第23話 老女連続殺人 Bound
脚本/ Barbie Kligman
監督/Constantine Makris
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不動産業者はドナ・ブルックス(70歳)の邸宅を売りに出す。
それを見に来た客と不動産業者はそこでドナが倒れて居るのを
知る。更に隣には男性が倒れていて助けを求めていた。
人が押し入った形跡は無いということ。しかしレイプと絞殺、
そして精液がついているという。また生存者が居ることを
エリオットに語る。生存者はリチャード・サットン。彼が現場
に居た理由は不明だという。現場で心臓発作で倒れて居たとし
救命士は話を聞くならば救急車内でと語る。サットンはかすかな
声で”ドナ済まない”と語る。心室細動・・救命士に何か言って
いなかったかを尋ねると”胸が痛い”と言っただけだという。
そんな中オリビアも合流すると何が合ったのかと尋ねる。
彼は被害者なのかと尋ねると、エリオットは加害者の可能性も
ある事を告げる。
クレイゲンに概要を報告する。
サットンはアッパーイーストで一人暮らし。ドナの大邸宅に
居た理由は?と告げる。未亡人なので恋人かも知れないという
オリビア。荒らされた形跡はないというエリオット。セックス
の後にケンカし、殺害後に心臓発作を起こしたのではないかと
疑うオリビア。遺体発見のショックによるものかもしれない
事を告げるクレイゲンは遺族に二人の関係を聴くよう告げる。
現在ドナの妹のジョゼットを呼んでいるという。
凶器は鑑識が調べているが、電気コード、ベルトなどと照合
しているとのこと。死亡時刻は体温から判断して昨夜22時だろう
とのことだった。
ジョゼットが署に来た為に話を聞く。
何故家を売りに出したのかと尋ねると、私が頼んだのだという。
少ない余生を私や孫と過ごして欲しいと。母はリンパ腫で余命は
一年半だったという。今朝電話したが母は運動中には電話には
出ないのだという。運動は朝の日課にしていて、母は「体型を
保てばいい男を勝ち取れる」とよく言っていたのだという。セックス
は複数の男性と関係を持っていたとのこと。リチャードのことは
知らない名前だという。慎めと言っていたのだという。
特定の恋人はいたのかと問うと、ハーベイ・コーエンだという。
ダンス教室でタンゴを習っていたとのこと。
ハーベイから話を聞く。
ドナは昨夜ここに来たのかどうか。月曜日には必ず来るとする中
ドナとはどんな関係なのかと問う。パートナーだとすると、恋人
なのかと問うエリオット。そんなこと軽々しく言わないでくれ
というハーベイ。しかしレイプや殺人が起きたことを語る。
ドナは殺されたのだと。しかしドナとはここで別の男と戯れていた
ので出て行けと告げたという。相手の名前はベン・パウラーだと
し、男は息子ほどに若いという。
ベンに話を聞きに行くと、ダンスの後に一緒に彼女の家に行った
事を語る。40歳の年齢のことを指摘すると、熟女は経験豊富で
大胆で疲れを知らないという。金も魅力なのではないかとして
オリビアたちは迫る。昨夜殺されていたのだとすると、ベンは自分が
帰る時には生きていたと語る。帰ったのは9時15分頃だとすると、
証明する人物は居るのかと問う。するとベンはマリオンを呼びだす
と彼女は私がドナの家に迎えに行ったと語る。
ベニーにハーベイにリチャード・・お盛んだとするが、余命を
楽しんでいたのだろうというエリオット。しかし男の趣味が悪い
という。リチャードの件でフィンは調べたという。妻は4人いるが
3人は自然死していて最後の妻・アレクシスは生きているという。
女の扱いを知らないらしい昨年だけで61回もDVで通報されている
という。毎回和解して起訴されていないとのこと。妻はクイーンズ
に住んでいるようだと語る。
3月22日(月)・ジャクソンハイツ老人ホーム。
アレクシスに話を聞くが、私の夫はマーティで唯一愛した人だと
いう。戦死したとのことで勲章ももらったという。トルーマン
大統領から電報も来たとのこと。職員に聴くとアルツハイマー
だという。資産家なのにどうしてここに居るのかと問うと、
リチャードは資産を牛耳っているのだとし、妻をここに捨てて
