第12話 殺人マジック Poof, You’re Dead
脚本/ Terri Edda Miller
監督/Millicent Shelton
【ストーリー】
「ドレイクのマジック店」
アシスタントのイライザは朝出社すると、水中マジックショーの中で
店主が亡くなっているのを目にする。
事件の連絡が寝ているラニの元に入る。
隣で寝ていたエスポジートにも電話が鳴っていた。仕事にいかないと
いけないなという彼に、ラニは現場でウィンクしたり笑いかけたり
子犬みたいな目で寂しそうな目で見るのは禁止だと釘を刺す。
リックはジーナと電話していたが、リックは話す事はないとして
電話を切る。
やってきたエスポジートに対して仕事仲間とは絶対に寝るなと語り、
そんなのみんなが知っているという。エスポジートはラニとのことを
想像してドキッとする。ケイトもそこにやってくると、リックに
対して何かイライラして問うがそれを否定する。
現場は「ドレイクのマジックショップ」だと知るとリックは13歳の時
から来ているとし、男の子にはパラダイスだという。ケイトは男
ばかりじゃないとすると、私の祖父はアマチュアマジシャンで私も13歳
の時から日曜の午後にここに来ていたという。どんなマジックが
使えるのかと問うと「氷を使う技でセクシーなヤツ」だと語る。
店内ではライアンが報告に来る。
水に浸かっていたサイフから被害者は店のオーナーのザルマン・ドレ
イク。今朝アシスタントのイライザ・ウィンターが店を開けた時に
発見したという。店に押し入った形跡はないという。
ラニは水槽を使ったマジックって何が面白いのか?と問う。逆さづり
で水の中に入るなんてバカだという。リックは脱走マジックは業界に
革命を起こしたのだとし、命がけのマジックはこれが初めてなんだ
という。マジシャンは息を止めて観客は息を飲む。つまりこのマジシ
ャンは8時間から10時間息を止められずに死んだのねと。死亡推定時刻
は24時から2時。眼球の点状出血から死因は溺死みたいだという。足首
で体が固定されているが、もがいた様子はないので死んでから水槽に
入れられているという。
エスポジートは遺書があるという。
「金銭的問題で代々続いた店を手放せないので自殺する」と書かれて
いた。
イライザは先生(ザルマン)は自殺するような人ではないとし、金の
問題は2週間前に解決したと言っていたとし、マジックを心から愛して
いる人だったという。ケイトは遺書にサインはないので指紋を調べて
くれという。また水槽の出入り口の指紋も調べてという。
イライザは昨日の午前中に逢ったのが最期で、店を出てから戻らなか
ったという。時々店を開けることは前から有ったが、1ヶ月前からいつも
よりも出かけることが多かったという。少し疲れていそうだったし、
先月男が店に来て暴れてからだという。先生の様子が変わったとし、
「絶対に訴える」と男は言っていたとのこと。
ケイトは署に戻ると裁判所の記録では一ヶ月前にドレイクが訴えられ
ているのを確認する。ライアンとエスポジートは店の周囲で聞き込み
してきたとし、夜中に店の前に白いバンが止まっていたとし、店の
入り口が開く音も聞いている人が居たという。死ぬまでの彼の行動を
追ってくれというケイト。身内はいるのかと問うとポキプシーにいる
弟が唯一の肉親だが連絡が取れないという。
リックはケイトにマジック店で透視メガネを買ったので君の複も透け
て見えるというと、ヘソピアスは見えるのか?と問う。
ライアンはエスポジートの前で「誰かさんには秘密があるようだとし
内緒にしておきたい気持ちは分かる」という。エスポジートはどう
して分かったのかと問うとみんな知っているという。そしてゴシップ誌
を見せると、そこには「リックとジーナが大げんか」という記事が
掲載されていた。キャッスルの元妻で今の恋人の出版担当者であるジーナ
とル・シルクで食事しながら大げんかを始めたらしいと。
だから今朝あんなことを言っていたのかというエスポジート。
■今回の事件
老舗・ドレイクのマジックショップの店主のザルマン・ドレイクの遺体
が見つかる。発見したのは店でアシスタントをしているイライザで、
脱出マジック用の水槽の中で殺害されていた。
店の経営はかなり行き詰まっている状況で、遺書まで発見される。
