第13話 危険な接近
監督/Inaki Mercero 脚本/Susana Lopez、Carlos Montero
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【前回までのあらすじ】
ヒルガースはシーラにマヌエル・ダ・シルバを覚えて居るか
として彼の情報を集めて欲しいという。マヌエルがマドリード
に来たらベルタが開く夕食会に出席するという。
マリータは婚約者の父・ゴンサーロ・アルバラードをシーラ
に紹介する。シーラの父だった。ベルタはシーラの店に来る
と話が出来て良かったとし、ヒトラー総統を指示する女性は
スペインでは珍しいのだという。あなたに逢わせたい人がいる
としてディナーに招待される。ヒルガースはシーラにもしドイツ
人に怪しまれたら間違い無く大変なことになるという。
ベルタの家でポルトガルの実業家だとするマヌエルを紹介され
るシーラ。しかしベルタはピアノコンサートで倒れて運ばれた
人物がシーラのしていたブレスレットだということを知り、
イギリス側の人物だと知って追い出す。今夜のことはなかった
ことにしてと。
【ストーリー】
ヒルガースは悪い知らせだと語る。シーラはベルタは密告する
だろうかというと、自分の信頼を傷つく事はしないのでそれは
ないと思うという。しかしドイツよりのリストから貴方の名が
消えていないか調べないといけないとし、この件はイギリスに
連絡して指示を仰ぐという。これ以上はマヌエルのことは忘れた
方が良いとするが、もうすぐポルトガルに戻り接触出来なくなる
ことを語るシーラ。もう一度逢えば・・というがこれ以上危険
なマネはすることはないとし、我々が逢うことも情報の提供も
暫く結構だと語る。
シーラは落ち込んで工房に戻る。
マヌエラはシーラにまち針を取ってくれと語るが仕事に身が
入って居なかった。しかしまち針のことを指摘されたことで
彼女はマヌエラのネクタイピンのことを思い出す。マヌエラは
アンソレーナ宝石店によく行き、そこでネクタイピンを買って
いたのを聞いていたのだった。
アンソレーナ宝石店へ。
シーラは店員に主人のネクタイピンを探している事を語ると
幾つか見せて欲しいという。店員は新しいデザインのものや
象眼細工のものを見せるが、実は探しているデザインのものが
有るという。先日友人がしていたネクタイピンで彼はエレガント
な人だという。この店にも来たことを告げると、名前はマヌエラ・
ダ・シルバというポルトガル人だと語る。すると店員は先日2つ
注文し、他にもそのタイプのものを二つ注文したという。シーラ
はそれを手にしてわざと床に落として蹴飛ばす。謝罪すると
店員がそれを取る間に、注文書に目を通す。すると彼はホテル・
ボストンに宿泊していることが分かる。
ホテル・ボストンにいくと、フロント係にマヌエルに来客だと
伝えて欲しいと語る。フロントで待っているとマヌエルがシーラ
の前にやってくる。もう逢えないかと思ったというマヌエル。
あの晩突然帰ってごめんなさいというとちょっと仕事のことで
行かねばならなかったのだという。実は仕事の話で来たのだとし、
私は服の仕立てをしているがマドリードでは特別な生地を見つける
のが難しいという。あのディナーの席でマカオのシルクのことを
話していたことが頭から離れないのだという。いくらか売って
もらえないかとすると、マヌエルは小口の販売はしていないのだと
いう。高額で買うとして金は問題ではないことを語る。
マヌエルは一つ条件があるとして今晩食事に付き合って欲しい
という。今の話は真剣に考えると言われて誘いに乗る事を告げる。
工房に戻ると早速マルティーナにお風呂を入れる様告げ、ドーラに
新しいドレスと靴を用意するよう語る。シーラはマヌエラに狙い通り
に夕食に誘われることに成功したと語る。
マヌエラはその前話が有るとつげると父親からの花がまた届いた
のかと問う。今日は自分から持ってきたとしどうしても逢いたい
として暫く待っていたのだという。きっと又来るという。
ディナーでシーラは赤いドレスでマヌエルと逢う。
そんな彼女の姿を見た彼は君の瞳に溺れてみたいとして手に触れる。
先ずは仕事の話をしないか?と問うと、戦時下は絹は非常に