派手な暮らしをしているとのこと。面会には署名させる時にだけ
来るという。夫には金を使う権利があるのでどうしようもないが、
女を殴っていたという。面会の後にアレクシスが倒れて居たこと
があったが私はその現場を見ていないのだという。彼女も否定
した為に事件にはならなかったとのこと。
サットンの入院した病院にいくと、エリオットはお前の捨てた
妻と逢ってきたと語る。ドナは次の金脈だったのか?と問い、
拒まれて殺害したのかと問うオリビア。彼は呼吸器を口に入れら
れていた為に筆談で会話する。扉は明いていたこと。午前9時
に行ったこと。昨夜10時はどこに居たのかと問うと自宅で一人で
いたと語る。アリバイを尋ねると、彼は彼女が殺されたのは夜
じゃないという。ドナは毎朝トレーニングをしていること。窓を
開けていたままで寒かったので暖房をつけていた事を語る。
それを受けて再び検死官のメリンダに話を聞きに行く。
通常死後体温は一時間に一度下がるが、発見時のドナの体温は
華氏86度で普通よりも12度低い状態だったという。だから
前夜10時が死亡推定時刻と判断したとするが、彼女が運動して
いるとは思わなかったという。アデノシン三リン酸が運動で消費
されて、硬直が早まったのだという。運動で低い室温がドナの
体温を急激に下げたのだという。それを考慮すると殺されたのは
今朝の6時だという。首には繊維が付いていなかったこと。でも
アザは独特だという。一致するものは現場になかったが、FBIの
データベースを照合すれば見つかるハズだと言う。ホアンに
頼んで見れば良いとのこと。
3月22日(月)・FBI
凶器はロープでナイロン製だという。登山などで使用されるもので、
過去の事件では15件使われているという。もう少し検索条件を
出して絞って欲しいと告げる。被害者は60から80歳代の女性で
手口は絞殺、自宅で殺害されていること。
するとスーザン・ゼルマン(65歳)がブルックリンで同様の条件下
で殺害されていた。またクセウディア・ラディング(70歳)も
ピアモントで殺されていた。都市部に住み同じロープで殺されて
いること。老女連続殺人事件だというエリオット。
被害者は裕福な老女ばかり。凶器も指紋も侵入の形跡も残っていな
いこと。顔見知りの犯行ではないのか。あるいは孤独の老女を
騙した人物だというオリビア。模倣犯を防ぐ為にも公表するなと
いうクレイゲン。
マンチは被害者家族を調べたという。クラウディアの息子エディ
は放蕩息子で相続権を奪われていること。現在は車のディーラー
をしていた。スーザンの夫・マービンは健在で車椅子生活をして
いるので絞殺腕力は無いだろうというマンチ。二人から話を聞いて
来いというクレイゲン。被害者3人には共通点があるハズだという。
マービンにはエリオットとオリビア、エディにはフィンとマンチ
が話を聞く。共に相手の写真を見せるが知らない人だという。
しかしクラウディアは胃がんで、スーザンは乳がんだったことを
知る。主治医は一時的に回復していると言っていたとのことだった。
3月23日(火)・デビッド・ブレルスフォード医師・ハドソン大病院
デビッドから話を聞きに行く。スーザンとクラウディアは確かに
担当していたがドナは違うという。しかし当病院の患者だという。
殺されたことを告げると、私がもし犯人ならば発覚はしないと語る。
私は患者に感謝されているし殺す理由はないという。昨日の朝6時の
アリバイを聴くと家に居たという。あなたに関係する3人が死んで
いるのだとしてエリオットは協力して欲しいと語る。患者に接する
人は多いことを告げ、医者、看護師、ソーシャルワーカー、そして
在宅医療だという。委託先はRDFで院長はマット・スピーバックだ
と語る。患者からの評判の良い人だったのが任せたとのこと。
スピーバックの在宅医療RDFにいく。
しかし対応に出たエマ・スピーバッグは現在院長のマットは不在
とのこと。あなたは奥さんなのかと問うと、マットの妹だという。
クラウディア、スーザン、ドナのことを尋ねると患者がみな殺された
ことを語る。三人の担当者はと尋ねると、エマは記録を調べて
デパール看護師だという。そんな中マットがやってくるとドナの件
