第18話 ミルトン・ボビット“Milton Bobbit (No.135)”
脚本/Daniel Voll
監督/Steven A. Adelson
【ストーリー】
アナ・ミッチェルはタクシーを拾うとラガーディア空港に向かって
欲しいと語る。子供たちにはすぐに帰るからと電話する中で、
突然タクシーは異常な程にスピードを出し始める。アナはスピード
を出し過ぎだとしてクレームを付ける。運転手のワヒード・ダビは
済みませんと呟くとトラックに向かってそのまま突っ込んでしまう。
死んだことを確認したミルトンは電話すると送金を頼むと語る。
ミルトンは自宅に帰るとドリンクを作る。糖尿病で体に支障を来して
いた。
トムはリズの為に特性のパンケーキを作る。元気がない彼女に対して
声を掛けるとちょっと体がだるいと語る。ボクが生徒のインフルエンザ
を持ち込んでしまったのかもというトム。するとトムは突然跪くと
リズに対して改めて結婚して欲しいとプロポーズし愛を誓いたいという。
リズはそれを受け入れ元気になった振りをするが、トムに対する
信用は皆無だった。式の相談は今夜にしようとして彼は学校へと出かけ
る。リズは室内を引っかけ回すと彼の荷物などを調べる。
リズは別宅に対トム対策の捜査本部を設置する。
そんな中レッドがピメントチーズのホットサンドを差し入れする。
アーサー・キットのレシピだよと。
リズはレッドに対してトムの何を知っているのかと問うと、君よりも
少し深く知っているという。数年前に私の仕事にちょっかいを出す
奴らが現れたがそれが彼だったという。利益と自分を守る為に弱点
を洗い出したこと。その後トムが君と接触した時から監視している
という。1年前に彼は偽造のパスポートを3冊ワルシャワの知人から
購入していること。トムが私を選んだのはあなたが原因なのかという
リズ。どうして私なのかとすると、レッドは彼の正体を知るためにも
彼を雇っている人間を見つけろという。後は自ずと分かるだろうと。
ずっと監視させていた映像だとして、君とトムを見張らせていた連中
から届いたという。あのリンゴ男のことなのかと。君が見れば新たな
発見が有るかも知れないと。結婚をやり直そうと言ったのは彼は焦って
いるのだとし、君の傍に起きたいのだという。またとないチャンス
だとし、トムを雇う連中は慎重でしっぱを出さないのだという。これ
で上手くおびき出せるかも知れないというレッド。しかし怪しませない
ようにしないといけないこと。トムにもクーパーにもそうだとすると
何か事件が必要だなと。昨日ブルックリンでタクシーがトラックと
追突した件、86丁目の高架下の事件だが警察は事故として扱ったが
私は殺人だと思っているという。トム・ライリーが犯行の仲介人だとし、
一般人を言いくるめて自分の変わりに人殺しを実行させているという。
無理心中の形で分からない様にしているとのこと。
ベネット・コクランがガソリンスタンドで給油している中、ディー・
トレスは彼の元を尋ねると、彼にガソリンをかけて自分と共に
焼身自殺する。
リズはレッドからの情報をFBIのクーパーらに話す。
ミッチェルのタクシー事故とコクランの焼死事故は両方とも事故で
処理されているが、暴走タクシーも放火もレッドは暗殺だと言って
いるのだという。黒幕はアンダーテイカー/弔い人で依頼を受けて
何らかの方法で一般人を暗殺者として実行させていること。被害者と
一緒に命を落としているが、両者に接点はなく実行犯の証言も無しだという
レスラー。そこがセールスポイントであり完全犯罪だという。どういう
奴が依頼しているのかと問うと、世界中にクライアントが居るという。
クーパーは遺族と会って話を聞けと語る。
ワリードの妻に話を聞く。彼は休み無しで働いていたとし少しは休んで
と話したが聞いてくれなかったという。夫は叔父のハルーンが亡くなっ
