キャシーのbig C ~いま私にできること~
The Big C (シーズン3)
制作/Melanie Marnich
第2話 君の話を聞こう What’s Your Story?
脚本/Mark Kunerth
監督/Michael Engler
【STORY】
●前回までのあらすじ
アンドレスは先祖への敬意だとして今後は”アバブー”と呼ぶよう
頼む。心臓発作を起こしたポールは記憶が鮮明なうちにブログ
を書く。「俺は光を見たんだ」
看護師から植込み型除細動器(ICD)の使い方を教わる。
電気ショックで心臓の動きを正常にするものなので片時も離さない
ようにと言われる。
キャシーは病院近くのロンドンパブにいくと店員たちから気に入ら
れる。
ショーンはアダムの後見人になるなら働かないといけない事を
告げる。キャシーは自分が働く学校で何か募集しているかも
知れないとして見つけようとする。
病院にいくアダムとキャシー。祈りは届くはハズ・・聖書によれば。
腫瘍は縮小し一部は消えたというシャーマン医師から言われ
アダムも思わず大声を張り上げる”やった!”
■ジェイミソン家
キャシーのコーヒーを飲みながら家族写真を見る。
アダムはキャシーの元に行くと「浮気したのか?」と問う。
「父さんのブログに書いてあった」
「病気の次は浮気?何処まで僕を苦しめる?」(Adam)
「もう偉そうな説教は聞きたくない」
そういって彼は出ていく。
入れ替わるようにしてポールがやってくる。
ポールはブログ閲覧数が増えていることを喜んでいた。
しかしキャシーはブログに私生活のことまで全て暴露している
のでアダムがそれを読み私の浮気のことを知ってしまったと憤怒する。
ポールは大人の読者に向けて書いているつもりだったので気づかず
にいた。自己満足で書いていた。手術してから何かがおかしく
なっている。急に嫌いな紅茶を飲んだり大量のバナナを食べたり
して、まるでサルの心臓を移植したみたいだという。
どうやって両親の浮気を説明するのか。
「俺の浮気の話はそのうち正直に書くつもりだった。でも止めよう
かな」(Paul)
「何故私の話を書いたのか?」(Cathy)
「書く必要があった。みんな俺のことを知りたがっている。臨死体験
を詳しく説明するには死にかける直前のことも説明しなければ
ならない。君の病気、そして浮気のこと」(Paul)
「発作の原因は私ということ?」
「違うそれは俺の生活習慣だ。君の凄さについてはブログで褒めて
いただろう?読んでくれていないのか?」(Paul)
「その話は後よ」
「記事を削除する」
■ウエストヒル高校 WESTHILL
インフォメーション掲示板の前でアダムに挨拶するアンドレア。
「”スノーモービル安全講習”だそうだ」(Adam)
「僕も君みたいに新しい趣味を見つけたい」(Adam)
「私のは趣味じゃない、バカ HELP TO RE-INSTATE THE BSA MEETING」(Andrea)
「BSAとは?」(Adam)
「黒人生徒連合(BSA)、以前はこの学校にもあった。私が活動を復活
させる。白人ばかりの学校だから・・ルーツを確かめられる集まりが
必要なんだ」(Andrea)
「またなアバブー」
アダムはあるチラシの前に立つ。
「聖書研究会 BIBLE GROUP」のチラシを持っていく。
・
ショーンは学校の清掃の仕事に就いていた。
感謝されないがなんとかやっているとキャシーに告げる。
「まるでホームレスみたい」
「必要な道具ばかりだよ。ガムとかゲロの清掃用、匂い消しだって
ある。完璧だ。更に戦利品もある。みんな何もかも簡単に捨てる」
キャシーは働くことに尊敬を示す。電話も引いて欲しいというが
要らないというショーン。取次するのはうんざりだと。
「電話を持つなんて考えられん。電話なんかを引いたらその次には
うっかりネット回線も引きそうだ。そのうちツイッターまで
始めるぞ」(Sean)
「私への感謝の気持ちはあるでしょ?家と仕事をくれた妹のささやかな
望みを叶えてよ」(Cathy)
・そこにアダムが通りかかる
キャシーはママを無視しないでと語る。
ロッカールームを開けると中から聖書研究会のチラシが落ちてくる。
「父さん以外の男と寝た母さんが聖書の勉強を批判するの?」(Adam)
「聖書には”母を敬え”って書いてあるわよ」(Cathy)
「”姦淫とウソは罪”とも書いてあるだろ」(Adam)
・聖書研究会 BIBLE GROUP
アダムは入るかどうか教室前にいると生徒(Zach Page)から声を
かけられる。
「ホッケー好きな仲間がいるとうれしいよ。僕も最初は不安
だった。”ハレルヤ!”なんて叫んだりしないから安心しろ」
中ではブロンド女性・ジェシー(Kailie Torres)に声をかけられる。
「サンドイッチはいいけどディップは避けて。”二度付け”が流行中」
「ツバ入りディップか」
参加者は円状に椅子置いて座ると互いに告白する場になる。