で来たのかと問う。デパール看護師はどうしたのかと問うと、ゲリー
のことは解雇したのだという。患者から盗みを働いたからで、相手は
ドナだという。今は食事の配達をしているとのことだった。
3月24日(水)・文章鑑定人事務所
3月24日(水)・マットの自宅
3月25日(木)・罪状認否
3月26日(金)・監察医事務所
3月30日(火)・シャーマン墓地
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自宅の豪邸を売りに出してドナ・ブルックス(80歳)が自宅室内
で絞殺されて発見される。隣にはリチャード・サットンが居た
が、辛うじて生きていた。死亡推定時刻は夜の10時頃だとされる。
娘のジョゼットから話を聞くと、母はリンパ腫で余命は1年弱。
母はかなりの遊び人で、男性関係も激しかったという。男性関係
を調べていくと、ハーベイ、ベンリチャードなどと付き合っていた
ことが分かる。リチャードもまた外道な男で、アレクシスという
妻を老人ホームに入れて、資産を浮気の為に利用していた。
しかしリチャードから話を聞くと、彼女が亡くなったのは夜では
ないことを聞かされる。その事から改めて検視し直すと、朝6時
が死亡推定時刻だと訂正される。凶器の特定のためにFBIのデータ
ベースで調べると同時に類似する事件を調べていくと同様に
殺されたスーザン、クラウディアなどが居る事が分かる。共通
しているのは老女だけでなく、みんながん患者で、同じ病院に
通院していたことが判明する。
前回に続いて白衣の天使もののネタを臭わす内容だった。
LAW & ORDER SVUシリーズはシーズン5になって、エピソード毎
に全く違うような内容を取り上げるのではなく、何処か関連した
流れの中で、犯行の動機としては、有る意味共通性を感じるところ
に繋がって居る。
今回のメインキャラは特に設定されていなかったけど、ラストでの
エリオットとオリビアの演技によって自白に導く流れを見ると、
かつてのクリミナル・インテンドに於けるゴーレン&エイムズの
ワンシーン/演技シーンにも精通しているところが有るな。
前回のエピソードがどうしても歯切れの悪い裁判シーンで終わって
しまったところも有るので、今回はなんとかして解決してスッキリ
感を出したかったところなのだろうけど、自供させるに至るホアンが
提案した”同調させる”、”競争心を煽る”流れには少々説得力は足り
なかった。
笑えたのは判事たちが集まってポーカーをしていた点か。
LAW & ORDER シリーズを見ている人ならば、そこにいた判事たち
は何度も目にしている判事たちなので、LAW & ORDERに於ける判事
オタクには、ウルトラの兄弟が集まっているかのような感動が
有ったのかも知れないけど、ノバクは5人の賢者ならぬ判事が集まる
光景を目にして「悪魔の光景」だと語っている姿が印象的だった。
「何を急いでいるんだ?」「墓の掘り返しよ」「それは大変、死体が
逃げるな」「私に死者の眠りを邪魔しろというのか!?」
ということでほのぼのとした判事と検事のトークが繰り広げられた
けど、おっさんたちの中に紅一点のペトロフスキー判事がいた
ところがなんとも言えないね。
今回の被害者や容疑者たちの姿を見ると、男性だけが遊ぶのではな
く女性だって異性と遊ぶ権利があるとばかりに、基本的にドラマでは
ジェンダーを意識する要素が色々と盛り込まれていた。
被害者の兄に対する皮肉じゃないのだろうけど、判事たちが
ギャンブルをしているところが何とも言えないね。
加害者の男女は、母親からの愛情の差異が結果として憎しみ
へと昇華されていくもので、亡くなった母親のことも同様に
して、区別して扱ってきたことへの恨みから、子供達はねじ曲がった
性格として大人に成長していた。兄は甘やかされて育ったからか、
ギャンブル癖が有り、金を無節操に使っていたこと。妹はそんな
兄の影に隠れて、常に裏方の仕事をさせられていたことによって、
同性が同性を殺害していくという殺意へと繋げていく。
大抵は痴情の縺れとか金の問題など、男女の間で起きるような
殺人だけど、スピーバック家はかなり特異なところが有った。