てから無理に働かなくても良かったのだという。パキスタンの叔父だが
私もその存在は知らなかったが、遺産が入ったのだという。二、三ヶ月
前のことだという。最近は物忘れが激しかったので運転手を辞めさせれ
ば良かったという。
共通はどちらも病気で死の宣告を受けていることだと判明する。
ワヒードは脳腫瘍が進んでいること。ディー・トレスは末期の子宮頸がん
だという。死の近い病人に暗殺させていること。二人とも別の問題を
抱えていて認知症と精神疾患の症状が出ていたので警察も事故だと
思い込ませたのだろうと。動機も有り事故直前には生活苦だが、それ
以降脱しているというミーラ。ワヒードには遺産、ディーにはオレゴン
州からの匿名団体からの寄付があり、弟が24時間介護を付けて
もらえるのだという。クーパーは金の出所を突き止めろと語る。
■今回のシナリオ
・始めてレッドがリズと遭った時から語っていたように、トムの中
にある犯罪組織の一員としての顔が覗き始めたことで、リズとして
は同居するだけでもドキドキなものがあるのに、二重生活のような
ことをしている間になんとかして、彼に指令を送っている組織の
全容解明をしようとするもの。
・一方リズの秘密の捜査がばれないようにするためにも、カモフラー
ジュとして通常捜査をすることになる。それは無理心中を装った暗殺
事件。まぁとても普通の案件とは言えないけど・・・
■感想
トムの捜索の流れが急速に興味深くなったことも有り、ドラマ全体が
面白くなった。クレイブとトムが会話する中で、あの女(リズ)は切れ者
だとして甘く見るなと忠告されていたけど、「大したことないですよ」
と思わず小一時間だと言いかけたところで、いきなりクレイグとリズの
格闘シーンが有ったこともあり、突然切れ味鋭い捜査官のようになった。
そもそもあの二度目の結婚式に集まった人たちって誰なんだろうか(笑)
クレイグはトムの兄だとされていたけれど、当然ながら単なる組織の
駒であり、まるで関係者ではなかった。
今回はリズとレッドが協力して捜査を行うということで、また面白い
流れができあがったけれど、リズが用意したホワイトボードはまだ
今から書き込む状態であり、捜査としては初動捜査の段階。
取りあえずは知っていることを書き写していくことになる。
■通常捜査
保険の査定員が犯人の仲介者。
余命幾ばくもないものたちに対して、その命の限りを金で買うと
ばかりに、暗殺の役目を果たさせて残りの家族のものたちに大金を
残すというもの。
ミルトン本人が殺したい人物がいることと、それ以前から既にこの
ようなことに手を染めていた形跡もあり、結局この人が妻を死なせる
以前からそんな組織自体は存在していたのではないかという感じもする。
金の流れからして、日本でも暗殺されてしまっている人が居たみたいだ。
振り込みに使われる口座はケイマン諸島。相変わらず悪いことにも目を
つむるというあくどい島ですな。
ただこの仕事を通して皮肉にもミルトンは生き甲斐を持っていた所も
あるようだ。つまらない人生を送っていたが、人の死は苦しみではなく
チャンスであり、見捨てられた人にパワーを与えられるものだという。
何百の家族が幸せになり生活が潤い路頭に迷うこともなくなるという。
■狙われる人たち
アナ・ミッチェル
医師・フレドリック・オズボーンの助手をしていたという彼女。
冒頭のタクシーの流れでワリードと共にトラックに突っ込んで死亡。
・ベネット・コクラン
ディー・トレスによって焼死させられた。
治験役が商品医薬品局の認可がいち早く下りるように呼びかける
製薬業界のロビーストだったようだ。
ミッチェル・トラヴァース
市議として立候補しようとしている男性。ダニー・モスに接近した
ミルトンが彼を殺害するよう諭していた。
結局この市議はなんだったのだろうか。イアンたちに献金を受けて
認可させようとしていた人なのか?
