第6話 導かれた殺人 Coerced
脚本/Jonathan Greene
監督/Jean de Segonzac
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【ストーリー】
キャロリンは今週末はエリックを預けられないとして、元夫の
スティーブに電話する。今週末は祖母に逢う約束をしていると
するが、エリックはパパと逢いたいと語る。キャロリンはエリ
ックに対してアダムに朝食だと起こしてくるよう告げる。
かるとエリックは急いで母の元にやってくるとアダムが居ない
と語る。窓が破られていることが分かる。
すぐにSUVも現場にやってくる。
キャロリンから話を聞くと、昨夜8時半に寝かせて23時に見た時
には寝息を立てていたという。窓は開けっ放しにしていることが
多くアダムは暑がりだったという。きっと元夫・ピーターがさら
ったのだと語る。彼は火曜日と隔週末に預かるだけでは不満だ
と言っていたという。今朝は単独監護権の裁判だったという。
エリックはアダムと父親が違い最初の結婚で生まれた子だという。
オリビアはエリックから話を聞く。
弟・アダムは眠るまで僕のゲームを見ていたとのこと。時々
一緒にゲームをするという。不審な人が見ていたことはないとの
こと。
そんな中、エリオットとオリビアに対してCSUのバートが上層階
に来て欲しいと呼ぶ。バートは誰も侵入していない事を告げ、
網戸を見ると内側から切断しているという。誘拐は偽装だとの
こと。
近隣や捜査機関に対してアダムの写真のチラシを配布していた。
クレイゲンはマスコミ対応をする中、進展がなければまた2時間後
に会見すると約束。
フォーブス家の鍵を持っているのは家族と家政婦だけだという。
元夫のピーターが離婚後あの家を出て一ヶ月しか経過していない
ことをオリビアは報告。ピーターも鍵を持っていただろうこと。
マンチはオレの元妻は鍵を変えたと語ると、フィンは賢い決断だ
と呟く。
ピーターの消息はと尋ねると、昨日出勤してから家に戻っていない
し、また10時からの裁判所にも現れていないという。息子に
逢わせろと毎晩来ていたとのこと。暴行はないが、昨晩は来て
いないという。家と職場とカードを監視しろというクレイゲン。
しかし本人・ピーターがやってくる。キャロリンはピーターを
責めるが、僕の元にアダムは来ていないと語る。
10月16日(木)・移動司令部
誘拐などしていないとするピーターだが、クレイゲンはそれでも
親権を争っている以上は捜査の対象になる事を語る。夕べは
何処に居たのかと問うと恋人の家にいたという。今朝は運転免許の
更新に行っていたとし、領収書もあると語る。裁判にこなかったの
は何故かと問うと、誘拐されたというニュースを聞いて現場に
来たのだという。妻が電話してきたが、留守電を聞いたのは
暫く経ってのことだと語る。何故弁護士を同行させたのかと問う
と、疑われるのが分かっていたからだと語る。財産の半分を
取られ家も取られた事を告げる。それで子供をさらったのではない
かと問うと、家宅捜索でもDNAでも指紋でも調べろと告げ、息子
を恐い目に合わす事なんてしないと語る。
エリオットはピーターのアリバイを確認してくる。彼はシロだと。
家政婦は現在カリブ島に規制中だというオリビア。
残るは母と兄だというクレイゲン。
親権裁判で母の関心が弟に向かい、兄として嫉妬したことも
考えられるという。
オリビアはエリオットから先ほどの話の続きをする。
アダムとの仲を尋ねると普通だという。ただアダムの父とはそれ
程仲は良くなかったという。アダムをさらうと言っていた人は
いないかと問うと、言ったら怒られるという。ママが言っていた
のだと語る。
キャロリンから話を聞くと、ピーターに渡すくらいならば隠すと
言ったことは有るが、興奮していっただけだという。エリオット
は自分も気持ちは分かるし同じ事をするだろうというと、
キャロリンもまた息子を恐い目に合わすことなどしないと語る。
そんな中、更にバートからアダムの部屋に来るよう呼ばれる。
母親は容疑から外せるようだとし、指紋が非常階段の手すりと
網戸から見つかったとし、顕微鏡で網戸の表面を調べた結果、
この面は外気に当たり酸化しているのだという。つまり網戸を
ツケ間違えて反対になっていたのだという。やはり相手は外部
からさらいに来たこと。指紋には該当者はいないと語る。
そんな中近所にアダムの目撃者が出たと語る。
10月16日(木)・コロンブス街
