第9話 不気味な気配 There’s Something Else Going On
監督/Seith Mann 脚本/Patrick Harbinson
【前回までのあらすじ】
キャリーは誰かが私の常備薬を別の薬にすり替えた事を知る。
カーンは私がやったと?キャリーはやったの?と探り合う。
タスニームはカーンに対して彼女は精神疾患を持っているとすると
彼は初耳だと語る。放って置けば職を解かれて今頃帰国していた
としてカーンに対応のまずさを責める。ハッカニはソールと引き替え
に、アブドゥル・ザヒール、ファイサル・アフマドなどの捕虜交換
を要求する。ソールの脱出作戦に失敗したロックハートは捕虜交換
の要求を飲むことに。ハッカニの一元体制が復活する。応じたら彼
の支配はカブールまで広がるというキャリー。キャリーにソール
は電話すると、私は捕虜交換の材料にはならないとし、逃げるか
死ぬかどっちかだという。キャリーは約束するとしてソールを必ず
逃がすというが、彼女はタリバンたちの方にソールを誘導して自殺
するとを止めさせる。彼をダマしたこと。「命を救うのが間違いだな
んて私たちが作った最悪な世界では良い事なんておかしい」という
キャリー。タスニームはデニスに頼みがあるとして紙を渡す。
カーンはキャリーに遭うと大使の夫が内通者だと語る。
【ストーリー】
ウォンハムは捕虜たちを監房から出すとクインに説明していく。
アブドゥル・ザヒール司令官、バクティア州、パキスタン内神学校から
の自爆志願者。
ファイサル・アフマド副司令官、ホースト州、アフガン南東のヘロイン
密輸責任者。ハフィーズ・ジャン司令官、サンギン地区、ムスタファ・
ハシミ広報司令官、ロガール州、アミール・ワーシフ司令官、ワルダク
州、カラチ空港カブール、インターコンチネンタルホテル国連施設に
対する攻撃実行犯。ウォンハムは引き渡しにサインをクインに求める。
クインは二時間後に捕虜が到着することを電話する。
キャリーはロックハートに対して大統領にテロ攻撃の警告をしてくれ
と語る。注意喚起だけでも良いというが、まだ証拠もなく仮説レベル
だろうと。ハッカニが自分の死を偽装したのはソールがここに来る前
であり、捕虜の釈放はオマケだという。別の消す各が有るハズだという。
しかし手がかりがないだろうと言われると、情報はもらっているとし
カーンには命を好きワレタのだという。危険を冒してでもデニスの情報
をくれたのだとすると、肝心の情報はと問う。ISIの相手が誰か何を
企んでいるのかも分からないというロックハート。彼は私との関わり
から内通者を教えてくれたのだとし、国を裏切る気は無いという。
まずはデニスを調べるというキャリー。
ジョンはデニスを呼び出す。協力を頼みたいとのこと。
オフィスに到着するとこれは内密にしてくれというジョンはサンディ
の件だという。殺される前の彼は見事な仕事ぶりだった。部族地帯に
潜んでいるタリバンの居場所を次々と発見しては仕留めていたこと。
結婚式ではしくじったが仕事のやり方も問題だったという。テロ情報
をもらう見返りに機密文章を渡していたのだというジョン。その件に
ついて何か知らないかという。デニスは彼の友達だろうとし、サンディ
が見かけない人物と遭っていたとか、何か持ち出したとかないかと
問うが見た事はないという。敵に渡った機密文章は保管されていたこと。
しかも大使のパソコンでだというジョン。マーサのパソコンなのか
とし、妻が漏洩したというのか?それとも私なのかと問うと冗談
だろうとしてデニスは語る。サンディはあなたの友達だとして
説得されて仕方なくやったのではないかとし、打ち明けるならば今だ
と語る。誓って私じゃないというジョン。何か思い出したら連絡して
くれと。
キャリーはジョンのことを監視していた。誰かと電話しているが
分からなかった。証拠が弱いとし、このままずっと否定し続ける
ハズだという。慎重に勧めなければならないというジョン。数時間
ヤキモキさせて再度呼びだそうとし次は追い込むというキャリー。
ソールは再びイスに座らされると女性に顔を拭かれる。
そして車に乗せられていく。
キャリーとクイン。クインは本当に正しいのかと問うが、キャリーは
ソールを取り戻す為だという。
デニスは再び呼び出すジョンはすぐに終わるという。
しかし取調室にはキャリーの姿が有った。
みて欲しいものがあるとしてこの文章に見覚えはと尋ねるとが、無い
というデニス。さっきジョンが話した機密文章で大使のパソコン
からあなたがサンディの為に盗んだ文章だという。文章が盗まれた時間
居住区にいたのはあなただけで、入室してパソコンの操作共にアナタ
のログが残っているのだという。それでも異議申し立てをするのか?
