第7話 先の見えない家族計画 Unplanned Parenthood
脚本/Benjamin Jones
監督/Melanie Mayron
【前回までのあらすじ】
エイプリルはレオにキスされ、君は僕に惚れるだろうという。
そんなレオは長くてあと3、4ヶ月だと語る。「将来を不安に思うのが
人生ではない」というレオ。グリアのパーティーに行ったブレナは
キーランから寝室でキスされているのを彼女に見られる。
パパは浮気していたのかとしてエイプリルはジョージ叔父さんを
問い詰める。隠し事にボクは反対したというが、君たちを守りたかっ
たからだという。エイプリルは化学治療の前に卵子の凍結保存に行く
と語ると、母・サラは命の方が実子より大事だという。ママが決める
ことではないとしてエイプリルとケンカする。
【ストーリー】
生殖医療センターに行くエイプリルと付き添いのベス。
ベスは質問される問診票を元にエイプリルに質問としてぶつける。
「性交の頻度は?」セックスは週数回している。ケールが嫌いだと
わめくグラハムが不在中に・・と。「恋人のウソは?」「パートナー
は満足ですか?」と問うと、確かに彼は居るが彼の子が欲しいか分から
ないという。私はまだ24歳だというエイプリルに対して、ベスは若い
のだから化学療法や卵子凍結より怠惰な生活を楽しまないといけないと
いう。そんな中センターに来ていたゲイカップルのレスリーとトニに
話しかけられ、どっちが産むつもりなのかと尋ねられる。エイプリル
とベスもゲイカップルに間違われた格好だがベスは悪のりして、
迷っている事を語る。
医者のフォンと面会する中、通常は排卵に2週間だがガンならば
急がないといけないという。まだ若いのに大変ねとし、でも若い
のでホルモン剤に頼らずに済むかも知れないという。自然周期排卵
なら早くて10日だという。費用はどうするのかと問われ保険でまかな
うつもりだというが、これは保険外なのだと言われる。費用はいくらか
と尋ねると5千ドルだと言われ、生まれた子を売ることになるわねと
語る。
エイプリルは帰宅すると、家族は食事をしようとしていた。
母から今日の出来事を聞かせてと問われると、診察の結果を知りたい
のかと。もちろんあなたに差し支えがなければだという。自然周期
排卵という方法を試すとし、10日間かかるという。母はあなたに
任せるが化学療法を早めないと・・と言われカチンと来る。
明日から卵子凍結の費用を工面しなければならないのだとし、5千ドル
かかるのだという。自分で決めたことだから何とかするという。これか
ら患者の会に行ってくるというと、「心の支えが必要だ」と語る。
患者の会。
エイプリルはみんなの前で化学治療を延期して生殖医療センター
に行ってきたことを報告。この年で行くとは思っていなかったこと。
子供を授かるまで生きて居られるか分からないのに・・母親からは
反対されているが排卵したいとし、夢を諦めたら病気と闘う意味が
ないという。未来への道は有るハズだと思いたいという。
すると患者の一人・メグは、自分も以前は精神世界をバカにしていた
が最近は死後の世界とか当たり前のように話してしまうのだという。
彼には話したのかというと、まだ何も言っていないとし明日伝えると
いうエイプリル。みんなはどうなのかと問うと、ジャクソンはゲイパー
トナーに話したらストレッパーと逃げられたという。メグはストリッ
パーはあこがれの職業だという。何か楽しそうだと。病気のことは絶対
に打ち明けるべきだというレオは自分をさらけ出せばスッキリするという。
それでボクは一人だと。
エイプリルはレオに対して話が有るとし、仕事の話だという。
ボクはサボッて大事に至ったというと、エイプリルは「セイント学生
クラブ」の実態について読んでトラブルが続出しているのを知った
という。創設者はあなたの父だとし嫌でなければ記事にしたいと
語る。父がモラルに反する男だと有権者は知るべきだとし、記事にする
ことを許可するという。良い記事がかけるといいがかけないとマズイ
と語る。
ボストンポスト誌の会議の中で、みんな上司のローレンスにどんな
記事を取り上げるのかを発表するが、どれもパッとしたものがなく
ローレンスは私の娘のブログの方が余程面白いぞと皮肉る。
■感想
なかなか難儀な状況に陥っていますね。
人間関係は円滑で、職場の雰囲気も悪くないし私生活もある程度充実
しているだけ有って、白血病の事実だけが本当に重くて暗い影を落と
している。
正直これだけ見ても私にはあまり不幸に感じていないところも有るな。
母親の過度に心配する様子というのは理解出来るし、そんな母親の
態度をウザがるエイプリルの姿も分かる。限りある命、先が見えかか
り始めている娘の意見を尊重すべきかどうか。先があるからこそ
自分の生きたいように生きる行動を取りたいのだろうけど、第三者の
意見の方が正しいことだって多いハズ。
現状では諦めなければならないこともあるのではないかとする中で
目の前のことではなく先のことばかりを考えすぎている彼女の行動は
希望という名の生きる為の原動力と以上に、命を縮めているものと
して、無駄に終わるような行動に見えてちょっとフアンだ。
ウチのお爺さんも最後はガンで亡くなったのだけど、高齢だったので
ガンの転移・進行が遅かったのか、告知されてからも生き出来たの
だけど、24歳の彼女にとっては急いで治療できるべき治療はすべきだ
ろうって感じ。
歯茎から血が出たり、アザが出来たりとこれまで症状が現れていた
のに、ここに来てそれが停滞しているのは、一応抑制剤のような
薬の処方のお陰なのだろうか?
