第1話 誤算 The Drone Queen
監督/Lesli Linka Glatter 脚本/Alex Gansa
【ストーリー】
■アフガニスタン・カブール。
カブールのCIA支局長になったキャリーは車で走行しながら街の
様子をうかがっていた。キャリーはここから歩くというが危険だ
として止められる。しかしこの数日大使館から一歩も出ていないのだ
という。僅か数ブロックの距離だという。歩いていたがキャリーに
電話が鳴りすぐに戻る事になる。
キャリーの部下のウォンハムから、標的まで8分で、F15Eを2機
緊急発進させたという。パキスタンの領空の侵入許可は?中央軍の
返事待ちだという。無人機の方を飛ばせないのかと問うと今から
では時間がかかるという。地上部隊は近くに居ないのかと問うが
居ないという。イスラマバードと話すというと、キャリーはオフィス
からサンディに電話し、説明してくれという。
サンディによると暗殺リスト上から4番目の人物がそこには居る事。
情報源は何処なのか。最近の暗殺の4件と同じ人物だという。匿名を
条件に情報のやりとりをしているのだという。しかしこれまでは
情報の信憑性を裏取りの時間が有ったのだとするが、ヘイサム・ハッ
カニは至って用心深い人物で今回は千載一遇のチャンスだという。
アメリカが訓練したからだというキャリー。ハッカニは陸軍第82空挺
師団にいたのだった。そんな中中央軍から許可が下りたとの連絡が
入る。ウォンハムはNATOの衛星でライブで目標値を見られるとのこと。
真ん中の建物で農家の母屋にハッカニがいるという。間違いなく彼
なのかと問うと、外に駐まっている車は赤いSUVでミランジャーのアジト
でも確認されているとのこと。半径75mにも住宅はないという。
キャリーは情報が不確かなまま即断を迫られても困るという。サンディ
の情報は正確だとすると、ハッカニは米兵を殺した人物だとして放って
はおけない事を語る。爆撃機は何処に居るのかと問うと、管制官は
国境付近に居るとし現場まで60秒で到達するという。法的規制なし
だとすると、作戦遂行を命じるキャリー。管制官はスマッシュ11と12
に爆撃の命令を行う。
キャリーは後はウォンハムに任せるとしてオフィスから出て行こうと
すると、居てくれないと困るという。実はみんなでサプライズを
用意しているのだという。
キャリーは着弾する様子をモニタ越しに見て居た。作戦は終了。
そんな中、ドアが開いてロウソクに火をつけたケーキを職員が運んで
くる。「彼女はとても良い人~彼女はとても良い人~そうみんなは
知っている」と歌う一同。ケーキには”無人機の女王”と書かれていた。
みんなにスピーチをせがまれるなか、ロウソクに火を吹き消し
おめでとうと言われる。キャリーの誕生日だった。
キャリーは帰宅するとワイングラスにワインを注いでクスリ(睡眠薬)
を飲む。パヒコンの前に座りスカイプを起動して姉のマギーに
連絡を入れる。するとマギーはキャリーの娘・フラニーと父親は
待ちきれずさっき公園に連れて行ったという。マギーはキャリーに
誕生日おめでとうと語ると、今年は何をしたのかと問う。
捕虜の尋問とそれに別の任務だという。マギーは物騒だとして心配
するが、危険なのは部族地域で都会は最近は比較的平和だという。
しかし一週間に8件も自爆テロが有ることを指摘する。
イスタンブールに移ったらどうかとしフラニーとも暮らせると語る。
その予定だったとするが・・・あの子は元気にしている?と問う。
キャリーは歯を磨いてベッドへ。マウスピース、耳栓、そしてアイマ
スクをすると眠りに入る。24時30分のことだった。
その頃爆撃地ではパシュトー語が飛び交い、爆撃された中で生存者を
探すことをしていた。
その頃、ゲイジはロックらと共に会談していた。
昨年の国防総省は軍事請負業者に1340億ドル支払っているというと、
ロック将軍はそこまでじゃないだろうとして1200億ドルくらいだ
という。12月には我が国とNATOは戦闘任務を終えるのでその後経費は
倍増だというゲイジ。ロックはやむを得ないとすると今後は君らのよ
うな軍事会社に治安維持を任せるしかないという。我が社からの提案
だとしてゲイジはここからはソールが強化部隊について説明すると
いう。しかしソールはその前に別のことから話したいというと、
2001年にアフガニスタンに介入がこれほど長くなると分かっていたら
今の状態はなかったという。実際の所、戦略は立ててもせいぜい1年先
までで、この国がしてきたのは14年間の戦争ではなく、1年の戦争を
14回繰り返しただけだという。こんな半端な形で撤退しても良いのか
将軍の考えを聞きたいという。対ゲリラ戦計画は十分活かせたのか?
