犯罪心理捜査班
第4話 英雄の最期 Maltese Cross
脚本/Jacquelyn Reingold
監督/Jim McKay
——————————————————–
【ストーリー】
ローガンとミーガンは消防士たちの元に行く。
ここは俺たちの家だ。招かれざる者は帰れとしてローガンを
突き飛ばす。するとチャーリーというものが突然ローガンに
けんか腰になりローガンを殴る。ローガンは複数の消防士と
ケンカになる中、ミーガンは第25ユニット、応援を要請すると
警察を呼ぶが、消防士たちも仲間に応援を要請する。ケンカは
激しく発展し、NYPD vs FDNYの戦いになるがローガンは複数の
ものから激しく殴られるのだった。
ローガンは病院に入院することになるが、ミーガンが来ると
帰るという。
委員長に呼びだされるローガンはミーガン。本部長からの呼び出し
と同じようなものだという。委員長たちが来ると消防署から
応援要請をしたのかと問うと相棒の窮地で規定通りだと語る。
マスコミでは面白おかしく、NYPD vs FDNY大パトルの見出しで
取り上げていた。
ブラッドショー本部長、ファーヒー委員長もやってくる中、市長か
らも電話がなっているという。地区検事や消防総監、マスコミ、
警官組合(PBA)、消防士組合(UFA)、政敵少数者(GLBT)がみんな
事実をと要求してくていること。今すぐここで報告書ではなく
自分の口から説明しろという。ローガンは説明はミーガンに
任せたという。
先週金曜日にイアン・ダフィという911を経験した中堅の消防士
が殺害されたこと。勤務中の外出から戻り倒れたという。現場に
行ったローガンたちは、運転していた車の中は血だらけだったこと
を聞く。遺体や車についてちょっと調べさせてくれとローガンは
求めると刺し傷は20カ所以上イアンは刺されていたという。
サイフと時計を調べると盗まれては居なかった。救命措置はした
のかと問うが消防士は既に出血が多すぎたのだという。男は
彼には2回も救われたという。
今日の勤務の前に女装者が暴行されているのを止めたという。
チャーリーがイアンの車でERまで送ったと。
暴力事件を確認するとし、ロッカーの私物を見せてもらうことに。
暴行事件の目撃者はいるのかと問うと奥さんのクラウディアだと
いう。現在署長に付き添っているとのこと。ローガンは話を
聞きたいとすると今すぐに連絡を取って欲しいと消防士に告げる。
ミーガンは確認すると確かにウェストビレッジで8時に暴行事件
が有り被害者は搬送されて手術中だと語る。
911の英雄が最後まで英雄として人を救ったのだという。
クラウディアから話を聞くと、暴行していた相手は銃は持って
いなかったが、立ち去る際にイアンに向けて撃つ仕草をして
いったとのこと。あの時は二人でダイナーへ行って店から出ると
イアンは暴行されている女装者を助けたのだという。
その子たちの特徴はと尋ねると、3人居たが一人はメガネをしていた
とのこと。イアンが似グルとレンズが割れて切り傷が出来たという。
そんな会話中にもかかわらずチャーリーたちはもう良いだろうと
してクラウディアのことを連れて行ってしまう。
女装男の為に死んだのかとチャーリーは尋ねる。暴行された女装者
が術後室を出たとの連絡が入ったというミーガン。
病室には女装・ゲイのものたちが集まっていた。
私は愛に生きているのに何故人は憎しみ逢うのか。先週は二件
も有ったのに警察は何をしているのかとして、フィリップ・ジェラ
ルドソンというGLBT(護身隊長)が訴える。暴行犯の特徴は?と
尋ねると実際に暴行を受けたシャントゥースはメガネをかけて
いたという。腕をガブりついて食いちぎってヤッタとのこと。
似顔絵画家に人相を知らせて欲しいとミーガンは頼む。あの子
たちは私を殺そうとしたのだとし、命を救ってくれた人にお礼が
言いたいというが、その人は死んだ事を語る。
ミーガンはロスにイアンの刺し傷は22カ所だった事を語る。主幹
動脈は無傷で数分間の運転中に失血死を起こしたのだろうと。
縫合は11時で戻りは深夜だったこと。空白の時間があるが、その
時に少年たちと遭遇したのか。
暴行から滅多差しに発展しにくいのではないかというロス。
儀式なのか男らしさの誇示なのかも知れないというローガン。
少年ならばやる可能性はあるとのこと。
そんな中ERの看護師からの連絡で、ダーネル・トムソンがメガネ
