第23話 墓穴 Two Graves
脚本/Joe Fazzio 監督/John Terlesky
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【前回までのあらすじ】
エミリーはジャックに一緒にやり直したいことを語る。
デビッドはエミリーに対してガンは転移しステージ4で、余命
数ヶ月だと告白。エミリーはマルゴーの元に詰め寄るとヴィク
トリアは何処なのかと問うが私は何も知らないという。
エミリーはヴィクトリアの筋書きは分かったとし、駐車場で私
に襲われたように見せて、何者かが押し入ったようにペントハ
ウスを荒らした。私が人を焼き殺す凶悪なモンスターと思わせる
為だという。ベンはエミリーに対してヴィクトリアの遺体である
ことはDNAでは検出出来なかった為に歯の診療記録が使われた
という。しかしエミリーはメアリー・ゲインズという人物のも
のとすり替えたのだという。ルイーズはヴィクトリアが襲われた
時の犯人が着ていたパーカーを見つけたとして、ハンター刑事に
話したことをマルゴーに語る。マルゴーはホワイトゴールドに
連絡するとやってもらいたい仕事があるという。ベンはエミリー
の言う事に半信半疑のままゲインズ家を探ると、ヴィクトリアが
生きているのを目にした瞬間、ホワイト・ゴールドによって
殺害されてしまう。
【ストーリー】
『子供の頃、善と悪の境界線は昼と夜みたいにハッキリしてい
た。でも大人になるにつれてその境は曖昧になり、超える時には
自分を正当化する。つい焦って道を誤ると先の見えない闇の中を
彷徨うことになる。』
— 回想 —
昔デビッドは、幼い頃のアマンダに上手く掛けた砂絵を褒める。
アマンダは何で悪い人がいるのかと問うと、テレビでやっていた
197便の事件のことかと問い、「生まれつき悪い人は居ない、
選んだ道がその人を決める」と話していた。「人は時々色んな理由
をつけて自分を納得させて悪いことをする」というと、アマンダ
は私もそうなってしまうのかと問う。お前は正直なのでならない
事を告げ、道を外しそうに成ったらパパが連れ戻すと語る。
— 現在 —
留置所にいたエミリーはヤマダ刑事にベンはいつ来るのか尋ねる
と、彼は死んだという。そんなの有る訳ないというが、お前
が関わっているなら覚悟しろという。
マルゴーの元にヴィクトリアがやってくる。
見られたとしても気が付かれないというヴィクトリアは私は死人
だという。ホントに無事で良かったというマルゴー。ベンに見つか
る前に連れ出すように言ったのにまさかあんなことになるなん
てという。これ以上誰かが犠牲にならないようにしないと・・と。
マルゴーはヴィクトリアはここに隠れていて欲しいと語る。
本社になる予定の場所で、明日には自家用機でモンペリエに飛べる
と語る。アマンダが名前を変えたとき全てが始まり、私が名前を
変えて終わるというヴィクトリア。シャーロットとパトリック
には話したかと問うと、葬儀の連絡はしているという。
エミリーが有罪になってあなたが無事にフランスに着くまで
二人には連絡をしないでとマルゴー。連絡しても意味が無いとい
うヴィクトリアはシャーロットには何度も手紙を出したのに返信
がないのだという。母と娘の関係は拗れやすいものよとすると、
ヴィクトリアはそれ以上のものだとして、爆発で吹き飛んだ遺体
は私の母親のものだと語る。
ジェシー・モス判事の元、法廷前に聴聞が特別開かれること
になる。エミリーの代理仁のローレンスと検事局のガンツ、
そして傍聴人もいた。聴聞を求めた理由は何かと尋ねると、
エミリーは私もヴィクトリアも聖人とはほど遠いが、でも超えては
いけない一線を一方は越えたと語る。ガンツは審理が始まる前
に被害者の印象を変えようとしていることを語ると、エミリーは
