第19話 死を呼ぶ砂漠 Rite of Passage
脚本/Victor De Jesus
監督/John Gallagher
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【ストーリー】
夜、砂漠地帯をオフロードの四輪バイクで走る男が何者かを
追いかける。追われている男はスペイン語で辞めてくれと
するが彼は無情にも殺害する。
自転車で街を走っていた三人組は保安官事務所前のゴミ箱に
ぶつかりゴミ箱を倒すと中から生首が見つかるのだった。
BAUは捜査会議を行う。ホッチは予算会議で遅れるという。
モーガンは給料が上がるのかとして期待するが、ロックは削減
だろうという。コーヒーが無くなると困るなというと、それ
ならリードは辞めるという。ロッシは良いね、週50ドルも浮くぞ
と語る。ホッチは機内で合流するとのことだった。
事件はテキサス国境沿いテルリングアで、夕べ人の頭部が3つ
保安官事務所の前に置かれていたのだという。
リードは写真で見ると3つの遺体の腐敗が違うという。一人は
仕事1、2日で、他の2人は2、3ヶ月経過しているというJJ。
切断面から判断して切られたのは最近だという。口・鼻・耳に
砂が入っていることから2つは埋められていたのだろうと。
ガルシアはメキシコでは2009年の一年間、頭が10個見つかって
いるとし、発見の数時間前に殺されているという。麻薬カルテル
の抗争の犠牲者だという。麻薬取締局は?と尋ねると、ウチが
担当して欲しいと言われたという。腐敗からみるとこれは麻薬
絡みの事件ではないという。男性2人に女性1人だから性別にも
拘っていないというプレンティス。保安官事務所前に置いたの
は怒りの象徴だという。3人共ヒスパニック系だというモーガン。
テルリングアは不法移民が多く、身元特定が難しいのだというJJ。
政治的かも知れないこと。ボランティアで国境を守っている自警団
が殺したのではないかとするが、そういう連中は法と秩序
を重んじるという。国境警備自体が政治的行動だという。殺人は
イメージダウンになるとロッシ。地元の人だろうとし、テルリン
グアの先には何百kmもの砂漠地帯で百人もの不法移民者が
入ってくるという。シリアルキラーには天国だというモーガン。
飛行機で移動する。
ロッシは国境地帯の広さを尋ねるとリードは1万3千平方kmの砂漠
だと語る。この広さならば何年も逃げられるという。最近何か
起きたのだろうと問うホッチはテルリングアの犯罪状況を尋ねる。
するとJJはこの地はいわゆる中継地帯なので移民は一日留まる
だけで寧ろ麻薬取引の拠点となっているか、移民法違反以外は
全て麻薬関係だという。ガルシアはバハカリ・ファルニアに
ルーゴカルテルという組織が居て1990年から2009年に1トンの
コカインと2トンのヘロインの密輸に関わっているのだという。
それだけでなく残酷な殺人も山ほどある組織だという。最近の
テルリングアでは格安で依存聖の他界ブラックタールヘロインが
出回っているとのこと。昨年捜査官が殺されているとし、ヤツラ
はFBI捜査官に賞金首をかけているという。モーガンはサブマシン
ガンの携行が必要だとするが、リードは携帯のサブマンシンガン
の権限はないと語る。モーガンとホッチは口を揃えて
“リードはな”と語る。ホッチはプレンティスとモーガンは移民コミ
ュニティに接触して殺人捜査だと強調して聞き込みして欲しい
という。ロッシとリードは一緒に検死官事務所へと。
テキサス州テルリングア。
JJとホッチはテルリングア保安官事務所へと入ろうとすると、
事務所の周りを取り囲む男たちがいた。先頭に立っているのは
ホセという男性で、我々は合法的な市民だとしてオマール・モラレス
の不当逮捕に抗議しているのだという。そして今平和的集会を開いて
いるのだという。保安官事務所には保安官のエヴァ・ルイスを入れて
5人しかいないことをジェントリーとボイドから聞かされる。
外には8人いたのに数だけならば負けることを聞かされるが、
オマールの手下はまだあの何倍もいるのだという。地元の麻薬王
だとのこと。今朝空港に向かうところを逮捕したというボイド。
しかし保安官が取り調べを禁じているのだという。それを聞いて
何故なのかと問うホッチに保安官に直接聞いてくれというボイド。