スコット (E.J. Bonilla)は初参加のアダムの話を最初に聞こうと
して話すよう促す。
「知っている人もいるかも知れないが母親はガン、父親は心臓発作
で倒れた。学校もクソみたいだし・・」
汚い言葉を話したことを謝罪するが、
「キリストも十字架の上で”ファック”ぐらい言ったさ」
「君を歓迎する。ここで悩みを話して息抜きしてくれ。必要なら
叫んだっていいんだ。俺たちは心の平安が欲しい。神様でも何でも
頼って混沌から抜け出したいんだ。気楽にやろう。俺たちが批判する
のはこいつの髪型くらいだ」
■ショーンの家
ソファーの後ろに置いてあった電話機を取り出すと回線につなぐ。
学校の倉庫で見つけた中古品だというショーン。
「俺のやり方で文明に対抗してやる」(Sean)
電源を入れて通話できる状態になると、
「俺の魂の一部が死んだ音だ」(Sean)
「ねえどっちが”黒人パワー”っぽい?」(Andrea)
「ちゃんとした巻き方があるんだぞ。昔ナイジェリア人の彼女に
覚えさせられた。代わりに彼女は体毛を剃らない約束だった」
電話が鳴る
「誰にも教えていない番号なのにもうセールス電話だ」
「”ウィリー”?いないよ」(Sean)
3度目の電話では
「俺のアレをしゃぶってくれウィリー」
アバブーの髪に巻き付ける。
「上手いじゃない。ナイジェリア人の彼女は祖国に?」(Andrea)
「パンツの中がもじゃもじゃのまま帰ったよ」(Sean)
■ジェイミソンの家
ポールがブログを書いているとキャシーがやってくる。
「アダムに浮気の話をして」(Cathy)
「あの子には話さないことにしただろ?」(Paul)
「あなたの浮気の話もしなくちゃ不公平でしょ。学校に行く前に
話して」(Cathy)
・アダムがやってくる
パパから話があるそうよ。
「いいかい 悪いのはパパだったんだ。ママの浮気の話を公開する
なんて怒られて当然だと思う。だがもう過去の話だよ。今後
家族の了承なしに個人的な内容は書かない」(Paul)
「それから?」(Cathy)
「実はママだけじゃなくてパパも得脇をしていた」(Paul)
「なるほどね 最高だな」(Adam)
「誤解による愚かな行動だった。仕返しのつもりだったんだよ」(Paul)
「2人とも急に変な告白するなよ。僕は何も知りたくなかった」(Adam)
「ハグで解決?いい考えだね。ああ気分がよくなった。母さんたちは
どう?」
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■感想
ポールは心臓発作の臨死体験を経てそのことをブログで公表し
始める。キャシーはポールが私生活の全てをブログに書き綴る
為にキャシーの過去の浮気のことまで暴露され、それを読んだ
息子のアダムは母親を信じられなくなる。
ショーンはキャシーの学校で清掃員の仕事を得る。その代わり
の条件として家に固定電話を設置すること。倉庫に放置されて
いた電話機を繋ぐと何故かウィリーと名乗る人物から度々連絡
が入る。
自己啓発的な流れだった。
このドラマの中の人々に限らず人は色々と物事に悩まされたり
振り回されるものだけど、その悩みに対して示唆する人物が
適材適所に配置されていて うまい事 問題を吸収して昇華させて
くれる。
人は不可能を可能にしてくれる何かを信じたいと思っている。
そして信じられない出来事に対して科学的に証明できない時には
何とかしてその理由を探ろうとする。
●目覚めた人たち
ガンによって切開した傷跡を気にするキャシー。
彼女が通うようになったアイリッシュパブのカービーは体に
タトゥーを刻んでいて、その内容は自分が経験してきた過去の
自分史だった。アメリカのドラマを見ていると稀にどの刑務所に
いたのか・・とか、どのギャングに所属しているのかとかいうこと
をタトゥーのデータベースで調べて履歴を調べたりする。
カービーには刑務所に入った時のことも刻まれている。
普通は前科があれば隠すものだけど、それを明らかにしてしまう
マインドは流石のキャシーでさえも陵駕している。
更に酔った彼女を学校に送ってくれるシェイという女性の革ジャン
には「”これが読めたら私は死んでる”」なんてメッセージがある。
(If You Can Read This THE BITCH FELL OFF)
そのキャシーは生徒がいるにも関わらず過去に犯した自分の負の
遺産である悪行をアダムに話した上、タトゥーアーティストに
傷跡の上に文字を刻んでもらう。”C”とね。
アンドレアも高校内で「黒人生徒連合(BSA) / Black Student Assoc’n」
を作ろうとする。白人至上主義の中で自分たちを守る組織を
立ち上げようとする。このウエストヒル高校には13人の黒人がいる。
相当少ないけれど、冒頭でのインフォメーションボードに張り紙
をして協力者を募るも誰も来てはくれなかった。
それでもそんな彼女に助言してくれたのは”白人”であるショーンだった。
