第11話 善きサマリア人“The Good Samaritan (No.106)”
脚本/Brandon Margolis、Brandon Sonnier
監督/Dan Lerner
【前回までのあらすじ】
クーパーはレッドの暗殺計画があるとして彼をFBIの”郵便局”に連れて
くるが、レッドはギャリックが私をここに連行させて攻撃する気だと
いう。ダイアンはスパイが居ることを指摘する。
レッドは箱から出されて拉致される中、フィッチからは拷問を受け
何故FBIに居るのかという。レッドは何も話していないというが、
君を守るものはいないという。フィッチが去った後、ギャリックは
レッドを襲いかかるが、レッドは隠し持っていたナイフで刺して
逃走する。彼は消えたとリズは告げる。
【ストーリー】
カレン・ボーディンは息子のマイケルを友達の誕生会に連れて行く。
ホッケーの練習場にはパパが送るとし、道具は車の中に入っている
という。ピザは2切れまでだと語る。そんなカレンに対してパンチ
を飲まないかとしてジェームズと名乗る男性が声を掛けてくる。
僕はバスターの叔父だと語ると、子供き元気でまるで子犬みたいだ
と語る。カレンはパンチに少し口を付けると、もう一匹の”子犬”を
迎えに行かないといけないとして、彼の元から去ると駐車場に駐めて
ある車に乗り込む。すると突然睡魔が訪れ、ドアを開けて倒れる。
カレンは目覚めるとベッドに縛られていた。
先ほどのジェームズと名乗る男(カール・ホフマン)は、君は薬の
フェノバルビタールを飲んだのだという。頭が痛いというカレン
は何故ここにいるのかと問うと、君は今大丈夫ではないという。ここ
は何処なのかとして徐々にカレンは意識が鮮明になってくる中、
これから君の左の肺に穴を開け、肺に血がいっぱいになったら次は
鎖骨に移るという。左鎖骨の端を折るとし、痛みはかなり強いと
語る。それを実行した後、カールはまだ生きて居る彼女を車で
運び緊急通報センターに連絡する。またやったぞと。
トムはリズに対して一晩中外に監視のバンがいる事を語る。
スパイが誰か分かるまで全員について回るのだという。
トムはネブラスカの職に応募した事を告げ、カップを投げる前に
話を聞いて欲しいという。良い学校が有り治安が良いこと。FBIの
支局もあるとし、僕は普通の夫婦になりたいだけだという。監視カメラ
や偽造パスポートのない日常。私も同様だがネブラスカは嫌だという
リズ。明日面接なんだというトムは今日の午後に飛行機に乗るという。
話し合いましょうというリズ。そんな中、携帯がなると、そこには
「件名:善きサマリア人」と書かれていた。
外科医のように正確な手口で通報してきたこと。同じ犯人だという。
クーパーはその件は支局が担当するというが、リズはこの事件は
私が担当してきた事件だという。しかしクーパーはレッドの捜索が
優先だと語る。私にとって特別な事件で、レッドも興味を持つハズ
だという。協力するという連絡が入るかも知れないと語る。
しかしまずは内務調査官の事情聴取だという。
リズとミーラとアラムとレスリーに色々と質問をしていく審査官。
「事件から3週間にレッドと接触は?」「あなたの夫に秘密基地の
場所を知る資格があると思うか?」レスリーには「箱の中で何が有った
のか」と問われ、レッドに救われて殺すと脅されたと語る。アラム
には「セラピストによると罪悪感を抱いているみたいだがテロリスト
を撃ったのに罪悪感が有るのか」と問われる。セラピストに話した内容
は秘密ではないのかとしてアラムは呆れる中、撃った相手は人だと
語る。ミーラは自分がスパイならこんな会話で自白することなんて
あり得ないとし、恐怖を与えて、体温を下げ、睡眠を奪うという。