エヴァ・ルイス保安官に話を聞く。
外の連中をどう対処するのか。ルイスは無視すれば根負けして
帰るという。逮捕は間違っているとし助手が逮捕してまった
のだという。しかし生首はメッセージではないかとすると、私
への威嚇でしょうという。私が赴任して半年で移民20人以上が
消えているのだという。週一日の割合だが捜索願いも出ていない
ので探しようがないという。この犯人はずっと前からこうして
いるハズだと言うホッチ。ブルックリンの殺人課で疲れ果てて
のんびり仕事をしようとしてきたらここは機能していないと
し、誰一人信用出来ないという。ルイスは助手にオマールに
手を出すなと言ったのに命令に背く連中だという。
検死官室。
リードは首の切断は普通は簡単にはいかないとすると、ロッシ
は機微を切断すること自体普通じゃないと皮肉る。被害者に
変わったことはないかと検死官に尋ねると2人目の被害者は目が
不自由で白内障で自由に歩けなかったハズだという。リードは
3人目の方は年を取っている人を指摘すると、一人目の女性も
同様だが2人はもっと年上だという。犯人の「署名的行動」を
探しているが被害者に共通するキズ痕とか死後に施された
処置などに何か気が付く点はないかと。3人とも鼻と喉に砂が
入って居るが気管とと鼻腔に裂傷みたいなものがあるという。
肺があれば無理矢理吸い込んだようになっているハズだという
と、リードは走っていたのだろうと語る。
JJとホッチは取調室でオマールと語る。
アイツがどれ程悪い奴か口を割らせる気なのか?というボイド。
ホッチはオマールにこれはどういうメッセージなのかとして
商売敵を脅しているのかと問う。もしもの話だが俺ならば
はらわたを引き抜いてそこらの動物に喰わせるという。左手
は相手の妻に送り、目は母親に、舌は手紙をつけて子供に送る
という。「パパは小便を漏らして死んだと」。こんなの脅し
にもならないという。首について何を知っているかと問うと
忠実な部下が居てお前を守っているとし、この街にはお前が必要
だと思っているようだと語るホッチ。犯人は「タンタム・エルテ」
だとすると、死の聖人のことだという。ルイスに話を聞くと
職業には守護聖人がいるように、警察には聖ユダ、医者には
大天使ラファエルがいるがデラッグディーラーや人殺しだと
したら誰に祈るか?と問い、つまり死の聖人だという。
砂漠を渡るのは危険なことで一つ間違えば簡単に死ぬことを
考えれば身近な人が死んだ時、迷信を信じていた方が楽になれる
のだという。みんなが言っているとし、死の聖人の出番が
増えていると。不法移民たちもひれを手引きするコヨーテと
呼ばれる人物もドラッグの運び屋もみんなが怖がっているの
だという。昔目の前で親を殺された4歳の少女がいて、その子は
ドラゴンに殺されたと言っていたという。犯人が着ていた緑の
レインコートの尖ったフードがドラゴンに見えたのだという。
何百人もが本気でそれを聞いて怖がったのだという。
そんな相手が誰なのか呼び名が分からないのでみんながサンタムエ
ルテと呼んでいるのだという。
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テキサスの国境の町テルリングアの保安官事務所の前で夕べ
頭部だけの遺体が3つ発見されたことを受けて、捜査に乗り出す。
ガルシアの情報によると2009年の一年間だけでメキシコでは
麻薬カルテルの抗争事件で頭だけの遺体が10体発見されていると
いう。この街は不法移民が多いが、単なる通過点になることが
多く、犯罪の多くは移民法違反と麻薬関係であることが分かる。
正直これだけの情報でプロファイルを完成させるのは出来るのか
って感じのエピソードだった。情報が少ないというか規則性を
証明するのが相当難しく、不法移民が多い街で遺体が誰なのかも
分からない場所だという。
ただ狙われている人物が目が不自由で有ったり、年寄りだったり
と社会的弱者であることからも、そういう部分では犯人自体の
人物像は描けるところがあったのかな。
プロファイルが突然完成し、「ヒューマンプレデター」タイプ
のハンター。犯人はパワーを持て余しているとするロッシの意見
が有ったかと思えば、逆にモーガンは「被害者に砂漠を走らせ
衰弱させ弱らせてからでないと仕留められない」と語る姿が有り
