第4話 証拠 Iron in the Fire
監督/Michael Offer 脚本/Patrick Harbinson
【前回までのあらすじ】
サンディには国境地帯に情報をくれる陰の協力者がいた。そして彼が
こちらの極秘情報を漏らしていると知りながら手を打たずに放置した
として無人機攻撃の成功で功名を立てたかったからだとCIA長男の
ロックハートに迫るキャリー。
キャリーはソールにロックハートと話してイスラマバード支局長と
して戻ることになったという。
アーヤンに対してリポーターは披露宴中に殺されたのはあなたの親族か
と問うとアメリカ人は人殺しだがCIAを殺せば同じになると語る。
インタビューに出ていた人物はヘイサム・ハッカニの甥だと分かった
というCIA。アーヤンは学友のキランに私物を預かって欲しいと頼む。
ガージは夜中にアーヤンの寮の部屋にやってくると、これ以上ペラペラ
と喋るなと忠告していく。クインはエディに仕事を辞めるとするが、
イスラマバードで集団リンチに有ったサンディの映像を見て、あの騒動
は最初から全て仕組まれていたものだとキャリーに伝える。イヤホンを
付けた男が現場で群衆を扇動しているのだという。今こそ貴方が必要
だというキャリー。ソールは次に人固めする為にも信頼出来る者の
見極めが必要であり、チームを作り外に裏の支局を作るのだという。
マックスとファラが先行隊としてやってくる。アーヤンに対してファラ
ササーニ、そしてキャリー・マクファーソンというジャーナリストと
して接近し、ロンドン支局長をしているという。アーヤンに対して
何を恐れ誰に脅されているのかと問うとあなたを守るという。この国
から出られるようにするとして名刺を渡す。
【ストーリー】
キャリーは夜にも支局のオフィスでパソコンの中のパキスタン情報局
(ISI)の諜報員たちの情報に目を通していた。
Mahbub Hussain、Babar Rasool、Zafar Masnd、Umar Naseem、Farooq
Ali。どれも探している人物とは違う人物だった。ジョンが突然やって
くるとキャリーに夜中にも仕事かとし寝ないのか?と問うと、貴方は
ノックをしないのかという。地元のISIの諜報員の顔ぶれを調べていた
のだという。目的の男はそこには居ないとし、ファルハド・ガージだ
という。あの男はパキスタン情報局の正規の諜報員ではないこと。
地元のゴロツキみたいなものだという。オレも立派に役に立つだろう
というジョン。キャリーは急いでガージの写真をプリントアウトする。
アーヤンはバスで移動しキランの家に行く。
カバンを取りに来た事を告げると、パパに見つかったという。
あれがないと困るとして返して欲しいとすると、パパがビンを壊して
全て捨ててしまったのだという。何故止めなかったのかとしてアーヤン
はショック。そこにキランの父・オマールが戻ってくると、こいつは
麻薬の売人だとし、お前は医学生ではないとし薬を盗むヤツはクズだ
として大学には通報したという。もう出て行けと言われると、アーヤン
はボクの人生どうしてくれるんだと憤る。
キャリーはソールが帰国しようとしてチェックアウトしているホテル
へと足を運んで少し話せないかと語る。ISIに通じる知り合いは居ない
かとすると、電話ではなく直接逢って欲しいのだという。サンディが
殺されたのは偶然ではなく仕組まれたものだという。そして殺した
のがISIだという。現場で撮影された写真を見せると名前はガージで、
ISIの対テロチームの下で殺し屋をしているのだという。
ソールはその情報を知っているものはと尋ねると、私とクインだけが
知っているという。ソールは単独で動くべきではないとし、CIA本部に
知らせ政府にも話すべきだという。国から抗議させようというのかと
問うとパキスタン政府は否定するに決まっているとし、互いに大使を
国外退去させて誰も責任は取らないという。サンディはCIAの職員で
あり、ISIが殺したこと。何か特別なことが起きていると語る。
先週クインから電話が有ったというソールは君を心配していたという。
おかしくなったのは彼だというキャリーに彼の方がまともな反応かも
しれないというソール。助けてくれるでしょ?とキャリー。
クインはファラたちに合流する。早かったわねというと追い風に乗って
来たという。あの男の身元は分かったのかと問うクインにキャリーが
今ソールと作戦を協議中だという。ISIの大将でも揺さぶり、ヤツに連絡
させようというのかというクイン。あの動画の男はガージだと。