老舗ということも有り、ケイトもリックも13歳の時から来ている店。
もっともケイトの場合祖父がアマチュアのマジシャンだということで、
毎週日曜日の午後に来ていたみたいだけど、ケイトとリックが店で
すれ違っていたという過去なんて有ったりするのだろうか。
■私生活・恋愛模様
ラニはなんとエスポジートと付き合っていることが判明。
先日のエピソードでライアンがジェニーと結婚しようとしていたばかり
なのに、相棒のエスポジートまでもが、そんな恋バナで幸せそう。
逆に不幸せなのはリック。元妻のジーナとはヨリが戻りつつ有った
気がするけど現実には既に愛はなく、ジーナからは何度も電話が有った
ところを見ると、リックの方から一方的に別れを切り出しているような
感じだった。
マーサもアレクシスも新聞の記事で二人の関係を見守っていたけれど、
アレクシスにとっては、両親のことでも有るわけだし、もう少し執拗に
二人の関係に迫っても良かったのではないかという感じもする。
ケイトとリックの関係に於いては、ケイトが身を引いて新たな恋愛に
走ったのもリックがジーナとのヨリを戻ったことがきっかけだった
ので、別れを知る彼女としては複雑な感じだった。
■容疑者
ジェローム・アスピナル
ザルマンを名誉毀損で訴えようとしていた人物。マジックショーで
読心術を使ってジェロームが愛人のリタと旅行をしていることを指摘
してしまったことで、現在では正妻とも愛人とも別れて、仕事も失って
ロングアイランドで一人暮らしをしている状況だった。
チャールズ・チャック・ラッセル
ストリートマジシャンで、元々マジック組合に属していたが、ラッセル
は使用を禁止されている火薬を使って客にケガされたことで組合から
除外されていた。その組合の委員を務めているのが殺されたザルマン。
ザルマンの店にあった遺書の指紋はラッセルのもの。
ただそれは遺書として渡したものではなく、ブラックライトで光る
特別なメッセージのやりとりに使われているものだと判明する。
C4爆弾を手に入れて欲しいという要求が有ったこと。
トビアス・ストレンジ
マジック界のジョニーデップ。
彼はマジックのトリックを全てザルマンから購入していて、この度
トビアスとの関係を解消して別の人物と組むことを語っていたという。
しかし長年組んでいたこともあり、マジックのネタをバラされないか
心配して殺害したのではないかという容疑が浮かび上がる。
■ザルマンの才能と意外性
ザルマンはマジックの腕も有り、そして何よりも自らマジックを作る
才能を持っていた。店を経営する手腕はなかったみたいだけどね。
マジックをつくる作業場があるということでその場所を特定していく
ことになる。その辺はクレジットカードの使用履歴が役に立った。
現場に行くが何もないと思われた場所にも、マジック用のトリックの
出入り口があることが分かり、ケイトがそれを見破った。
「ひらけゴマ!」と。
ケイトのマジック好きぶりも結構目立ち、ラボを見た彼女は、
「ギロチン」「アイアンメイデン」「ジグザグボックス」まであると
して喜ぶ姿。
ラボには車椅子のタイヤ痕があることから車椅子が電動式のもので
あることを特定していく。
ザルマンには双子のエドマンドという人物がいて、郊外・ポキプシー
で会計士をしている。妻子もいるということ。
リックお得意の妄想で、ザルマンとエドマンドは何らかの形で入れ替わ
っているハズで、色んなパターンを想定していた。
「スーパーマンの変装並にお粗末なのに信じるのか?」
日本の今時のドラマを引き合いに出すのであれば、「コンノドリ」の
「BABYは明らかに鴻鳥サクラなのに・・」ってところだろうか。
私もリック同様に双子の何らかのトリックによって殺しへの葛藤が
あるかに思われた。
■車椅子・プロフェッサーXは誰なのか
サディウス・マグヌスという政治活動家でちょっぴり怪しい人物にも
思われたが、実際に会った彼はもう誰かを殺すというような年齢でも
ないし、何よりも車椅子では遺体を水槽に運ぶのも困難だ。
リックが車椅子はカモフラージュではないかとしてまた別の予想を
立てていたけど、私も同様のことを考えていた。これは先週の相棒で
も同様のトリックが使われていたので記憶が残っていたのかも。
彼によると遠隔スイッチ・メカニカルアームの制作を頼まれたという。
■マジックを愛するという思念は何処に?