の怪我、噛み傷で来院したとの連絡が入る。
ミーガンとローガンはトムソン家へ。
母親によるとダーネルは弟のタイと野球をしにセントラルパーク
野球場に行ったという。ジェームズも一緒かもしれないとのこと。
ローガンは室内を見て回るとグローブが置いて有ることに気が付く。
本当に野球に行ったのかと問うとバットを持っていったのだと
いう母親。戻ったら連絡をくれとローガンは告げる。
ローガンは彼らの行き先はラクブルズだと語る。
ハッテン場(男性同性愛者の出会いの場)に行ったというのか。
ミーガンは無線でこちら第25ユニットだとして応援を要請する。
案の上ランブルズから暴行の通報があるとのこと。
オカマを殴っている姿が有った。二人はすぐに暴行を辞めるが
ローガンは逃げたダーネルを追いかける。森の中に逃げ込んだ
彼は木の上に逃げたことが分かる。
委員会。
少年らは否定したが、傷は一致したという。ダフィの妻にも確認
しろという。ゲイ暴行事件。少年の取り調べには母親も一緒に
立ち会わせるよう告げ、16歳のダニエルは尋問室にいるという。
ロスはジェームズ・デッカー(14歳)の姿を見て、ミーガンに対して
この子と同じ年の息子がいることを語る。彼はダーネルに強要
されてやったと言ってるとのこと。
ダーネルの母がやってくると、母は子供達が懲りる様に厳しく
調べてくれと語る。タイに対しても今すぐに正直に警察の人に
話をしなさいと語る。ダーネルがやらないと殴るといったのだと
語る。
ローガンはダーネルに対して肌の色も住む町も同じだろうと語る。
しかしダーネルはオレはオカマとは違うという。お前は16歳なの
で行き先は家庭裁判所ではないのだという。するとダーネルは
苦し紛れに股間を触られたのだという。メガネを壊した人とどう
したのかと問う。23時頃にもまた逢ったのだろうと問うと、その
時間は門限なので家にいたという。逃げながら銃で撃つような
仕草をしたのだろうと問うと、オレは銃など持っていないという。
病院で腕の手当をした後帰ってテレビを見たのだという。
内容は白人の整形失敗特集だったとし、母に聞けと語る。
ローガンはロスに対して確かに生意気だが殺しはしていないこと
を語る。しかしダフィのネクタイの血がついていること。
暴行での実刑は免れないだろうとのこと。
クラウディアがオフィスに居るとのこと。ダーネルは刺殺以外
のことには全て自白した事を語る。
ご主人はスーツ姿でダイナーへ行ったのか?と問うと、妻はその日
は記者会見が有ったのだという。彼は活動家でもあり911後に消防士
の保護活動をしていたとのこと。あの日発表された政策に対して
非難していたという。「忘れ去られた英雄」の一員として4、5日
収監されたことも有ったという。誰かを怒らせたことは有ったの
かと問うと市当局くらいだという。脅しは有ったのかと問うと、
消防士は妻を気遣うので実際に有ったかどうかは分からないとのこと。
そんな中、その会見のVTRを見る。すると衛生局のオーウェンズ
に突っかかるイアンの姿が有り、そんな彼に合図を送っている
男がいる事が分かる。
男はブレンダン・キール。
彼は仲間が病み、死んで行くのに市は目もくれないとして訴え
ていたという。自分は衛生局の協力の医者だという。当局は
データを編集させているだけで死者は増えているという。
イアンに会見では賛同していただろうと問うと、イアンは心の
清い闘士だったと語る。恨んでいる人物について尋ねる。
政治家は邪魔者だと思えば英雄でも刺し殺すという。
「忘れ去られた英雄」の事務所が消防署に近く、イアンも通って
いたという。先週も2、3日来ていたというと、奥さんは4、5日
行ったと語っている事を告げ証言の矛盾について問うと、僕よりも
奥さんの方が予定を知っているハズだと語る。
ローガンは留守のことだけは奥さんの方が知っているが秘密が有れ
は友人の方が知っているハズだという。彼は善人だと語ると、
友達にも隠し事を頼む善人はいると語る。
浮気ならば相手は最寄りのドーナツ店にいるのではないかと
いうミーガン。男は怠惰であり遠くの高級店よりも最寄りのドーナツ
店だというミーガン。
——————————————————–
中堅の消防士で911の英雄で活動家だったイアン・ダフィが胸
を何度も刺されて死亡する。死亡当日の足取りを調べると、
彼は衛生局に対して、正しい政策をすべき事を告げ、現在活動
