第10話 罪なき罪 Shaken
脚本/Amanda Green
監督/Constantine Makris
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ベビーシッター仲間の先輩のベロニカと後輩のサラ。
ベロニカはサラに対してエンズリーから倍額の提示でシッター
の引き抜きがある事を告げるが、ジャックを手放せないので
断ったという。ルーシーのシッターをしているサラは私を
紹介して欲しいという。勤め先を変えたいこと。ルーシーは
反抗的でなかなか言う事を聞かないのだという。ベロニカは
母親が甘い教育をしている為で、お仕置きをすべきだと語る。
しかし母親のエブリンは個性が大事だと言っているのだという。
ベロニカは躾は必要だとして、私が手本を見せる事を語る。
しかしそんな中、ルーシーの姿が公園から居なくなってしまう。
すぐに警察に伝えられSVUのエリオットにも連絡が入る。
行方不明になったのはルーシー・プリチャード(20ヶ月)。
赤い上着とデニムを着ているというシッターはサラでシッター
仲間のベロニカは最近不審者を見たと言っているという。
小児性愛者による犯行なのか。クレイゲンが現場にやってくる
とエリオットはオリビアのことを尋ねる。彼女は別件の裁判に
行ったので今回はオレがお前と組むというクレイゲン。これは
誘拐だと思うかと問うと、エリオットはシッターが不審者を
見ている事を告げる。草むらがあるのは好都合で、おびき寄せて
車に乗せて連れ込むのだろうと。しかしその草むらを見ている
とエリオットは該当する子供を見つける。急いで救急車を
呼ぶよう告げると、自らルーシーを抱えて車がくるのを待つ。
ルーシーはセントマークス病院へと運ばれる。
医師のモレラから話を聞くと、脳内出血が起きていること。
後頭部にキズが有り骨には達していないこと。脳が膨張している
ので現在手術中だという。レイプはどうかと尋ねると、着衣の
乱れはないし精液も検出されていない事を語る。
クレイゲンは母親を呼んだ事を告げる。母・エブリンは広告代理店
で働いていて父親は去年病死したのだという。
シッターのサラから話を聞く。
一瞬目を離したら姿が見えなくなったのだという。
不審者を見たという情報が有るがサラは見たのかと問うが、
自分は見ていないがベロニカは見たと言っていたという。それでも
毎日公園や動物園、博物館に連れて行ったという。全ては母親の
希望とのこと。ルーシーに興味を持った人は居たかと尋ねるが、
お馴染みの人ばかりで特に不審者はいなかったとのこと。
そんな中エブリンが病院に駆けつけてくる。現在手術中だと語る。
こんなことが起きるなんて・・として失望すると共にサラとの
間でケンカになるのを防ぐ為クレイゲンは二人を別々のところ
に連れて行く。娘を失いたくないというエブリンは何故神は
私を苦しめてばかり居るのかと呟く。エリオットは「悲劇には
理由はありません」と語ると、「院内の礼拝堂で神に祈ると良い」
アドバイスする。
グレイゲンはエリオットにベロニカに逢って不審者の人相を
聞くよう告げる。
11月11日(火)・西87丁目342
ベロニカから話を聞く。するとサラはまたベビーシッターの資格
を持っていない事を語る。私には観察力が有るので不審者に気が
付いたと語る。40代半ばの白人で、グレーの短髪で太っていた
という。数日前から見かけていたこと。最初は父親が子供のこと
を撮影していると思ったという。
ベロニカからその男がいた現場に案内してもらう中、記者のフェル
ソンが現場付近を嗅ぎ回っていた。
鑑識のシパーとエリオットは記者を追い返す。
長官の見出しは「公園の変質者」だなと告げる。そんなシパーは
発見場所からは何の証拠も見つからなかった事を告げる。
子供を撮影している男が目撃されていること。望遠レンズで撮影す
れば気が付かれないだろう事を語る。しかし現場は岩場だという
ことも有り足跡を見つけるのは難しかった。ガムとかタバコが
有ればDNAが検出出来るという。エリオットはフィルムの箱を
見つける。
ホアンはフィルムが使われているとは珍しいことを告げる。
撮影の方法が気になるとし、普通小児性愛者ならば証拠の発見
を恐れてデジカメで撮影するのだという。白昼堂々と犯行をする
のも好みの子を見つけた為にリスクを顧みないのだろうと。
そんな中フィルムの指紋だとして、デニス・パビリオンの名が
浮上する。前科1犯でブロードウェイの薬局で働いているという。
45歳で太め・短髪の男性だった。
11月11日(火)・サブマート薬局
店員から話を聞くとデニスは写真コーナーで働いているという。
エリオットとクレイゲンはデニスから話を聞くと、自分は大勢の人に