これだけ友達や家族の愛に恵まれていれば、自分だけの命ではないと
いうことも実感して受け止めて欲しいのだけど、そういう考えも
人それぞれだからね。
■仕事は軌道に乗り始める
今回は仕事としても始めて認められたエイプリル。
署名記事として掲載されることになり、仕事としての楽しさもまた
実感し始めた。
上司は怖い人かと思ったけど、意外と厳つい顔して優しい姿が有る。
私の為にパーティーを開いてくれていたとしていた時には朝までに
片付けろとしてくれたし、休みをもらうことになるとした際に、
健康問題で・・と語った時には静かに受け入れてくれた。
■ドミニクにも仕事のチャンスが回ってくる
結局ガンだという事実を話すことが出来ずに居るエイプリル。
言おうとしていたけれど、彼が仕事でフランスジュオ、ダフトパンク
のツアー同行して本を出版して欲しいという打診が有り、ますます
ガンだということを話せずにいる。。ツアーの為に4ヶ月はボストン
から離れなければならないが、彼としてはエイプリルと一緒に居たい
が為に、断ろうとしている。ただ正直たったの4ヶ月じゃないのか
って感じがする。エイプリルが末期がんで旅立ては帰ってくる時には
居ないかもしれないっていうならば分かるんだけど、今はキャリア
を優先しても良いんじゃないのか。
■パーティーには欠かせないゲーム
折角喜んでいたのに、帰宅したエイプリルはダニーから原稿がボツ
になったというメール。
そんなメールの時にブレナがベッドで寝転んでいたけど、なんか
艶めかしい足を象徴したカットが萌える(笑)
いざオフィスにいくと、「サプラーーーイズ」。
白血病の人にサプライズは無しよって感じだけど、仕方がない。
みんなでゲームをしていた。
「ダメなゲームでダメになった」と風俗関係の記者のマロリーは
落ち込んでいたけど、ゲームの内容は一人ずつ質問することに該当
する人は酒を一杯飲まなければならないというもの。
いろいろと「逮捕歴はあるか」とか「イッた振りをしたことがない」
「同性に恋をしたことがない」「この部屋に気になる人は居ない」
など、まさに今の自分たちの問題を暗に示した感じの質問。
その中にブレナがいるというのも気まずい。
恋愛とか性の問題を話し合っているときに妹がいることに姉として
はどうなんだろうか。
■同性愛を意識した流れが多い
生殖医療センターでも、患者の会でも同性愛者がいた。
そして何と言っても現在ブレナはグリアのことが気になっている。
最後にその事を告げにブレナがグリアの元を尋ねると、
「女の子を好きになるとその子の胸の内が気になるもの」
だという。二人はキスしていたけれど、キーランよりはこの二人の
絵面の方が余程良い!
■ナタリーの存在を知られた
たまたまオフィスの引き出しを開いたブレナは写真を見つけて
しまった。ただあの程度の写真ならば誤魔化すことも容易だったと
思うのに誤魔化さなかったね。
腹違いの姉妹。パパは浮気していた。ママを裏切っていたのか。
それら事実関係は分からないが、エイプリルはブレナにパパを
嫌いにならないで欲しい事を語る。二人を同時に愛していたのかも
知れないというセリフは、直前にブレナがグリアとキーランの関係
の時に語った言葉なのでちょっとずるい引用の仕方だけどね。
真実を語ろうとしていたのかどうか、状況が分からないので安易に
答えを出して欲しくないと考えたのだろうね。
■距離を置いた二人・・・そして
ドミニクと一時的に距離を置くのも、彼がツアーに同行するのも
如何にもガン治療の為の布石って感じだよね。タイミングがまさに
そんな感じ。
卵子凍結の5千ドルは誰かが匿名で出してくれたけれど、母親なのか
それともレオなのか。
ちょっと不気味なグラハムがベスと寝ている姿が有った。
まぁこれはこれで良いんじゃないだろうかと。
■使用された曲
・Sounds Like Somewhere by Lily & Madeleine
・Cruel World by Jules Larson & AG
・Little Love by Riley And The Roxies
・Here We Go Again by Johnny Stimson
■出演者
エイプリル・カーヴァー (Italia Ricci) ボストンポスト誌、長女24歳
サラ・カーヴァー (Mary Page Keller) 母親、心理療法士
ドミニク (Richard Brancatisano) ボストンポスト誌
ブレナ・カーヴァー (Haley Ramm) 次女
ベス (Aisha Dee) 喫茶店勤務、エイプリルの親友
ローレンス (Vondie Curtis-Hall) ボストンポスト誌・上司
エマ・カーヴァー (Rebecca Schull) 祖母
Dr.ジョージ・カーヴァー (Steven Weber) エイプリルの叔父
グリア・ダンヴィル (Gracie Dzienny) ブレナの同級生
レオ・ヘンドリー (Scott Michael Foster) 議員の息子、末期がん
ジャクソン (Andy Mientus) ガン患者、ゲイパートナーに逃げられた
ラケル (Shi Ne Nielson) エイプリルの上司
ダニー・グプタ (Abhi Sinha) ボストンポスト誌・エイプリルの同僚
ポール (John Ross Bowie) 記者
グラハム (Rob Kerkovich) ドミニクの同居人
メグ (Alycia Grant) ガン患者、化学治療で毛が抜けている
ハワード (Gregg Perrie)
ブライアン・コナーズ (Thomas Fowler) がん患者の介護人
マロリー (Kelsey Crane) 記者、風俗担当
Dr.フォン (Teresa Huang) 生殖医療センター
トニ (Tiffany Jackson Cruz) 生殖医療センター・ゲイ
レスリー (Allison Poccia) 生殖医療センター・ゲイ
— (Christina Everett) 女性