フレデリック・オズボーン
15年前のある病院の内分泌科部門長で2型糖尿病患者にDD4阻害役の臨床
試験を監督したというもの。出資していたのはバーモント州ベンチャー
企業のイアン・ライト。
最後にミルトンが一緒にウエストポートの墓地で自爆しようとしていた。
今までは他人を使っていたけれど、最後は自分の存在を使って暗殺を
企てようとしたが、レスラーの機転によって、オズボーンは法的な
裁きを受けるものとして、ミルトンから引き離した。
■自殺するものたち
今回の流れでは基本全員が自殺を選んだ。
一番の損失は事件の全貌を知るミルトンの自殺とトムの兄だとしていた
クレイグの自殺だった。手足の拘束が解ければ何かするだろうと思って
いたのでヒヤヒヤしていたけれどね。
■特別捜査
トムの件では結局何が分かったのかな。
謎の幾つかを列挙。
トムの正体は?
本名は知らないがシカゴに兄弟がいる。女性・ニキの話をしていた。
両親は死んだ。と語っていたけど、これは演技する為の設定なのか。
孤独な振りをするには訳が有るとしてリズに感情移入させる為の
設定なのかも知れないけどね。
ベルリン
オレがベルリンに報告するのだとしてトムは語っていた。
そのベルリンに関しては謎だらけ。レッドでさえも情報を掴んでいない
のだから、解明は難しい。ベルリンは場所を指しているのか組織名
なのか特定の人物なのか。
電気スタンド内の鍵
何処の鍵なんだろうか。簡単に複製できるものなので、型を取って
スペアキーを作り鍵は手元に置いておけばいいのに・・
構成人物
ホワイトボードに書かれた人物は、
トム・キーン
クリストファー・マリー(クレイグ兄さん)
ジョリーン・パーカー(ルーシー・ブルックス)
ジーナ・ザネタコス -> s1-6
ヴィクトル・フォーキン -> s1-5
今のところこの人物が関わっているようだ。
■使用された曲
・The Blacklist Opening Theme
Written by Dave Porter
・Can’t Pretend by Tom Odell
・I’m Sorry, But I’m Beginning To Hate Your Face by Eagle Seagull
・Keep in the Dark by Temples
・Who Are You, Really? by Mikky Ekko
■出演者
レンモンド・レディントン (James Spader) “レッド”
エリザベス・キーン (Megan Boone) FBI新人プロファイラー”リズ”
ドナルド・レスラー (Diego Klattenhoff) FBI捜査官
トム・キーン (Ryan Eggold) リズの夫、教師
ミーラ・マリク (Parminder Nagra) CIA捜査官
ハロルド・クーパー (Harry Lennix) テロ対策本部長
デンベ (Hisham Tawfiq) 南スーダン解放軍元兵士
アラム・モジタバイ (Amir Arison) FBIのコンピューター専門家
ミルトン・ボビット (Damian Young) 保険代理店”グリーングレーズ”
ダニー・モス (Isiah Whitlock Jr.) 54歳、鬱血性心不全
グレイグ・キーン (Peter Scanavino) “クリストファー・マリー”
Mrs.ダビ (Jacqueline Antaramian) ワヒードの妻
エリー (Susan Kelechi Watson) 二度目の式に出席
ツヴェトコ (Gregory Korostishevsky) 教授、エルサルバドル科学技術大学
ミッチェル・トラバース (Clark Jackson) 市議候補
アナ・ミッチェル (Angela Reed) 研究助手、タクシーで心中
ワヒード・ダビ (Kiran Merchant) タクシー運転手、脳腫瘍
ディー・トーレス (Elena Hurst) ベネットと焼身
ベネット・コクラン (Jeff LaMarre) 製薬業界ロビースト
Mrs.サットン (Martha Karl)
イアン・ライト (James Riordan) 仲介人
ジャレッド (Anthony Fazio) 保険代理店”グリーングレーズ”
Dr.フレドリック・オズボーン (Sam Freed) 内分泌部門長、糖尿病治験
— (Samantha Posey) Assistant (Bosnia)
— (Kathleen Peirce) クレイグの母
— (Marmee Cosico) Female Prisoner
— (Inna Muratova) Political Rally Goer
— (Dion Sapp) Symir
クレア・モス () 妻
キャロリン・モス () 娘、大学生
ジーナ・ザネタコス
ヴィクトル・フォーキン
ファディーラ