第6話 デビルズ・ナイト Devil’s Night
脚本/Randy Huggins
監督/Charlie Haid
【ストーリー】
ミシガン州デトロイト。
町ではデトロイトポリスが監視する中、フード男が黒人男性・
トニーを引きずっていた。一体何をしているとし、何でこんな
事をするのかと語る。犯人の男はトニーに袋をかぶせると、
灯油を蒔いて火を付けて生きたまま殺害する。
ホッチはジャックにハロウィンの衣装はどうしたのかと問うと
もうスパイダーマンは嫌だという。何にするか明日までに決め
てくれという。ジャックは父に対してクッキーを食べても良い
と尋ねると、息子と一緒に食べるホッチ。
リードはプレンティスに対してハロウィンについて色々と知識
を披露する。ハロウィンは実にアメリカ的お祭りで、アイルラ
ンドの収穫祭とキリスト教の万聖節がルーツと言われているけ
ど色んな移民の伝統が混ざっているのだという。1950年代
に「Trick or Treat」が商業化されて今やクリスマスに次いで
人気の祭日だという。プレンティスはロッシに対して、彼に
“週末どうするのって聞いただけ”なのに・・とウンザリする。
リードはエドガー・アラン・ポーの影絵劇か19世紀から伝わる
ファンタスマゴリアか悩んでいるという。ファンタスマゴリアは
映画誕生前のフランスで考案された幻灯機を用いて幽霊を
見せるショーでいわば科学の魔法だという。チケットがたまたま
一枚余ったんだと語る。
そんな中ガルシアが大量の紙の資料を持ってやってくる。
重労働で痩せるけど体型よりも寧ろ森林を大切にしたいとして
紙でのやりとりに反対する。ホッチはデトロイトに行くと言う
とハロウィンなのに?と聞かれる。3年続けてハロウィン直前
に放火殺人が起きているという。デビルズナイト。犯行は毎年
この3日に限られるとし、手口は生きたまま人に火を付ける
もの。人気のない所で焼き殺すとし、夕べ一人、ドニー・トレル
(40歳)が自宅から30kmのリバータウンで発見。ハロウィンの
町は無防備だという。放火犯の典型は17歳から25歳の白人男
で常に火を見たがるというリード。休むなんて考えられない
と言うモーガン。普通は建物を燃やすとすると、火は単なる
武器なのだろうという。デビルズナイトは格好の隠れ蓑だとし、
二日以内に見つけないとまた消えてしまうというホッチ。
夕べの被害者は屈強な男で簡単には倒せないというモーガン。
犯人は力が強いか被害者よりも若いのか。でもどうやって誰に
も気づかれずに犯行現場のビルに入れたのかというプレンティス。
飛行機。
デビルズナイトって前夜祭かと思ったというプレンティス。
デトロイトでは町を挙げてこの3日間、マスク・カオス・コスチ
ュームの文化が有るという。ロッシはリードの説明に対して
“3倍速で言ってみろ”と語る。プレンティスはマルディグラみたい
だとすると、もっと暴力的で放火事件が毎年何百件も起きる
という。自分の町を焼くなんて・・と。初めはイタズラだった
が70年代若者がエスカレートさせたんだというリード。
この不景気なのでよりその傾向が強いのだろうと。しかし生きた
まま焼かれる苦しさなんて想像が出来ないというプレンティス。
支配する快感だというホッチ。大抵この手の放火魔は消防士、
火災調査官、警察、救命士を疑うものだとし、行き過ぎた英雄
願望から発生するという。市民を救う立場の人間だという
ロッシ。何かに怒っているのねとプレンティス。この手のものは
短気なハズだが慎重だというのは不思議だというモーガン。
毎年必ず3人が殺されていること。残り一年かけて殺す相手や
場所を完璧に計画しているのだろうというリード。しかし今年
は我々がいるので完璧ではないというホッチ。
デトロイト消防局本部に到着するBAU。
アル・ガーナーがBAUの対応に出る。犯人の逮捕の為にデトロイト
警察と協力しているが、何よりも手一杯の状態だという。あと2人
を殺そうとしているするが、向こうも警戒しているハズだという。
今年こそ捕まえようとすると、ホッチは既に夕べの現場にモーガン
とプレンティスを行かせたという。ホッチとロッシとリードは
遺体安置所を調べようと語る。
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■今回の事件
