第12話 姿なき殺人犯 The Ghost in the Killer
脚本/Nkechi Okoro
監督/Allison Liddi-Brown
【前回までのあらすじ】
ハッカーの名前はペラント。彼は何処に居るのか?何処にでも行きたい
ところにいくと。ブースはアルドに相談。そいつは何人の人を殺した
のかと問われ8人だという。今までで最も凶悪な男だというブース。
ペラントはジェファソニアンで働いている最中のブレナンの元を
訪れると、気の毒なクロエ・キャンベルに何が起きたと思うかと
問う。ブレナンは貴方が殺したのでしょというが、ボクではないと
いう。犯人も知っているのかと問うと、「1870 5 7732 9224」と
同じだという。同一犯の仕業。
いよいよペラントを追い詰めるがブレナンが人質になる。次は
建物全体を爆破するという彼にブレナンはブースに対して撃ってくれ
と語る。ペラントはボクの身に何かあれば彼女が野放しになると語る。
誰なのか永遠の謎になると。
【ストーリー】
ブレナンはペラントの夢を見る。
遺骨を盗っていったのは誰なのか。ここに誰か来たのかとブレナンは
遺骨収納場所で叫ぶ。ブレナンはペラントの言葉を咄嗟に思い出す。
「ボクを撃ったのは間違いだったね。君だけでは犯人は分からない。」
「ボク無しでは事件の繋がりは分からない」という。その後骨が頭上か
ら相当数落ちてくるとブレナンは防御姿勢を取って助けを求める。
夢に魘されているのを知りブースはブレナンを起こす。
またペラントの夢を見たこと。私をあざ笑っていたとし、私には
「ゴースト・キラー」は探せないと言って居たという。犯人は必ず
見つけるというと、ブースは今はちゃんと休むよう告げる。オレが
付いていると安心させるブース。
翌朝、ブレナンは何でカムは連続殺人犯の存在を認めないのかとブース
に語る。事件を結びつける証拠がないからだというブース。だから
こそ捜査は続けるべきで人手が居ると語る。ブースはペラントの
ウソに翻弄させられているように見えるとし、君は何ヶ月も調べている
が何も出ていないという。亡霊を追うような捜査はできないのだという。
ブレナンは私のことを信じないのかと問われると全ては証拠だという。
そんな中玄関ドアに荷物が届いていた。ブースはブレナンに何か注文
したのかと問う。箱を慎重に開けるとそこには遺体が入っていた。
逝かれた冗談だとすると丁寧に遺体を包んであるというブレナン。
メモが入っていて「私に起きたことを突き止めて」と書かれていた。
ラボに持っていき遺体を調べる。
ブレナンは前頭骨の形、狭い梨状口、下顎骨のサイズから見て被害者
は白人女性だという。アンジェラはこんなものが送られてきて少しは
怖いと思わないのかと問う。遺体を家にまで送られて来たのだという。
ブレナンは私はアメリカ一のほう人類学者なので頼みたいと思ったの
だろうという。しかしカムはアンジェラが心配しているのは配達の
され方だとし、ホッジンズもラボではなく自宅に届いたのは確かに
不気味だという。
カムは完走した皮膚と土から見て10年は埋葬されているという。
ホッジンズは微粒子を採取するという。
そこにクラークがやってくると、カムは考古学的遺体かと思って私
が呼んだという。ブレナンは法人類学者は必要無いとし、欲しいのは
実習生だという。みんな予定が明いていないのだという。
スイーツとブースは運ばれて来た遺体について語り合う。
消印も指紋もない箱。大丈夫かというスイーツに対して、死体が届いた
のに大丈夫なハズ無いとブース。ブレナンがまたペラントの悪夢を見て
連続殺人犯が居ると思っているという。ペラントが言ったのは彼は
自分が必要だと思われたかったのだろうという。そしてブレナンはそれを
否定したいと思っているという。遺体は丁寧に布でくるまれている事。
死の真相に謎と有ったこと。被害者を大事に思うからこんなことをして
来たのだろうという。ブレナンを追い詰めたいサイコ野郎の仕業かも
知れないとブースは語る。
そんな中遺体はラナ・ブルースターだと判明する。
1995年18歳で死亡したというアンジェラ。ヨットレースのチャンピオン
で、沿岸警備隊が沈みかけている彼女の船を見つけたこと。レース用
のヨットではなく普段利用しているヨットを使っていたのだという。
