第13話 母の告白 Mama’s Here Now
監督/Mike Listo 脚本/Erika Green Swafford
Doug Stockstill
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【前回までのあらすじ】
大学の女子寮で女性の遺体が発見され、容疑者のレベッカは
麻薬での逮捕歴があるという。レベッカはウェスが見ていた
ルティ宛のクリスマスカードを見ていた。実家には引っ越し
したことを話していないのかと疑問に感じる中、レベッカは
何故ルディに固執しているのかと尋ねる。ブライス捜査官は
アナリーズに森から指輪が発見されたとすると夫に贈った
婚約指輪だという。アナリーズは発見される前にフランクに
頼んでネイトにに容疑を向けさせるよう工作。案の上警察は
ネイトをサム殺害容疑で逮捕する。アナリーズはベッドで
涙すると母親に助けを求める。
【ストーリー】
サム殺害容疑で元警察官のネイト・レイヒが自宅で逮捕された
とする報道が行われる。アナリーズの交際相手で警察は更なる
証拠収集の為に自宅と車を捜索しているという。
ローレルはフランクに対してあなたがサムの指輪を森に置いた
のでしょという。非難しているのではなくありがとうと言いた
かったという彼女。
オリバーの元にコナーがやってくる。一ヶ月の禁酒を達成した
としてコナーは容器に解禁だとして飲もうという。
ネイトは留置所に入れられる中、刑務官からは体中を調べられ
てダニ感染症予防だとして消毒剤を体に吹きかけられる。
レベッカにルディのことを尋ねるウェスだが、彼女は何度か
話しただけだという。そんな中警察からレベッカに電話が鳴り
ネイトの携帯履歴に私の番号が有ったようだと語る。
オフィーリアという女性がアナリーズのオフィスにやってくる。
フランクやボニーは今は新規の客は受け付けていないことを説明
するが、また死人が出ても知らないよという彼女は私はVIPだと
して分からないのかという。あんたの上司は私のアソコから生まれて
来たんだとし、上司の母を敬いなと語ると娘は何処に居るのかと
問う。アナリーズは室内でベッドの中に一日中潜り込んでいると
母が現れ、だから私はあの男との結婚を反対したのだと語る。
白人娘と子供まで作ってしまったこと。そうかと思えば元警察官の
お前の恋人はマヌケな亭主を殺したのだろうとし、夫も恋人も
失い引きこもっているのかという。ロッティの孫に頼んで
インターネットで全て検索してもらったので事情は知っていると
いう母。空いばりの弱虫だというとこの部屋は死臭がするとして
起きるよう告げる。ママが来たから大丈夫だとするとアナリーズに
ハグする。
ネイトの携帯履歴にレベッカの名前が有ったので警察に呼ばれ
るというウェス。アナリーズは依然として部屋に閉じこもった
ままだという。ミカエラは無実の人に罪を着せて平気なのかと
みんなに語る。
そんな中アナリーズは病気なのでボニーが新しい案件を受けると
語る。
依頼人はジョリーン・サミュエルズ。
子供の頃から弟たちと緊急救命ごっこをしていたという。
病気や怪我などで苦しむ人を救うのは大きな喜びだが今は辛い
という彼女。医師は余程のことがないと首にはならないが、看護師
はそういう訳にはいかないのだという。疑われている理由は
分かるとして私は美人じゃないからだと。性犯罪者リストに
乗るなんて人生終わりだとすると、誓って私はレイプなんてして
いないという。
法廷で起訴したのは当時ミドルトン病院に入院していた男性患者
のチャド・マニング。判事はヘミングスで、チャドの件で起訴
するのは地方検事補のウィンスロップだった。
ウィンスロップは事件の概要を陪審員に伝える。
有り触れた手術の為に入院した病院で目が覚めたら看護師が患者の
上に乗っかっていて下半身を下げてレイプしたのだという。屈辱
を受けたのだとし、チャドはそんな辱めをサミュエルズによって
受けたのだという。
しかしボニーは反論し、依頼人は性犯罪も性行為もしていない
という。私の依頼人の雇用主の病院から金を引き出す為に脅されて
訴えられたのだという。依頼人の仕事はレイプ被害者の心と体の
ケアだという。
サミュエルは潔白だとするとそれを証明するというボニー。
病院側の弁護士・デビッド・タッカーはボニーの元にやってくる
と弁護はアナリーズの担当ではないのかと問う。あなたが負ける
と病院側は賠償金が膨大になるのだという。もっと上手くやって
くれと語る。
ウィンスロップは医師のグライムズに話を聞く。
診察をしたのは左の睾丸でアザが有ったこと。性的暴行による
ものなのかと問うとそう見えるという。しかしボニーは手術前
