第17話 喪失 Loss
脚本/Joe Fazzio 監督/Helen Hunt
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【前回までのあらすじ】
マルゴーはライマンを唆して家の中にノーランの秘密がある
として、そのデータを取ってくるよう告げる。見返りに政治資金
の献金を行うこと。しかしルイーズは兄のことを信用して泊めた
のにやはり裏切って居たことにショックを受け、今すぐに出て行く
様告げる。もみ合う際に崖から落下して亡くなる。
ルイーズとノーランはジャックに対してカールも連れて来て良いし
託児所も作るし働き方も自由で良いのでノーランが買い取った
バーで働く事を打診する。マクギンティでコキ使われるのが良い
のであればそれでも良いというと、ジャックは今夜からでも働く
という。
デビッド・クラークはヴィクトリアに対して遺産はどうするのか
尋ねると、ダニエル・グレイソン基金に入れて息子の名誉を回復
する為に使うという。
ヴィクトリアはマルゴーに対してエミリーを敵に回して良い事は
ないとし、未来のためにも忘れるべきだとするが、寧ろこの子の
為にはやらないといけないというマルゴー。ジェームズはジャック
の件は上手くやった事を語る。
ジャックが車で走行中にシェーファー捜査官が車を止めて、アルコ
ール探知機でジャックを調べる。ジャックは飲酒などしていない
というが、シェーファーは基準値を超えているとして逮捕する。
【ストーリー】
エミリーはカールを一時的に預かる中、アマンダだった頃、父と
引き離される時の夢を見る。エミリーは思わずうたた寝してしま
ったとして、カールに語ると抱っこして上げると語る。
デビッドもやってくるとミニカーを持ってくる。子育てって難しい
事を告げると、ジャックがどうなるか心配だという。有罪ならば
懲役五年だとし子供を乗せての飲酒なのので重罪だという。
ジャックは最近調子が悪いと言っていたが飲酒運転するハズ無い
というデビッド。エミリーははめられたのだと語り、マルゴーが
ここまでするとは考えられないという。子から親を引き離すなんて
と憤る。デビッドはエミリーが仕返ししようとしていることを悟る
と、やり返していたら何も解決しない事を語る。しかしエミリー
は見過ごせないことを語り、けりをつけるという。取りあえず保釈
聴聞会にいってくるのでカールをお願いと父に頼む。
ジャックはシェーファーに対して誤解だとし、血液検査の結果を
見てくれというが、サンプルが消えたことを語る。これは罠だと
すると、弁護士に言えという。そこにはジャックの母のスティーヴ
ィーの姿が有った。夕べエミリーに呼ばれたという。
俺はどうすれば良いのかと問うと一緒に戦うのだという。酒は一滴
も飲んで居ないというと信じて欲しいという。スティーヴィー
はかつてアルコール中毒だったことも有り、酒のウソは分かる
とし、真実はこちら側にあるのでそれを証明しようと語る。
ヴィクトリアは妊婦検査に来ているマルゴーの元へ。
気分はどうか?として尋ねるマルゴー。遺産の件、おめでとうと
告げ、ドレスを見れば9月号のブーレの表紙に乗せるものを
着ている事を指摘しまだ7月だと語る。ちょっとしたご褒美だと
いうヴィクトリア。
ダニエル・グレイソン研究所の図面を持ってくると、凄く立派
だというマルゴー。承認されたら多くの命が救えるハズだという。
病院の理事会が今日開かれるが聖ヨセフ病院が寄付を欲しがって
いるのは確かだがダニエルの名前をつけるのを反対しているの
だという。マルゴーは反対者を説得するのは私の役目だと告げる
と、ヴィクトリアは起工式であなたの妊娠を公表したいことを
語る。
そんな中看護師がやってくると、マルゴーの赤ちゃんの心音を
聴かせる。赤ちゃんだとしてマルゴーとヴィクトリアは微笑む。
ノーランはルイーズにおはようと声を掛ける。
二日酔いの特別ジュースを使っているとし、兄さんが酔っていた
