第20話 自覚なき罪 Lowdown
脚本/Robert Nathan
監督/Jud Taylor
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娼婦街に巡回警察官のバムフォードとロビンスは訪れると、
客引きしている娼婦にここではダメだとして止める。男娼まで
いて驚く中、車の中で性行為に及んでいると見て警察官は
それを止めようとする。しかし車内では白人の男性が首を絞め
られて殺害されている事を知る。
エリオットとオリビアは現場にやってくる。
被害者は白人男性・30代、首に赤いものでシートに座りながら
絞められているという。争った痕は無いので不意打ちだという。
ホットパンツで首を絞めようとするとはねというエリオットに
対してあれはレギンスよというオリビア。ジムなどで着る運動着
だという。運動する娼婦が犯人かと告げるエリオット。車内には
コンドームが落ちていて中には精液が有り、外には口紅が付いて
いた。安全なセックスだったのかとする中身元は分かったのか
と鑑識に尋ねる。サイフとカードは紛失しているが、車の登録
はジェフリー(ジェフ)・ヨークた゜という。オリビアはその
名前を聞くと遺体の顔を見せて欲しいという。知り逢いなのか
というエリオットに彼はブロンクスの地方検事補だと語り、
付き合っていたことが有るというオリビア。
クレイゲンは眠い中起こされた為にオリビアはコーヒーを持って
くる。午前2時に地方検事を起こし、売春街で検事補が死んだこと
を報告したのだという。返事は”早合点するな”だという。エリオット
は娼婦遊びが過ぎたのさというが、娼婦は刃物を使って殺すもの
だというオリビア。ヤク中ならばなんでもするハズだという。
しかし絞め殺す力が女性にあると思うか?と問う。性転換娼婦
ではないかとするが、ジェフは娼婦やオカマとは無縁の人だと
いうオリビア。誰にでも秘密が有るとし君の知らない事だって
と語るエリオット。彼は検事補故にはめられた可能性もあると
いう。フィンは助手席のドアと被害者のベルトから指紋が検出
されたことを語り、男性で名前はケビン・ブラウンだという。
別名はキーシャ・ブラウン。オカマの男娼だと。逮捕歴が有り
住所は不明。巡回警察官が確かオカマを見ているとオリビアは
語る。
ジェフの3年分の担当事件簿が運ばれてくると、フィンとマンチ
で怪しいものを探してくれと言うクレイゲン。
6時になったとしてキーシャが商売を始めるというクレイゲン。
キーシャの元にいくと私は殺していないという。車には触ったが
殺していないとし死んでいたのだと語る。青いカバンだけは取った
が中身は服だけだったとしサイフは無かったのだという。カバンを
出せというエレオットに対して、高架下のゴミ箱に捨てたという。
洋服も小さかったと。
エリオットは鑑識に言ってゴミ箱から青いビニールカバンを探して
もらう。
エリオットはオリビアにジェフのことは始めて聞いたとすると、
5年前に一緒に仕事をして遊びで付き合ったという。一ヶ月付き合っ
たがシックリこなかったとのこと。そんな中カバンが発見され、
スニーカーに赤い上着が入って居るという。レギンスと同じ
色だと。名前はティナ・ガードナー・地方検察局調査官のものだと
語る。職場恋愛の縺れなのか。しかしそれならばカバンなど残すもの
かと語る。
3月11日(木)・パークス・カフェ
ティナに話を聞くと週2回ハンドボールをしていて月曜日に彼の
車にカバンを忘れたという。彼とは友達で調査を手伝ってくれる
という。昨夜逢ったのに残念だという。6時頃帰宅すると言っていた
こと。ジェフは決して買春するような人ではないという。カバンに
は何を入れて置いたのかと問うと、靴と運動着だという。赤い
上着とレギンス、口紅も入って居たという。メラニージョーンズ
のブラッシュローズだと。犯人はアルバレスだという。先週殺人で
有罪になった男でジェフを脅していたという。”殺す、二度と裁判
はさせない”と言っていたとし同僚に話しを聞くべき事を語る。
アンディ・アボット検事補から話を聞く。
するとジェフは脅迫に屈する男ではなかったという。取引を
断っていたという。アルバレスとはどんな人物かと尋ねると、ケチな
密売人で3人を殺したのに2件は無罪だという。最初の1件は陪審員
買収で弁護士が起訴したが負けたこと。次に目撃者が証言を撤回
したのだという。3度目の正直かも。妻は復讐を心配して担当から