裁判の前に知らせたいとし、「私はヴィクトリアを殺害したこと
を認めます」と語る。
デビッドはエミリーに対してどうして罪を認めたのかと問う。
ベンが死んだ事を告げ、自宅で殺害されたのは私の責任だという。
僕の冤罪で20年をムダにしたとし、こんなことで諦めるなと語る。
残り少ない時間をお前と過ごしたいのだというデビッド。
ノーランはジャックに対してエミリーは天才だと語る。
ジャックはやってもいない罪を認めたのに?と問うと、僕が刑務所を
出た後に準備して置いたことがあるとするノーランは互いのどちら
かが逮捕された時の対策だという。半径300km以内の刑務所の構造と
セキュリティ情報をバッチリ予習済みだとすると重警備の施設に
入れる為に罪を認めたのかと呆れる。
マルゴーはヴィクトリアに対して母に酷い事をされて縁を切ったと
思っていたと語る。ヴィクトリアはあれから8年間なるべく
思い出さないようにしていたが、アマンダがテレビに出た後一本
の電話がかかってきたのだという。
— 回想 —
ヴィクトリアの母・マリオンは末期がんで病院の病床に伏せていた。
ヴィクトリアが来ると来てくれないと思ったという。恐くて逃げた
と思われるのが嫌なだけだという。酷い母と思われているのは分か
っていること。ヴィクトリアは母を愛していたからこそ殺人の罪
を被って変わりに逮捕されたが、それはいつか愛してもらえると
信じて居たのだという。ようやく家に戻ると私を待っていたのは
いやらしい男だったという。私が名を変えたのは二度とお前に傷つ
けられたくないからだという母は、本当に驚いたという。テレビに
出ていたあの子に同じ事をさせていたんだねと。ダニエルは亡くなり
シャーロットはリハビリ施設行き、お前が見捨てた息子に今度は
見捨てられたこと。私とお前ならどっちがマシな母親なのか?と。
私に心があるのは父のお陰ねというヴィクトリアは最後に教えて
欲しいとし私の父親は誰なのかと。気づかなかったのかというと、
お前がベッドに連れ込んだあのいやらしい男だと言われショックを
受ける。
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旧グレイソン邸の爆発でヴィクトリアは亡くなり、その嫌疑は
エミリーに向けられるが、ヴィクトリアはマルゴーと共謀し
エミリーへの復讐を計画していた。エミリーはベンに対して、
発見されたのはヴィクトリアの遺体ではなく、メアリー・ゲインズ
の歯科記録をすり替えたものだと語る。ベンは一人でメアリー邸
を調べに行くとヴィクトリアが生きているのを目にした瞬間、
ホワイト・ゴールドによって殺害されてしまう。
拘置所内でベンの死を知ったエミリーは自分の責任だと感じ、
法廷の聴聞会でヴィクトリア殺害を認めるが、ノーランによると
拘置所から刑務所に意図的に移動する為に嘘をついたのだとし、
刑務所から脱獄する為の準備が整えてあることを告げる。
このドラマ、実は一番の悪人はマルゴーなんじゃないのか。
感情のコントロール出来ない人物に下手に金を持たすと、もの凄く
短絡的に殺し屋に仕事を頼んでしまい、結果としてどんどん死人
が増えていくという。
マルゴーは父親時代から雇ってきた探偵のようなフィクサーとの
関係も断ちきっていると公言していたし、ホワイト・ゴールドとの
関係もこれ以上は仕事を引き受けないよう告げていたのに、結局
簡単に問題を解決する方法があると知ると、禁断の技を
使い自らの手を汚さずに人を殺していく。マスコミという立場を
私情に利用するということも有るし、ダニエルが死んだのは
エミリーの責任ではないのに、どうしてもその死をこじつけよう
として必死になる姿が有った。
マルゴーが意図しなくてもこの人がそんな殺し屋を雇ったが故に
死ななくても良い人物は一体何人いたのだろうか?
