第8話 宿命の死闘 Baptiste
脚本/Matthew Federman、Stephen Scaia
監督/Paul A. Edwards
【ストーリー】
ワシントンD.C。
突然強盗は黒人・バプテストに対して金を持っているかとして脅す。
彼は失せろとし路上強盗なのかという。この格好を見ればオレから
幾らくらい盗れるか考えろとすると、時計を渡せという。時計は男
にとって大切なものだとすると奪うのは魂を奪うのと同じ事だと
いう。
バプテストが駅のベンチに座っている隣にチャンスが座る。
バプテストはオレを殺すのは無理だとし周りに人が居るし、発砲すれ
ばあそこにいる警察官がすぐに駆けつけるという。偶然に居合わせた
人が流れ弾に当たったり出口に人が押し寄せて大惨事になるという。
お前は助かってもその性格だと悪夢に魘されるぞと。あと4分で電車が
来るとすると、お前の中でまだ冷酷さが残っているのか、その時が
くれば分かると語る。
— 8時間前 —
ウィンストンはあの男ならもっと上手く死体が隠すという。妙な手口
なので検索したらそちらで起きた古い類似事件にあなたの名前が
記載されていたので呼んだのだという。ウィンストンが元サンフラン
シスコ市警をしていた頃のものだったが、捜査官は完全に彼を刑事
と信じていた。身元不明でIDはなく指紋は酸で溶かされていること。
大口径で撃たれているが射出口がないという。チャンスは先端が
ポリマーの逆テーパーの特注品なので、銃器店に置いて有るような
弾ではないので取り出すことは出来ないと語る。時計が無くなってい
るというウィンストン。死体はゴミ箱に入っていたのかと問うと、
捜査官は偶然ホームレスがゴミを漁っていて見つけたという。
殺し屋の仕業であり死体が見つかっても24時間は身元が分からない
様に指紋を消して手がかりを全て排除したのだという。殺しのプロ
の仕業だと。バプティストの仕業である事を告げる。これは終わり
ではなく始まりだとし、大物ばかりを狙う殺し屋が大物ばかり居る
街で野放しになっているという。ヤツがお前から何を奪いお前がヤツを
どうしたいのか。それをとがめる人は居ないとウィンストンは
チャンスに語る。好きにやれ・・と。
チャンスはエマ・バーンズの元にいく。
エマはチャンスを見た途端に司法妨害をしたことを責める。
関係者なのにロシア大使館から姿を消して私は裏付けが取れず
信用されなくなったのだという。この屈辱感・・・2週間の停職で
減給処分だという。一緒にファイルに残ってしまうのだという。
エマはチャンスを押さえつける中、ロジャーに対して寝室にある
手錠を手錠を取ってきて欲しいと頼む。「手錠が寝室に・・?」と
突っ込むチャンス。ロジャーに対してディナーは土曜の夜に延期して
とするとシトロネルで奢るからと語る。チャンスはオレを突き出すと
今夜重要人物が死ぬと語る。バプティストがワシントンに来ている
のだという。これを解決すれば出世できるぞと。
アルゼンチン首相の死とスタントン議員の6年前の飛行機事故の共通点
は何だと思うかと問うと、二人とも事故死では無いというウワサが
有ったこと。これらはバプティストが行ったもので失敗せず痕跡
も出さない・・・まるでゴーストだという。数時間前に身元不明
の死体が出たが体内にはバプティストの特注弾が使用されていること。
IDや指紋も消されて服はイギリスの高級スーツ、シャツは5番街の
百貨店のもの、コートを預けた半券が入っていて49丁目と1番街の角
のカフェにものだったという。その向かいにあるのは?国連本部だ
と。バプティストはニューヨークに住むヨーロッパ人国連職員の肩書き
を盗んだのだとし、ターゲットの接近のためだという。外国の高官
を殺しに来たのだという。止められるのは俺たちだけだと語る。
■感想
S1-3で一緒に捜査したエマ・バーンズが再度登場する。
手錠ネタは今回の彼女との絡みの流れから生まれたものだろうけど、
寝室に手錠があるという状況は確かに突っ込み所としては悪くなかった。
今回の敵だとされる人物・バプティストは元々はチャンスの仲間だった
様で、バプティストはチャンスから色々と殺しなどの方法を教わった
人物。二人には共通する恩師とも言えるオールドマンの存在が有り、
孤児だったチャンスを息子同然のようにして育てた経緯があるみたい
だけど、犯罪者に育てて恩義を求めるというのも実に勝手な言い分
だよね。ただ自分に都合良く育てただけって感じ。
過去の因縁についても語られていて、キャサリン・ウォルターズという
人物がキーマンとして浮かび上がった。チャンスが裏稼業の悪の側