外れるように言っていたという。ジェフに保護を頼めと話したという。
裁判直後のニュース映像を見せてもらうと、ジェフはインタビュワー
に対して脅迫には馴れていると語っていた。ジェフは検察職を
愛し崇高な倫理感を持っていたという。アルバレスはタチの悪い
男で、ジェフには銃を持てと忠告し、僕は実行していたという。彼は
誤射したら困ると言って持つのを拒んでいたと。
検事を脅迫するとは大胆だとすると逢えば分かるという。
3月11日(木)・ライカーズ刑務所
アルバレスに逢うとオリビアとエリオットの質問に、ジェフなら
ばオレが殺したと語る。あの夜に仕返しに殺したのだと。しかし
彼の弁護士は冗談だとしてフォローする。彼は25年の刑に怒っている
が検事を殺す程じゃないという。私は合法的に依頼人を助けている
だけだという弁護士。陪審員買収の起訴や記憶喪失になり消えた
証人もいることを告げると、開き直ったように私がやった証拠を
持ってくれば良いという。通補記録など全て用意して置いたとして
確認しろという。アルバレスの面会者は弁護士だけとのことだった。
エリオットはクレイゲンに対してアルバレスはシロだろうことを
告げる。マンチは事件簿を調査しているが現在2003年度のもの
を調査しているが、絞殺・娼婦・口唇性交での検索ではヒットが
ないという。クレイゲンはレギンスと車を足して再検索してみろ
と語る。フィンは911以来、裁判所を出る際にカードを通すこと
になっているがジェフの退出は午後6時14分だという。死亡推定
時刻が9時から10時だと考えると3時間は何処にいたのかと。
クレイゲンの元にマルティネス地方検事がやってくると二人で話
をしたいという。彼は情報を持ってきたとしてジェフの銀行取引の
明細書だという。受け取りは2週間前でアルバレスは彼を買収した
と自慢しているのだという。ただ変なことにATMの記録で、3日ごと
に500ドルを引き出していること。カードに関しては滞っていて
信用度は最低になっているという。金はギャンブルかドラッグに
使ったものなのか。ジェフは優秀で期待の星だったことを告げ、
マルティネスは何としても犯人を捕まえて欲しいという。
殺害の夜のジェフの口座の残高は30ドルだけだった。
ドラッグ検査でもシロだという。エリオットはクレイゲンに対して
オリビアはこの件を入れ込み過ぎだと語る。
そんな中オリビアはラボで口紅を調べてもらっているが、青いカバン
に入って居るハズの口紅がなかったことを語る。色はブラッシュロ
ーズでコンドームの口紅と同色だという。娼婦がカバンの口紅を塗り
行為に及ぶはずはないという。一体誰の唇なのか。DNAがないか
ラボで聞くよう告げる。
シパーによると唾液は検出されなかったが、コンドームについた口紅
の跡は口唇性交の場合は滲むハズなのにそうなっていないので、
使用後に口紅で跡をつけたのだろうと語る。コンドームをつけて
殺してキスをしたのだという。
メリンダは唇の写真が届いてから性行為の証拠を探したと語る。
被害者の精嚢には生前射精すれば精液が残るが、出てないという。
コンドームの中身はジェフではないと語る。車内には二人の男たち
がいたのだという。鍵は男たちねと語ると、エレオットは彼らは
ゲイだと語る。
ノバクは新聞で「ゲイの地方検事補、セックス殺人」として取り上げ
にれていることを告げ格好のネタにされているという。なんとか
黙らせるネタはないのかとしてクレイゲンに語る。キーシャのDNA
とは不一致だったとし、他のオカマがいないのだという。サイフが
盗まれカードは未使用。娼婦ならばカードが使うか売るハズだという
エリオット。現場がナンパ場所で遊びで男を拾ったものなのか。
荒っぽいセックスが好きで殺してしまったものなのか。
オリビアはジェフは普通の人だと語る。しかし未知の顔が有るのかも
知れないとし、彼の家に行ってその秘密を探れとクレイゲンは語る。
3月12日(金)・ジェフリー・ヨークの家
3月12日(金)・アンディ・アボットの家
3月15日(月)・デュシャウン・マクガバーン社
3月15日(月)・ジェローム・アダムス事務所
3月15日(月)・マクガバーン家
3月17日(水)・検事執務室・メアリー・コンウェイ
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ブロンクスの娼婦が集まるたまり場で男性が車の中で遺体と
して発見される。女性用のレギンスを首に絞められ絞殺され
たもので、車内には精液入りのコンドームと、そのコンドーム
