第9話 母性の証明 Smother
脚本/Melissa Blake
Joy Blake
監督/Phil Abraham
【ストーリー】
赤ちゃん連れで買い物にするタニアは買い物が終わると駐車場に
行く。荷物を積んでいると店員が走ってきて忘れ物のカードだと
して手渡す。赤ちゃんをチャイルドシートに乗せる中、突然
おしゃぶりが現場に落ちる。タニアは車内で何者かを見つけて
驚く暇もなく殴られて、バンに入れて拉致されるのだった。
ミックはジェナに連絡し、届いたかという。それを見たらオレを
思い出せというミックが電話している内容はベスが耳にして
興味深く観察する。結婚したいFBI第一位のあなたが恋をしたのか
というベスはどこの港の女なのかという。ミックはオレの恋話
なんて興味がないだろうとするが、ベスは激しく追求してくる。
そんな中サムから今回の事件はニューハンプシャー州のマンチェス
ターで発生したとの説明がある。9日で3人の女性が誘拐されている
こと。
1人目、サラ・トラバース(34歳)、赤ん坊とコーヒー店を出た所で
消えた人物。
2人目、レベッカ・キールズ(29歳)、生後半年の娘を病院に連れて
行ったところ消えた人物。
3人目、タニア・レストン(31歳)、昨日娘と買い物に行ったきり
戻らず。
いずれの場合も子供は現場で無傷で発見されているという。
母親だけ拉致するなんて珍しいというジーナ。そもそも簡単にいかない
ハズだという。連れて行かれまいとして騒いで暴れるハズだという
ベス。目撃者はいないがタニアが浚われた時の現場の防犯カメラ映像
があるとし画質が悪いがガルシアに頼んでいるとのことだった。
シムズは間に合わないかも知れないことを口にする。
2件目の犯行までは6日、その次は3日。犯行は加速していること。
統計的に最初の2人が生きて居る可能性はゼロだというジーナとサム。
その事は地元警察にも知らせているという。何処から探すべきなのか。
3件とも郊外で誘拐。リスクを犯さない限りは遺体を捨てるのも
同じエリアであろうこと。自由に出入り出来て他人の注意を引かない
場所。廃屋や空き倉庫などだというシムズ。ミックはこの森は該当
するのではないかとすると、地元マイチェスター警察に話すという
サムは今すぐに出発だという。
現場の森に着くと地元警察の署長・ジュリーに挨拶する。
閉鎖の北西ゲートは通り抜けた後が有り、遺体も2体発見されていた。
遺体の遺棄の状況からして、時間をかけていること。両手を組ませて
両足をそろえて細かいところを拘っているという。メイクもバッチリ
でマスカラに口紅、髪の毛も梳かして服も染み一つ無いという。
まるで眠っているようにしたのだろうという。しかしその反面遺体
の捨て場所は自然の中に野ざらしにしていること。骨まで達する
深い裂傷もあるという。しかも胸の辺りを切っていること。これは
過剰殺人だとし、服を着せてメイクしたのは残虐性を隠すためだろう
というミック。殺人は感情的で怨恨だが、殺した後に罪悪感をもって
いるというジーナ。犯人の血と共にDNAも拭き取られているとし、
血痕の量から見ても殺したのは別の場所だという。遺体を捨てたのは
見つけて欲しかったのだろうという。罪悪感・謝罪の意味があるのだ
と。しかし三人目は居ないとしタニアはまだ生きて居ると語る。
ニューハンプシャー州マンチェスター。
警察署のオフィスに捜査本部を設置。ガルシアからは防犯カメラの
映像が届いているという。これはタニアの誘拐された時の映像だが
犯人の顔も車のナンバーも見えないという。車の傍に何か視線を
向けているタニアの姿が有った。話によると車の傍に落ちていた
のはおしゃぶりだという。乳児の母は防衛本能が高いハズだが、それ
が働いていないという。車の中を見て警戒心を解いて乗り込んでいる
という。犯人は女性なのか。しかし女性ならば狙われるのは子供だ
ろうというベス。シムズは遺体の捨てからすれば女性でも変ではない
という。
サムはシムズとミックに被害者家族と逢って話を聞いてくれという。
ジーナは犯人の車を探すよう告げグレーで最新モデルのミニバンだ
という。ベスはオレと一緒に検死官に会おうと語る。
■今回の事件の概要
ニューハンプシャー州のマンチェスターで3件の女性が拉致されるが
いずれの人物も赤ちゃん連れの母親であり、普通親子連れをターゲット
にする場合、赤ちゃんが狙われるものであり、何故母親を狙ったもの
なのか疑問に感じる。
最初に誘拐された2体の遺体がミックがプロファイルした森の中から
発見され、遺体の遺棄には相当な時間をかけていることが判明する。
遺体の状態を見るとナイフで軽く何度も刺していてしかも胸に集中して
いることから、殺しをする人格と遺体を遺棄する人格が違うのではない
かという視線を持つ。
■感想
このドラマ、事件の発生は駐車場に多いね。
当初は多重人格/解離性同一性障害を疑い、犯人も女性だとする説で
捜査していた。その根拠としては女性のメイクが手慣れていることや、
遺体遺棄を乱雑に扱っていないこと。また遺体に対してレイプは
ないことが挙げられる。