ここの職員の全員が容疑者である事をダイアンはクーパーに告げる。
現在資産状況や口座の情報などを調べているという。リズを泳がす
のかととするとヤツを釣るエサだと語る。しかしダイアンは今回の
件は国家情報長官室では大いに懸念している事を語る。被害者が全て
消えたこと、死体は一体何処に行ったのかという。それも分からない
というクーパー。
現在善きサマリア人による被害者は7人。
年齢も収入も様々だという。行動パターンがなく犯行の動機も不明
だという。しかし共通項は一つ、被害者を殺さずに助かるチャンス
をいつも与えていること。その為に新聞は「善きサマリア人」と
名付けているとリズはレスラーに語る。
■今回のシナリオ
細分化すれば色々と分けられそうな感じのシナリオだけど、
取りあえず大別すると今回は2つの流れが有った。
・レッドやテロ対策本部長が追うギャリック事件の顛末の解明
・FBI捜査官・リズが陣頭指揮を執る”善きサマリア人”事件の捜査
レッドの流れを通してこれまで疑問に思っていた流れの一つを潰した
格好であり、それに伴いリズの自宅を監視しているリンゴ男の流れが
一連のギャリックの流れから政府の流れとスライドして結びついたと
いう辺りは興味深い。またその流れに連動して動き始めたのはトム。
この人がネブラスカに拠点を移そうとしていることに関して、
何か有るのではないかと勘ぐってしまうところがあるのは、強引に
この土地を離れようとしているところからも伺えるところか。
レッドがトムに関してはどれだけ情報を持っているのか気になるよなぁ。
■前々回辺りからドラマが面白くなり始めた?
正直これまでこのドラマがつまんないなと思い、義務的な感じで
ドラマを淡々と見ては感想を書いていたけれど、ようやくドラマが
面白く感じられてきた。
レッドが一連の流れを解明しようとして動いていた辺りは興味深く、
正直リズたちの捜査とはまた格の違いを見せつけての捜索劇だった
ところがあるけれど、レッドは前回拷問を受ける流れの中で、
フィッチから色々と圧力をかけられるシーンも有ったけど、レッド
の情報収集力からするとそこまでたどり着いてしまうのではないか
というところも有ったな。
意味ありげなナレーション
ルリを失い今回はレッドが葬式をするシーンが有り、最後にはその
遺灰を海に流すというシーンが有った。葬式を取り仕切っていたのは
後々判明するがリンゴ男である。
ルリが殺害される際に、レッドのカットがモニタにアップで写る際、
2つの意味ありげなナレーションが挿入される。
「その時雷鳴のような音が聞こえた。4頭の生き物の内、一頭が”見ろ”
という。そしてオレは見た、白い馬を。」
「4頭の馬の間から声が聞こえ、見るとそこには青白い馬。馬上に居る
のは”死”だ。地獄を従えていた。」
4頭の馬とは、やはり今回の件で”郵便局”を襲う為にギャリックを
使い、レッドを拉致した人物たちの事を指しているのだろう。
1人目は、ファストフード店のトイレで拷問した人物。
2人目は、レッドから発信器を取り出したERの黒人女性看護師
3人目は、クリニックの医師。バイタルを見るように言われていたと。
4人目は、ナイトクラブで資金洗浄をしている人物。
その結果たどり着いたのは、ヘンリーという男性で彼が”銀行”だと
されていた。一日の猶予を持たせた後に彼は偽造して、スパイは
アラムに押しつけようと工作したことで、益々怪しくなり、最終的
にはリンゴ男/ニュートン・フィリップスに繋がった。一話の頃なので
みんな忘れているかも知れないけど、一番最初のシーンでレッドが
FBIに入る前に会話していたのがフィリップスだったね。
該当する人物は誰??