機長だという。パラシュートを作ったり火薬を包んだり、自転車
のタイヤにも使われていること。シーラはそれを聞いてもったいない
としてパラシュート一つで少なくともドレス10着を作る事が出来る
と語る。だからこのご時世、そのウチ戦争中の為に絹が幾らでも
支払うようになるのだという。あなたは貴重な絹を誰に売ろう
としているのかと問うとイギリス人かドイツ人かと問う。
ポルトガルは古くからイギリスと貿易協定を結んでいるとし、でも
こんな時代なのでどうなるか分からないという。乾杯する中、
シーラに今度ポルトガルの私を訪ねに来てくれないかと告げる。
生地を見られるし商談もまとまるかも知れない事を語り、
出来る限りのことはすると語る。行くと決めたら電報で知らせる
事を語る。
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シーラはベルタ邸でうっかりピアノのコンサート会場で身につ
けていたのは同じアクセサリーをしていたことで、彼女からは
イギリスよりの人物だとされ追い出される。ヒルガースもショック
を隠せずにいる中、取りあえず本部からの指示を仰ぐという。
しかしシーラは彼がマドリードにいる間に接触しなければ二度
と逢えなくなることを知っており、なんとかして彼と接触する
方法を模索すると、彼はマドリードの店でネクタイピンを購入
していたことを聞いていた為に、店に行き同じネクタイピンを
購入するという名目で、伝票を盗み見てホテルに宿泊する彼に
面会に行く。シーラがイギリス寄りの人物だと知られているか
気になるが、マヌエルはベルタからは何も聞いていないことを
会話の中から掴む。シーラはディナーの席で話していたシルクの
件で話合いたいとする名目を持ってマヌエルに近づいていく。
すると彼はシーラのことを自分の会社のあるポルトガルへと招待
するのだった。
時代は1941年1月ポルトガルのリスボンへ。
前回のエピソードの中で、ブドウで乾杯して新年を迎えていた
スペイン・マドリードでの大晦日シーンが有ったので、そのまんま
時の流れは1月に入った格好だった。
それにしても毎回思うのはヨーロッパは陸続きなところが
羨ましい。韓国人から日本は島国根性だと揶揄されるけど、
確かに島国にしかない良さも有るけど、大陸には大陸の良さが
有り、スペインからポルトガルにいくのに電車で行けるなんて
夢の様だ。
最近のニュースを見るとシリアからの難民が電車でオーストリア
を経由してドイツへ向かうなんてことになっているけど、
大陸は国境を隔てるのは難しいけれど、その分移動手段には
車なり電車なりと選択筋が多いよな。
シーラが向こう見ずな感じでガンガン攻めていくところは何処か
で足を取られないか心配な面も有るけれど、持ち前の美形さ
加減で相手を誘惑するハニートラップ状態さ、そして女性からも
愛されるようなキャラクターをしているということで、商売人
としても上手くやり込めている感じ。
問題なのはシーラの過去を知っている人がここぞとばかりに出て
くるところか。ゴンサーロはシーラが娘だと知って凄い勢いで
迫ってくるけど、元々は愛人とその捨てた娘という状況でも有る
のでその罪悪感から、今からでも関係を取り戻したい気持ちが
強いのか。
そしてなんと言ってもポルトガルの地ではモロッコで散々お世話に
なり、ちょっぴりロマンスも生まれたマーカスとの再会が有った。
イギリスの記者なので何か情報を共有出来ないのかなとも思う
けど、彼ってフリーランスだしどういう素性かイマイチよく分から
ない。意外にもマヌエルと再会した時のマーカスはまるで旧友の
ようなにして振る舞う姿が有った。
やはり戦時下ということも有り、一見すると平和そうな町並み
だけど、ポルトガルの地にいくのは恐いよな。
マヌエルが扱っているのは、カーボベルデの木綿、モザンビーク
の木材、そして中国の絹。シルクロードを通って当時貴重とされた
絹の貿易が行われていたのだろうけど、使い道を見越してそれを
パラシュート用に使おうとして大量に買い付けているというのが
今のマヌエルのようだ。他にも何か買い付けているものが有るのか
どうか気になる。
ポルトガルでの社員たちの動向も気になる。