弁護士を呼ぶか?憲法を振りかざすか?妻の威光を使って私を脅すか?
それともウソは辞めて自白するかという。私はアメリカ人で大使の
夫だというデニス。しかしあなたは反逆者で私はCIAだという。サンディ
と接触していたISIは誰なのか。それを話すまではここに居てもらうと
いう。その人物が今あなたを動かしていること。あなたにはその指令
で私の部屋に忍び込み薬をすり替えたのだという。そのクスリはフェネ
チルアミン。251とも呼ばれる幻覚剤でLSDの倍は強力だという。私は
自分で何をしているのか分からないまま深夜の町をフラフラ彷徨い続けて
いたのだとし人を毒で殺しかけたクセに弁護しなんてふざけないでと語る。
■感想
ソールを巡る流れは正直いまいちだったけど、内通者であるデニス
を巡る駆け引きは面白かったな。
このドラマ、エンディングがどんな曲調で流れるのかで、その時の
状況が一瞬にして分かるような作りになっている。
鳴らないときもあれば明るいときの曲調もある。
いつも通りにエンディングの音楽が流れる時も有るしね。
ドラマを見た後のその余韻を引き立たせる為に上手いこと演出している。
さて、今回はどんな曲調で流れるのか・・・
■内通者デニス
デニス役のMark Mosesは職人芸とも言うべき人を苛つかせるのが
上手い役所だった。この人こそまさにスパイの資質があるという
のが皮肉な感じ。
シーズン4としてシナリオはまだ話数があるので、もう少しじっくりと
デニスが敵と精通している証拠を掴むために泳がして捕まえるみたいな
流れを作って欲しかった。
接触する現場を捕まえれば言い逃れは出来ないからね。
今の状況だと問い詰めるには不十分過ぎた。
しかしそれを承知で強引な策を取ったのも、ソールとの人質交換の
後には何か敵側の大きな計画が待っているハズだと思っているので
早急に聞き出す必要が遭ったのだろうね。
相変わらずキャリーの視線が鋭いなと思ったのは、相手はソールの
人質交換の件はオマケ程度だとして、当初の計画には入っていないハズ
であろうことを見抜いていた点だ。
ハッカニが結婚式での死を偽装したのはソールが居なかった時のこと。
タスニームがキャリーを追い出そうとして幻覚剤を飲ませたのは、
そんな彼女のスキルさ加減を理解していたからなのだろうか。
元々キャリーがカブール支局長を務めていただけ有って、評判自体は
知っているだろうし・・・
キャリーを追いだしても別の支局長が来るので、やはりキャリー自体
を追い出すことに意味を見いだしていたのではないかと。
マーサまで利用した流れは流石だったけど、イマイチ、「良い警官・
悪い警官」作戦も通用しなかったね。とりわけマーサが良い警官
役になったけれど・・
■ソールの人質交換
キャリーが前回語っていたけれど、
「彼をダマして命を救うことが間違いだなんて、私たちが作った最悪
な世界では良い事なんか起きない」という、人としてのモラルや価値観
が狂わされそうな状況だよね。。
そもそもタリバン自体、爆弾チョッキを背負うのは大人ではなく、
子供に背負わせていることにソールは激怒していたけれど、そこに
ある価値観やら世界観は一体何なのかって感じ。
ソールが子供と一緒の部屋に一日中軟禁されていた格好だったけど、
子供にとってソールはどう写ったのか。
後々事実として聞かされたのは、ソールが長官時代に空爆によって
この子供の家族の命が失われたことだったけれど、夜中に涙する子供