からだという。そんな中エミリーからジャックの件でトラブル
が起きたとしてエミリーの元にいくという。しかし出かけよう
としたところでベンがノーランとルイーズの元にやってくる。
タッパーマン巡査を引き連れてやってきた。奥さんと話がしたい
という。崖の下から遺体が発見されたとしてルイーズの兄
ライアンのものだという。
法廷ではジャックの罪状認否が行われる。
判事はリアン・ノウルズ。地方検事はイーストン・ジョージ。
ジャックはスティーヴィーと共に無罪を主張する。検事は子供
を同乗させての飲酒で危険だとし逃走の恐れが有るとするが、
スティーヴィーはジャックの子供への愛情、そしてこの土地で
育ち勲章まで受けた元警察官なので自己制約の保釈で十分だろう
と語る。判事はそれを認めるが父に相応しいかどうかソーシャル
ワーカーに評価させるというものだった。
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マルゴーの暴走は留まる事を知らず、エミリーを陥れる為に
ノーランやジャックのウィークポイントを突いていこうとする。
ヴィクトリアはマルゴーにエミリーと戦うのは辞めるべきこと
を提言し、デビッドもまた復讐してもただ色々と失うだけだと
してエミリーを止めようとする。
ジャックが飲酒運転の罪をハメられたことで、その真相を解き明か
して行こうとする。そんな間にもジャックに対する法廷での
裁判は開始され、弁護士と検事は意見を戦わせていくが・・・
このドラマ、復讐からは何も生まれないという主張は分かるのだ
けど、デビッドがハメられたことによって人生を滅茶苦茶に
されたエミリーの人生や心情と同期させるようにして、マルゴーの
復讐心とかヴィクトリアの復讐心を同列に扱おうとしている所には
かなりのギャップと違和感が有る。、正直エミリーの家庭の事情と
マルゴーやヴィクトリアのそれとは全然意味合いが違い過ぎて、
比較にならないんだよな。
だからマルゴーのエミリーに対する復讐に於ける執着心を見ても
イマイチ理解出来ず、単にダニエルがエミリーを庇って死んだこと
による嫉妬心にしか見えないところも有る。
マルゴーという人物はマスコミ側の人間なので真実を追究すること
が仕事なのだから、もっと正当的立場でエミリーの秘密を暴くなり
工作してくればそれなりに肩入れ出来るんだろうけどね。
赤ちゃんがいる状況なのにダークサイドに落ちてしまうからこそ、
こんな歪な状況に陥っているようにも思えてしまう。
マルゴーは、自分が利用しようとしたルイーズの兄が死亡したこと
で、復讐を辞めようかと思えば、今度は何故かジェームズ
が彼女を奮い立たせるようにして、私はルマルシャル家に仕えてきた
みたいな主張を持って復讐の流れを継続させるけれど、それもまた
何か違うだろうみたいな感じにも思えて、なんだか無理矢理物語
を引き延ばしている感じにも思える。
ジャックのアルコールの件は酔ったようには見えていなかったし、
明らかに警察署員が買収されているのかなと思わせたけど、
シェーファーが悪人だという訳では無く、ジェームズがビーチクラブ
にいた時のジャックの水の中にアセトンを入れたのだという。
アルコール探知機には数値として表れたのは本当の様だけど、血液
検査の結果を通して見ればそれがアルコールではなくアセトンだと
分かるものだった。血液検査をしたのに、その結果が検視局から
無くなっており、エミリーがジェームズの自宅を掴んで取り返して
いたけれど、それを証拠として採用するのは確かに汚染されている
可能性があることを考慮すれば、普通の捜査でも難しそうだ。
寧ろジェームズがあっさり手渡したので、その血液自体に何か
トリックが仕掛けて有るのではないかという思いしかしない。
ただジャックもアセトンを飲まされたのであれば、飲んだ時点で
気が付いて欲しい(笑)無臭のアセトンってあるのか?