彼は投資詐欺師のクリスチャン・ダールを殺害しているように
思われた。有機リン酸が使用されているのはジェット機燃料。
妻のナオミは浮気して遺産がもらえない為に、ザルマンに頼んで
ダールを殺害したのかと思われた。海上で爆破させれば完全犯罪が
成立するとしていたけれど、爆破物が見つかれば完全犯罪など
無理だろうと小一時間。
しかし実際には、死んだ様に見せかけただけのトリックである
ことだった。
■マジックのある日常
今回は至る所でマジックが使われたので楽しかったね。
リックがジーナの件で家族に心配をかけていた際に
「文化的な夜の過ごし方を絵に描いたような二人」とマーサとアレク
シスに語っていたけど、ケンカの追求をされることを嫌って
アレクシスの耳から1ドルコインを出していたけど、アレクシスは逆に
せめて20ドルくらいは出してとマジック返しをされていた。
ケイトはリックがジーナと別れて落ち込んでいる際に、花を出した
けど、ちょっと如何にもマジック用の花という感じでイマイチ。
■死因は窒息死
手で口と鼻を抑えて殺されたとしていた。肺に水が入っていないこと。
また口と鼻の周りにウサギの毛が見つかっていることから手袋を
していることが判明。リックは帽子に詰め込まれるウサギに反撃
されたかみたいな発言をしていた。
最終的にはダールがその手袋をしていることが判明。
■最期のトリック
ダールに自供を引き出すために、双子のトリックを使った。
殺したハズなのにまだ生きて居るということで、ダールは思わず
口を滑らせるというもの。ザルマンをリスペクトしていたトビアス
の協力の元で上手いこと自供を引き出したけど、録画はされていた
のだろうか?
■知らぬは本人ばかり
ラニとエスポジートが付き合っていることは誰もが分かっていた。
今回のドラマでナチュラルにリックとかライアンが「同僚と付き合う
べきではない」とか「誰もが知っていることなのに」など、エスポジ
ートがドキっとするような言葉を語って刺激していた。
誰もが分かっているのにその関係性を隠そうとしているところを
見ると個人的には「めぞん一刻」を思い出す。
五代くんと響子さんが関係を持った後に余所余所しい態度を取って
いることに対して、住民達がなんでプロポーズしないのか
みたいに語るシーンが有った。
■使用された曲
・Castle Theme
Written by Robert Duncan
・Loaded by Zack Tempest
■出演者
リチャード(リック)・キャッスル (Nathan Fillion) 作家
ケイト・ベケット (Stana Katic) NY市警12分署殺人課の刑事
マーサ・ロジャーズ (Susan Sullivan) キャッスルの母親。女優
アレクシス・キャッスル (Molly C. Quinn) キャッスルの一人娘
ハヴィエル・エスポジート (Jon Huertas) ベケットのチーム
ケヴィン・ライアン (Seamus Dever) ベケットのチーム
ラニ・パリッシュ (Tamala Jones) 検視官
ロイ・モンゴメリー (Ruben Santiago-Hudson) 警部
エドムンド / ザルマン・ドレイク (Jeff Hephner) マジック店、双子
クリスチャン・ダール (Brett Cullen) 投資家・億万長女
ナオミ・ダール (Carrie Genzel) クリスチャンの妻、元モデル
イライザ・ウィンター (Vanessa Lengies) ザルマンのアシスタント
チャック・ラッセル (Chadwick Boseman) ストリートマジシャン、C4入手
ジェローム・アスピナル (Lenny Schmidt) ザルマンを名誉毀損で訴えた
サディウス・マグナス (Adrian Sparks) 政治活動家、市民的不服従罪
トビアス・ストレンジ (Gilles Marini) マジック界のジョニーデップ
ジェナ (Dan Castellaneta)
— (Tara Gerard) Magician’s Assistant
— (Natalie Cohen) Magician’s Assistant
— (Henry Hayashi) 弁護士
ヴィッキー・ルーベンス (Sahlima)
— (Dylan Saccoccio) Stage Hand