第2話 アミューズ・ブーシュ Amuse-Bouche
脚本/Jim D. Gray
監督/Michael Rymer
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ウィルは射撃場で練習をする。ウィルは発砲している際に、
先日娘を殺そうとした犯人のホッブスのことが頭に思い浮かん
でいた。
ミネソタ州・チッペラ国有林、ギャレット・ホッブスの小屋。
ジャックはウィルをその場所へと連れて行く。
室内を調べるとそこには多数の鹿の角が残されていた。
「悪の権化 資料館」に常設展示出来そうだとウィルは皮肉る。
ジャックはホッブスについて学べば今後に役立つという。
7人の遺体は依然として不明だった。ジャックは食べたのだろう
とするが、それにしても食べ残しがあるだろうというジャック。
彼女たちの解体した後の処理も大仕事だとして、共犯者の可能性
を呟くジャック。昏睡中の娘が父を手伝っていたのかも知れな
いと。しかしウィルはアビゲイルが容疑者なのか?として信用
出来なかった。聞き込みした結果、父と娘はここで長い時間
過ごしているとし、娘は囮として最適ではないかという。単独犯
だというウィル。そんな中、室内には髪の毛が落ちていたこと
が分かり、他に誰か入ったことを語る。
ネットでは「ミネソタのモズの巣 独占写真」としてフレディ・
ラウンズ記者が署名記事でウェブ新聞に掲載していた。
その頃クワンティコのFBIアカデミーでは、事件を解決したウィル
に対して生徒たちが拍手で迎える。しかし不謹慎なので拍手は
遠慮すると告げると、この件はホッブスの退職届が逮捕に繋が
ったケースだと説明する。一見ただの書状だが、電話番号だけ
で住所が書かれていない杜撰な書状でボケツを掘ったのだという。
ホッブスは死んだが問題はヤツの影響力をどう食い止めるかだと
いう。既に信奉者がいるとのこと。模倣犯・・コピーキャット。
ウィルの元にアラーナがやってくると調子はどうかと語る。
不意打ちしたことを許してと語る中、彼女はジャックを連れて
くる。君は立派だったというジャックは査問会も君の復帰を認めた
事を語る。アラーナは戻りたいのかと問うと、ジャックはただし
セラピーが条件だという。レクター博士が適任だろうと。アラーナ
は初めて人を殺して混乱しているハズだとするが、ウィルは殺人課
にいたのだという。しかし人を撃つ度胸が無くて辞めたんだろう
とし、今回は10発も撃っていることを指摘する。心配している
事を告げ、深入りさせる気はなかったという。アビゲイルの病室に
は何泊しているのかと問う。ウィルはセラピーは無用だとし、
手のウチも知っているという。レクターと話してくれとし、
彼は苦悩を分かっているという。
レクターの元に逢いに行くウィル。
君の精神鑑定を頼まれたとし、責任能力も有り正常だと語る。ジャ
ックは君への罪悪感から解放し、我々は仕事抜きで話せること
を語る。必要なのは深入りしないことだとするが、深入りしすぎて
土産を持ち帰ったのだというウィル。命を救ったが、親を死なせた
そのせいで義務感を持っているのだろうというレクター。あなた
もそうではないのかというウィルに対してレクターは、当然だし
彼女の運命を変えたのだからという。ジャックは彼女も共犯だ
と言っているのだと報告すると、ジャックか我々が彼女を尋問
することになるという。「心の鏡は最善の自分を映し出すもので、
最悪の他人じゃないんだ」というレクター。
メリーランド州エルクウィック州立森林公園。
3人の少年たちは森の中に入っていくと、キノコが育っている場所
を発見する。しかし水に入ったチューブが出ていること。一人が
これは遺体の山だと語る。
クワンティコFBI射撃場。
ウィルは練習していると、射撃が下手でも教官になれたのねと
声を掛けてくるカッツ。ホッブスには10発も撃ったことを語る。
摘出した弾をゼラーが貴方にプレゼントとして贈ろうと言った
が笑えないわねとすると、当然だという。繋げてオモチャにすれば
と私は言ったのよというカッツ。カッツはウィルの銃の構え方が
ウィーバーだと知り、アイソセレスかと思ったという。彼は肩