彼らはまだ生きているのに既に家族の名前が彫られた墓標が立て
られているところなど、一見すると家族の絆を現しているみたい
な感じにも思えるけど、溺愛し過ぎると実に不気味だ。
しかもエマとマットは双子であり、同じ日に生まれた子供達が
性別の差だけで区別させられている現状からすると、エマの怒り
もある程度伝わってくるところがある。
追悼の為の思い出のビデオと称して鑑賞していたビデオの中でも
明らかに母親が兄への特別な愛情を向けていたことが分かるもの
があった。
殺害方法は首を絞めるものだったけど、それと同時に心臓発作の
流れに於いては注射器を使って空気を注入する方法論を使って
いた。
色々と当初想像していたこととは時系列の違う流れが起きたことも
ドラマとしては興味深く映る。
遺体の状況が当初想定していたことから違う為に死亡推定時刻が
変わっていたり、ビビアンという女性が狙われていると分かった
際には、マットがエマを狙ったのではないかとされていたけど、
実際にはマットの方が先に死んでいたこと。またあの状況の中で
ビビアンがマットを撃ち殺すことは不可能だということで、ホアンが
突き止める流れが有った。最近ホアンの活躍がかなり少なかった
だけに今回メインが誰かとしたらホアンが主役だったのかも。
・犯人エマ役のJane Krakowski
ドラマ「30 ROCK」のジェナ役としてコメディに出ている。
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
ジュディス・シパー (Caren Browning) CSU Captain
ライアン・オハロラン (Mike Doyle) Forensics Tech
マット・スピーバック (Anthony Rapp) 在宅医療”RDH”経営者
エマ・スピーバック (Jane Krakowski) マットの妹
ニッキー・ステインズ (Callie Thorne) マットの弁護士
リチャード・サットン (Richard Easton) 遺体現場に居た。悪い男
ジョゼット・ブルックス (Isabel Glasser) ドナの妹
マービン・ゼルマン (Edmund Lyndeck) スーザンの夫
イーガン (Daniel Pearce) 弁護士
マーク・セリグマン (Tom O’Rourke) 判事、罪状認否
レナ・ペトフスキー (Joanna Merlin) 判事、ポーカー
ジョセフ・P・ターヒューン (Philip Bosco) 判事。ノバクが令状を
アラン・リドナー (Harvey Atkin) 判事、ポーカー
ウォルター・ブラッドリー (Peter McRobbie) 判事、ポーカー
ワイラー (William Whitehead) 判事、ポーカー
ハーベイ・コーエン (James A. Stephens) タンゴ教室の先生
アレクシス・サットン (Eunice Anderson) リチャードの妻、アルツハイマー
ベン・パウラー (Trevor Jones) 老人を狙う若者
エディ・ラディング (Paul Urcioli) クラウディアの息子、車ディーラー
ジョン・リドリー (Michael Howell) 元看護師、配達
Dr.デビッド・ブレルスフォード (Mark Fairchild) ハドソン大病院
パット・フィッシャー (Gibson Frazier) 文章鑑定
リサ・ディマルコ (Lisa LeGuillou) 会計士
ロリ・スミス (Tara Greenway)
エステル・ガーソン (Diane Bradley)
マリオン (Carmen Dell’Orefice) ベンと付き合う老女
Mrs.ラビノウィッツ (Jan Owen)
マルティネス (Joselin Reyes) 救命士
オルソン (Joseph E. Murray) 救命士
グリーン (Kevin Jiggetts) 捜査官
ドナ・ブルックス () 80歳
ビビアン・カラス () 注射器で死亡
マーガレット・スピーバック () エマの母 1933/1/3 – 1997/4/10
トーマス・スピーバック () エマの父 1930/3/11 – 1977/12/9