第14話 仮面の男 Parasite
脚本/Oanh Ly
監督/Charles S. Carroll
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【ストーリー】
カーラ・マーシャルを殺害した後、ヘンリー・グラントと名乗
る男は、ロレインと逢いにレストランにやってくる。ヘンリー
は遅れたことに謝罪するが、私だって客だとしてロレインは
ヘンリーに文句を言う。
捜査官のゴールドマンはBAUのJJの元に相談にやってくる。
手がかりが少なく目撃者の似顔絵を作成してくるゴールドマン。
防犯カメラには後頭部しか写っていなかったのだという。
今まで詐欺事件を起こしていたものが殺しに発展したこと。
JJはBAUのみんなにサンディエゴ支局のホワイトカラー犯罪課の
ゴールドマンのことを紹介する。
ゴールドマンはこれまでの経緯を説明する。5年間追いかけている
サギ師が居るのだが、そいつが一昨日人を殺したこと。マイアミ
で起きた事件で、カーラ・マーシャルという女性が被害者。
絞殺されて頭部に外傷があること。その人がやったとする根拠
は何なのかと尋ねるリード。先週カーラが詐欺相談サイトに
訴えてきたこと。その情報が巡り巡ってゴールドマンの元に
届いたのだという。電話して確認したところ、私が追っていた
人物と類似していることが分かり、逢う約束をして話を聞こうと
していたところだったという。具体的な証拠はないが、電話した
その日に殺害されたとのこと。押し入った形跡はなく、レイプ
もないこと。手口からすると動機は怨恨だというリード。
投資詐欺の手口はバーナード・マドフの小型版だという。
過去14年で何回も数十万ドルもの金を巻き上げているが、危害を
加えた事はないという。詐欺師が人を殺すのは普通罪を隠す為だ
というロッシ。しかし実際には詐欺師はサイコパスだというモーガン。
リードは彼らはよく自分のことを操り人形師に例えるとし、被害者
を操るからだという。
彼が使用している会社名は、グラントデール・インベストメント、
ハンター・ポートランドアドバイザーズ、ヘンリー・モフェット
ヘッドファンドだという。
現地入りする為に専用ジェットに搭乗する。
同行するゴールドマンは専用ジェットとは凄いと語ると、プレンテ
ィスはみんな交代で運転するのよとジョークを言う。どうやって
足取りを隠しているのか。偽造ID、プリペイド携帯、クレジットカ
ード、海外口座だという。口座は調べられないのかと問うと、
捜査には何ヶ月もかかるのに、例えバハマの口座を突き止めても、
すぐに犯人はスイスの口座に移してしまうのだという。
カーラはどうして詐欺に気が付いたのか。父を介護施設に入れる
為にグラントに返金を頼もうとしていたら連絡が取れなくなった
のだという。詐欺師ならば先ず逃げるのは常套手段だった。戦う
ことは先ず無いこと。殺した動機は金よりも心理的なものだろうと
いうロッシ。ホッチは何故このタイミングに殺しをしたのかだと語る。
先入観を持たないためにもホッチは資料を読まずにプロファイル
を組み立てる事を語る。
フロリダ州マイアミFBI支局。
支局のキャルはサンディエゴの資料は奧の部屋に揃えてあると
いう。その資料の数はもの凄かった。ホワイトカラー犯罪の
捜査は資料だらけなんだという。ホッチはロッシに被害者の分析、
リードは犯人の移動パターン、プレンティスとモーガンはゴールド
マンと移動して被害者が出た警察署へ、JJと俺で時系列の整理を
しようと語る。
マイアミデイド郡警察。
不動産者だったのかと告げる。ウィリアムと出会うまでカーラは
順調な人生を送っていたのだという。何故ウィリアムというのか?
と問うプレンティスに対して、最初の事件では犯人はビルとか
ビリーとかウィルと名乗っていたのだという。だから本名は
ウィリアムかと思ったとのこと。
被害者は大抵豪邸の持ち主を狙っているが、この客に関しては
投資額が低いという。金以外の狙いがあったのかもしれないと。
モーガンは被害者のパソコンに投資会社のホームページの閲覧
履歴がある事を告げる。デザインは単純なテンプレートを使って
そのまんま型通りのものを作っているだけだという。
ガルシアに電話するモーガン。スピーカーに繋がって居るぞと
忠告するモーガンに対して、ガルシアは問題ない事を語る。
メールしたURLと中身が同じようなホームページを探して欲しい
という。ちゃちゃっと調べると9つあるという。
ヘンリー・モフェットという名前のホームページを見つけて
カーラは貴方はグラントではないでしょとして、出て行かないと
警察に知らせると話した為に殺されていた。
ロレインに対してヘンリーは次はいつ会えるかと尋ねると、夫が
出張から戻るから暫く逢えないという。
CIA諜報員でも使う偽名はせいぜい2、3個で使い分けが難しいのに
ドカ子で必ず破綻するのだという。カーラの通話記録を見ると
プリペイド携帯にここ数ヶ月毎日賭けていること。しかも時間
的に遅い時間だという。投資の相談ではないなという。
詐欺被害者は恥じて何かしら隠しているものだというゴールドマン
とプレンティス。ゴールドマンによると被害者と犯人の接点は
類縁集団だろうという。興味や価値感を共有すること。シアトル
では教会、サンフランシスコではチャリティ、ロスでは芸能関係者
が狙われていること。
でもサンディエゴ以降被害者の興味に共通性がないというホッチ。
フロリダ州フォートローダーデール。
ウィリアムは自分はランディ・サマーランドだとして言い聞かせる
中、顧客のフランクにクルーザー内で逢う。しかし彼はランディ