クインは短期間でよくここまで支局を作ったことを語ると、キャリー
が熱心にしていたとし、イツ寝ているか不思議なくらいだという。
そんな中マックスはアーヤンが来たとしてファラに伝える。
アーヤンはキャリーと話したいとして名刺をもらったのだという。
今はここにはいないが10分くらいすれば来るとしてオフィスで待って
いてくれと頼む。
CIAの諜報員のラッセルはジョンにキャリーの行動を報告。
大使館を出てソールが滞在するホテルに直行し20分いて、次には
G8地区のファイサル通りで車を降りたがあっという間にまかれたと語る。
彼女の護衛チームの誰かを抱き込めるかというジョン。ガージの例の
写真は見たことがないとして何処から手に入れたのか突き止めろと
指示する。
キャリーは戻るとアーヤンと逢う。キャリーはクインが到着している
ことにも気がつく。アーヤンは本当にボクのことをパキスタンから
出してくれるのかと問うと話を聞かせてくれたらロンドンに行かせる
という。ウチの社なら厄介な立場にいる取材対象者が多いのだという。
その前に8万ルピー(500ポンド=約82000円(レート))が必要だという。
何に使うのかと問うと言わないと払えないという。あなたを脅したのは
この人でしょとしてガージの写真を見せる。もしもそうなら思っている
以上に危険で、彼は国の治安機関に雇われているのだという。何が
有っても関わってはいけない人物だという。アーヤンは涙すると
どうしたのかとしてキャリーは胸を貸すのだった。何が有ったのか・・
恐喝されているのか・・金は彼とは関係ないという。8万ルピーで解決
出来るのねというと、ファラに金庫から金を出してそれを渡す。
本気で国から出るつもりならば出来るだけ早く戻ってくるよう告げる。
アーヤンのことをマックスとファラで尾行する。
■感想
今回は「監視」と「尾行」って感じの展開でしたね。
ソールが語っているように、「人固めする為にも信頼出来る者の見極
めが必要」だという事で、その見極めをする為にも情報が必要な
為に色々と尾行と監視は必須になってくる。
キャリーたちが誰かを監視しているだけでなく、キャリーたちのことを
監視しているCIAのジョンら仲間内での探り合いなんかも楽しい要素と
して存在しているし、仲間や身内で有っても信用出来ない状況というのは
大使関連の流れを通しても見ることが出来る。
しかし今回は最後のキャリーとアーヤンの一夜は必要か?って感じがする。
キャリーのナチュラルな色仕掛けに参ってしまったクインが悶々として
いる中で、アーヤンとは体の関係を持つなんて、クインが知ったら
どうなることかと。
妙に黒のキャミソール姿で色っぽい格好で寝ているなと思ったけど、
かつてキャリーがファラに、ボディタッチして親近感を持たせる様
告げたことを彼女自身が実践している格好だった。
いつまでアーヤンのことをそんなキャリーの肉欲だけで縛り付けて
おけるのかは不透明な感じがするけど、キャリーが年下の学生に
迫る光景は、AV定番の童貞喪失ネタみたいで実にエロかった。
蛇ににらまれた蛙のようで、あの場面でキャリーのアプローチを
はねのけるのは相当難しいような感じもする。ただ現実的にこの状況
では肉欲だけではなかなか相手は信用しないと思うぞ。
それよりもキャリーには自宅に電話して赤ちゃんとコミュニケーション
を図ってくれと小一時間。もう全くいないものとして扱われている
気がするぞ。
今回は情報漏洩の構図の中に、マーサ大使のダンナであるデニスという
大学教授が登場。そんな教授・デニス役を演じるのがMark Moses。
この人が出た時点でもの凄い「君犯人じゃないよね?」(c)要潤
オーラが出まくっている。案の定、論文を盗用した罪で国外に追いやら
れたみたい。やはり奥さんが大使になる程出世しているので、
男性としてのプライドが邪魔して功績を求めるが為に誤った道に
踏み外したのだろうか。情報が漏洩したという時点で、この人物
の前科から見て最要注意としてマークされそうな気がするんだけどね。
アーヤンが持っていた薬の流れに関連し、出国前に形を付けると
したアーヤンに対して、尾行を行ったのはファラとマックス。
ファラが積極的にアーヤンに傍に近づいて会話を聞こうとしたり、
車から降りてまでアーヤンを追いかける流れを通して、ついには
死んだと思われていたヘイサム・ハッカニが生きて居ることを
掴んでいく。
一方暴動を扇動してサンディを殺害させたのがファルハド・ガージで
ある事が発覚。ここで問題となってくるのは、あの現場にはキャリー
やクインも居たのに何故彼女たちは襲われなかったのか。
