第17話 真実の追求 Vacancy
脚本/Rene Balcer、Gina Gionfriddo
監督/Jean de Segonzac
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【ストーリー】
雪が降る中、レストランにやってくる4人の男女。
女性2人はデンバーからやってきたアリスとメーガン。
男性2人はピートとジェイソンだった。みんな共通の友達が
結婚式が行われた為にニューヨークに出てきた格好だった。
泥酔しているアリスに対してメーガンはそろそろ飛行機の時間
だとして行こうと語る。アリスはその前にトイレにいくとして
出て行く中、ジェイソンが葉巻の匂いをした為にメーガンは
吐きそうな匂いだという。ジェイソンはムッとして君のバラの
香りもそうだと語る。独身は私たち二人だけで会場では嫌みを
言われたというアリス。結婚したら人生は終わりであり、
君らの人生ははこれからだというピート。アリスはピートに
対してもしも飛行機が飛ばない時のことを想定し、彼に電話
番号を教えてくれと語る。ニューヨークに足止めしてしまう
というが、メーガンはタクシーが来たとして急いで空港に行こう
と語る。折角イケテる相手だったのにとアリス。
葉巻にマッチョ好きでしょと。
そんな中タクシーの運転手は、今ラジオで空港が閉鎖された
ことがアナウンスされたことを二人に語り、何処か近くのホテル
に泊まるのであれば指示して欲しいとしてガイドブックを渡す。
ここはマートン通りだとすると、ブルックリンハイツインは
どうかと問うと、近くだという。
しかしかなり物騒な地域でモーテルは衛生状態も悪く、客層も
柄が悪そうだった。35ドル・・・ダブルベッドはないと言われる。
アリスは洗面所で歯磨きしていると、急いで部屋に戻り何者かに
覗かれたことをアリスに語る。やっぱりピートとジェイソンと一緒
に居れば良かったという。
そんな中、突然アリスは深夜廊下に血だらけの状態で現れると、
友達がおかしいと語る。
ゴーレンとエイムズは現場へとやってくる。
カレーラ捜査官から現状を報告される。被害者は友人の婚前祝い
でこの町に来ていたこと。アリスが夜中にトイレに行き戻ると
メーガンがベッドで死んでいたというものだった。
ゴーレンは宿泊者名簿を取り寄せる様告げ、目撃者はいないのか
と問う。隣の客は”汚い”という悲鳴を聞いたとのこと。
貴重品類は盗まれていなかった。オートロックで侵入された
形跡は無いというカレーラ。昨夜は相当飲んで居たみたいだという。
エイムズはピートの電話番号がナプキンに書かれていることを
見つける。ゴーレンはタバコの匂いがするとし、キズは頭部に
集中しているという。争った形跡はなく、最初の一撃で動かなく
なったのだろうと。エイムズは床に鉛クリスタルが落ちている
のを発見。花嫁からの贈り物で「トリーの陽気な乙女たちへ」
と書かれていた。それが凶器で間違いないだろうと。
シーツの汚れ方からして誰かが横に寝ているとし、彼女を
動かした様だという。
3月28日(火)・ワイコフ総合病院
第一発見者のアリスから話を聞く。
暗闇のベッドに戻った際にドロっとしたので彼女が吐いたのか
と思ったという。何か気が付いたことはないかと尋ねると、
その時”汚い”と叫んだ気がするという。そして電気を付けて
みると血だらけだったとのこと。電気を消して寝る前に変な
男が歌っていたとし、メーガンは誰かにトイレで覗かれたと話して
いたという。酔っていたのでよく分からないとのこと。喫煙は
しているかと問うと、パーティーで誰かが火をつけたのだろうとし、
彼女は健康オタクのようでずっと煙草の匂いに文句を言っていた
という。その話し方を聞いて彼女とはあまり親しくないのかと
問うと、花嫁が共通の友人というだけだという。
ピートとは誰かと問うと空港前に店で仲良くなった人だが、
メーガンに急かされて別れたという。アリスは私がいなければ
良かったと告げると、エイムズたちはなぜそう思うのかと問う。
彼女を一人にして責任を感じているのかというゴーレン。
ドア脇のテーブルに鍵があったが戻って来た時に置いたものなのか
とゴーレンは尋ねるとそうだという。廊下の灯りだけで部屋の
中は真っ暗だったという。そこしか見えなかったのかと問うと
そうだという。しかし鍵はメーガンの傍のテーブルに有ったこと
を指摘すると、鍵は持たずに出て行ったのでしょと問い詰める。