ミシガン州デトロイトで発生する連続殺人鬼。
去年からこの時期になるとデビルズナイトと呼ばれるハロウィ
ンまでの3日間に3人の人物が焼死体として発見されるという。
人気のない所で袋をかぶせてガソリンがかけて生きたまま殺すと
いう残忍さ。
今年のデビルズナイトでも一人目の犠牲者・トニー・トレル
(40歳)が殺害され、遺体はリヴァータウンの廃工場(古いエンジン
工場)で発見された。
現場捜査官のガーナーは、デトロイトが車とヒット曲、生産量
世界一を誇っていた時代の遺物だとしていた。
■放火魔のプロファイル
放火犯の典型は17歳から25歳の白人男性で常に火を見たがる
もので、英雄願望の強い、消防士、火災調査官、刑事、救命士
が多いという。
しかし今回の犯人はあくまで火をつけて殺害しているが放火魔
ではなく火を武器にしているとのこと。
問題は被害者のトニーもまた屈強な男で簡単には倒せるハズ
がないこと。更に誰にも見られずに犯行現場のビルにまで
連れ出していることが事情として存在する。
デビルズナイトでは何時の頃からかデトロイトでは若者たち
を中心としてこの日は無謀なことを繰り返す事件が多く、
放火事件は昨年は115軒有ったが、80年当時は600から700件
有ったのでまだマシとのこと。デトロイトポリスという1000人
近いボランティアを要するコミュニティグループがいることが
告げられる。
■被害者から見つかる物証
ガソリンは蒸気にあまり広がらないので火が付くと骨まで焼き
尽くすものだという。遺体を見ると、フラーソンは第4度の熱傷、
後頭部の陥没、顔に焦げた繊維が付着していて、顔を覆って
いただろう事を知る。
普通の犯人ならば被害者の怯えた顔に快感を得るのに、どうして
覆うのか。ロッシが悩んでいたところ、ホッチは処刑だろう
ことを告げる。
また現場を捜査したモーガンとプレンティスは、火災報知器が
鳴れば5分で消防に情報が行き渡るということを知っていて、
全ては計画の想定内の行動だとしていた。警察無線を聞いて居る
ハズだということ。
■事件の被害者は7人
毎年3人殺されているということを考えると、2年前から起きた
事件で今年で3年目ということになる。やたらと「3」に
こだわりがある感じだ。
最初の被害者がトミー・プロクター。
ビルの地下で燃やされて遺体の発見には遅れたという。
2人目の被害者はジョセフィーン・デイヴィス。
善良な人物だったとして何故狙われたのか彼女を知る人には
分からなかった。
しかし処刑・復讐殺人だとすると必ず被害者に共通点がある
ハズだということで捜査される。
いずれもカップルを襲っていることから、犯人に取っての
幸せの象徴で、それを失ったのではないかとプレンティスは
語っていた。
■今年の被害者トニーの妻・キアストン
ロッシが話を聞こうとするが、プレンティスが取りあえず彼女
と会話していた。ロッシといきなり話すと萎縮してしまう
為なのか。それとも女性同士でまずは気を落ち着かせる為に
一拍置いたものなのか。
ロッシは催眠療法とは少し違うが、目を閉じさせてトニーが
居なくなった時のことを思い出させていた。
グリークタウンのハロウィン祭りを見に行ったこと。
9時半頃で、彼とはハイスクール時代に出会って以降、毎年
来ていること。毎年仮装しているが今年は仮装はしなかった
こと。一緒に祭りに来たのに別の屋台で食事するとかちょっと
考えられなかったな。
そんなキアストンは潜在下で犯人を目撃している。
「顔の片側だけマスクを覆っている。耳がない黒人だった。」
「エルム街の悪夢」のフレディみたいだなとガーナーが呟いて
いたけど、ヤケドを負っていることは確か。
■第2の被害者が出る
被害者はクリストファー・エドワーズ(35歳)。娘と共に車に
居る中で、連れて行かれた。クリストファーの口からは
既にケイマンの名前が出ていた。
既婚者で建築業者で娘もいる。
娘が可愛く「全ては主の手の中に~パパと娘も手の中に~」
と親子で繰り返し歌っていたのが印象的。WOWOWさんのHPによる
と黒人霊歌で、原語では「He’s Got The Whole World in His
Hand」と歌っている様だ。
■BAUも犯人を特定
エドワーズが誘拐されたことと関連して、火に関わる職種の
下請けを調べていくことで、ヴィニーズという会社にぶち当たる。