クインに至っては二人の民衆に向けて銃弾を発砲していたし、命令を
受けていなければ真っ先に引きずり下ろされていそうだけどね。
またアーヤンのことを脅していた人物もまたガージだった。
その人物の自宅にまで行き盗聴器や盗撮カメラを設置してきたけれど、
携帯のペアリングまでは出来なかった。そこでクインが接近して
上手いこと、携帯の情報を引き出すための行動を行う。
気になるのは、そんな任務中にかかってきた電話はウルドゥー語で会話
していた。幸いそこにはウルドゥー語に精通するパルディスとか
カディールが居たけれど、アーヤンがハッカニと逢っていた際に
ガージに電話してきた女性はアラビア語で会話している。
単純に見ればデニスを脅しているタスニームからの電話だろうけど
まだまだ怪しい人物は沢山いる。
ソールはキャリーの「お強請り」で、ISIの幹部への接近・揺さぶり
することを頼む。ソールは旧知の人物であるバニー大将と接近して、
それを頼もうとしたようだ。
「アメリカ人はビン・ラディンを殺害以来こなくなった」としている
ように、アメリカとしては荒らすだけ荒らして、国内情勢に関する
責任は全く無責任で無放置状態だ。
アメリカが利益の為に自分たちと信念を共にする勢力に色々と力を
貸すことが多いけれど、逆にそれが敵対する立場になるから、情勢と
しても複雑になっている。
デニスは教授として、「アフガニスタンを巡り、冷え切った関係でも
断行しない理由は何か」ということを生徒にレポートとして提出させ
ていることが有ったけど、このシーズンではそんな事情を描かれて
いくのだろうね。
ソールに接触してきた人物はカーンというISIの幹部だった。
そもそもISIとCIAとハッカニの関係がどんな状況になっているのか。
タスニームがデニスを脅して鍵を渡して「始まりの一歩」だと語って
いた。
これが済めばあなたをイスラマバードに出すとしているけれど、
この状況はまさに、アーヤンに起きている流れとも連動して、どちらも
出来もしないことを語って言いように人を操っている感じだね。
それにしてもアーヤンが持っていた薬ってハッカニが必要としている
薬なのかな。
そして今回からチームキャリーに入ったカーディスとかパルヴェス
って信用出来る人たちなのかな。
■使用された曲
・Homeland Main Title
Performed by Sean Callery Feat. Chris Tedesco
■出演者
キャリー・マシソン (Claire Danes) CIAカブール支局長
ピーター・クイン (Rupert Friend) CIA職員・イスラマバード支局
ファラ・シェラジ (Nazanin Boniadi) CIA職員・金融
マーサ・ボイド (Laila Robins) イスラマバードの大使館員
アンドリュー・ロックハート (Tracy Letts) CIA長官
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) 民間軍事請負業者
ミラ・ベレンソン (Sarita Choudhury) ソールの元妻
アーヤン・イブラヒム (Suraj Sharma) 結婚式に空爆される、学生
マギー・マシソン (Amy Hargreaves) キャリーの姉
ジョン・レッドモンド (Michael O’Keefe) CIA・イスラマバード、支局予定だった
デニス・ボイド (Mark Moses) イスラマバードの大学教授、マーサの夫
マックス (Maury Sterling) CIA、キャリーの陰の支援
アザール・カーン (Raza Jaffrey) パキスタン情報局(ISI)
タスニーム・クレシ (Nimrat Kaur) デニスに仕事を依頼
バニー・ラティーフ (Art Malik) パキスタン情報局(ISI)の元大将
ヘイサム・ハッカニ (Numan Acar) 過激派、タリバン
キラン (Shavani Seth) 医学部生徒
パルヴェス (Meren Reddy) チームキャリー
クラーク・ラッセル (Carl Beukes) チーム・ジョン、CIA
オマール (Riaz Solker) キランの父
ファルハド・ガージ (Tamer Burjaq) パキスタン情報局(ISI)、アーヤン脅し
— (Elisha Mudly) 看護師
カディール (Zahir Bassa) チームキャリー
— (Jamal Mukaddam) Cleric
ビル () デニスの精通者
カルロス・セデーニョ () カラカスの少年、