している議員にも辞任する様テレビの会見の前で訴えていた。
しかしその後レストランで彼は女装者の男性に対して暴行を加えて
いる三人の少年たちを懲らしめていたことが分かる。
妻の話では家を留守にすることが多く、名目的には「忘れられた
英雄」の事務所に通っていたとするが、職員の話と妻の話が
食い違っていることから、浮気していたのではないかとして
捜索。近隣のバーや飲食店を調べるがまるで手がかりがない中、
“ジュリアン”というゲイバーをまだ調べていないことが分かる。
取りあえず話を聞くと、3ヶ月前までよく来ていたというバーテン
ダーからの証言が有ったことから、イアンがゲイだったことを
臭わすが、消防士仲間も妻もイアンがゲイで有ったことは認めず
寧ろ侮蔑するものだとして、ローガンたちと消防士たちの間では
激しい争いになる。
イアンの妻から話を聞いていると彼女は妊娠していることが発覚。
妻は夫が浮気していたことは薄々分かっていたので妊娠を機に
浮気をヤメテと話したという。
今回はローガンサイドのエピソード。
人種間の争い、世代間の争い、立場間の争いなど、そして同性・異性
間の争い、これだけ多い人が住んでいる都市では様々な争いが起きる
けれど、消防士vs警察官の構図というのがまた何とも言えないところ
が有るね。
「CSI:NY」辺りだと、NYPD VS FDNYでアイスホッケー対決なんて
シーンが有ったりもするし、別のドラマでは野球で対決するシーン
なんてのも目にしたことは有るけど、何れにしても市民を守るもの
同士が争ってしまうというのは何とも切ない。
このドラマ、見ていると少しずつ数珠つなぎのように前のエピソード
とシナリオを構成する要素が繋がって居るところが有る。
今回は取り分け比較するようにして存在していたのは、管轄争いの
構図だった。警察同士でも管轄の違いだけで仲間意識が生まれて、
独自のルールが有ったり共有する意識が存在していて、なかなか他を
寄せ付けないところが有る。前回のゴーレンサイドでは、別の管轄の
捜査官に手を焼く構図が有った。
冒頭からローガンが消防士とケンカする構図が有り、ローガンは
ミーガンと一緒だとは言え、男一人で乗り込んでいる姿が有り
完全に劣勢な姿が有る訳で、今回の被害者であるイアンもまた
女装した男性が複数人に襲われるのを助ける中、一人で飛び込んで
助ける構図が有る。
ミーガンが助けを要請すれば、今度は消防士も助けを求める姿が
有り最後は凄い人数が入り交じって争う構図になっていた。
野球などでも一度乱闘が起きると、両軍入り乱れて凄いことになる
けれど、MLBなどではベンチから飛び出さないものには罰金が有る
というところも有るくらいだし、この辺はアメリカに見る
軍人同士の共有する意識とか、フラタニティ、ソロリティの問題
などを見ると、そういう単位で人が団結する習性があることが分かる
ところが有るね。
取り分け刑事だと2人一組とか、L&O SVUでは5人がチームとして
戦う構図があるけど、消防士の師団となるとまた人数も変われば
ルールも変わるのだろう。
男性的職業ほど、そう言った性の排他的側面が強くなるものが有り
刑事ドラマでもよくゲイの人が仲間に打ち明けられずに・・って
いうドラマを見た事は何度も有るな。
911の英雄が実はゲイだったこと。それを告白したことで嫌悪感を
もたれて殺されたというものではなく、実際にはゲイ同士の痴情の
縺れによって、嫉妬したものが相手を殺害するという物語だった。
ドラマでは、習慣とかルールというものがテーマとして存在して
いたので、警察官としての古き良き時代のルールの名残のことも
大いに取り上げられていた。
ローガンというと若手では無いし、かといってベテランの領域なのか
どうか迷うところも有るけれど、冒頭で激しくケンカしている姿を
見るとまだまだ若いなと思う所も有るし、逆に若くないのだから
ムチャするなみたいな視線を送っている自分も居る。
ロスは妙に90年代の警察のルールに精通していたけれど、90年代
のニューヨークの刑事が荒んでいたようなことはよく耳にすること
だし、刑事自身が人種差別の温床となっていたところも有るよね。
過去の色々な隠語が存在していて、ミーガンを新人の刑事役に
添えて、ローガンと当時の刑事に共有意識を持たせて話を聞き出す
という作戦などを見ると、とても面白く出来ていたかなという感じ。