その二日後に遺体が岩場で見つかったというもの。死後の損傷も多く
付着しているという。単独での世界一周も一人で行ったこと。パクス
トンカップではロードアイランドをスタートして、ケープタウン、シド
ニー、リオを回っているという。彼女は10代のヒーローだったこと。
右脛骨に骨修復した後が有るというブレナン。適切に処置されていない
というと、レース中の怪我でしょうというクラーク。過酷な世界一周を
一人で行い数ヶ月後に穏やかな海で死ぬなんて・・・と。
カムはホッジンズの元へ。
手首の皮膚に付着していた繊維について調べて欲しいという。
覆いはシルク、棺の裏地はサランだというカム。これは毛穴と毛包
があるのでレザーだという。なめした革で手首のレザーだという。
当時革ヒモのブレスレットが流行していたか?というホッジンズ。
私物リストには入っていないという。またナリリウムプシルムの
花粉が箱と骨の両方に付着していたとし、細胞質も含まれていると
いう。遺体が掘り出された後についたもの。遺体はブレナンに届く前に
何処に運ばれたのだろうという。カムは出所を探して「アレ」して
と語る。
■今回の事件と流れ
・ペラントが生前語っていた連続殺人犯「ゴースト・キラー」は存在する
のか。
・ペラントによると自分が居ないと探せないとして、ブレナンの自尊心
を揺さぶる事態になる。
・ペラントは当時クロエ・キャンベルを殺したのは自分ではないとし、
「彼女」が殺したことを匂わせる発言をしていた。
・しかしラボとしてはペラントが亡くなっても尚、自分の存在を誇示する
為についたウソだとして、ブレナンの行動・発言を否定する。
・しかしブレナンはこれまで自分が否定していた直感に従い、その捜査を
行っていく。
・そんな状況の中、ブレナン/ブースの自宅に送られてきた墓から掘り
起こされた遺体について調べていく。
■感想
ペラントの後は間髪入れずに「ゴースト・キラー」なのか。
過去、凶悪犯といえば、ザックが居た時には「ゴルモゴン」。
そして「墓堀人(へザー・タフェット検事)」とか居たけれど、
「ハッカーのペラント」に続いてやってきたのは女性らしい殺人鬼。
まだその可能性を匂わせるだけの展開だったし、今回の一件も
中途半端なまま、無理矢理「ゴースト・キラー」の流れに結びつけて
しまった感じもするので、イマイチ消化不良のまま終わってしまった
印象しかない。
世界一優秀な法人類学者と自称しているブレナンが、ペラントに
自尊心を傷つけられ、その件で感情的になりすぎているのではないか
とする疑いをみんなから向けられている。
何よりも証拠実証主義で行ってきたブレナンが自ら唱えてきた鉄の
掟を破って、自らの勘に頼っている点で違和感が残る。
「Dr.HOUSE」のハウス医師が慢性的な痛みを抱えることで天才的能力を
発揮していたのと同様にそのブレナンの研ぎ澄まされたスキルは
幸せとは無縁のようにしてきたことの裏返し的な一面を持って
いたけど、ブースと一緒になりクリスティンという赤ちゃんを持った
ことで幸せを甘受し、ここの所、彼女の中にも他人を気遣う感情なり、
ブースの影響から喜怒哀楽の感情を見せてきたことで、彼女らしさ
というものが失われて来ているのではないかという流れも存在している。
また感情的になるといえば、今回の一件はホッジンズにとっては昔なじ
みの人物・トレントが容疑者でもありそして被害者であるという点で
関わってくるものだった。
■今回の事件の背景
今回ブレナンの元に送られて来た遺体・ラナ・ブルースターは、
1995年の18年前に18歳で殺されていること。
彼女はヨットレースのチャンピオンで当時は若者10代のヒーローだ
ったという。
当時の検死官・ドリンジャーは彼女の遺体を適当な扱いで検視報告書
を出していて、単純にヨットで岩礁にぶつかり溺死したとの烙印を
押していたが、その背景を探っていくと、彼女名義の証券取引口座
には190万ドルが振り込まれており、金の流れを追うとケスティック
トランスポという会社に行き着く。大元の親会社はマクナマラコーポレ
ーションという鉄道と石油で財を成した大富豪。
ホッジンズは元々親が大富豪だった為にこのマクナマラ家とも精通して
いて、大富豪のたしなみとしてヨットに関して相当詳しい
ところが有った。
マクナマラ家は巨万の富を得ていたその裏で家族としての幸せを失い、