法廷でのやりとりでは明らかに被告のジャック側に有利に働く
流れだったけど、無理矢理判事が法定侮辱罪としてスティーヴィー
を捕らえたことから、買収されているのが判事だと分かる。
上手い事ジャックが仕掛けられた状況と同じ立場で、彼女に
分からせようとする展開は上手く出来ていたけどね。
ヴィクトリアはダニエルの名誉の回復の為に、ダニエル・グレイソン
研究所を設立。またいきなり飛び出した企画だったけど、研究所って
病院の臨床みたいなことをする場所だったのだろうか。
一人反対している人物がいる。エミリーの名前が理事の一人に入って
いたのでヴィクトリアは当然彼女だと思い、NINJAの如くエミリーの
自宅に忍び込んで彼女に圧力をかけていた。しかしそれが間違いで
マルゴーだと知った際には、エミリーに謝罪もないところはまた
嫌な感じだね。
エミリーはマルゴーに和解の申し出にいくが、当然信用するハズも
なく、もう少し上手い事セッティングすれば良かったのに、
タイミングとしては最悪だった。せめてヴィクトリアとデビッドを
交えて4人で話合うのが筋だったのではないかと。
ルイーズが兄を不可抗力とは言え殺害してしまったこと。
ノーランの前にトニー・ヒューズというソーシャルワーカーが
接近してきたけど、流石はノーラン。かつてのジャックとノーラン
は嫌い合っていたけど、今ではジャックにとってノーランの存在
は欠かせないものがある。
「僕の父がバイテクシャルの息子を家から追い出した時に(ソーシ
ャルネットワーカーは)何をした?保護が必要な子は沢山いるが
カールはそうじゃない。僕の父がジャックがカールを愛するように
僕を愛してくれたらと心から思う。」
ノーランはゲイかと思ったけど話を聞くとバイセクシャルの様で、
ルイーズとの幸せも追求出来そうだけど、トニーが出てきたこと
でまた複雑なものがありそうだ。ルイーズのことは偽装結婚とは
いえ絆はあるので、裏切らないで欲しいけど・・
残念ながらマルゴーの赤ちゃんはタクシーと衝突して亡くなって
しまった。ヴィクトリアにはエミリーから押されてタクシーに
轢かれたとウソを付く。この流れは、有る意味ルイーズと兄・
ライアンがもみ合いになって崖に墜落した時に、押したか押さない
かで同様の状況になっているけれど、果たして二つの流れの真実は
明らかにされるのかな。
こういうシーンを見ると
先週見たDr.HOUSE S8-21でのパクの言葉が心に響くな。
「先生(ハウス)はいつでも真実を追究するが真実は時に毒になる。」
■検索用キーワード
■使用された曲
・End Credits Theme
Written by Fil Eisler
・She Treats Me Well by Ben Howard
ヴィクトリア・グレイソン (Madeleine Stowe) 母親・女王
エミリー・ソーン (Emily VanCamp) アマンダ・クラーク、娘
ノーラン・ロス (Gabriel Mann) IT長者、エミリーの父に恩
ジャック・ポーター (Nick Wechsler) 酒場の息子、”アマンダ”を思う
デビッド・クラーク (James Tupper) エミリーとシャーロットの父
マルゴー・ルマルシャル (Karine Vanasse) ダニエルの幼なじみ・フランス人
ベン・ハンター (Brian Hallisay) サフォーク郡警察警察官
ルイーズ・エリス (Elena Satine) 金持ち?ヴィクトリアと精神病院
スティービー・グレイソン (Gail O’Grady) 弁護士、ジャックの母
トニー・ヒューズ (Josh Pence) ソーシャルワーカー、ゲイ
ジェームズ・アレン (Ed Quinn) パスカルが頼りにしたフィクサー
ジョージ・イーストン (Bradley White) 地方検事
リアン・ノウルズ (Lucinda Jenney) 判事
アレクサンダー・ストーン (Tim Powell) 理事会
— (Maria McCann) 医者
— (Christopher Allen) EMT
— (Liz Jenkins) Lab Tech
シェーファー (Jeffrey David Anderson) 悪徳捜査官