第12話 奪われた顔 The Girl in the Blue Mask
脚本/Mark Richard
監督/Felix Enriquez Alcala
【ストーリー】
キャンプ場の林の中から血まみれの男性がキャンプしているカップル
の前に現れると、悲鳴を上げて二人は逃げる。
ワシントンD.C、レッドセル本部。
ガルシアはみんなが集まる中、数時間前にキャンプ場で化け物が現れた
と通報が有り警備員は顔半分が破壊された男の遺体を発見したのだと
いう。現場はクワンティコのランガレイクで、軍や国防総省の関係者
専用の公園だという。サムはクワンティコと言っても500平方kmだと
するとキャンプデービッドみたいな柵もない事を語る。普通の国立公園
と思って入ったのかも知れないと。地図を広げながらガルシアの話に
耳を傾ける。被害者は海兵隊員のデビッド・クレイフォード軍曹。
一日以上はそんな状態で生き延びたが顔の左側がズダズダだという。
手がかりはなく、現場近くで似たような犯行はないという。しかし
ガルシアは私の駐車場から1km半の場所だという。
ミックとシムズとオレは現場に行くので、ベスはジーナを拾ってモルグ
に行って欲しいという。今は妹の親任式だとすると、ベスは判事、
将軍、FBIがいる一家なんて怖いとしてラサール家のことを指摘する。
現場に到着するとサムは現場を保全していたストラスモア曹長に感謝
を示す。被害者は家族も同然だと言うと、海兵隊として二度アフガニス
タンに行ったことを語る。
シムズとミックは随分低装備でキャンプしていたことを指摘。
しかしキャンプは熟練していて、テントの設営場所は水はけの良い
場所で入り口も東向きなので太陽が目覚ましになるのだろうという
ミック。しかしどう忍び寄ったのか。派兵が2回なのでPTSDだった
のではないかというミック。帰還後睡眠薬を使う兵士は多いという
サム。丸腰で寝ていたこと。東から近づいたのだろうとし懐中電灯
を持っていたハズ。いきなり襲ったのだろうが何故反撃しなかった
のか。サムは現場で落ちていたタオルを見てクロロホルムがしみこん
でいることを知る。気絶させた後に皮膚を切り裂いたのだろうとし、
そして残されて瀕死の状態だったという。
検視局。
三方向から切り込んでいること。左耳、あご、そして首。
最初に頸動脈を切られて次に鈍器で頭蓋骨を割られているという。
ハンマーの類で金属製ではなく木製かプラスチックだとベスとジーナ
に説明する。顔の皮膚は内側から破られたようになっていることを
指摘すると、検死官は人間の皮膚は6倍まで腫れても避けないという。
ベスは何か注射痕があるとして何を注射されたのか調べてと語るジーナ。
ガルシアは調べていたところ10日前に17歳の家出人・エイミー・シェリ
ガンの遺体がプリンス・ウィリアム公園で発見されたという。
彼女はキャンプ生活者だったこと。顔が切られていて鋭利な刃物の
跡があるという。左耳、アゴ、そして首を切られていること。デビッド
の殺され方と類似していると語る。彼女にはレイプ痕はないとし襲われて
数時間は生きて居ただろうとのこと。ハンマーの一撃があるとすると、
ゴムのハンマーは木工や板金作業などで使われるというシムズ。
サムは何かの職人だろうとして使い慣れているという。
ベスとジーナの話では何かのガスを注射された跡があるとのこと。
食肉処理場やハンターが使う圧縮空気銃ではないかという。肉と皮
を剥がしやすくする為だというサム。針やホース、小型のエアタンク
が必要だがそんな重装備で現場にいくものか?。しかしミックは
被害者は死んではいるが殺意が感じられないという。生きた組織に
拘っているみたいだとし、食べる目的ならばその場で味見をしている
ハズ。皮膚が無くなっている中、何故顔の皮膚を奪ったのか。この犯人は
目的を果たすまでは繰り返すだろうという。
シムズはデビッドの兄に対して弟の荷物を診て欲しいと語る。
バッグにマット、テント全て弟のものだという。彼は不眠だったのか
と問うと二度目の派兵から戻った後、家では眠れないとして外で
寝ていたという。このクーラーボックスは弟の物ではないとし、
自然を大切にしていたのでキャンプは質素がモットーだったのだという。
サムは中にはドライアイスが解けているが何故置いて行ったのか。
襲撃に失敗し混乱してクーラーを残して逃げたのではないかという。
元々あのクーラーの中に皮膚を入れて持ち帰ろうとしていたのだろうと。
皮膚の採取の方補を試しているエド・ゲインみたいなヤツなのか
というシムズ。顔にコンプレックスを持ち見た目を変えたいのかという。
しかしジーナはそれならば自分の皮膚を使うはずだという。自分以外の
誰かに皮膚を移植しようとしているのではないかという。
そんな中、シンディがランニング中にテーザー銃で襲われ、顔の左の皮膚
を剥がされるのだった。
■今回の事件の概要
・FBI施設が集まるワシントンD.Cのクワンティコ近くの軍・国防総省
関係者専用の公園で殺人事件が発生する。被害者は海兵隊のクレイフ
ォード軍曹。兵士をそう簡単に倒せるものではないと考えるが、
彼は派兵後にPTSDになり不眠症故に睡眠薬を服用していることから
それに乗じて襲いかかっていた。
・被害者は顔の半分の皮膚がズタズタにされていて、過去の似たような
手口の犯罪を調べると、10日前にもエイミーという少女が同様に
顔に傷つけられていることが判明。
・更にシンディがテーザー銃で襲われ顔の皮膚片を切り取られる。
・そんなシンディの証言から犯人はスエットの男で、顔を切る時に