ちょっと正反対のことを言っているようにも思えた。
彼自身がハンデを抱えているというモーガンの指摘は鋭かった
けど、日常から接していた保安官事務所ではボイドがそんな人物
であるということを認識していなかったのだろうか。
支配することに快感を求めているというロッシ。
犯人のボイドは元々犯行に快楽を求めていたハンターのボイドに
対して新しく赴任したルイス保安官が捜査をきっちり行うように
なったことで邪魔になった感じで、今までの失踪事件とは違って
ルイス自身を威嚇するような行動を取り始めていたようだ。
そのきっかけとなるボイドの件は父親の死にあるのか、それとも
父親の経営していた穀物倉庫の閉鎖に追い込まれたとされる件で
父親は作業長で事故を起こして死亡したことが引き金と成って
いることから、その事故が何だったのかも気になる。
不法移民の多い街だととにかく仕事を奪われることを危惧した人物
が殺害に及ぶというケースが多かったり、やはり不法移民という
だけ有り不法な手段で金を儲ける人も多いために、事件性になり
やすく、そんな事件に巻き込まれたことによる復讐殺人が多いの
だけど、このボイドは何が引き金となったのか。
ルイス自身も異動してきた背景にはブルックリン署での殺人課捜査
に疲れたとしていたけど、途中でそんなブルックリンでの記事を
目にしていたけど、本人もそんな事件に巻き込まれたのだろうか?
ホッチたちに”サンタムエルテ”の説明をする際に、心理的状況を
交えて4歳の子の話をしていたことが有ったけど、これってルイス
の子供のことだったりするのかな。
先ず相当こういう地域は物騒なので、JJとか行動させることが
恐くて見ていられない。そしてルイス保安官も見た目正直小柄な
人なので、一人でその場所を取り仕切っていても大丈夫なのか
気になっていた。
相変わらずリードをイジるメンバーたちの多い事。
ロッシはリードに対して結構厳しい突っ込みをすることが多い
よなと以前から思っていたことも有ったけど、今回はホッチと
モーガンにも銃器の件で突っ込みを入れられていたし、
モルグでの嗅覚に関して、人の嗅覚は2、3分で麻痺するとして
それだけ我慢すれば慣れるとしていたのにプレンティスは全然
慣れないことを口にする。
ショットガンの流れは現着までの飛行機の中からネタにされていた
ことだったけど、ホッチがロッシに車の中での使用は止めてくれ
として鼓膜が云々と言っていたけど、その流れは結局モーガンと
プレンティスが引き継ぎ、味覚や嗅覚のことを口にしていた彼女が
今度は聴覚の件で激しく打ちのめされるところなど、ちょっと
笑えるところが有ったかな。
ガルシアの使い方も面白く、今回は呼ばれても居ないのに飛び出て
ジャジャジャーンってシーンも多かったし、ガルシアがあまりに
有能で不法滞在者を匿う施設を探す際に、色んな条件でクロス検索
してあっさりと場所を特定している姿を見て保安官がウチにも
一人欲しいとしていたところが印象だった。
ここの所「CSI:科学捜査班」を見ているので、砂漠での捜査って
いうのがラスベガスでは多いので、その苦労も分かるところだ
けど、犯人の男は無線で位置が特定されるのを知りつつも、到着する
まで壊さなかったところを見ると、遺体があることを知らしめたかっ
たのか。それとも自分こそが「サンタムエルテ」だとでも主張
したかったのかな。
プレンティスのスペイン語も良かったけど、彼女って何処の出身
なんだっけか。
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ロナルド・ボイド (Mike Doyle) 保安官助手
エヴァ・ルイス (Marlene Forte) 保安官
ジェントリー (Alex Quijano) 保安官助手
オマール・モラレス (Kurt Caceres) 麻薬王
ホセ (Joseph Raymond Lucero) オマールの部下
ギャノン (Casey Nelson) 保安官助手
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リチャード・コラル (Justin Huen) 移民を手引きする
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