の筋肉に問題が有る事を告げ、警察官の頃に刺されたのだという。
私も小学3年の時にHBの鉛筆で刺され炭素で死にそうになった
というカッツ。撃ち方を教えに来たのかと問うと、園芸のことに
ついて聞きたいのだという。
遺体を回収しに行く中、ジャックとウィルは現場入りする。
隠された道にタイヤ跡が有り、周辺に動物用の罠があるとすると、
“畑”を守る為に犯人がしかけたものだろうというウィル。カカシ
はないけどねと。遺体は全部で9つ有り、腐敗の程度は様々だという。
よく肥料を施されていると。個人の特徴を菌が腐敗される間、
埋められていた後にチューブで点滴されていること。拘束されて
いる跡はないこと。向こうに空気を送る管などを見ると几帳面さ
も有るが、一部矛盾も存在していた。
そんな現場に遺体を発見した母親の一人だとしてフレディが
規制線で警備していた地元警察官のパスカルに声を掛ける。
子供に説明する為に少し教えて欲しいとして、あそこに居る人物
は何者なのかとしてウィルを指すとFBI捜査官だという。
ウィルはその時、能力を使って時間を逆再生していた。
すると手足を縛ることなく浅く埋められた遺体が出てくる。
生きてるが二度と意識は戻らないこと。死ぬとも知らずに・・と。
ウィルはレクターの元へいくと現場で何を見たのかと問われる。
ホッブスの幻覚を見た事を告げ墓に横たわっていたという。
ジャックにはこの事は言っていないとすると、ストレスだろう
としてレクターは彼らには報告はしないと語る。他の事件の犠牲者
を自分の犠牲者に置き換えたのだという。ホッブスは犠牲者では
ないとすると死人だという。殺人犯への教官かとすると、辛くな
ったのかとし、自分が体験したからというレスター。被害者の
腕は何故地表に出ていたのか。一直線に埋めているし、犯人は
現実的だという。人を栽培したのか。栄養を与えて生かそうと
していたのではないかという。最後の一人以外は枯れたとするが
生きていた一人も結局死んだという。彼らは肥料でキノコを
育てる為のものだという。菌類と脳は似ている構造だという
レクター。複雑という網のようなもの。人には不可能な繋がり方
に犯人は憧れているのかも知れないという。君には可能だとする
が、物理的に不可能だという。人を繋げることが犯人の狙いなのかと。
そんな会話をドアの外でフレディ記者が盗聴していた。
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ウィルは模倣犯の一人、ギャレット・ホッブスを見つけ、
アビゲイルを助ける為にギャレットを射殺する。事件に深入り
させてしまったことにジャックやアラーナとしては心配するが、
ウィルの中には何処かショックとは違った感覚があることを知る。
そんな中で、再び猟奇殺人事件の痕跡を発見する。
国有林の人がなかなか足を踏み入れない現場で3人の少年たちが
異様にキノコが生えている場所を見つけて、その下から遺体の手
が出ている事を知る。行動分析課では、被害者を検視すると、
死因は全員腎不全で点滴はブドウ糖だったという。依存症の回復
にも糖分は必要だが、全員が糖尿病で有り縛られていないで埋めら
れていたのは、昏睡状態にして埋めていたのではないかとされ
る。インスリンを購入後10人の人物が失踪している現実を知り、
すぐに容疑者がエルドン・スタメッツだと掴むが、彼もFBIの
動きを察知して、容易には捕まることはなかった。彼の車の
トランクには国有林で見つけた9人の遺体と同じような状態で
埋められた女性の姿が有った。
ドラマとしては単発の事件を捜査していく内に、ウィルの中に
有る心理的行動をその都度レクターが分析して、ウィルの中にも
レクターと同じような精神構造があるのではないかというような
思いにさせられるものが有りますね。ウィルが心の中で壁のように
して封じている人としての理性を少しずつ解いていき、本当の気持ち
を喚起して、世に放とうとしているのか。今の所、レクターがウィル
をどのようにして扱おうとしているのか分からないけど、全ての
事件に深く関わるのではなく、寧ろ捜査をしているウィルを精神分析
という名で、情報を蓄積して誘導していくような流れがあるようだ。