フィルムを手渡ししているので指紋が付くのも当然だという。
今朝は7時から店で仕事をしているとのこと。公園で撮影した人物
を探している事を告げると、今朝現像に来た人物だとして一時間
前に取りに来たという。しかしネガを落として行ったので取りに来る
と言っていたという。名前はロニー・イクルスで29丁目に住んでいる
とのこと。
ロニーから話を聞くと、レイプなんてしていないと語る。
自分は探偵であり、警察から逃げたのは依頼人に迷惑がかかると
思ったからだという。協力する様告げると、ロニーは仕方なく依頼
人はジェフリーズ氏で証拠もあるという。写真撮影をしていたのは
子供ではなくベビーシッターの働きぶりを調べる為に監視していた
のだという。特に喫煙の有無を調べる様頼まれていたとのことだった。
オリビアがようやく署にやってくると、探偵が撮った残りの写真
を持ってくる。イクルスは無実だろうとクレイゲン。写真は子供
よりも確かにシッターを撮影していること。ルーシーの写真は10枚
有り、この3枚が最後の写真だという。1枚目は他の子と遊んでいて
2枚目は一人で歩いている写真、3枚目は発見現場近くで撮られた写真
だった。その次にはサラの写真が写っているが、ルーシーが写った
3枚目の写真からは僅か1分しか経過していないとし、そこで襲う時間
はないという。不審者が写っていないなんて変だという。普通の転び
方ではあんなキズはつかないとのこと。
そんな中オリビアは病院から電話だと伝える。
11月11日(火)・セントマークス病院
モレラ医師から手術が終わったが意識が戻らないという。
硬膜下血腫と網膜剥離を起こしていること。これは典型的な
「揺さぶり症候群」だという。例え助かっても脳に障害が残る
ハズで誰かが死ぬ程強く揺さぶったハズだと言う。
メリンダも揺さぶり症候群の典型だと語り、卵とビンを使って
それがどういう状況なのかを説明する。肋骨に圧迫骨折している
のもまた揺さぶり症候群だという。人の多い公園で犯行を犯した
のか?と問うと、出血量からして12時間から48時間前だろうと。
ただしその前に疲労感とか嘔吐などの症状が有ったハズだという。
過去3日被害者と接触した人を捜すようクレイゲンは指示する。
11月12日(水)・子供博物館
11月13日(木)・監察官事務所
11月14日(金)・第22法廷
11月14日(金)・裁判所のロビー
11月14日(金)・地区検事事務所、アーザー・ブランチ
11月27日(月)・第22法廷
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生後20ヶ月のルーシーが公園でシッターのサラと居る際に
突然居なくなる。辺りを捜索すると草むらも有って、車で連れ去る
には好都合な場所である事を知るが、草むらの中で倒れて居るの
をエリオットが発見する。脳出血、そして後頭部にキズがあるが、
何よりも脳が膨張していることが有った。レイプの痕跡はなく、
シッターから話を聞くとここ数日、不審者がいたという証言が取れ
る。しかしその人物は実際には探偵であり、シッターの様子を監視
していたとのこと。下世話な記者が事件を嗅ぎ回る中、症状から
見て子供は揺さぶり症候群に有ったものだろうことが判明する。
先週見たドラマの中でも「揺さぶり症候群」を取り扱っている内容
を見たな。なんのドラマだったっけか。
仕事、生活、子育て、シッター、躾、虐待というキーワードが
有り、結婚して出産している人ならば誰でも一度は悩ませられる
問題というものを取り上げた格好だった。
何よりも今回はエリオットがメインのエピソードで、オリビアは
裁判で不在。途中で登場したけどあくまで補佐的役割で、マンチ
もホンの数カットでしか登場せず、ギャングネタ、ドラッグネタに
強いフィンに至っては一度も登場せず。
首が据わっていない状況の中で子供の首を支えないと行けないとか
寝返りを打つ際にうつ伏せになると子供は息が出来なくなるなど、
赤ちゃんのウチは親は目が離せない状況が続く。
そんな状況の中でシングルで働きながら子育てする人たちには、ある
意味敬服するところが有るな。
一度のミスが死に至ってしまうこと。子育てには確実にストレスは
付きものなので、そのストレスが子供に向かってしまった際に、
自制心をどれだけ発揮出来るのか。ミスはミスでも大事に至らない
部分で起きていれば良いのだろうけど、今回のケースの場合は
母親ばかりを責めるのは可愛そうな感じもする。
ただこの母親、幸せを掴もうとしているのだけど、相手は上司でしかも
不倫だというし、元々先行きのない関係を続けていただけって感じも
するんだよね。それなのに必死になって関係にしがみつこうとしていた
こと。