その後アンドレアは校内放送を使い黒人生徒たちに呼びかける。
●見えない力
聖書研究会 BIBLE GROUPに近づくのはアダムだ。
これは初回のエピソードの事だが、彼はキャシーと共についていった
病院の待合室で”祈り”を捧げていた。
そしてその祈りが通じたことにより、神の存在を信じるように
なったかどうかは分からないが、聖書を意識するようになる。
高校内で行われている聖書研究会に参加するが、何となくきな臭い
感じがしてくるのは気のせいだろうか。
ポールもまた見えない力によって支配されている人物の一人。
臨死体験の話は過去から現在に至るまで色んな話が都市伝説と
して耳にする。その中には味覚の好みや性格が変わったというもの
が有ったり、自分が自分ではないような感じがするようなことを
言われる。
ポールもまた例外ではなく、臨死体験する過程で光を見て、
その後に自分の体に起きている異変を感じていく。
ドラマの中で彼が語る異変には、
「急に嫌いな紅茶を飲んだり大量のバナナを食べたり
して、まるでサルの心臓を移植したみたいだ」
●今後どうなるか分からない流れ
電話回線を引いたらインターネットしたり、twitterまでし始める
かも知れないぞと語るのはショーン。
ショーンが電話を取り付けると何度もかかってくる電話がある。
ウィリーという名の人物で、なるで同性愛か回春のような話に
なっている。
ポールが乗り移ったとされる人物のことも分からない。
彼は前回幼稚園時代の友達パトリック・バートランドが出て来た
ことを語っている。
彼のブログのことも含めて今後ポールの体に変化が訪れるのか。
アンドレアの流れもシーズン2を覚えていないのでよく分からない
が、いじめられていたりする流れが有ったのだっけか。
アダムやキャシーと触れ合う内に随分と社交性を身に着けたように
見えるが今後何か起こそうとするのか。
■その他
・バーでのキャシーとカービーのやり取り
「人生の記録さ」(You like my memoirs)
「それいい表現ね。なぜ人はタトゥーを?」(Cathy)
(Oh , I love that you used the world “memoirs”)
「これ(左手)は刑務所で仲間が彫った死神(a grim reaper)だけど
フニャチンのピエロに見える」(Kirby)
it kinda looks like a clown with a droopy penis.
・As-salamu alaikum アッサラーム・アライクム
「平安あれ」 アラビア語であいさつで使われる。
Youtubeを見ているとKazu Languageのカズマさんがよくアラビア語
圏の人に対して語っている言葉だが今回ショーンがアンドレアを
励ました後にこの言葉を使って立ち去って行った。、
・酒を飲んでから登校するキャシー
これは少々あり得ない流れだった。
バーの仲間はキャシーが教師だということを知らない。
ただ飛行機のパイロットになりたいと思っていることや、彼女の
ことをアレクシスと呼んでいる。
キャシーはカービーの前衛的な思想が好きみたいだし、
カービーはキャシーを男みたいな性格をしているとして親しみ
易さを感じている。治験ではあくまで腫瘍が縮小していっている
だけなのでどうなるか。
笑えるのはキャシーは嘘が上手だ。
校長から酒臭いと言われるも、治験の薬のせいだとして簡単に
誤魔化してしまう。
■使用された曲
・Game Called Life by LEFTOVER CUTIES (Title)
・Yr Shadow by Making Friendz
・What’s Your Story by Tanya Stephens
■出演者
キャシー・ジェイミソン (Laura Linney) 43歳、妻、高校の教師
ポール・ジェイミソン (Oliver Platt) キャシーの夫
アダム・ジェイミソン (Gabriel Basso) 高校生、15歳
ショーン・トルキー (John Benjamin Hickey) キャシーの兄
アンドレア・ジャクソン (Gabourey Sidibe) 生徒、デブ
カービィ (Lee Tergesen) IRISH PUB経営
コニー・シューラー (Connie Ray) ウエストヒル高校・校長
ジェシー (Kailie Torres) 聖書研究会・ブロンド・ロング
スコット (E.J. Bonilla) 聖書研究会・進行者
Mr.イングヴォル (Andrew Friedman) ウエストヒル高校・教師
コリー (Ben Hollandsworth)
シェイ (Fredi Walker-Browne) バーの客
(Luis Da Silva Jr.) タトゥーアーティスト
(Zach Page) 教室でくすくす笑う同級生
(Silvestre Rasuk) 男学生
モーガン (Caine Sheppard) 聖書研究会・髪型