有るということで、オリヴィアはフィッツの
大暴露と共に事務所が当面立ち入らなくなることを想定してハリソン
に事務所の運営を任せていた。自分はフィッツとの関係に集中する
かのようにして現状とは別に嬉しそうな顔をしていたけど、誰一人
切り札を使うことなく切り抜けた感じだった。この手の”ワイルドカ
ード”を使ってしまうとちょっと何でもありになる可能性も有るから
な。
メリーが最後の最後まで希望を捨てていないところが凄かった。
前回での生放送での暴露の時がフィッツにとってのタイムリミット
かと思っていたけど、まだまだタイムリミットは深く設定されていた
様で、メリーの中では何度もチャンスを与えたくなるだけ人生を
捧げてきた思いもあるのだろうね。
サリーを内通者だとする流れは少々肩透かしだった。
サイラスがジェームズに対して憂さ晴らししてストレスを解消する
様にして、BNCのインタビュワーとして起用されたことに関して、
罵倒していたけど、その流れも気の毒に感じたね。
チャーリーがサイラスから見捨てられることになり、ジェイクから
も狙われることになった。チャーリーがまたいつもの光景とは
違うドーナツ屋の店員の流れからして、尾行されていると知る
流れとか見ると流石だなと思ったし、色んな人がオリヴィアに
助けを求めにくるけれど、チャーリーまでもが助けを求めにくる
のか・・・とか、オリヴィア自身もこの事務所に於いてクライアント
の立場に成り下がってしまうのかなど、面白いシチュエーション
として描かれている。
サイラスはフィッツの声明文に際して、ジニーンから立候補の表明書
を受け取ろうとする際にフィッツが作成していないことが分かり、
このまま自分の力だけで再選することが難しいであろうことを
認識しているようで、オリヴィアとの関係と再選への流れはまた
別問題として存在している事が分かる。
二期目の再選に際して「自分の力では勝てる自信がないから。父の
言うとおり勝者にはなれないと思っているから。」だろうとして、
オリヴィアは追求していたが、ディファイアンスのせいで出馬しない
としたら、「私は自分を毎日責めることになる」と語るも、オリヴィア
はディファイアンスの票操作に関わっている時点で既に毎日罪悪感
を持っているとは思うんだけどね。
チャーリーは内通者を話したけど、それが本当の事なのか。
内通者の件はともかくとして、ビリー・チェンバースとデビッドが
不正票の件では動いていたことは間違いない様だ。
そしてローワンがどういう立場で関わっているのか。
●使用された曲
・Scandal End Theme
Composed by Chad Fischer
・Boogie Oogie Oogie by A Taste of Honey
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オリヴィア・ポープ (Kerry Washington) フィクサー、”リヴィー”
ハリソン・ライト (Columbus Short) 弁護士
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ジェイコブ”ジェイク”・バラード (Scott Foley) 統合参謀本部大佐
チャーリー (George Newbern) 暗殺者
ジェームズ・ノバク (Dan Bucatinsky) サイラスのパートナー
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マーティン (John Barrowman) メリーのフィクサー
ビリー・チャンバース (Matt Letscher) 元副大統領補佐官
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