に使われた薬について尋ねると血液希釈剤だという。手術後に
あざになるのではないかとすると、そう見える場合もあるという。
しかしジャニーンがチャドをレイプしているのを見ている証人が
いると語る。
それを聞いたボニーは証人の信用を落とさなければならないと
語る。
ミカエラはフランクのものにいくとどうやってネイトを助ける
のかと問う。
ロザリンの元にフランクとミカエラがやってくると数ヶ月前に
付き合っていたというジェームズ・スモーリーについて話を聞く。
ミドルトン病院で手術を受けた患者だった。
スモーリーに元恋人の患者を受けて居たでしょと問うと手術中に
TIAを発症したのは嘘なのかとして法廷で問うボニー。TIAの発症
については医師から報告が有ったとし、TIAは軽い脳卒中で記憶や視力、
見当識を起こす可能性があるという。こうしたことからスモーリー
の証言は信頼性を欠くので証人から除外して欲しいと告げる。
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アナリーズはネイトがサム殺しの容疑者として逮捕されたことを
受けて、ショックを受けて寝込み、母親に助けを求める電話を
入れる。するとオフィーリアというアナリーズの母がやってきて
彼女の面倒を見る。母はアナリーズのことをアナ・メイだと旧名
で呼ぶ。
ネイトが逮捕されたことで罪悪感を抱くミカエルの姿が有ったかと
思えば、コナーはある程度容疑が別の方向に向かったことで開放感
を得る。
アナリーズは開店休業状態の中、事務所ではボニーが新規の依頼を
受ける。そこにやってきたのはミドルトン病院で働く看護師の
ジョリーン・サミュエルズで、彼女は患者のチャド・マニングから
レイプの罪で訴えられたとして、潔白を訴えアナリーズの事務所に
助けを求めに来る。
アナリーズという看板があるからこそやって来られた法律事務所。
しかしそんな彼女がグロッキー状態で、寝込んでいる間にも
助けを求めて弱者は事務所のドアを叩いてくる。
前回失態を演じてしまったボニーが再度名誉挽回すべくして、今回
レイプ事件の加害者とされてしまった女性・ジョリーンのことを
弁護していくことになる。
ただこの訴訟は、正直シチュエーションとしては相当無理があるの
ではないかと思わせるような、都合の良い設定の目白押しだった。
手術した後の患者の上にジョリーンという女性が男性に乗っかって
レイプしたとしていたけど、そんな状態で男性も精力があるのか
って感じもするし、ジョリーンが妄想めいたことを考えていて、
「下品な秘密」という掲示板に「奇抜なナイチンゲール」と称した
投稿を行っていること。アナリーズが寝込んでいて弁護に
出られないことを知った上で、今回の首謀者たちは、看護師に
敢えて汚名を着せようとしていたのだろうか。
目撃者証言を潰す為に、証言の信憑性を問う流れが有ったり、
原告がゲイでゲイの出会い系アプリで出会いを求めている事実が
見つけ出す。そして最終的には原告と病院側の弁護士・デビッド
が共謀して病院から賠償金を受け取りそれを使って逃避行を考えて
いたことを明らかにしていく。
しかしその額はたったのは50万ドルで、短期的に得るには高額だと
思うけど、生涯的に見れば金額的には大したものではなく、弁護士
の仕事を普通にしていれば、寧ろ変な罪悪感を抱くこともなく、警察
の捜査に怯えることもなく、普通に生活していけるのだから、そんな
リスクを追うほどの計画なのかという感じがする。
■
ネタ的には弱者がレイプの被害や虐待の被害に合って食い物にされる
という、アナリーズ家の過去の事情に繋げていった感じ。
サム殺害の件にもそれと関連して何処かこれまでのアナリーズの行動
なり、このドラマがテーマとして描いている流れと精通している
ところが有るのではないかという感じがする。過去に於いて、
ジョリーンがアナリーズにされていることを知りつつ見逃していた
のではないかとする思いから、疎遠になっていた関係だったが、
実際には男が奪うものから女性は守ってきた現実があること。
「家」を「火災」で失ったけれど、そんな家とか火というのは、
このドラマを見ていると象徴的なものとして何度となく登場してくる
ものがある。
アナリーズは過去、クライド叔父さんに虐待されていたようだ。
「男は物を奪う為に作られた。金や土地や女はもちろんのこと、
手に出来そうなもの全てを奪おうとするのが男。女は愛を捧げ
子を育て守る為に作られた。それが女性だ」と。
オフィーリアの話を聞くと凄いのは、リン叔母さんは小学校1年
の時に担任の教師に汚された。私は聖歌隊の練習の後に牧師に汚さ