鍵を探したが真っ暗で見えなかったのでだから補助錠でドアに隙間
を作ってオートロックされないようにして行ったのだという。
私のせいだと。
ブルックリンライツインで被害者が泊まっていた階の客のアリバイ
は全て取れたという刑事。この2Fの部屋は誰なのかと問うと空室
だったという。しかしゴーレンは覗きアナが綺麗過ぎる事を指摘。
一人になるのを待っていたのではないかというゴーレン。エイムズ
はゴミがないので待っていたとすると相当忍耐強い人だという。
しかし床には葉巻を吸った跡があると語る。ゴミ箱を改めて調べる
とベタベタしていて煙の煤が付着していた。まるでゴミ箱と葉巻
を使って燻製ボックスにしたのか。
メーガンの周りにタバコの匂いがしたこと。わざと手袋を燻して
彼女の顔に押し当てたのだろうと語る。彼女を知る者が後を付けた
のだという。
ピートに電話するアリス。
アリスはピートとジェイソンは自分達が出る時はそのまま店に
いたと語る。車は持っていたみたいだが、彼らが尾行してくると
は思えないとのこと。ホテルから救いに来て欲しいと頼んだが
疲れているとして断られたという。メーガンはジェイソンのこと
をマッチョ過ぎるとして嫌がっていたという。ジェイソンは
喫煙しているのかと問うと、葉巻を吸っているという。ただしメーガン
はその匂いが嫌で席を移っていたという。そんなメーガンに対して
ジェイソンたちは大声で彼女をロッキー山脈だと呼んだと語る。
現在アリスはトリーと婚約者の家のカウチで寝ていることを告げ
居づらい事を語ると、ゴーレンは警察の方でホテルを用意すると
語る。また被害者支援サービスの担当官も呼ぶと告げる。
エイムズはアリスの態度を見ると、彼女はピートからあなた(ゴーレン)
に乗り換えるつもりよと語る。彼女は助けが欲しいだけだと語る。
しかし警察であんなシナを作ってピートにはどんな色目を使った
のかという。そんなゴーレンは視線を感じて後ろを振り向くと
アリスがゴーレンを見ていることに気が付く。
ピートがやってくると、アリスたちとの夕べのことを尋ねる。
彼女から5回も電話があったこと。酷い安宿だから救い出しに来て
欲しいと言ったという。その時にはジェイソンも居たのかと問う
と彼は車で帰った後だという。メーガンは彼を嫌っていたのでは
ないかと問うと、彼女は時間を妙に気にしている様だったという。
3月20日(木)・ブラッスリーニイロラック
4月3日(月)・ティム&エレン・レイニーの家
4月7日(金)・ヤングスタウンの警察署
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デンバーからやってきた二人の女性は共通の友人の婚前祝いで
町に来たが、ニューヨークは豪雪の為にその日のJFK空港は
閉鎖されてしまう。ブルックリン付近をタクシーで走行していた
二人は運転手から近所にある宿泊施設に行くよう薦められて
そこで一晩を過ごす事になるが、その深夜にメーガンは何者かに
よって撲殺されて死亡したことが分かる。同行していたアリス
はその晩泥酔していたことも有り、自分の記憶に確証が持てず
にいたが、深夜にトイレに行った際に、鍵を持たずに出た為に
ドアが閉まらないようについ立てを挟んで置いたことが原因で
犯人を室内に入れてしまったのだろうとして罪悪感に震えていた。
現場を調べるゴーレンとエイムズは、被害者の性格や足取り、
そして現場で何者かが二人のことを監視していたであろう人物
がいた事を知る。
なんだか心理的によく分からない事件だった。
犯人が役者であること。メソッド演技をすることで、色々と自分
自身を探求することになり、忘れかけていた幼少期(6歳)の頃
に殺された母・リンダの撲殺された時のことを思い出してしまう。
それが本位なのか不本意なのか分からないけど、人は不都合な
記憶は心の奥底にしまって精神を保つような構造にあると思うので、
本来は思い出さなくても良いことなのに、役者という手前
「よりよい役者になり、よりよい人間になれる」為に身につけよう
としたメソッド演技によって、自分の中に封じ込められていた
負の記憶を呼び起こしてしまったというところなのかな。
役者という存在は他人を演じることで別人になれるという感覚が
有るのだろうけど、メソッド演技はそれとは逆に自分自身と
向き合うことで得られる役者としてのリアル感を追求していく
ものだ。
他人を演じる為に「パンドラの箱」を開いてしまった格好で有り、