の仕事をした最後のミッションでターゲットとされていた人物。
しかしキャサリンは良い人なのでチャンスには殺すことが出来ずにバプ
ティストが変わりに殺したという。
(ちょっぴりネタばれにはなるけれど、キャサリン・ウォルターズ役
にはAmy Ackerさんが演じているので出演が楽しみだ。)
冒頭から駅のプラットホームで、チャンスとバプティストの語り合う
シーンが有り、チャンスは彼を逃がすか殺すかの選択に迫られていた。
もしもバプティストを殺せば、チャンスが大切にしているものたち
全てを殺害されてしまうという半ば生きた人質を取られている状態で
あり、昔のチャンスならばあっさりとバプティストも殺していただろう
けど、残念ながら今の彼では撃つことは出来なかった。
二つに一つの選択肢しかないと思っていたけど、第三の選択として、
死んだと思われていたエマが出てきて逮捕するという流れは悪くは無か
ったけど、まだこのバプティストは今後も登場するキャラなので
脱獄するのかな。
パブティストがチャンスに語っていたけれど、その名前をかたっている
こと自体が侮辱みたいなことを語っていたし、ドラマでは全体の
テーマにもなりそうなことを語っていた。
「本当に死んで当然の人間は居ないのか?」
またチャンスに対して
「本当に変わったのか、死の願望があるのか、単に牙が抜けたのか」
と問うシーンも有り、色々と興味深い突っ込みが有った。
エマもキャサリンとチャンスの関係を気にしていて、何度も愛して
いたのかと問うけれど、その質問を交わしていた感じだった。
レイラもまた2話前のS1-6で登場したばかりの人物。
彼女はチャンスが助けたマーティンと意気投合していた感じだけど、
元々軍事企業のセントロニクス社のセキュリティで働いていたという
ことも有って、IT関係の遠隔操作やハッキングに関しては彼女に
丸投げだった。元々こういう人物が必要不可欠なドラマだと思うので
登場が遅いなと思っていたし、こういう役割はそもそもゲレロの
担当かと思っていたので、今後どうなっていくのかって感じだけど
レイラの出演はエマと同様に2話だけの出演。
レイラが今回の件を解決したことに疲れはしたけど楽しかったと
語るのに対して、ゲレロが
「この仕事は最悪の時も有って君が思っているのとは違う。そして
終わりはない」
と語っていた姿が印象的。
ウィンストンがまだ市警としての地位がある程度誇示されている
状況というのも違和感はあるけど、その辺は多少大目に見ないと
ダメなのかな。
チャンスとエマの関係は良さげだったけど、毎回「007」のボンド
ばりに女性に良い感じの関係になっては立ち去っていくという状況
を作ってはちょっとした渇望感みたいなものを喚起しているところ
が有るな。
バプティストを演じたLennie Jamesは、「The Walking Dead」で
モーガン・ジョーンズ役を演じている。
■使用された曲
・Morning in Manhattan by Raya Yarbrough
■出演者
クリストファー・チャンス (Mark Valley) ボディガード的な
ウィンストン (Chi McBride) 元サンフランシスコ市警
ゲレロ (Jackie Earle Haley) 元ハッカー
エマ・バーンズ (Emmanuelle Vaugier) FBI捜査官
レイラ (Autumn Reeser) ハッカー
リンチ (Samantha Ferris) FBI副長官
バプティスト (Lennie James) 殺し屋
フォルスター (Eric Breker) FBI捜査官、警護メンバー
— (Trevor Carroll) FBI Spotter
ティム (D. Harlan Cutshall) 守衛
— (Herbert Duncanson) エージェント
ジャン・ルカヴァリエ (Serge Houde) 要人、バプティストがすり替わる
— (Kasey Kieler) Thug / バプティストを襲おうとする
— (Donny James Lucas) Detective / ウィンストンを呼んだ捜査官
— (Todd Charles Mosher) HRT Team Leader
ロジャー (Giles Panton) エマのデート相手
— (Brent Stait) Potomac Electric Manager
— (Dave Thompson) Groundskeeper Agent
キャサリン・ウォルターズ
オールドマン
ルネ・デュポン
クレア
ポーリーン