第13話 ザヴルー Savoureux
脚本/Steve Lightfoot、Bryan Fuller、Scott Nimerfro
監督/Guillermo Navarro
【前回までのあらすじ】
サトクリフ医師殺害と同一犯だというウィル。パパに電話だ
としてアビゲイルはホッブズに伝えるとレクターからの電話
で”バレてる”とかかっていた。ウィルはホッブズになるようだ
と言っていたと証言するレクター。マリッサたちの殺害犯が
ホッブズの犯行を真似たのだという。娘と一緒だ。ホッブズが
狙っていたこと。ウィルはアビゲイルからニコラス殺害に
関する事実関係をレクターから聞いていないと告げる。
アビゲイルはレクターに何人殺したのかと尋ねるとお父さん
よりも多いという。私を殺すの?とレクターに告げるアヒゲイル。
【ストーリー】
ウィルは鹿狩りへ。猟銃を発砲させると鹿には逃げられるが
木には銃弾がかすったと思われる血痕が付着していた。用心深
く辺りを探すと後ろには鹿の姿をした人間の姿が有った。
ウィルはそんな夢から目覚めると、自分の足が泥だらけだという
ことに気がつく。また自分の知らないところで行動を起こした
のか。水を飲み薬を飲むが急に嘔吐してしまう。するとなんと
ウィルは口の中から人の耳をはき出したのだった。
レクターがウィルの家にやってくる。
アビゲイルとミネソタに行ったが僕だけが戻ってきたという。
寝たことは覚えていないというウィル。足が土で汚れている
のは恐らく犬たちを外へ出す為に起きたのではないかという。
最後に彼女を見たのはいつか尋ねると、ウィルは昨日だと答え
る。彼女の父の小屋で僕が発作を起こして、彼女は僕の様子が
おかしいとして怖がっていたという。そして逃げたとのこと。
何故怖がっていたのかと問うと、僕が彼女を殺す幻覚を見た
のだという。しかし現実じゃないというウィル。
レクターはジャックに連絡しようとつげ、このままだと状態が
悪くなる一方だという。
FBI・警察・鑑識がウィルの自宅にやってくる。
みんなウィルとすれ違う姿は複雑な心境を現していた。
ジャックはミネソタに何が有るのかと問うが分からないという
ウィル。連れて行けとして警察車両に乗せられるウィル。
そんなウィルのことを一匹の犬が見つめていた。
鑑識がウィルの服や持ち物が徹底的に調べられる。
所持品にはサイフ、17ドル、折りたたみのナイフ、鍵etc,,。
カッツはウィルの爪の中を調べると知らない振りは無理よと
語る。爪の中の者が何かは明らかだからという。何が現実か
分からないと言っていたけど、この血は現実だという。付いた
理由はと尋ねるが、確かなことは分からないという。この証拠
は明らかで見つけたくはなかったという。でもあなたは自分の
ことも分からない。そんな状態でここで捜査をしていたのか
とするとここはFBIなのだという。ウィルは良くなると思って
いたという。証拠から犯人を導き出すのであれば、やってみて
くれとつげ、ウィルから見つかった証拠からは何が分かるのか
と。僕がアビゲイルを殺したということだと。
アビゲイルの組織と一致したとの報告が入る。彼女の耳と
ウィルの爪の間入っていた彼女の血液のこと。腕のひっかき傷
は彼女が抵抗した跡だと。
ジャックはアラーナに話すと彼女はあれほど深入りさせないで
と言ったのに黙ってみていたのかとジャックを責める。様子が
変だったが続けさせたとし人の命を救っていたからだという
ジャック。アビゲイルは別ねと皮肉る。壊れていく彼を君も
気がついていただろうとすると、だから現場に出すのを反対
したのだというアラーナ。精神状態は考慮していたとし、君の
推薦する優秀な精神科医にも相談していたこと。レクターならば
異変に気がついていた筈だというアラーナ。俺たちはみんな
遅すぎたのだと語る。ウィルには認知症の兆候が有るとする
と認知症は病気ではなく症状の一つだという。原因を見つけて
治療をしなければいけないという。問題は治療すべき原因がない
ことだという。脳検査は全て受けたが異常がないこと。探し方が
悪いのだというアラーナ。ホッブズが現況だとし、ウィルはヤツ
の望みを結果的に遂げたのだという。娘を殺すということ。
私たちが殺したのだというアラーナはウィルのこともそうだという。
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■シーズン1ファイナル
ようやくここに来て初めて、初めてレクターvsウィルという
構図になった。レクターは結局卑怯な感じで、一方的に
ウィルのカウセリングという名の下で彼の心理状況を知り、
事件捜査の協力の名の下で情報を手に入れては操っていただけと
いうことになる。もっと早い段階からこの構図になれば
心理戦になって楽しかったのだけど、このドラマの構成だと
二人の間の心理戦にはなっていなかった。
シーズン2では、ウィル側が有利になるというStar Ch.海外ド
ラのマライターさん情報が語られていたので、シーズン2は
楽しく見られるのかな。
■最後の被害者はアビゲイル
ウィルが幻覚・夢遊病の症状があるということを利用して、
ウィルがアビゲイルを殺害したかのような状況が次々と
出てくる。何と言っても冒頭ではウィルがはき出した胃の中
からは未消化の耳が出てきて、爪の中からはアヒゲイルの血液・
皮膚片が検出された。
ミネソタに行った後のアビゲイルとウィルのアリバイがあやふや
な訳だけど、調べようとすれば足取りを調べることなど出来る
のではないかという気がする。そういうところは一切省かれて
いるのが違和感が有るんだけどね。
ウィルの自宅を調べていくと、彼が趣味にしている毛針には
4本の中から、キャシー・ボイルの骨と肺の一部、マリッサの爪
と毛髪、サトクリフの歯と口の組織とあごの軟骨が検出された。
これらが発見された際にジミーとゼラーは連続殺人犯によく