今朝5時頃雑貨店近くでパジャマ姿の子を抱えている男が目撃
されているというフィン。年中無休の雑貨店が今日は閉まって
いるとして、シャッターを開けろと指示する。
シャッターを軽くあけると中に倒れて居る人が見える。
すぐに確認すると、一人はケガをしていた。更に奧に一人倒れて
いるというエリオット。地下室への階段があるということで
みんなで地下室へと下りていくと、そこには誰かが住んでいた
形跡が逢った。しかもアダムの写真があり”テイト”と書かれていた。
しかし何故アダムの名前がテイトなのかと。
店主のレスターは胸を数回刺されて死亡。
先ほど発見したのは副マネージャーのバスケスだというフィンは
なんとか助かったという。地下の寝床にはケビンという店員が
住んでいて、彼は精神障害者だったという。
マンチは血の付いた指紋が扉に付着している事を語る。
オリビアは室内から更に写真が三枚見つかったとのこと。
そこには「息子よ、迎えに行くぞ」「テイトの部屋」など書かれ
ていた。写真からみると冬服だった為に数ヶ月前のものだと
分かる。他の子の顔にはバツ印、母親は塗りつぶされていると
いう。ホアンは幻想の世界に浸っているのだろうと語る。
10月16日(木)・聖カテリーヌ病院
10月17日(金)・ケイシー・ノバク検事補執務室
10月20日(月)・第35法廷
10月20日(月)・ジュリア・ウォーカーの家、ニュージャージー
10月21日(火)・ベルビュー拘置所
10月21日(火)・ジャクソン精神障害者施設
10月23日(木)・パッドハドソン病院
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母子家庭であるフォーブス家の次男・アダムが突然部屋から
居なくなる。当初網戸の切れ方からして内部から切って外に
出たのかと思われたが、実際には外部から切っていたことが
判明し、何者かが侵入したであろう形跡が見つかっていく。
すぐに誘拐事件として、アダムの写真を配布として目撃者を
探していくと、朝の5時にパジャマを着た少年が男性によって
抱えられていたのを目撃していたものが居ることが判明する。
目撃された周辺にある雑貨店を調べると店内には店長が刺されて
死亡し、副店長が重傷を負っていることが判明するが、なんとか
命は取り留める。そこでもう一人の精神疾患を患う店員の一人
ケビンが子供と居るのを見つけて止めようとしたが、自分達
を刺して逃走した事を知る。
アダムの失踪。
誘拐事件なのか、誘拐を装った自作自演のことなのか。
親権を争う両親のウチ、どちらにも一度は嫌疑を掛けられるだけ
の要素が存在しているが、実際にはどちらにもアリバイが有り、
第三者であるケビンという男性がアダムのことをテイトだと思い込み
誘拐していただろう事を知る。しかし彼は精神疾患である
統合失調症を患っていて、幻想の世界に浸っていることが分かる。
心神喪失の問題と薬の投与の問題が浮上した今回のエピソード。
実に下世話なことだけど、事件以前に気になるのは、キャロリン
という女性が二人の子を養っているワケだけど、2度の離婚に
2人の別の父親の子供を授かっているという辺りの設定にクセが
あった。
一度の離婚は仕方がないとしても、二度も離婚しているとなると
母親側にも何か問題が有ると思ってしまう。子持ちの女性と
結婚したことで父親に懐かなかったこととか、親の愛が偏って
しまったとかいう事情が有るのだろうか。
このキャロリン役を演じたBeverly D’Angelo自身、男性との浮き名
が多いことでも有名だ。wikiによると「ナショナル・ランプーン」
シリーズでブレイクしたと有る。
「ナショナル・ランプーン」シリーズではクリスマス・バケーション
が一番面白かった記憶が有るな。映画ではチェビー・チエイス演じた
夫・クラーク役の妻・エレンとしての役。娘役にはあのジュリエット
ルイスが演じていた。現代でいうところの「ザ・ミドル」っぽい
家族の物語なんだけどね。
最近オリビア様の「サノバビッチ」がなく、今回はそんなキャロリン
が元夫に対して発した言葉が、「サノバビッチ」だった。
そんな言葉を発する彼女に親としての適性があるのかどうか。
問題の焦点は、薬の投与に関する是非と共に、取調室に於ける
精神疾患を患う被疑者への取調官の対応の仕方に問題が有ったのでは
ないかということで、複雑な状況に追い込まれてしまった。
ホアンはFBI付きの精神科医兼プロファイリング的アドバイザーの
役割なので規則に忠実であり、一方誘拐事件に於ける時間的制約の