ガルシアは検索したが当初は出てこなかったものの、ミシガン州
の給与計算代行サービスの名簿をクロス検索して発見する。
ケイマンは若い頃は相当タチの悪いギャングで、2004年に足を
洗っていること。そこで重要な出会いが有ったことを見抜く。
2002年にトミー・プロクターと逮捕され、2005年に最悪の再会
が有った。ケンマンの車が事故り炎上し、ガソリンに引火。
トミーの車がぶつけたのにトミー本人はケガがなく、ケイマンは
3度の熱傷。昏睡の2ヶ月の間にアパートを追い出したのが
大家のトニーだった。
ケイマンだと知り、モーガンとプレンティスで家を調べると、
彼は7ヶ月前に仕事を解雇されていた。
トレイシーという女性の写真が彼の部屋に有り、ジェイモーズ・
ダイナーという店の娘だと判明。
ただトレイシー・アンダーソンは元はジェームズとロレッタの
娘でロレッタと死別した際にロレッタの妹のスーザンとトムが
養女にしていた様子。
ジェームズの店がメチルエチルチトンで燃やされる中、トレイ
シーはオハイオの医学校に行っていることが分かり、あれから
5年だとしてジェームズはケイマンを説得しようとした。
店に火を付ける中で、ホッチが中に入って彼を助けた直後に
大爆発。モーガンは最近のホッチはまたそんな危険な行動を
取っていることを心配していたね。
更にスーザンとトムの家に入り、トレイシーとその息子に対して
銃を向ける。一番苦しい時に助けてくれなかったとしてトレイ
シーを恨んでいたけど、結果として彼女は当時妊娠していて
それどころではなかったみたいだ。
息子の名はダニエル・ケイマン・アンダーソン。
そんな事実を知ってケイマンの暴走は止まったけど、ダニエルも
またよく怖がらずに彼に近づいていたね。
■ネタ
・ロッシもプレンティスもリードが疎ましい
やたらと解説屋のリードに対してロッシが色々といじっていた
ところが笑えた。今回はツボが少なかったのでこの辺で盛り上
がるほかなかった。
・ホッチの息子・ジャックが仮装
ヒーローはパパだとして、背広を着てくる息子の姿。
これは父親にとっては嬉しいことだろうし、今回のダニエルと
ケイマンの関係を見ると如何に子供の存在が大事で心の支え
になっているのかが分かる。
ただできすぎているので、誰かにパパが一番喜びそうな姿に
なることを吹き込まれたのかも(笑) <-大人故の邪推だな
・ラジオDJ
FM99デトロイトでDJカッツがこんな日は自宅にいましょう的
放送をしていた。
・ファンタスマゴリア
最近相棒14の4話のタイトルがこれ。リードが見に行こうかと
迷っていたけど、この幻灯機の幽霊ショーって他の映画の中
で見たことがあるな。
■使用された曲
・Hypocritical Ways by Anthony Duckitt and Denis Leach
・Trouble Man (Single) by Marvin Gaye
■出演者
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
エミリー・プレンティス (Paget Brewster) FBI歴10年
ケイマン・スコット (Leonard Roberts) 犯人
Lt.アル・ガーナー (Ernie Hudson) デトロイト警察
ジェームズ・モリス (Carl Lumbly) “Jay-Mo”
トム・アンダーソン (Michael Warren) トレイシーの父
スーザン・アンダーソン (Beverly Todd) トレイシーの母
トレイシー・アンダーソン (Daniele Watts) トニーの元彼女
ダニエル・アンダーソン (Honor Jones) トレイシーとケイマンの息子
トニー・トレル (Jocko Sims) 40歳、1人目・被害者
キアストン・トレル (Stacy Highsmith) トニーの妻
クリストファー・エドワーズ (Ken Olandt) 35歳、2人目・被害者
Dr.フラーソン (Mandy Levin) 鑑識、遺体を調べる。
ジャック・ホッチナー (Cade Owens) ホッチの息子
— (Justin Alston) 救命士
— (Ava Acres) 娘
イヴェット (Xen Sams)
フランク・モリス (Dan Warner)
トミー・プロクター
ジョセフィーン・デイヴィス