の光景、そしてそれぞれが流す涙の意味はみんな共通するものが
ある。
タリバンの精神的策略かも知れないけど、安易にアメリカ側に子供を
死なせないようにするが為に、まずはソールに感情移入させる為に
子供と一晩を過ごさせたのではないのかな。
ミラからキャリーにまさかの電話。
キャリーがプロ中のプロ故に殺害する決断を見せるのではないかと
心配していた。本来アーヤンが殺された時に空爆していればこうは
ならなかったのだけどね。「あのソールだぞ!!」とクインの一言で
正気を取り戻した格好だったけど、クイン自身が今回、これらの
行動が正しかったのかどうかを問う流れも有った。
■タリバンの奪還作戦
ハッカニが数々のハッカニ派の腹心たちを刑務所から人質交換と
称して出所さたのは、カブール地域を支配する為のものかに思われた。
しかしサプライズとして描かれたのは、ハッカニたちが目標として
いたのは、イスタンブールにある米国大使館自体を奪還してしまおう
とするものだった。
最後の最後でデニスが話したことだけど、海兵隊が出払う中で
大使館の制圧を食い止めることが可能なのかどうか。
ジャック・バウワー居ればそれも可能だろうけど(笑)。
唯一の希望はクインが現場に行かずモニタ室で監視していて、この
場に留まっているところかな。
キャリーら車両の爆破が単なる陽動作戦だけだったのか、それとも
実際に瀕死を負ってしまったのかどうかも気になるね。
■使用された曲
・Homeland Main Title
Performed by Sean Callery Feat. Chris Tedesco
■出演者
キャリー・マシソン (Claire Danes) CIAカブール支局長
ピーター・クイン (Rupert Friend) CIA職員・イスラマバード支局
ファラ・シェラジ (Nazanin Boniadi) CIA職員・金融
マーサ・ボイド (Laila Robins) イスラマバードの大使館員
アンドリュー・ロックハート (Tracy Letts) CIA長官
ソール・ベレンソン (Mandy Patinkin) 民間軍事請負業者
ミラ・ベレンソン (Sarita Choudhury) ソールの妻
ジョン・レッドモンド (Michael O’Keefe) CIA・イスラマバード支局
デニス・ボイド (Mark Moses) イスラマバードの大学教授、マーサの夫
アザール・カーン (Raza Jaffrey) パキスタン情報局(ISI)
タスニーム・クレシ (Nimrat Kaur) デニスに仕事を依頼
ヘイサム・ハッカニ (Numan Acar) 過激派、タリバン
バニー・ラティーフ (Art Malik) パキスタン外務大臣
アラン・ヘイズリー (Nick Boraine) ドローンオペレーター
— (Anton David Jeftha) Marine Sergeant
— (Justin Munitz) Drone Operator
ハジ (Irshaad Ally)
ビル・フランゼン (Neil Coppen) 大尉、捕虜の護衛担当
ゲーリー (Robert Hobbs) PMC、マーサと共に取調室へ。
— (Dayne Green) 少年
— (Esperanzia Adonis) 女性
— (Dean Johnson) 守衛
アヴドゥル・ザヒール
ファイサル・アフマド
ハフィーズ・ジャン
ムスタファ・ハシミ
アミール・ワーシフ