には口紅が付着していたことが見られた。
駆けつけたオリビアは被害者がジェフ・ヨークだと知ると、
彼はブロンクス地区の地方検事補だと告げ、5年前に付き合って
いたことがあると語る。状況証拠から彼は娼婦と関係を持って
いたのか。彼が現在起訴している事件はアルバレスという危険
な相手で脅されていたことも有り、その可能性に言及していく
が、その可能性を除外していく。そんな中、彼にはゲイだと
する状況が少しずつ現れそれを疑うが、かつて付き合いのある
オリビアとしてはそれを否定する。しかし室内を調べていくと
エリオットは薬としてAZT・・HIV感染者である事を知り、彼が
資金難に陥っていることからも薬を買っていたであろうことを知る。
かつて関係を持ったことのあるオリビアとしてもHIV感染の可能性
があるということで、検査することになるが・・・
シーズン2の13でエリオットがHIV感染者によって傷つけられたこと
をきっかけにして、感染リスクで検査結果が出るまでナーバスに
なるシーンが有ったけど、今回はなんとオリビアがそれに該当する
ということで、彼女が感情移入する話だった。しかも彼女の場合
付き合っていた相手がゲイでしかもHIV陽性だったという辺りが
またなんとも複雑。女性としてはゲイに見初められたというのは
それこそ複雑な思いがするのか、それとも一度は関係した相手なの
でそれ程までに感情移入するのか。
シーズン2の15の中で、オリビアは仕事終わりに一度デートした
相手と再度電話して食事することを約束しているシーンが有った
けど、この時の相手だったりするのかな。といってもオリビア自身
はジェフとの付き合いは5年前のことだと言っていたし、少し時期的
にはズレる感じはするけど。
ブロンクスと言えばやはり黒人社会で特に南の方に行くほど
スラム地域として危険な場所だったりするけど、そんな社会で起きて
いる特異な世界という割りに、巡回警察官と娼婦のやりとりを
見ている限りではなんかあんまり危険な地域ではない感じがする
し、今更娼婦とか売春・買春くらいでは逮捕しないくらいに地域
密着している姿に少々違和感が有ったりもしたし、駐まっている
車には誰も目もくれずにいるところも違和感が有ったかな。
スラム地域だと車を駐めているだけで盗んで行くというイメージ
が有るんだよね。
なんと言っても面倒臭そうだったのは、関係者が検事局の人間だった
ことと、黒人社会の中でも特異な部類に入るダウンローと呼ばれる
ものたちのことを取り上げたものだった。単なるセックスと捉え
下半身だけの行為だと割り切って済ますものだとし、その背景には
黒人社会は男性らしい父親像を求め、教会も家族も友人もゲイは
白人の変態だと決めつけているのでこういうものが居ることを
語るフィンの姿が有ったり、ホアンもまたオリビアに対して
性は複雑で理解しがたいものが有り、ゲイの自覚前に寝たのか、
それともゲイだけとオリビアに惹かれたのかも知れないことを口に
していた。
このシーズンのオリビアはちょっぴりメッシュを入れて茶髪っぽく
良い感じだけど、シーズン2くらいから短髪にしてボーイッシュ
なイメージも有ったので、中性的に相手として見られてしまった
のか。
同じ日に「太陽にほえろ!」114話を見たのだけど、犯人の男は
昼間はサラリーマンで夜は拳銃の密売をしているという二面性を
持つ男の話だったけれど、このドラマに於いては昼間は普通の
妻子持ちの男性で、毎週水曜日になるとポーカーと称して男性同
士でセックスしているゲイというのだから何とも複雑。
フィンが黒人同士ということで、その繋がりから説き伏せようと
するけど、それを告白することもなかなか出来ないだろう状況の
中、脅そうとしても通用はしなかった。彼の前では告白していた
けど大陪審でも告白することを拒否する程に、黒人とゲイは
タブーなものが有りそうだ。
ポーカー仲間は5人。
テレンス・ベーカー、ジョー・ロバートソン、ジム・ヘンドリックス
アンディ・アボット、デュショーン・マクガバーン。
ポーカーはしているみたいだけどいつの間にか二人で寝室にしけ込む
みたいな流れになることを語っていたけど、なんか凄い世界だ。
オリビアの検査に関してはメリンダが行ってくれた。
意外と早くに検査結果が届いてホッと一息。5年前のことだし
避妊具はつけていたとしていたし、いつ頃からジェフがHIV陽性
なのか分からないけど、破産するほどに金が無くなるほど、HIV感染
の治療には金が掛かるのだろうか?