れた。職場の上司やデートの相手に汚された。
教師、聖職者の全てがモンスターな感じだけど、今回の依頼人の
自宅は父はキリスト教会の牧師で母は毎週教会でオルガン弾き
をしているとしている辺りも、なんの因果の関係かって感じの
描かれ方をしていた。
■
アッシャーが今回はボニーのことを助けていた。
「氷の女」「スタミナ消耗作戦」「キンシャサの奇跡」と称して
アリvsフォアマンの試合を引き合いにだして、彼女のことを称賛。
そんな彼にボニーも受け入れていたみたいだけど、そんなシーン
をフランクが見ているところもまた恐い。
■
もう一方の流れはなんと言ってもサム殺しの一連の流れだった。
サム殺しの実証以上に、寧ろライラに何が起きたのかということを
以て、今回のエピソードは構成されている。
ウェスが住んでいる部屋に以前住んでいたルディ・ウォーターズ
という男性の消息がどうなっているのか。
ルディとライラを繋ぐものは今の所ないけれど、ドラマが終わる頃
にはそれが共通点として見出されていくところは、刑事ドラマさな
がらの楽しいシナリオだった。
ルディは治安を乱して逮捕されていたこと。原因は薬物の過剰摂取
で、ミドルトン病院からエンティールドの精神科病棟に送られて
いる現実が有ることを知る。
元々レベッカは薬物を流していたことも有るし、ルディを薬付け
にしてしまった流れの中にはレベッカの影があるのではないかとも
思えるし、何よりも逮捕された日付が、ライラ殺害当日だったと
する事実が存在すること。元々薬漬けだったのか、ライラの死を
目にして薬を飲まずには居られなくなったのかは分からないけれど、
少なくともレベッカが一連の流れに絡んでいることは間違い無い
様だ。無能かと思っていたレベッカがGPSでウェスの携帯の動きを
監視している辺りが恐い。そんなスキルはネイトにでも習ったのか(笑)
ネイトにメモを渡したこと。
またルディが「濡れている」として貯水槽を臭わせていたけど、
果たして奇策はあるのかな。ウェスが嘘付きレベッカを守って
まで殺してしまった事実が有るのか。
■使用された曲
・Thrill Anybody? by Living Days
・Feel the Same by Battle Tapes by SBTRKT
■キーワード
・
アナリーズ・キーティング (Viola Davis) 弁護士
ネイト・レイヒ (Billy Brown) 刑事、アナリーズの浮気相手
ウェスリー・ギビンズ (Alfred Enoch) 学生
コナー・ウォルシュ (Jack Falahee) 学生、ゲイ
レベッカ・サッター (Katie Findlay) ウェスリーの隣人
ミカエラ・プラット (Aja Naomi King) 学生
アッシャー・ミルストーン (Matt McGorry) 学生
ローレル・カスティロ (Karla Souza) 学生
フランク・デルフィーノ (Charlie Weber) アソシエイト
ボニー・ウィンターボトム (Liza Weil) アソシエイト
サム・キーティング (Tom Verica) アナリーズの夫、心理学教授
グリフィン・オライリー (Lenny Platt) ライラ事件容疑者
ライラ・スタンガード (Megan West) 殺された大学生
オリバー (Conrad Ricamora) IT部門、ゲイ
クレア・ブライス (April Parker-Jones) 捜査官
アマンダ・ウィンスロップ (Michelle Hurd) 地方検事補
デビッド・タッカー (Mark Famiglietti) ミドルトン病院弁護士
ジョニーン・サミュエルズ (Mageina Tovah) ミドルトン病院看護師
ドリスコール・ファウラー (Andrew Friedman) IT捜査官
— (Marc Abbink) Courtroom Attendee
— (Barbara Tutolo) Courtroom Attendee
— (Hal Devi) 警察官
— (Jessyka Finnoy) Law Student
— (Cat Hammons) Police Desk Clerk
Dr.アナベル・グライムズ (Teresa Huang) 睾丸のアザについて証言する
チャド・マニング (Chris Kos) 患者、レイプ被害を訴える
ルディ・ウォルターズ (Jack Mikesell) ウェスの前の住人
— (Cristina Swift) ウェイトレス
オフィーリア・ハートネス (Cicely Tyson) アナリーズの母
オリン・ドライバー (Brett Zimmerman) 地方検事補、ネイト事件担当