ローガンたちは消防署と争ったことで上層部から怒られてしまう
訳だけど、そんな上層部たちの行って来たことのツケを今になって
ローガンたちが尻ぬぐいしているという構図もまた皮肉だった。
今は言わないが昔は「ゲイの怒り」と言っていたこと。
“男の腕力を備えたヒステリー者”のことの様で、その辺は恐いこと。
ロスが90年代に起きた事件のことを覚えて居たお陰で、事件捜査
は動き出す。
妻もなかなか夫がゲイであることを認めないくらいだから、仲間
が知っているハズもない。こういう事実を受け入れるまでには
とても難しいものが有るんだろうね。
過去の事件の不完全ながらも部分指紋から、現在の科学捜査で
犯人がブレンダンだとわかるけれど、一度有罪判決で処理された
案件故に処理するのが難しくなった。
ローガンとはもっとも敵対関係に有った消防士・チャーリーに
協力を頼んで、ゲイパートナー役になってもらうという辺りが
またなんとも言えないし、そんなゲイの心理をついてブレンダンに
自白させるという流れを作るところは面白く出来ていた。
男のケンカっていうのは、あれだけ派手に殴り有ったのにこれで
また仲直りみたいな形になるところがある意味では清いかも。
ミーガンはどちらかというと中性的な人だよね。
ローガンはフィラデルフィアまでの運転を彼女に任せていたけど、
ミーガンは冒頭でのローガンのハードなケンカっぷりを見せられて
偉い人と組まされたと思ったのかも知れない(笑)
殺されたイアンの妻・クラウディア役のNina Siemaszkoは、
「ザ・ホワイトハウス」でのバートレット大統領の次女役で出演
していた。彼女のお兄さんのCasey Siemaszkoは、現在Dlifeで放送中
の「ダメージ」ではS1とS5で刑事ダン・ウィリアムズ役として
レギュラー出演している。
http://itawind.web.fc2.com/kaigai/damage/damage01.htm
■検索用キーワード
・Illuminati by Fatboy Slim
ロバート・ゴーレン (Vincent D’Onofrio) 天才刑事
アレクサンドラ・エイムズ (Kathryn Erbe) ゴーレンの右腕
ダニー・ロス (Eric Bogosian) 警部
エリザベス・ロジャース (Leslie Hendrix) 検視局
マイク・ローガン (Chris Noth) 刑事
ミーガン・ウィーラー (Julianne Nicholson) 刑事、ローガンの相棒
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
ブレンダン・キール (Geoffrey Nauffts) 衛生局の協力の医者
クラウディア・ダッフィ (Nina Siemaszko) イアンの妻、妊婦
イアン・ダッフィ (Jason Pendergraft) 被害者、消防士、911
チャーリー・ヒューゴ (Chance Kelly) 消防士、リーダー格
ブラッドショウ (Neal Jones) 刑事部・本部長
ファーヒー (Rocco Sisto) 警察・委員長(コミッショナー)
Mrs.ホフマン (Kaitlin Hopkins) 被害者ジョンの妻、94年の事件
マイキー (Brendan Griffin) 消防士・FDNY
シャントゥース (Robert Scott Daye) 女装男、暴行を受ける
スティーブ・グラブマン (Dennis Paladino) 元捜査官、引退して年金
Mrs.トムソン (Rosalyn Coleman) ダーネルの母
ダーネル・トムソン (Julito McCullum) メガネ、16歳、ゲイ嫌い
タイ・トムソン (Rodney Henry) ダーネルの弟
ショーン (Zach Wegner)
フィリップ・ジェラルドソン (Clayton Dean Smith) GLBT護身隊長
ヘンリー・デービス (Cameron Folmar)
オーウェンズ (Neal Benari) 衛生局のコミッショナー
ジェームズ・デッカー (T.J. Allen) 14歳、トムソン兄弟と仲間
— (Brett Marcus Coady) Bar Patron
— (Vince Cupone) Fireman
— (Michael Ferreira) Drag Queen
— (Thelma Gutierrez) Protester