中で動いている現場の捜査官としては、エリオットのように子供の
命を優先的に考えて型通りではなく柔軟な行動を取ることが決して
悪いとも言えない事情も有って、複雑なものだった。
珍しくホアンもエリオットの行動に対して感情的になる姿が有った
けど、融通が利かないという分だけまどろっこしく見えたな。
エリオットは悪いとは思わなかったので、今回のように刑事と検事局
の癒着の構図のようにして、起訴に関して、両者がすりあわせ
をしていく流れは少々関心しないものがあり、寧ろエリオットが
行った行動の是非に関して裁判の中で正しい行動だったかどうかを
精査する意味でも戦わせて欲しかった。
しかしノバクがストレス解消していたのかバッティングセンターで
バットをふるっている姿はある意味斬新だったかも。
薬を適性に飲んで居れば事件は発生していなかったということで、
まさにドラマとしては、その根っことなっている人物が問題では
有る。ただ医療と予算の問題というのは何処にでも存在していて、
なかなか上手く社会が回っていかない様子は感じる。
妄想のようにして発していた言葉の中にも真実が含まれていて、
それを選り分けていく作業の中に経験則が求められる。
「カシスティ!」「お前は鏡の後ろの魔女の手下だ」etc…
救命士・マルティネスに運ばれる直前に、「大きな白い帽子を被っ
た男が見えるかい」と語った言葉。核爆発でも起きない程の薬
ってどんなんだって感じだけど、爆発すれば生きていないという
ことにかけたブラックジョークだったのか(笑)
誘拐から36時間が経過。
子供が誕生した時に住んでいたアストリア地区や、ブロンクスを
調べるが該当するものがなく、諦めて帰宅しようとする所で、
車から見えた「製パン店」の看板の中に「白い帽子の男」を見つけた
のはオリビアの功績だった。閉店していてドアが閉まっていたけど、
オリビアがそのドアをこじ開けて思いっきりスッ転んでいた。
何でこういう時には、刑事であるものたちは得意の、踏み込む時に
ドアはけり飛ばして開けるという定番の行動を取らないのか気になる。
エリオットでも開けられない程のドアを開けたオリビアの怪力。
室内に入った際には床が抜けて危うく落ちそうになるエリオット。
ちょっぴりエリオットとホアンの間でわだかまりっぽい流れが
有ったけれど、ホアンが彼を助けるようにして、施設の情報から
マーサの流れを突き止めたところは良かったね。
そしてエリオットもまたケビンに取り調べに於ける脅しに問題が
有った事を認めて謝罪していたけど、やはりケビンが殺した人の
ことを考えると、やや心神喪失というだけで片付けて遺族は納得
出来るのだろうかという感じがするね。
■その他
・
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
バート・トレバー (Daniel Sunjata) CSU Technician
レベッカ・バルサス (Beverly D’Angelo) ケビンの弁護士
ピーター・フォーブス (James McCaffrey) アダムの父、元キャロリンの夫
キャロリン・フォーブス (Kate Hodge) 母親
アダム・フォーブス (Dylan Bluestone) 次男
ジュリア・ウォーカー (Christina Kirk) ケビンの妻
ケビン・ウォーカー (Leland Orser) 統合失調症、アダムを誘拐
トレバー・ウォーカー (Spencer List) ケビンの息子、”テイト”
ランダル・ヘイバー (Joseph Siravo) 病院長
マイケル・ケリー (Nicholas Wyman) ヘイパーの弁護士
アイラ・ローゼンマン (Marcus Neville) ピーターの弁護士
ダニエル・ラーセン (Sheila Tousey) 判事、司法取引の兼で話す。
エミリオ・バスケス (Adrian Martinez) 雑貨店・副マネージャー
エリック・マニング (Michael C. Fuchs) 長男
スティーブ・マニング (Michael Danek) エリックの父、元キャロリンの夫
マルティネス (Joselin Reyes) 救命士
クラロス (Emilio Del Pozo) Uniform Sergeant、駐車場になっていると
— (Katie McGee) レポーター
— (Angelique Doudnikova) Aide
— (Todd S. Ross) Man in Line