金持ちの典型的な子供・親子関係が有った様子。親の愛情を受けられ
ずに育った為に悪さを繰り返していたところが有り、ホッジンズは
一歩間違えればトレントのような人間になっていたかもしれないことを
口にしていた。
■トレントの自殺
トレントが自殺したという一報が届いた。ホッジンズが逢った後に
そんな事態を起きたのだから彼としては責任感を感じずには居られない
流れも有る。アンジェラは必死にそれを否定していたけどね。
トレントが犯人ならば必ず遺書を残し、そして罪の告白をしているはず
とホッジンズは考えるが、どうにも証拠が無い。
今回のエピソードはまさにブレナンとホッジンズが物語を率いたという
感じで、スイーツはホッジンズが金を失ったにもかかわらず冷静で
いることに素晴らしいとしていたけれど、旧知の仲の死に関しては
穏やかではなかった。
■トレントの検視
質量分析の結果、アンチモン、バリウム、鉛が検出。
この時点でトレントの手からは発射残渣があることを物語っていた。
しかし彼は右手根骨に骨折の跡があること。この傷だと手首の正中
神経と尺骨神経も切断されているので、ピース程度の指の動きは可能
だが、引き金は引けない状態だったのではないかとされた。
またトレント服にはラナの遺体の箱に付着していた微粒子ナリリウム
プシルムの花粉が付着していた。
マクナマラ家に一人、ドナという人物が働いていて、庭師のようなこと
をしていたよね。この女性に誰も目を付けなかったのは何故なのだろ
うか。
■クラーク博士の違和感有る行動
冒頭から遅刻してきたり、同じ服を着てきたりしている姿が有った。
そして途中でクラークはラボのシャワーを浴びているところに
カムがズカズカっと入って来た。余程急な事ではない限りシャワー
を浴び終わってから話すのではないかという気がするんだけど、
こんなの男性が女性の部下に行った途端に首が飛ぶような気がするん
だよね。ギャランドー・スイーツに比べて、クラークくんは身長は
低いけど、意外と筋肉がついた均整の取れた体つきをしていたね。
なんとクラーク博士の違和感有る行動は8年越しの恋人のノラと
別れたところに有った様子。ノラ側は結婚を望んでいたとしていたけど
何故クラークは結婚を拒んだのだろうか?
スイーツ博士がデイジーとの結婚を拒んだのはまだ若いので分からない
でもないけど、クラークは既に実習生ではないので結婚しても良かった
のではないかと。
クラーク博士が今回、カムとブレナンの間に立って、連続殺人事件は
存在するかどうかの第三者的視線での意見を求められた。
「物事は証明出来ずとも真実だと分かることも有る。」
クラークはノラに別の相手が出来たことを何処かで感じていたみたい
だね。
「証明」というのがキーワードとなっていた為に、そんなクラークの
セリフは今のブレナンには心に深く響くところがあったのかも知れない。
彼女にしては珍しく、
「あなたの心の痛みは相当なもの。それにも関わらず能力を発揮して
る事実は尊敬に値すると思う。今後は私のことをテンペランスと呼んで」。
そんなブレナンはクラーク博士の能力を認めた瞬間だったのかな。
■登場人物
トレントの姉でマクナマラ家唯一の人物になってしまったステファニー
役を演じたのは、「ゴシップ・ガール」でセリーナの母親・リリー
役を演じたKelly Rutherford。
■使用された曲
・
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
ランス・スイーツ (John Francis Daley) FBIの心理学博士
Dr.クラーク・エディソン (Eugene Byrd) 法人類学者
クリストファー・ペラント (Andrew Leeds) 6人を殺害した犯罪者
ステファニー・マクナマラ (Kelly Rutherford) 金持ちの姉
トレント・マクナマラ (Mitchell Fink) 金持ちの弟、問題視、ジャックの元友人
ダン・ブルースター (Chad Donella) ラナの弟
エリカ・スタンプ (Heather McComb) 元ラナのライバル
ドナ・ヘースティングス (Eileen Grubba) マクナマラ家の従者
— (Maria Jordan) FBI Agent
ラナ・ブルースター
ドリンジャー () 臨時検死官
ジャイルズ