ある「戦利品」と称していた。
■人は無意識に人を殺せるのか
ウィルに容疑がかかったことで一番発憤したのはアラーナだった。
アラーナはジャックに彼を深入りさせたことを非難していたけれ
ど、元々はアラーナが紹介したレクターという人物と出会いに
よって不幸にも陥れられてしまったという皮肉さも存在して
いる。
問題はどの段階からウィルには症状が出ていたのかという事と、
何故症状が出ていたのに止めなかったのかということ。
全てはレクターがウィルを被験者として実験台にするために
行動を観察していたみたいだけど、それと同時に上手いこと自分
の行動が隠れ蓑にする事が出来た。
アラーナは精神病理学の基本的な検査と称して時計を改めて
描かせる。すると右半分に文字盤が偏っていた。明らかに脳
に炎症があることを示すものがあり、心の病ではないことが
分かる。レクターもその実験を行っていたということでアラーナ
はレクターにもくってかかる勢いだったけど2ヶ月前に描かせた
ものだとして提示したものは正常なものだった。
普通筆跡とか調べないか?って気もするけど、ジャックは寧ろ
意図的にこういう実験では変な風に描くことを装うことも出来
るのかとしていたことで、レクターのことよりもウィル殺害犯
の方向で視線を向けていた。
■謎の鹿人間
鹿は犯人の象徴なのだろうか。
ウィルの中に鹿人間の姿が見える瞬間が有ったり、あるときは
誰かが自分をハメたとした際には、レクターが鹿人間のように
なっていた。
■逮捕されたウィル
護送車から脱獄する光景は、まるで囚人で外科医のギデオンの
脱獄の光景と同じだったね。何処に逃げたのかと思ったら
なんとレクターの家に屋根裏部屋。ロフトになっているのか
よく分からないけど。
ウィルはレクターに頼んで改めてミネソタ州ブルーミントン
のボッブズ邸にいく。
ウィルはようやくレクターが自分と同じで特別だから孤独な人物
で、ずっと押さえてきた衝動に従い直感のまま衝動を含ませれば別
の誰かになれるということを指摘していた。
しかしレクターが何度となくウィルを洗脳しようとして、
「別の誰か」という言葉を発する度に、ウィルはそれを否定して
「自分のことは分かる」と唱えていた。
■このドラマの不利なところ
レクター主人公の映画化とかしているし、ドラマではシーズン3
までの放送が決定している。故に逆引きすればシーズン1では
事件が解決しない事が分かっているので、その分、爽快感や
達成感を得られるとはとても思えないところがあるのが残念な
ところかな。
大抵のドラマだと最後にレクターとウィルが二人で会話している
中、ジャックが密かにそこで話を聞いてレクターが犯人だとして
逆転劇を演じるところなんだけどね。このドラマでは更に加速し
て、奇異的行動を取るウィルがレクターに銃口を向けていること
の方に重きが置かれて、結果的にウィルが撃たれるという。
■レクターのパターンは読まれている
結局このカウンセラーはレクターがしていることを知って
いるというところなのか。
「あなたは暴力的な患者と関係を築きがち」。
ジャックのレクターへの信頼が崩れるかもしれないことを口に
する中、レクターはモーリアも私への信頼が崩れてきたかと
問うシーンが有った。
■レクターの趣味
この人の悪趣味なところは、人に振る舞う料理の中に人肉を
入れることなんだろうけど、心理学的には、相手にそんな
ものを食べさせることへの悪趣味な好機の視線と、人肉だと
悟られず食べさせることへの優越的意識を持つための行動
なんだろうね。
レクターが求めているのは人肉の中でも主に内臓部位で、
人の皮とか肉本体は基本的には食べず、内臓部分だけを使って
いるよね。人は脂肪が多いとか食べる部分が少ないのかもしれ
ないけど・・・
■遺体はまだ出ていない
いずれにしてもアビゲイルの遺体はまだ出ていない。
かつてジャックが捜査に引き入れた女性の遺体も正確には
出ておらず腕だけが出ている状況だよね。
一体何処に隠しているのだろうか。
ジャックが使えないのでアラーナの執念に期待したい所だし、
モーリアの協力も必要な感じはするけどね。
■使用された曲
・Hannibal Theme by Brian Reitzell
・Vide Cor Meum by Danielle de Niese, Bruno Lazzaretti,
Libera, The Lyndhurst Orchestra and Gavin Greenaway
■出演者
ウィル・グレアム (Hugh Dancy) 犯罪プロファイラー
Dr.ハンニバル・レクター (Mads Mikkelsen) 天才法医学精神科医
Dr.アラーナ・ブルーム (Caroline Dhavernas) 元心理学教授のFBIコンサルタント
ビバリー・カッツ (Hettienne Park) FBI行動科学課の一人でジャックの部下
ジャック・クロフォード (Laurence Fishburne) FBI行動科学課のヘッド
ジミー・プライス (Scott Thompson) 鑑識
プライアン・ゼラー (Aaron Abrams) 鑑識、ヒゲ
Dr.ベテリア・デュ・モーリア (Gillian Anderson) 精神科医
アビゲイル・ホッブズ(Kacey Rohl) ホッブスの娘
フレディ・ラウンズ (Lara Jean Chorostecki) 記者
ギャレット・ジェイコブ・ホッブス (Vladimir Jon Cubrt)
ルイーズ・ホッブス (Krista Patton) ホッブスの妻
— (Marcel Lewis) 警察官
— (Wayne Hissong) 警察官
— (Omar Habib) Guard
— (Kalen Davidson) Stag Man
コメント
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