一人殺すと二人殺しても同じ論理が働くのか。
途中でエミリーがアマンダだと発覚した後の流れもなんだか
中途半端。そんな事実が発覚した時の影響力に懸念していたのに、
公表しても別に大して問題として問われることはなかったよな。
この辺は時間が有れば掘り下げられたのだろうけど、バッサリ
と過去の件は切った感じで、僅かながらヴィクトリアによって
過去イジメを受けて居たものたちからの反撃が有ったくらい。
しかし今回は最終話故に色々と衝撃的な展開が有ったのも事実。
アマンダとヴィクトリアの対決は勿論のことだけど、何よりも
ヴィクトリアが超えるべき人物・過去は実母との関係だったという
ことで、今回そんな事情が改めて語られた。ただこの二人、
比べようにも土俵が違うんだよね。マリオンとヴィクトリアの
どちらか悪いのかなと言われれば、そんな環境で育てたマリオン
側に非が有る訳で、それを象徴するようにして冒頭では
久しぶりにアマンダのナレーションやデビッドとの会話の中で
「人は生まれながらにして悪い人はいない」ことを口にしたの
だろうし、「選んだ道がその人を決める」ということを語っていた
のだろう。
しかし登場人物自体がエミリーだと言ったりアマンダと言ったりで
そのグダグダさが感じられるところが有ったな。もう頭の中では
エミリーはエミリーでしかないので、アマンダと言われても
なんだか違和感しかなかった。
エミリーとヴィクトリアの対決もまた少々お粗末だったか。
本来ヴィクトリアも被害者で終わらせれば良かった気がする。
コンラッド編の時にそれを強調していれば良かったのに、そこ
からシナリオを繋げてしまったところでまた迷走した感じだね。
二人がいるこの状況をネットで中継しているようなことを口にして
いたけど、ヴィクトリアが生きているということ自体問題が
有るんじゃないのか。
ルイーズもよく分からないキャラクターだったけど、最後は
ヴィクトリアのことを裏切り、マルゴーもまた責任を取るため
に裏切りの方向を見せて行く。
命の危機が迫っているのにベッドシーンが有ったり、食事を買って
くるというメモを残して居なくなった辺りは何のフラッグだよって
感じだった。
最後はまたシャーロットが出てきた。
可愛いのに残念な子の象徴だった。
心臓をエミリーに移植したことで彼女の心の中でヴィクトリアは
生き続ける。心臓自体がその人となりの性格や人格を生み出す
みたいな奇妙な主張が世の中にあるけれど、エミリーの中では
モンスターを飼っているようなものなのか。
取りあえずジャックとエミリーが結びつくという運命自体は守ら
れた感じ。せめて最後は父親に結婚式くらい見せてあげても良かっ
たのではないかという気もするが、エミリーと二人きりの時に
静かに眠るようになくなるのが一番の幸せだったのかも知れないね。
■検索用キーワード
■使用された曲
・End Credits Theme
Written by Fil Eisler
・Revenge Opening Theme
Written by Fil Eisler
・For You by Angus & Julia Stone
ヴィクトリア・グレイソン (Madeleine Stowe) 母親・女王
エミリー・ソーン (Emily VanCamp) アマンダ・クラーク、娘
ノーラン・ロス (Gabriel Mann) IT長者、エミリーの父に恩
ジャック・ポーター (Nick Wechsler) 酒場の息子、”アマンダ”を思う
デビッド・クラーク (James Tupper) エミリーとシャーロットの父
マルゴー・ルマルシャル (Karine Vanasse) ダニエルの幼なじみ・フランス人
ベン・ハンター (Brian Hallisay) サフォーク郡警察警察官
ルイーズ・エリス (Elena Satine) 金持ち?ヴィクトリアと精神病院
ホワイト・ゴールド (Courtney Love) 殺し屋
マリオン・ハーパー (Adrienne Barbeau) ヴィクトリアの父
スティービー・グレイソン (Gail O’Grady) ジャックの母
ローレンス・スタムバーグ (Tom Amandes) エミリーの弁護士
シャーロット・グレイソン (Christa B. Allen) ヴィクトリアの娘
若い頃のアマンダ (Alyvia Alyn Lind)
ヤマダ (Allen Warchol) 捜査官
ガンツ (Angela Elayne Gibbs) 地方検事補
ジェシー・モス (Stephen Mendel) 判事
マセリ (George Ketsios) 刑務官
ロスマン (Cassandra Relynn) 刑務官
サンダース (David Moses) 牧師、ヴィクトリアの葬式
— (Joseph Will) Surgeon
— (Tiffany Thomas) 警察署員
— (Jensen LeFlore) Young Man
— (Chad Bennett) SWAT Member
— (Dana Foist) Prison Guard
— (Marie Paquim) Inmate