ハンニバル / Hannibal 第10話 ビュッフェ・フロワ Buffet Froid

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第10話 ビュッフェ・フロワ Buffet Froid

脚本/Andrew Black、Chris Brancato、Bryan Fuller
監督/John Dahl

【前回までのあらすじ】

アビゲイルがニコラスを殺したことをレクターから聞いたウィ
ル。しかし彼女の為に黙っておこうと言われる。君が心配だ
として犯人に共感して自分を見失っていること。それを聞いて
ウィルは脳の検査を受けるべきだと考える。自分のことを不安
定だと感じるかとアラーナに言われ、ジャックからは体調に
問題があるのかを問われる。記憶が消えたことをレクターに
話すジャック、友人として君自身が心配だとして君は現実から
離れていると言われる。

【ストーリー】

・デラウェア州グリーンランド
夜車で帰宅したベス・ルゴーは家に変える。物置小屋で何か
物音が聞こえるが、特に気にする様子もない。室内に入ると
飼っている鳥に挨拶すると、すぐにベッドに入って寝ようと
する。しかし天井から水漏れがしていることが分かり、懐中
電灯を手にして屋根裏を調べると、屋根の木が破れていた。
とりあえず補強剤としてビニールをして、天井に水分がこぼれ
ないように水桶を置いておく。そして再び寝室に戻ると、
床の水滴が不自然に思われた。おそるおそるベッドに近づくと、
突然ベスはベッドの下に引きずり込まれて殺されてしまう。

レクターの診察を受けるウィル。
まるでジェットコースターのように神経が音を立てている
ことを説明する。急降下する前にレールを上る音が聞こえて一瞬
で全てが終わるという。アビゲイルも人の命を終わらせたこと。
風船を割るようにというウィル。命を奪ったとするが、君も
奪っただろうというレクター。あなたもねというウィル。
君は奪った命ではなく君から奪われた命に嘆いてするのだという。
アビゲイルが父を忘れてやり直せば君も自分を解き放てるという。
彼女の為に嘘をつけというのかというウィルに対して、命を
奪うことを非現実的で、奪われた命はその瞬間に肉体では
無くなり光と空気と色になるというレクター。それが”生きてる”
ことだという。生きている実感が有るのかと問うと、消えていく
気がするというウィル。あれから記憶喪失はと問うと有ると
語る。レクターは時計の絵を描いて欲しいとし、数字の2本の針
で時間を表してくれと語る。何故かと問うと練習だという。
今に意識を集中してと語り、君は何処にいるのか、何時なのか、
自分は誰か。「時計の絵を描くと、今は午後7時16分、メリー
ランド州ボルティモア、名前はウィル」。思い出すと良いとし
現実にとどまる手がかりだと語る。”生きてる”ことが分かるとの
ことだった。

ウィルは自宅で魚を捌いていると血が流れている感覚に見舞わ
れる。そして気がつくとアビゲイルをナイフで刺す幻覚が有っ
た。
ウィルはドアを開けて外に出ると、そこにはFBI捜査班と鑑識た
ちが待っていた。ウィルはすでに事件捜査を開始していて、
犯人の世界に入っていたのである。しかし彼としては珍しく
現場を荒らしてしまっていた。凶器にも手を触れて血まみれ。
手を洗うと外に出る。ジャックは一体何があったのかと問うと、
あんなに怖がる姿は初めて見たと言われる。ウィルは恐怖には
慣れているとするが、あんな顔を見たら気になるという。黙り
込む程の何を見たのかとジャック。恐怖で視覚と聴覚は鋭く
なるが上手く話せなくなるという。君は初めて殺人現場を荒らし
たとすると、自分でやった気がしたと語る。君が彼女を殺した
というのかとするが、それを否定。君のすべきことは現場にある
証拠を検証すること。そこから推理し殺人犯の考え再現するこ
とだという。僕を外部のレクター博士に診せたのは本格的に
精神状態を隠しておくためなのかと問うと、慎重に行きたい
というジャックは、心を壊しているのは俺のせいなのかと問う。
壊れず僕よりも有能なヤツがいるかというウィルにジャックは
調子に乗るなと語る。

被害者はベル・ルボー。自分の血で窒息しているという。
大量の血がベッドの下にもあるが隠れる気だったのかという
ジミー。犯人が引きずり込んだのだろうという。爪を立てて
抵抗しているというカッツ。犯人は彼女に強い関心を持って
いたこと。思いが強すぎるとし犯人は彼氏か元彼か同僚、
顔見知りの店員ではないかというジャック。ナイフの指紋は
君だったというジミー。皮膚片は恐らく犯人のものだが皮膚が
ボロボロで使える指紋はないという。犯人を引っ掻いたようだが
血がついていないというカッツ。何故血が出ないのか。彼女の
顔を切って顔をはごうとしたのかもというゼラー。マスクを
脱がすようにしたのかというウィル。

ウィルはレクターの元に行く。まだ手が金属みたいな血の
臭いがするという。現場を見たはずだが殺す姿しか思い出せ
ないとし、それは現実よりも・・と語るウィル。何が現実な
のかと問うと、僕は殺していないのに、斬りつけた感覚や
死んでいく姿を覚えているのだという。現実を浸食するよりも
妄想に打ち勝たないといけないというレクター。

メリーランド州ボルティモアノーブルヒルズ医療センター

——————————————————–

■今回の犯罪者

帰宅した女性・ベル・ルボーが殺害される。
今回は単発の殺人事件だったが殺され方が猟奇的だった。
被害者は顔を切られて自らの血で窒息死した格好だが、
顔の皮膚が剥がされようとしていたことが判明する。