と問うと、ゲイジはソールを止める。意見を言う責任があるというと
撤退は敵を勢いづかせるだけで、アフガニスタンの治安部隊に全てを
託すのはまだ尚早だという。トロロープも言っているが
「良い資本家はどん欲でも正直だ」。と。君が反対しても撤退だとし、
我が社にとってはビジネスチャンスなんだという。最初に現地に入った
時カブールは第二次世界大戦後のドレスデンと同じ状況で、街は破壊
し尽くされ荒れ果てていたという。女性は学校に通えずムチとセット
でイスラム法が社会を支配し、またアルカイダの温床になるという。
もうそれは君の仕事ではないとするが、あれに逆戻りさせても
良いのかと。
キャリーはウォンハムに爆撃後の現場写真は何処かと尋ねると、
メアリーのパソコンに入っているという。
テレビでは現地の報道が爆撃によって、40人が死亡、午後23時4分
に空爆が有ったのはダンデ・ダルパケル。アフガニスタンの国境に
近い街で北ワジリスタンに於けるタリバンの軍事拠点だという。彼ら
は今回の攻撃を受けて即座に報復すると宣言したという。また広報
を通してヘイサム・ハッカニが殉死したとのこと。ハッカニは結婚式
に参列しており、招待客・親族の40人以上が犠牲になったという。
それを聞いたキャリーは今の爆心地を見たいとして無人機を飛ばす
ようケイティに告げる。ハッカニを仕留めたとするが結婚式が本当
ならば厄介だと語る。
■パキスタン/イスラマバード・アメリカ大使館
■イスラマバード・オンマヤ医科大学
■イスラマバード・ベナジルブット国際空港
■シーズン3からシーズン4へ
シーズン3ではソールを主体にして、中東諸国でも影響の有るイラン
の内政の中にアメリカ派の人物を紛れ込ますことで、一連の宗教・
民族的紛争を内部から一挙に解決しようとした壮大なドラマだった。
その為にシーズン1から引っ張ってきた反米・愛国ブロディという人物の
色んな一面を上手く使い分けて、全ては理想とか未来という言葉を
使って彼を右に左に利用しつつ、計画遂行のために動いていた訳だけ
ど、シーズン3ではそれらを全て失ってしまい結局壮大に計画は反故に
終わった。
シーズン4ではこれまで積み上げてきたものを全て精算してのこと
なので、ある意味ではまたイチから始めなければならないことも
多く、そういう意味ではモチベーション的に上手く保っていける
のか心配のスタートだ。
CIA組織は存在自体が危ういものだったけど、シーズン3では臨時で
ソールが率いていたが、後にロックハート議員が引き継ぐことになると
いう時限的制約の中で働き、シーズン4のスタートではやはりロック
ハートがCIAを率いている。
キャリーは本来トルコ/イスタンブールで働くことを口にしていた
けど、パキスタンでもなければ最前線にあるアフガニスタン・カブール
での支局長としてのスタート。キャリーは一緒に戦ったクインを
誘ったものの彼はパキスタンのイスラマバードで働くことになった
様だ。
そしてソールはCIAを辞めて、民間軍事企業で働いている様子。
会社とCIAや国防総省なんかとの関係を繋いでいるような役割と
なりそうだけど、キャリーとは疎遠になっている感じ(キャリーが
電話を無視していた)。妻のミラとは復縁しているけど、ソールが
地に足を付けないところに不安・不満に思っているみたいな感じ
だった。
■赤ちゃんは生まれている
キャリーとブロディの子供・赤ちゃんはアメリカの姉と父の元に置い
てきたみたい。名前はフラニー(フランシス)。まだまだお披露目
とは行かないけど、アメリカとはスカイプを通してキャリーの姉マギー
とネット画像通話で会話しているということで、近いうちお披露目に
なるのでしょうか。
私的なことでtwitterにも当時書いたのだけど、義理の姉が外国人だっ
たりするので、スカイプを使って正月に初めて顔を見ながら挨拶した
のですけど、考えられないくらいに良い時代になったものですね。
■無人機の女王
キャリーさん何回目の誕生日なんでしょうか。
キャリーのケーキに書かれた文字は”無人機の女王”。
CIAとしての彼女の功績だけでなく、ドラマでの私生活に於けるシン
グルで出産した彼女を指してそう呼んでいるのか。
有人爆撃機と無人爆撃機の違いが今回は波紋を広げていきそうだ。
■サンディは何者?