正直途中で誰が一番悪いのかよく分からなくなってきた。
殺されたジェフは家庭を捨てて一緒になって欲しいみたいに
すり寄ってきたみたいで、ゲイだということをバラすみたいな
脅しが有った感じもするし、殺したアボットもまた家庭を守る
為として殺しつつも、結局妻にもHIV陽性を移してしまっている
のだから何とも言えないところ。
今回ノバクが妻に対して夫のHIV陽性のことを話してしまった。
ホアンによるとHIVのことは死んでも尚、話すことは許されないと
していたけど、寧ろ逆でHIV陽性ならば関係を持つ際には告知する
義務が有るし、感染者を広げない為にもノバクのしたことが
法律的にも間違っているとは思えない。
ジエコ弁護士がここの所嫌な役周りでよく出てくる。
ノバクに対して司法取引しないと懲罰委員会にかけて資格の停止
を訴えるとかなんとかいう役割。
あとメアリー判事は前回のエピソードの中で、検事局を辞めて弁護士
をしているみたいな言い方をしていた気がするのだけど、検事局に
居るのね。ノバクにアドバイスをする役割だった。
今回はなんとなく早朝に起きた事件だったので、冒頭では終始
エリオットが野球帽を被っていた姿が印象的だったし、相変わらず
ノバクさんは法廷以外では結構ラフな女性らしい可愛い格好を
しているなと思う。
アボット逮捕の際に、ミランダ警告をオリビアが語るけど、
「既に知っています」とばかりにアボットが定型文を読み上げるが
如く自分で話している辺りが笑えるところ。
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エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
— (Jose Zuniga) Computer Forensics Technician
メアリー・クラーク (Marlo Thomas) 判事、ノバクが相談する
ライアン・オハロン (Mike Doyle) Forensics Tech
ジュディス・シパー (Caren Browning) CSU Captain
アンディ・アボット (Michael Beach) 地方検事補、ゲイ
アリー・アボット (Amari Rose Leigh) アンディの妻
チャウンシー・ジエコ (Peter Riegert) アンディの弁護士
メアリー・エレン・アボット (Bethany Butler) 地方検事
デュショーン・マクゴバーン (David Aron Damane) 不動産王
ジェローム・アダムス (Robert Jason Jackson) ポーカー仲間、事務所
ティナ・ガードナー (Romi Dias) 地方検察局調査官、現場に彼女のバッグ
フランシスコ・マルティネス (Roger Pretto) 地方検事
ケイシャ・ブラウン (Harmonica Sunbeam) 男娼、本名ケビン
テレンス・ベーカー (Benton Greene) ドレッドヘア、ポーカー仲間
ジェリー (Richard Lyntton) Desk Clerk
チャーリー・ホーナー (Curt Karibalis) アルバレスの弁護士
ヘクター・アルヴァレス (Carlos Pizarro) 殺人鬼
モリー (Leyna Weber) バーテンダー
バムフォード (Ian Bedford) 捜査官
ロビンス (William H. Burns) 捜査官
ジェフ・ヨーク (Dean Strange) 地方検事補、ゲイ、元オリビアが寝た
ベリンダ (Moet Meira) 娼婦
ジャニン (Antonia Marrero) 娼婦
— (Roberto Rizzo) Prosecutor