ではなく思わずモフェットと話してしまい前の小切手先と宛先が
違うとしてフランクは騒ぎ出す。その為にウィリアムは彼を殺害
するのだった。
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サンディエゴ支局のホワイトカラー犯罪課・ゴールドマンから
の連絡で、長年サギ師を繰り返している男性が殺人事件を起こした
のではないかとして、BAUに捜査協力を求める。
殺害されたのは不動産業者のカーラ・マーシャル。
ゴールドマンは5年間このサギ師を追いかけているとし、カーラと
死ぬ直前に話を聞いた内容では、彼が追っている犯人像とそっくり
だということだった。しかし犯罪の傾向が変わったことや、何故
そのタイミングに殺さなければならなかったのかで疑問を感じ
調べていくことになる。
詐欺事件の解明って難しいとは思うんですけど、この流れを見る
限りでは、5年間も追いかけ回すほど頭のいい詐欺師には思えなかっ
た。カサノバタイプの詐欺師だとしていたので、日本でも
結婚詐欺師というのは居ると思うのだけど、BAUが来た途端に
その手の捜査の専門家の努力を無にするようにして、一気に解決
していくという、逆に情け無用もない感じに思えてくるところ(笑)
いきなり被害者のパソコンからホームページを見つけたとして
いたけど、ホワイトカラー班ならこういうところは寧ろ強いんじゃ
ないのか?ガルシアが一気に9つも似たようなホームページを見つけて
9つ程度の偽名を使っているとしていた時には、ゴールドマンも
びっくりしていた。あなた一体何処まで事件の解明をしてきたのか
みたいな。そもそも過去に被害者がいるのだから、もう少しマトモ
な似顔絵が作成出来ても良さそうだし、セックス込みの詐欺師
だったので痕跡だって沢山有りそうだ。
ゴールドマンの唯一の鋭さは、最初の被害者に使っていた名前が
ビルとかウィルだったので、ウィリアムが本名だと見破ったところ
だったのかも。
ホワイトカラー犯罪にもBAUは対応出来るということで実に心強い
けど、逆にホワイトカラー犯罪課の捜査官は書類仕事ばかりで実践的
な犯人の検挙の現場にいくのはちょっと恐い感じがした。しかも
今回のゴールドマンはプレンティスと行動を起こしていたけど、
そんな外回り的捜査に於いてはプレンティスの方が頼もしさが有る。
緊張している際に変な癖を持っているところもまたその人なりの弱さ
みたいなものを感じるところに繋がって居たのかな。
捜査が続いていくウチになんとマイアミ・デイド郡警察署に立ち寄る
ことになる。ホレイショやナタリア様の姿を探したけど居なかった
ぞ(笑)
マイアミFBI支局には資料が大量に置かれていたけど、それに目を光ら
せていたのはリードだった。資料を見ていると瞑想できるから
好きなんだというリードに対して、あんまり嬉しそうにするなと
言っていたのはモーガンだった。
ホッチナーはプロファイルを完成させた。
詐欺師の行動学でいう「暗黒の三要素を全て持っている」。
「ナルシスト」「策略家」「自己主張の強さ」。
また犯人は元々はスポーツカーに乗っていたのにサンディエゴ以降
はセダンかSUVに乗り、家も単身用から一戸建てになっているという。
犯人の証拠はこれだけでも十分過ぎるほど揃っている気がするんだ
けどそれでも捕まらないのかみたいな。
随分と金を儲けているみたいだし途中で辞めれば良かったのに。
セックスと詐欺は中毒な人には中毒なのか。
家庭を持ってからもそれを続けていたけれど、ホント色んな顔を
持っていて忙しそうだったな。家族のことは家政婦程度にしかみて
いないみたいに言っていたけど、寧ろ振り回されていた感じがする。
妻のレベッカを演じていたのがAnnabeth Gishさんだということで
この女優さん迫力有るんですよね。
「Pretty Little Liars」では精神科医・アン・サリヴァンを
演じていた。
妻と妊娠させた女性が鉢合わせ。
二人が一緒に居るところを見たウィリアムにしてみればこれまで
でも十分キャパオーバーな状態だったので、死にたくもなるよね。
ラストは捜査官に意図的に撃たせて自殺する為に、制止を無視して
ポケットに手を入れたところを発砲された。トドメを刺したのは
5年間、その捜査を続けてきた捜査官の男だった。
■使用された曲
・
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 広報官
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
エミリー・プレンティス (Paget Brewster) FBI歴10年
レベッカ・ホッジス (Annabeth Gish) 妻
ウィリアム・ホッジス (Victor Webster) 詐欺師
ジョン・ディヴィソン(JD)・ホッジス (Bryce Robinson) 息子・9歳
ラッセル・ゴールドマン (David Eigenberg) 捜査官
ブルック・サンチェス (Valerie Cruz) 既婚者、ウィリアムの子を妊娠
ロレイン・ホートン (Rebecca Staab) トランクに詰めて殺す
フランク・ミケルソン (John Idakitis) フォートローダーデールで殺害
ダイナ・ミケルソン (Anna Marie Wood) フランクの妻
カーラ・マーシャル (Suzanne Quast) マイアミで殺害される
スチュアート (Mike Randleman) 銀行の支店長
キャル (Calvin Harrison) マイアミ支局の捜査官
— (Sapphire) LAPD Officer