冒頭からベテランシッターが古い価値感の元で過ちを起こしたので
はないかと思う所も有って、誰が犯人なのか予想が難しいものが
有った。
容疑者として浮上するのは、
・架空の小児性愛者
・シッター資格を持たないサラ
・ベテランシッターで躾に厳しいベロニカ
・前科一犯で現場に指紋のついたフィルムが落ちていたデニス
・撮影していた探偵のロニー
・既婚者でエブリンの上司で不倫していたドリュー
そして一番最後に容疑者として上がるのがやはり母親のエブリンだった。
みんな必要ない情報だとして必要以上に語らないところが有ったな。
ベロニカは変質者を疑っていたので虐待のことは言わなかったと
していたし、エブリンもまた恋人の存在に関しては隠していた。
どの流れも必要がない情報というよりも、罪悪感があるからこそ
表に出せないところがあるんだろうけどね。
そんな捜査をしているエリオット本人にも罪悪感は存在していて、
最後のクレイゲンとの会話の中でモーリーンの写真を見せた際に、
当時のオレは除隊直後で無職、妻は妊娠してある時娘と二人
きりになり、娘が高級カーペットにジュースをこぼした際に、
思わず顔を叩いたこと。再び叩こうとした際に「心が止めろ」と
言ったことで、自制心が働いた格好だけど、下手をすればエブリン
の立場になっていた。
ドラマの上手いところは、捜査上ではエブリンが赤ちゃんのことを
ぞんざいに扱ったことで、エブリンを悪の対象として見ていたこと。
助かる可能性が有るとしていた際には陪審員の視線も寛容的で同情的
だっただろうけど、植物状態になったと知ると、エリオットは
態度を急変させる。ルーシーは生命維持装置をつけている状態になり
それを外せば母親は殺人罪になるという複雑な状況の中で、
エリオットはアーサー・ブランチの元にかけより、維持装置を切る
よう主張すべきことを告げ令状を取るよう要求した。
カリフォルニア州でも同様の主張が通ったとするエリオットだけど、
ブランチ様がまた腰が弱く
「我々が非難されかねない」として臆する姿が有った。
ただルーシーの維持装置の問題に関して、
「彼女が愛情が深い」為なのか、それとも
「刑を恐れている」だけなのか分からない為に、何とも難しい決断
に迫られる。
エリオットも捜査しているウチに母親を責めていたところから
徐々に同情的立場になっていたけど、この母親が憎たらしいと
感じる時には弁護士と協調して「神の名の下」で奇跡を口にしたり、
保身のためではないかと思わせる行動が見えることなんだよね。
神を口にする割には、不倫しているという皮肉。
メリンダは法廷で「揺さぶられ症候群」を証言したけど、
血球貪食症候群(HLH)でも同様の症状があるとした際に、最初は
否定していたのに、心肺呼吸で骨が折れたとか、エリオットが
運んだ際に折れたのではないかと言われた際には、何故かHLHか
どうかは検査しないと分からないみたいな流れになってしまうところ
は違和感が有った。
しかしノバクが最後に語る様に、子育てをしていたのは実質的に
サラであり、出社するのは子供が起きる前で、帰宅するのは
既に子供が寝た後の状況だと言われると、本当の親の役割とか
子育てとは何かというところに繋がっていきそうなものが有ったね。
・レベッカ・バルサス弁護士
S5-6、S5-7、S5-10と登場した弁護士。
流石に今回の弁護は無理が有った気がする。
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
ジュディス・シパー (Caren Browning) CSU Captain
アーサー・ブランチ (Fred Dalton Thompson) 地方検事
レベッカ・バルサス (Beverly D’Angelo) 弁護士
ベロニカ・ナッシュ (Olga Merediz) ベビーシッター
サラ・ランデル (Nicolle Rochelle) ベビーシッター
Dr.アン・モレラ (Julie White) セントマークス病院医師
エヴリン・プリチャード (Cynthia Ettinger) ルーシーの母
ルイス・プレストン (Audrie Neenan) 判事
イアン・フェルソン (Shaun Powell) 新聞記者
ドリュー・ファーマー (Richard Shoberg) エブリンの上司、不倫
フランシス・クレッグ (Cynthia Darlow)
ロニー・イクレス (Marty Grabstein) ネガを落とす。自称探偵
デニス・パピリオン (George R. Sheffey) サブマート薬局、前科一犯
ラミレス (Donnetta Lavinia Grays) 捜査官
— (Kobie Powell) Clerk