November 1, 2002
第7話 捨てられた人形 Dolls
脚本/Amanda Green
監督/Darnell Martin
——————————————————–
マンハッタン北部にあるゴミ処理センター。
二人の作業員がゴミの処分地に配送されてくるゴミを処分しな
がら会話していた。「彼女は俺の仕事を嫌っている。」「宝石
を捨てるヤツなんかもいるんだ。」「凄い臭いだ。」「その分
給料が高いだろ」「何の臭いなのか・・・」。ゴミをかき分けて
見るとなんと5、6才児だと思われる遺体が発見される。
ゴミの処分場の関係者は毎日100台以上のトラックが繰り返し
ゴミを運んでくるのでどのトラックから積み降ろされたゴミ
なのかは分からないという。メリンダによると首を絞められ
て窒息死していること。性器の傷から死の直前にレイプされて
いること。犯行はかなり前のことだろうという。遺体の肌の
皺からして布に包まれて保管されていたであろう事を告げ、
犯人に抵抗した形跡があるという。遺体には金髪の毛が付着
していた。
しかしラボで調べると髪の毛ではなく合成繊維だと判明する。
ウィッグなのか・・・メリンダはウジ虫の大きさからして死後
6週間から8週間程度のもので、冷所に置かれていたようだという。
歯形から被害者を特定出来ないのかというエリオットに対して、
治療した形跡はなく虫歯だらけだという。顔の復元に関しては
司法人類学者に頼むという。指紋の採取も試みるとのことだった。
他に何か分かることは有るかと尋ねると、指をしゃぶる癖が
有ったこと。そして靴のつま先の剥げ具合からして縄跳びが
好きだったであろうことが伺えるという。
フィンとクレイゲンは失踪人届けについて話合うが、届け出と
該当する人物ではないという。誘拐を隠したい事情でもあるのか
とオリビア。親が犯人だという可能性もあるという。とにかく
小学校に入る前ならば家族以外には気が付かれない可能性が高い
と語る。
11月4日(月)・司法人類学研究所
顔を復元すると”身元不明の女の子”(cherish doe)と称する。
研究員はお下げ髪にして同情を集めるように描いたという。
大腿部と骨端板から見て遺体は6歳以下なのは明らかだった。
現在指紋は皺を取るため特殊な溶液につけているので暫くしたら
採れるようになるだろうとのことだった。
一方フィンとマンチは遺体の有った近くゴミには、ハンバーガーの
包装紙、魚クズ、ネイル用のコットンが入って居たという。
それらを扱う店が同じ雑居ビル内にないかコンピュータで調べて
みるとのこと。収集エリアは96丁目から北部なので絞り込める
だろうという。コンピュータはレノックス通りと123丁目の角に
該当する雑居ビルがあるという。
フィンとマンチは該当地域の”いつものように”ゴミ漁りに行く。
するとすぐに血の付着する布が発見される。住民が見ている
かもしれないとして聞き込みするが誰一人として目撃者はいなかっ
た。血痕を調べるとシーツの血液型は被害者のものと一致するという。
そんな中テレビでは司法人類学研究所で復元してもらった”身元不
明の女の子”(cherish doe)のことを報道され、内部でリークされて
いる事が分かる。
しかしそれでも目撃者は現れなかった。彼釈放中の小児性愛者
は居ないのかとするクレイゲンだが、周辺には該当者はいなかった。
地域団体主催で今夜あの子の追悼会をするという。
11月4日(月)・バプテスト教会
警察も見守る中、追悼式が行われる。牧師は目撃者は警察に協力
するよう求める。クレイゲンもみんなの前に立つと専用回線を
用意したので何か知っている人がいれば話して欲しいと頼む。
追悼会の様子は防犯カメラ映像で撮影され、リアルタイムで性犯罪者
データベースの顔写真と照合していた。そんな中、防犯カメラ映像
を見ていたフィンは青いシャツの女性の挙動があやしいことに
気が付く。外に出て声を掛けると自分の名前はバイオレット・
トレイメインであり、娘のニーナを探しているのだという。
似顔絵を見たら似ている顔だったと。自分は5ヶ月前に戻った
事を告げ現在リハビリ施設に居るのだという。元々はフリーランス
のグラフィックデザイナーをしていたが一家で交通事故に遭い
夫は亡くなり、怪我の痛みから鎮痛剤の依存症になったのだという。
里親協会(ACS)に出すと子供が戻ってこないと思ったので、信用
出来る隣人に預けたとのこと。ホーキンス夫人であり、家族同然
だったという。しかしリハビリ施設から電話したり手紙を出した
が受取人不在で戻って来てしまったとのこと。
夫人のことを調べると6週間前に急死していることが分かる。
ニーナは先月5歳になったばかりだという。縄跳びが好きだった
こと。2年前に一度歯の治療にいったという。
マンチにこの件を話すと、フィンはジャンキーの女性に同情
しすぎで、先ずは母親に子供の遺体を見せるべきだと語る。
マンチは相手が美人なのでそこまで同情しているのだろうとする。
彼女の話が本当だとは限らないとして先ずは遺体を見せる
べきだとすると、フィンは出生証明書があることを語る。
フィンはマンチに聞き込みには同行したくないとすると、
オリビアが同行いるとし、マンチはエリオットと昨日の情報を
整理しようと語る。
11月5日(火)・里親協会
11月5日(火)・アレクサンダーホテル
11月5日(火)・エレノア・マーシャル家
11月5日(火)・断薬会・セントバージル教会
11月5日(火)・女性用保護施設
11月6日(水)・8番街の公民館
11月6日(水)・フレッカーズ玩具店
——————————————————–
ゴミ捨て場で回収されて発見された女児の遺体。
性的暴行されている痕跡が有り、死後6週間から8週間経過して
いるものだと判明するが、遺体は殺されてすぐに遺棄された
ものでなく暫く冷所で布に包まれ保管されていたことを示唆
していた。女児の遺体には金髪のものだと思われる合成繊維