役者として求められている役柄の為に必要に迫られて演じた格好
だったが、それとリンクして母親を殺した相手と同じ気持ち
を味わい怖がる女性を見つめては忘れかけている母親のことを思い出す
ことに郷愁を誘うものが有ったのだろうか。
他人を演じる中でも「本物の感情は自分の中にしかない」ので自分
が体験することでしか得られない感覚が有る。
そんな状況の中、色んな複雑な心情なり自分の中に有った感情を
目覚めさせてしまったことが全ての元凶だったのだろう。
記憶というのが一つのテーマにもなっていた。
容疑者としてもう一人、被害者と付き添っていたアリスという女性
がいた。彼女の場合、アルコールに飲まれて記憶が曖昧だと人物
だが、曖昧な記憶が逆に罪悪感を生んでしまう。その辺の心理を
ついたエイムズが結果的に無罪である女性から誤った情報を引き出して
ついに自供させてしまったエイムズとしてはばつの悪い思いをしていく。
役者であるVincent D’Onofrioならば当然メソッド演技に関して
知識があるのだろうけど、ドラマの中のゴーレンは役者とは無縁
で素人だと言わんばかりにして、演技について話合うという辺りの
妙な感覚が有ったところが面白かったかな。
エイムズの私生活もちょっぴり語られて、今回はエイムズの弟の
ことに言及された。壊されたオモチャを見てエイムズは「私の
弟も持っていたもの」と語る姿が有った。
また取調室に於いてエイムズはアリスから自供を引き出してしま
った変わりに、もう一人の容疑者のティムからはエイムズの話の
内容から完全に見透かされるような発言で操られてしまった。
その際エイムズは「父の妹と一年間同居した事が有るが、その叔母
は口汚くで尻軽で最悪の酔っぱらい・・弟が殴られたことで絶縁した」
ということを口にしていた。
メーガンは同性愛者のようで、アリスとしては知らぬウチにもしか
するとそんな彼女がベッドで近づいた為に押しのけてしまったの
ではないかとする疑念を自ら抱いていたけれど、そもそもメーガン
とアリスの関係というのもよく分からない。
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ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ジェームズ・ディーキンス (Jamey Sheridan) 警部
ロン・カーバー (Courtney B. Vance) 検事
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
キャロリン・バレク (Annabella Sciorra) ローガンの相棒刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
ティム・レイニー (Desmond Harrington) 俳優
エレン・レイニー (Marla Schaffel) ティムの妻
ピート (Scott Decker) アリスたちをナンパ
フレッド・ウェルケン (Jonathan Walker) 捜査官
アリス (Emily Bergl) 結婚式の為にデンバーから来る
メーガン・コール (Kristin Vogelsong) アリスと一緒、被害者、同姓愛
デズモンド・エバンズ (Gustave Johnson) 判事
フィリップ (Michael Ornstein)
カレーラ (Chris McKinney) 捜査官
ステラ (Charity Henson)
ウェンディ (Zoe Perry)
ジェイソン・ブレディン (Piter Marek)
ジョージ (Anthony Spina)
トミー (Debargo Sanyal)
アン・マローン (Susan Pourfar)
ブレンダン・コーリー (Adam Saunders)
デビー (Stephanie Bast)
ランディ・ニューホール (Patrick McDade) 捜査官
マーク (John Bolton)
タラ (Caroline Strong)
ダナ (Angela Pierce)
ルーベン (James Riordan) “サマーヒル”の部屋の管理人
ルディ (Stan Carp)
— (Don Cebron) 警察官
トリー・メリス (Ginifer King)
クエンティン・コーズ (Adam McLaughlin)