シリアルキラーは単独で動く者と複数犯で動く者がいるけれど、
一話目に描かれた模倣犯のホッブスは共犯者の存在を臭わせ、
娘が父と共謀しているのではないかとする疑惑を持つ。
そして今回の犯人は完全に単独犯であり、菌の持つ特性が、
ウィルの中にある人との繋がりを求める真理と似ているところ
も有って、犯人からのメッセージ性も感じられた。
そんな繋がりを持たせたのは、現場で邪魔くさい行動を取っている
フレディというフリーランスの記者だ。レクターとしては彼女が盗聴
している事実をあっさりと見抜いて、彼女からデータを消去させた
けれど、彼女を利用して何かをしていくような行動を取っていく
のか。明らかに司法妨害しているので逮捕することも可能
だろうけど、レクターは「悪い子だ」としてサイトを閲覧しては
彼女の動きを掴んでいる。
そんなフレディの元に地元警官のパスカルが利用されたことに激怒
している姿が有り、この情報は自分だけのものではないことを口に
していたので、1話でレクターがホッブスに電話して誘導したように
2話の中でもレクターが密かにフレディの情報源になっている可能性
も感じられる。
流石にFBI行動分析班・BAUたちだけ有って、「クリミナル・マインド
FBI行動分析課」でもBAUが活躍しているように、手際の良さは目立つ
ね。
そして何よりもウィルが抱えている苦悩をレクターに告げたところ
が恐い。アラーナは「命を救ったことに後悔しないで」と励ますが
実際のウィルはホッブスを殺害したことに寧ろ心地良さを覚え、
その気持ちを打ち消そうとして苦悩している様だ。それが犯罪者を
殺した事に対する快感なのか、それとも人そのものを狩猟のように
して殺したことにも同様の意味を持つのかどうかが気になるもの
として存在している。
しかし状態を見ると確かにウィルは危険な感じだね。
そして今回はレクターの家にジャックが呼ばれて、腰肉と赤い果実
のソースを食べさせられたけど、その肉、本当に豚肉なのか?
・インスリンを受け取りに来たグレッチェン役のChelan Simmons。
「カイルXY」で娘ローリーの親友・ヒラーリー役として出演。
■使用された曲
・Hannibal Theme by Brian Reitzell
・Cello Suite No.4, BMV 1010: Prelude
Written by Johann Sebastian Bach
■被害者
1) S.Olsen
2) L.Sorenson
3) D.Latimer
4) P.Cohen
5) R.winn
6) A.Anderson
7) D.Woodward
8) エリース・ニコルズ
ウィル・グレアム (Hugh Dancy) 犯罪プロファイラー
Dr.ハンニバル・レクター (Mads Mikkelsen) 天才法医学精神科医
Dr.アラーナ・ブルーム (Caroline Dhavernas) 元心理学教授のFBIコンサルタント
ビバリー・カッツ (Hettienne Park) FBI行動科学課の一人でジャックの部下
ジャック・クロフォード (Laurence Fishburne) FBI行動科学課のヘッド
ジミー・プライス (Scott Thompson) 鑑識
プライアン・ゼラー (Aaron Abrams) 鑑識
アビゲイル・ホッブス (Kacey Rohl) 娘
ルイーズ・ホッブス (Krista Patton) 妻
ギャレット・ジェイコブ・ホッブス (Vladimir Jon Cubrt) 配管工、父
フレディ・ラウンズ (Lara Jean Chorostecki) フリーランスの記者
エルドン・スタムメッツ (Aidan Devine) 処方箋、犯人
パスカル (Richard Chevolleau) 捜査官
グレッチェン・スペック (Chelan Simmons) 処方箋を受け取る
トロイ (Liam MacDonald) 発見した少年
スティーブ (Graeme Jokic) 発見した少年
ジェイソン (Kaiman Teevins) 発見した少年
— (Michael Torontow) Pharmacist
— (Diane Johnstone) 看護師