しかし疑問としては胸に集中した攻撃があること。
そして最も防衛意識が働いている乳児の居る母親に対して警戒心無く
近づいて誘拐出来る人物とはどんな人なのか。
遺体の遺棄が女性で、殺しは男性という共犯説が浮かび上がれは後は
解決も早いのだろうけど、それよりも既に犯行現場のVTRから
グレーの最新式のミニバンが犯行に使われているのだから、その事実
からたどって行けそうな感じのする事件だったな。
自分も途中までは多重人格者による犯行で、赤ちゃんを死なせて
しまったとか、乳がんなどで乳房を失った女性が犯罪に荷担している
のかと思って見て居たけれど、特定の部位に集中して攻撃することを
ピカリズムというらしく、そういうことをするのは10代の男性に
多いそうだ。
母親は息子を性的虐待していたみたいだけど、母乳を飲ましていた
だけだったのか、それ以上の関係になっていたのかよく分からない。
みた感じではそれ以上の関係みたいだったけど。
乳離れに関しては、人それぞれなので、乳離れに失敗すれば以外と
長い間、子供は母親の胸に固執してしまうようなことを耳にした
ことがあるけれど、そもそも母乳なんて出産後どのくらいまで
出るものなのか。
母親はずっと息子を赤ちゃんのままで居て欲しかったのだろうか。
一つ疑問なのは、遺体を女性一人で運ぶのは難しいと言っていた
けど遺体の遺棄に関してこの少年は手伝っていたのだろうか?
またこの少年は相当やつれた顔してとても赤ちゃんを持つ母親からは
慕われる様な人物像に見えなかったのだけど、どういうことだった
のだろうか。そもそもタニアが誘拐された際に、青年はどういう
形で居たのかも正直よく分からない。
ミックは3人目の被害者のタニアの息子に助けることを約束していた
けれど、残念ながら助ける事は出来なかった。それでも自分に出来る
事として、父親に今後母親の居ない家庭に於ける子供の扱いに関して
アドバイスする。そんなミックは幼いときに両親を失いジェナという
妹と二人で育ってきた家庭だそうだ。冒頭ではベスがやたらと
ミックに接近しては恋人のことを聞き出そうとする時には、「ウザっ」
って思ったけど(笑)
また犯人の母親は子育てに失敗して別の赤ちゃんを連れて逃走する。
犯人が分かって殺人鬼が逮捕された後からが意外と時間的な余裕が
有ったので今更何をするのかなと思っていたけれど、サムが犯人に
共感して、母親の居場所を聞きだそうとしていた。
サムと出会っていれば、こうなる前に上手いこと犯人の心を母親の
陰から排除出来ていたのかも知れないな。
サム自身が母親に捨てられた人物だということも披露され、共感させ
る為にその事実を伝えていた。
■出演者
母親・ディアドラ役のKate Burton。
「スキャンダル」では信仰心の有る上院議員・サリー・ラングストン
役に出演。「グレイズ・アナトミー」では、メレディスの母親の
天才医師・エリス・グレイ役で出演していた。
■使用された曲
・Blood by The Middle East
■出演者
サム・クーパー (Forest Whitaker) 「レッドセル」のリーダー
ベス・グリフィス (Janeane Garofalo) 副リーダー
ジョナサン・シムズ (Michael Kelly) “プロフェット”、ベテラン
ジーナ・ラサール (Beau Garrett) 若手の女性プロファイラー
ミック・ローソン (Matt Ryan) かつて英国のある特殊部隊
ペネロペ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 元全米屈指のハッカー、BAU
— (Christopher Nissley) Opening Narrator
トレバー・ノリス (Brendan Michael Coughlin) 殺人鬼、未成年
カート・レストン (David Haydn-Jones) タニアの夫
サラ・トラバース (Ashley Lane Adams) 34歳、1人目の被害者
— (Tom Beyer) Searching Man
— (Jordan St. Jean) Searching Woman
— (Brendan Brandt) Store Employee
— (Dylan Burns) 8歳の少年
タニア・レストン (Jennifer Ann Burton) 31歳、母親、3人目
ベン・レストン (Will Shadley) 息子
ディアドラ・ノリス (Kate Burton) 母親、トレバーを幼少期に虐待
— (Ali Damji) 公園にいる警察官
— (Annie Savage) 公園にいる女性
リーガン (Bonnie Dennison) かつてトレバーに襲われ乳首を噛みちぎられた
— (Peter Holden) CPS Supervisor / 児童保護局
— (Joel Murray) 検死官
シェリー (Joel Polis) 署長
ジュリー・カムデン (Annie Tedesco) 4人目として誘拐される
レベッカ・キールズ (Veronica Wayne) 29歳、2人の被害者