「約束したのだ」と語っていることが分かる。そんな言葉から見て
誰かに対して責任感が見えるとし、愛するものの為の犯行ではないか
としてプロファイルを完成させていく。
■感想
どうしてもレッドセルのエピソードは、本家のエピソードを意識して
焼き直して描いたように見えてしまうところがあるな。
このエピソードもまた剥製師が疑われたけれど、何処か「クリミナル・
マインド」のS5-6に於ける犯人の心理描写と似ているところもある
とも思えるし、そこから枝分かれして別の方向性に結末を持って来た
流れがあったようにも感じる。
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=2064
今回のエピソードは父親からの愛情が希薄だったジーナが主人公だった。
父親は優秀な妹だとして姉のジーナにはあまり期待していなかった
反面、期待以上のことをすると驚くが、父親は決して非を認めようとは
しない人物だという。そんなジーナに対して、彼女の父が、妹を頭の
良い方と言うならば、(ジーナは)キレイな方だとして慰めるベスの
姿が有った。
また今回のジーナはサムとの間で捜査方法に関して対立する姿が有り、
犯人の気持ちに入り込むサムのやり方にはなじめない事を告げ、
サムが語るように全ての人に光と陰があるとは思えず、闇だけの人も
いるのだと語っていた。
二人の関係は微妙で、サムは君の師匠や友達にはなれないかも知れない
が、親代わりにはなれるとしていた。
最後に犯人の父親・ケルビンを逮捕した際に、ジーナは娘のクリスティが
醜いと思わされていることに対して、そうした父親の酷い言葉は貴方の中
に映し出される自分の姿が憎くて語っていたのだと告げる。
それを聞いたサムもサーカスの子象のことを引き合いに出して、
成長しても操れるようにしている行動習性に対して、誰かが教えれば
鎖を切っていつでも自由になっても構わないということを教えれば
良いのだと語り、それをジーナ自身のことに当てはめて語り、闇しかない
という人は居ないということを暗に示唆するものだった。
さてドラマではやはり異常性をもった事件だった。
「娘の為ならば何でもやるという親は多い」としていたけれど、正直
何でもするという意味が突飛すぎるところも有り、クリスティに対して
父親のしていたことを理解させるには難しそうだ。
ベイカリーの少女・ドーンが可愛かったので、このオヤジによって
また傷つけられてしまうとなると切ないなと思っていたが、犯行直前に
何とか取り押さえる事が出来た。
娘も鍵を開けることが出来て家から逃げ出すことも出来たのにそれを
しなかったというのは、まさに洗脳そのもので、依存するように
教え込んでいる父親の罪深さを感じる。しかし何故母の元から誘拐した
父親のことがなかなか捜査線上に上がらなかったのか。
娘のクリスティのスペルがKristi。通常ならばChristyとなるのかな。
剥製師の店に捜索に行った際に、凄い勢いでサム、ミック、シムズ
が乗った車のフロンドガラスがショットガンで割れていたけど、
よく乗車していたものに当たらなかったな(笑)
奥の部屋を調べる際に思わずミックが剥製にビビって撃ってしまった
ことをシムズによって後々からかわれることになる。
検死官がアジア系の人物だったけど、当然調べるであろう検査を
調べていないという辺りの設定がちょっとマヌけすぎる。
ベスが指摘していたけれど、ちょっとベスも出しゃばりすぎて苦手
キャラだ。とはいえこのドラマも残り一話。
■使用された曲
・
■出演者
サム・クーパー (Forest Whitaker) 「レッドセル」のリーダー
ベス・グリフィス (Janeane Garofalo) 副リーダー
ジョナサン・シムズ (Michael Kelly) “プロフェット”、ベテラン
ジーナ・ラサール (Beau Garrett) 若手の女性プロファイラー
ミック・ローソン (Matt Ryan) かつて英国のある特殊部隊
ペネロペ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 元全米屈指のハッカー、BAU
— (Christopher Nissley) Opening Narrator
デビッド・クレイフォード (Devon Avery) 軍曹、被害者
ジョン・クレイフォード (Jason Connery) デビッドの兄
ヘレン・ホルトン (Jodi Carlisle) ベイカリーのオーナー
クリスティ・アナ (Zoey Deutch) Blue Mask Girl
エリック・ストラスモア (Billy Gallo) 曹長
ドーン・タガート (Christine Garver) 17歳、ベイカリーでアルバイト
エモリー・ボイド (Cooper Huckabee) 剥製師
エイミー・シェリガン (Ashley Morgan Kilbride) 過去に殺されている
シンディ・シーアリン (Eden Malyn) ランニング中に襲われる被害者
トム (Owen Martin)
Dr.エルダーマン (Chuck McCollum) 皮膚移植について尋ねる。
ソフィア (Laura Spencer)
— (Charline St. Charles) Surgical Nurse
— (Alain Uy) Medical Examiner
デントラー (Henderson Wade) 捜査官
ケビン・バーガー (J.D. Walsh) 犯人、父親