が付着していた。司法法人類学者に頼んで複顔と共に遺体から
指紋の検出を求めて行く。
Dlife版は録画出来なかったので、予めFOXで以前放送していた
バージョンで見ました。
またしても子供が被害者に遭うという悲しい事件だった。
今に始まったことではないけど、子供の犯罪にはエリオットが
感情的になり、麻薬常習者の事件に関してはフィン、レイプさ
れる女性に寄り添うのがオリビアという使い分けがなされて
いる訳で、マンチとしてはそんな彼らに対してクールに事件を眺める
役割りを果たす。
今回は女児 + 元ジャンキーの話だったので、フィンが主に感情
移入した捜査が有り、度々フィン + マンチ 、オリビア + エリオット
というバディ関係が何らかの理由で崩れることが有るけど、
今回はフィンが感情移入しすぎることで、マンチと争いになり、
フィン + オリビアのバディで捜査が行われた。
しかしゴミ漁りの流れから証拠を引き出す役割は、お約束では
あるがフィン + マンチが担当している(笑)
遺体の状態から被害者の身元を割り出していくという流れは
「BONES」っぽいところがあり、複顔作業、遺体からの指紋採取
など、法人類学者が担当していた。
ゴミの傾向から雑居ビルを特定していく流れを見るとまさに
「BONES」っぽい感じがしてきたけど、これはこれで面白い流れ
が有ったと思う。
無責任に子供を産み落とす親たちの集合体のように思える案件
だったけど、生んだ時には恐らく幸せな状態で、子供を見て未来を
夢に見るものが有ったであろうこと。ジャンキー化してしまうに
至る原因とそうなった際に子供に及ぼす影響というのを想定
しているハズもなく、日本の古い公共広告機構のキャッチじゃない
けど「覚醒剤やめますか?それとも人間やめますか?」というところ
にたどり着きものが有った。
今回キーマンとなる里親協会でも行き届いていたケアが有れば・・
という流れが有るけど、本人は手一杯の状況だと語っていたし、
周りで親切にしてくれるものたちは不幸にも亡くなってしまう。
結果的に被害者は子供を探しに来たバイオレットではなく、別の
ジャンキーの娘だったということで、ドラマ的には複雑な中にも
一抹の光明を見出すような流れは有った。
子供の頃に虐待を受けたことで成長することなく育ってしまった
男性が犯人。親の趣味なり性格なりをそのまんま受け継いで
他人の子供を傷つけていくという辺りは不幸の連鎖が続いている
格好だったけど、なんとかその連鎖を解く流れが有れば良いんだ
けどね。
母親にしても人形に思いを馳せていた理由とは一体何なのだろうか。
子供以上に人形は愛すべき存在なのか。フアンによると「人形は
純粋で完璧な理想の姿をしている」とし、「人形に夢想を抱いた」
という。
欲望を満たす為には子供を人形に見せるが、相手が人だと感じる
時に殺害に及ぶのだということ。二次元を愛するものたちと同じ
心理が働いているものがあるのか。
犯人は幼少期に男児は人形を乱暴に扱い壊してしまうので触れさせな
いとされていたことにショックを受けて居た様子。今回の殺害された
少女もまた人形を壊してしまったことが殺害される一端にもなって
しまったようだし、人形遊びに飽きてしまったことで帰ろうとした
ことで、テリーという人物は夢想していたものに裏切られた感じを
受けて居るのかも知れない。人形は替えは利くものとはいわないけど、
人の命が人形のように他人の手から他人の手に渡され、不要だとされ
ることで捨てられたり殺されてしまうというのは恐いものがあるね。
情報を得る為に断薬会で話を聞こうということになった際に、
キャボットは令状なしでの捜査を認められないとしていた。
そんな彼女にフィンは「子の命よりも法律が大切か」としていたけど、
キャボット様をあんまり虐めんといて下さい(笑)
子供の命を助けようとしているフィンと犯人検挙のことを考える
視点の違いや立場の違いが面白い形で現れた一シーンだったね。
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホァン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
Mrs.プレストン (Ileen Getz) 里親協会
テリー・ジェサップ (David Harbour) 犯人・母から虐待、人形収集
ロニー・マーシャル (Susan Misner) ジャンキー、エレノアの娘
バート・トレバー (Daniel Sunjata) CSU Technician
エレノア・マーシャル (Cynthia Mace) 車椅子、スージーの祖母
— (Geoffrey Owens) Forensic Anthropologist
ルーベン・モラレス (Joel de la Fuente) TARU Tech
— (Barbara Andres) Community Center Director
バイオレット・トレメイン (Gloria Reuben) ニーナの母、元ジャンキー
マイク・フレッカー (Conan McCarty) 玩具店オーナー
ジェイク (Frank Medrano)
レイトン (Jordan Gelber) CSU Tech
テルマ・プライス (Capathia Jenkins) 里親
ピーター・ジャクソン (Michael Alexis Palmer)
— (Ron Lee Jones) Reverend Allastair
— (Thaddeus Daniels) Super
デイブ (Dominic Colon)
— (Sharron Bower) Reporter
パット (Rony Clanton) スターラウンジの客、ロニーと寝た
ジョー (Jeffery V. Thompson)
ニーナ (Teala Dunn) 被害者の少女
— (Austin Jones) Junkie