ポルトガルは中立地で、シーラが泊まるホテル・ド・パルケは
国際的だとしていたけど、主にドイツ人が泊まるとし、イキリス人
はパラシオに泊まることを説明していた。しかし夜には皆カジノ
に集まるとした際に、シーラはドイツとイギリスが一緒にカジノ
にいくことを驚いていたけれど、賭け事には戦争は関係がないと
語っているジョアンの姿が有った。
運転手として47年勤めているというジョアンは、かつてはこの
街が金持ちが居たけど、今はすっかり落ちぶれていることを語り
それでも過去の栄光にしがみつく人が多いことを語る。
買い物するにはリスボンであり、マヌエルの事務所もそこにある
みたい。
マヌエルの事務所にはエリーザとベアトリース・オリベイラ
という女性が勤務していた。秘書をしているベアトリースは
シーラのことを快く思っていなかったみたいだけど、女性としての
嫉妬心なのかと思ったけど、予告を見るとどうやら少し意味合い
は変わってくる様子。
彼女の出身はスペイン・コルーニャ。オリベイラとはポルトガル
の名前だが父方の祖父がポルトガル人なのだという。ポルトガル
には両親が亡くなってから来たとしていたけれど、その亡くなった
理由はやはり内戦がきっかけなのかな。
彼女のデスクの中には「社会主義青年同盟」なんてチラシが多数
入って居たのでちょっと臆するところが有ったけどね。
コーヒーはピッカというものが名物らしい。
マヌエルのおつきのジョアンはシーラのことを監視している感じで
この辺はスペインにいた時と同じだね。常に何者かによって監視
される社会みたいでストレスも溜まりそうだ。
海を見ながら、シーラが黄昏れ、涙するシーンが有り、そんなシーン
を見ると、モロッコの地でみんなで仲良く過ごした時のことが
思い出されるね。
ダニエルというマヌエルの倉庫で働く男性が不審な動きをしていた
ということで殺されてしまった。ジョアンは止めていたので、
悪い人では無さそうだけど、何処までマヌエル家に忠誠心を持って
いるのか分からないからな。祖父の代から仕えているというしね。
再度ダンスフロアでマーカスと再会した彼女はすっかりマヌエル
との関係も会話もぶっ飛んでいたけど、マーカスはシーラが変わって
しまったと思っている様子。彼イギリス人だからなんとか連携して
欲しいが・・
取りあえず車椅子のワイスというドイツの将校が怪しいね。
やはりマヌエルはドイツと繋がりがある人物なのかな。
■使用された曲
・Adeste Fideles
Performed by Mark Ford
・The Blue Danube
Written by Johann Strauss
・Mambo Jambo
Written by Richard Myhill
・Jazz by Candlelight
Written by Dick Walter
・Impromptus No. 4 in A Flat Major Allegretto Op. 90
Written by Franz Schubert
■検索用キーワード
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シーラ・キローガ (Adriana Ugarte) お針子。ドローレスの一人娘
ドーラ (Tessa Doniga) シーラの工房の手伝い
マルティーナ (Valeria Racu) シーラの工房の手伝い
アラン・ヒルガース (Ben Temple) イギリス秘密諜報部
マヌエラ (Elena Irureta) 工房の元女主人
マヌエル・ダ・シルバ (Filipe Duarte) ポルトガルの実業家
ゴンザーロ・アルバラード (Carlos Olalla) シーラの父
マーカス・ローガン (Peter Vives) イギリス新聞記者
ワイス (Craig Stevenson) ドイツの軍人
メアリー (Carolina Meijer) ヒルガースの仲間、イギリス人諜報部連絡員
ベアトリース・オリベイラ (Nerea Barros) マヌエルの秘書
エリーザ (Dalila Carmo) ダシルバ投資会社
ジョアン (Joao Lagarto) 運転手