今回はサンディの情報源が発端で爆撃地点を定めたキャリー。
相手は暗殺者リスト上位4番目に入るヘイサム・ハッカニという人物
だった。これまで4度暗殺者リストの殺害に成功しているので、
過信してしまったのか。通常では裏付けする為に時間をかけるけど
意図的に急かして爆撃させたような印象しかなかった。
ただ肝心の情報提供者を知るサンディ自身が、”何故か”情報の流出に
よってテレビ報道に乗ってパキスタン市民に取り囲まれる姿が有る。
キャリーとクインが助けようとしたものの、車を取り囲まれて窓から
引きずり出されてリンチされてしまった。安否は不明だが、殺された
と見るのが妥当だろう。
問題は結婚式の場で襲撃してしまったこと。
キャリーたちはどうせプロパガンダだとして、冒頭ではそんな
に気にしていなかったみたいだけど、結婚式の動画がインターネット
に掲載されたことで問題は更に広がっていく。
被害者は40名。
爆撃したパイロットのエドガーズはキャリーに対して
「あんたでも嫌な気分になるのか?」
「命令の手違いでカナダ兵を4人殺してしまった。爆弾90kgを落として。
人でなしめ。あんたには一人残らず人でなしだ。」
と散々責め立てる光景が有る。
今の価値観だからなのか、民間人40人へアメリカの攻撃なんて第二次
世界大戦での死傷者に比べると大したことがないようにも見える。
■爆撃で生き残った生徒
生き残った生徒自身は政治は嫌いなので事を荒立てたくない思いが
有ったのだろう。しかしルームメイトで友人のラヒムという人物が
本人には身勝手に本人の許可を得ずに動画を投稿した。
このラヒムという人物の憤る姿が分からないでもないのだけど、
動画に写っているのはアーヤンであり、このラヒムはただ従兄弟に
頼んで動画をアップしただけだという人物。腰抜け扱いしていたけど、
実際に腰抜けなのは自分の非が及ばないところで批難しているラヒム
みたいな人ではないか。
■アメリカの誤算
アメリカは力を過信して常にミスを繰り返す。
ベトナム戦争にみるアメリカは当初はすぐに戦争は終わるものだと
していたけれど、実際には何年にも渡って不毛な戦いをして、結局
敗北している。そして今回もまたソールが語っているけど、
「2001年にアフガニスタンに介入がこれほど長くなると分かって
いたら今の状況は無かった」と語る。
ソールとしては決着する為に行動したいけど、政府予算からの
支出で私腹を肥やす民間軍事企業などは、戦争を長引かせて金を
儲けたい意図もあるようだ。
■ソールとキャリーに共通するもの
今回ソールは今回のアメリカやNATOの撤退作戦に関して、
トロロープの言葉を引用してこう語っていた。
「良い資本家はどん欲でも正直だ」
キャリーもまた動画流出が発覚した流れを受けて、
「真実を言う。作戦は正しいが結婚式は誤算だと。真実には力が有る」
しかし外交問題はそう容易なものではなく複雑なものがあるのだろう
けどね。
大使館員のマーサも911の直後の暗殺リストはたった7人だったのに、
今では2千人以上だと語っていた。そして大使の仕事がCIA支局長
の尻ぬぐいであることに辟易としていた様子だった。
■キャリーはカブールからイスラマバードへ
クインとの再会。見た事のある人と再会するとちょっと安心するね。
クインから現状を帰化され、イスラマバードのアメリカ大使館前には
抗議デモが起きていて、更に今回の動画流出でその数は多くなりそう
だという。
そんな中、何者かによってサンディがマスコミの矢面に立たされる。
この人がコントロールしているかと思っていたけど、意外にも
この人もまた利用されていた様だ。
キャリーが居たカブールではパシュトー語。
そして今回イスラマバードに来るとテレビではウルドゥー語が使用
されていた。
キャリーもかなりペルシャ語とか語っていた気がするのだけど、
どのくらい中東の言語が分かるのかな。
クインに対してキャリーはサンディをあの状況でも助けられたと
した事を受けて、キャリーの精神がおかしいのではないかという
感じに激怒する姿が有った。
■使用された曲
・Homeland Main Title
Performed by Sean Callery Feat. Chris Tedesco
・Terminal 7 by Tomasz Stanko Quintet
出演者
キャリー・マシソン (Claire Danes) CIAカブール支局長
ピーター・クイン (Rupert Friend) CIA職員・イスラマバード支局
ファラ・シェラジ (Nazanin Boniadi) CIA職員・金融
マーサ・ボイド (Laila Robins) イスラマバードの大使館員
アンドリュー・ロックハート (Tracy Letts) CIA長官
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) 民間軍事請負業者
ミラ・ベレンソン (Sarita Choudhury) ソールの元妻
アーヤン・イブラヒム (Suraj Sharma) 結婚式に空爆される、学生
マギー・マシソン (Amy Hargreaves) キャリーの姉
ハンク・ウォンハム (Alex Lanipekun) CIAカブール支局
アーロン・ゲイジ (Patrick St. Esprit) 民間軍事請負業者
ラヒム (Akshay Kumar) アーヤンの友達
キラン (Shavani Seth) アーヤンの友達
サンディ・バックマン (Corey Stoll) CIA、謎の情報提供者と精通
J.G.エドガーズ (Bradley James) F15Eのパイロット、中尉
ジョシア・ロック (Pope Jerrod) 将軍、黒人
— (James Alexander) Joint Terminal Attack Controller
ブルカ (Hemali Juta-Pillay) アーヤンを介抱する
— (Tufail Khan) パキスタン人ニュースアンカー
— (Stephen Newton) Reaper Pilot
— (Anika Larsen) CNBアンカー
— (Candice D’Arcy) Female Marine
— (Bianca Simone Mannie) Female Analyst
— (Abu Baker) タリバンスポークスマン
ヘイサム・ハッカニ
フラニー
ピーター
メアリー
マイケル