日本のドラマで木村拓哉さん主演の「アイムホーム」で、
事故をきっかけに短期的記憶を失い、更に妻子の顔が認識
出来ずマスクをかぶっているというドラマを思い出すな。

ドラマでは最後にビジュアル的にジョージアにはどう見えるの
かということが描かれ、彼女の視線が描かれたけれど、
二人目の被害者のドクターはレクターが殺していた様だ。
実は一体目もレクターが殺していたのではないかという気が
しないでもない。天井に穴を開けて誘導してあんな殺し方を
するなんてレクターくらいなものでしょう。

■犯人はコタール症候群

現場で皮膚がボロボロに落ちているようなことを語っていた
ので、魚鱗癬の病気にかかる患者なのかと思った。
「ボディ・オブ・プルーフ」S1-7の「消された足跡」でも
この遺伝性疾患を持つ人物が犯人だとされていたけど、
結論からすると自分が死んでいると思い込んでいるコタール
症候群という病気にかかる人物による犯行だった。
自分が死んでいると信じ込んでいることと、人の顔を認識
出来ないという症状があるようだ。
コタール症候群で検索すると大抵奇病のベスト10くらいには
入るようなもののようだ。重度の鬱症状とちょっとした統合失
調症っぽいものだけど、自殺するのであればともかく、
他人に危害を加えるものなのだろうか?
そして被害者と犯人のジョージアは争った跡があるけど、
犯人を引っ掻いた様だが血がまるでついていないとする辺り
は、不思議な現象だった。後にぶとう球菌か何かの感染症
の可能性を指摘していたし、ウィルは犯人を見つけて逃げよう
とした彼女の手を取った際にずるりと皮膚が剥けていたので
思い込みだけでなく、実際にゾンビ状態になっていたのだろう
か。

■生きている証

今回の犯人の奇病にちなんで、記憶が曖昧で現実が妄想によって
浸食されつつウィルが今回犯人の精神状態により近いものが
有ったみたい。そんな状態のウィルは自分は生きているのか
どうかという実感を得るために、レクターのアイデアで
時計を書いて時間と場所、そして自分の名前を語るという
シーンを以て、自己の確立を保とうとしていた。

犯人にとって最も実家以外の場所で、自分の居場所だとしていた
のが親友だったベスの自宅なのだろうけど、何も殺す必要はない
のに・・。

ウィルは犯人の手を取ったことに関連して、自分が見た妄想な
のかそれとも現実なのかどうかの判断が出来ずに、カッツに
調べてもらうシーンが有ったけど、カッツにしてみれば深夜に
呼び出されてもの凄く怖い思いをしたのではないか。
正直ウィルと一対一で会うのは怖い気がする。

■ウィルの病気の原因は神経なのか心の病なのか

神経も心の病も似たようなものじゃないかって感じもするけど、
脳神経に何らかの原因が有れば、治せるものだしね。
人は病気の原因が分からないと不安でたまらない。逆に病気の
原因が分かると対処法があるのでそれなりに納得して安心できる。

日本でもあんまり心の病を患っていたりすると肩身が狭い
のだけど、パニック症を持つ私としても肩身が狭いんですが、
ウィルも心の病だということを必死に否定しようとしている姿
が有ったね。

実際にはレクターはすでに臭いで脳炎だということを見抜いて
いたらしい。

症状として、
「単側空間無視、頭痛、失見当識、幻覚、意識変容」
これだけ見ると脳神経外科医ならば脳炎の症状に当てはまること
が分かるっぽいね。
MRI検査の結果、右脳全体が炎症を起こしていて、抗NMDA受容体
脳炎だと判明。

しかしレクターは検査結果に対して「ミラーニューロンが多く、
共感細胞は大人になるにつれて普通は消えるが、ウィルは残って
いる」と説明していた。

■ジョージア再び

ウィルの自宅にも現れたジョージア。
「君は生きている」と逃げる彼女に声をかけたことで、ウィル
を信頼したのかな。
日本の映画でもアメリカの映画でもベッドの下に何か居る
というパターンは結構見かけるよな。

■俳優

レクターと研修医時代一緒で、精神科医サトクリフ医師を
演じていたJohn Benjamin Hickeyは、現在NHKBSで放送して
いる「キャシーのbig C ~いま私にできること~」で主人公
キャシーの兄・ショーン役、「グッドワイフ」ではシーズン2
では訴訟となった企業、検索エンジンのチャムハム社のCEO
のニール・グロスで出演している。

■使用された曲

・Hannibal Theme by Brian Reitzell
・Prelude in C Minor by Johann Sebastian Bach

■出演者

ウィル・グレアム (Hugh Dancy) 犯罪プロファイラー
Dr.ハンニバル・レクター (Mads Mikkelsen) 天才法医学精神科医
Dr.アラーナ・ブルーム (Caroline Dhavernas) 元心理学教授のFBIコ

ンサルタント
ビバリー・カッツ (Hettienne Park) FBI行動科学課の一人でジャックの部下
ジャック・クロフォード (Laurence Fishburne) FBI行動科学課のヘッド
ジミー・プライス (Scott Thompson) 鑑識
プライアン・ゼラー (Aaron Abrams) 鑑識、ヒゲ

ジョージア・マッドチェン (Ellen Muth) コタール症候群
ジョスリン・マッドチェン (Krista Bridges) ジョージアの母
Dr.サトクリフ (John Benjamin Hickey) 精神科医、レクターと同期
ベス・ルボー (Hilary Jardine) 被害者、ジョージアの元同級生

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