事件の解決後に議員のお偉いさんたちが集まる場で、ダイアンがフィッチ
たちと会話する流れが有ったけど、ダイアンとフィッチの間では
またちょっぴり思惑が違うなと思わせる流れが有る。フィッチ以上に
現状を把握しているのは、現状ではダイアンなのかな。
「暗殺計画は失敗。情報提供者は無事よ」(Diane)
「情報提供者とは誰だ?」
「秘密保持違反の責任者が抹殺されたことは確認した」(Diane)
「それは誰だ?」
「上院の委員会まで一時間。内通者の名も知らずに行けるか」(Fitch)
「教えられない。情報源の身元も割れるから」(Diane)
「でも国家の安全を揺るがす事態は内通者と共に消えた。」(Diane)
「君の情報源こそ国家の脅威で寧ろ暗殺すべきでは?」(Fitch)
ここで語られている「情報提供者」とは誰なのか。トムなのかクーパー
なのか。「内通者」というのは、リンゴ男のことだったのかな。
善きサマリア人
どうしてもレッドの流れがインパクトが有ったので、リズらの捜査が
妙に簡素だった感じ。ただ共通するのは「拷問」とか「虐待」を
通した流れが有った感じ。
リズたちが捜査している内容は、これまでの流れとは違って、どちら
かというと普通の猟奇殺人事件(日本が変?)を扱う刑事ドラマって
感じだった。ただリズと怪我したレスラーだけの捜査で、ミーラは
クーパーから別の任務(レッドが行うギャリック事件の銀行周りの件)
を任されていたところが有ったからね。
レッドは連続殺人鬼に関しては詳しくないが、拷問に関しては詳しい
として、犯人ではなく被害者を調べろという。
犯行の手口からして医療従事者を何故調べないのかなと思っていた
のだけど、まさに犯人は登録制ナースで人手不足の病院に派遣される
というカール・ホフマンだと判明。
被害者の誰もが、子供や配偶者が虐待されている事実が有り、カール
は自ら母親に虐待されている体験を持って、虐待仕返すという流れが
有った。
正直母親が亡くなったことでカールはたがが外れて、殺人に走る
要因になったのかと思った。ただ車椅子で生きて居る母親にしても
被害者にしても自分のしたことを直視させるための行動だけど、
カール本人が母親への仕返しのためにそれを利用しているという
エゴも含まれていたのは確かだった。しかしそんな事情を知った
リズとしてはカールの遺志を継ぐべくして最後にジョージと
メリッサ夫婦に対して、今後暴力を振るう素振りでも見せれば
自分が制裁することを口にしていたね。
■その他
・猟奇的殺人鬼・カール
演じていたFrank Whaleyは「Under the Dome」のDr.マーストンな人。
■使用された曲
・Line of Fire by Junip
・The Man Comes Around by Johnny Cash
■出演者
レンモンド・レディントン (James Spader) “レッド”
エリザベス・キーン (Megan Boone) FBI新人プロファイラー”リズ”
ドナルド・レスラー (Diego Klattenhoff) FBI捜査官
トム・キーン (Ryan Eggold) リズの夫、教師
ミーラ・マリク (Parminder Nagra) CIA捜査官
ハロルド・クーパー (Harry Lennix) テロ対策本部長
デンベ (Hisham Tawfiq) 南スーダン解放軍元兵士
ルリ・ザン (Deborah S. Craig)
アラム・モジタバイ (Amir Arison) FBIのコンピューター専門家
アラン・フィッチ (Alan Alda) レッドの拉致を指示した偉い人
カール・ホフマン (Frank Whaley) 看護師
ルイーズ・ホフマン (Patricia Squire) カールの母
グレイ / ニュートン・フィリップス (Charles Baker) リンゴ男
メリッサ・ウィルキンソン (Shirley Roeca) 虐待を受けている
ヘンリー・クルーガー (Victor Slezak) レッドの拉致に関わる
ジャニス・クルーガー (Lindsey Gates) ヘンリーの妻
カレン・ボーディン (Kate Nowlin) マイケルの母、襲われる
フョードル (Dominik Tiefenthaler) ナイトクラブ・資金洗浄
ジョージ・ウィルキンソン (Frank Pando) メリッサを虐待
Mr.ボーディン (Neal Matarazzo) カレンの夫
マイケル・ボーディン (Nolan Lyons) カレンの息子
— (Eisa Davis) ND Agent
— (Jennifer Kim) ND Agent
— (Graham Winton) Support Group Leader / 教会にて
ダイアン・ファウラー (Jane Alexander) 司法副長官
— (Stacey Sargeant) Female EMT / レッドのチップを取り出した
— (Jonathan Tindle) The Technician
ボウラー (Lars Gerhard)
— (Alexis Suarez) Armed Gaurd
— (Zina Wilde) Nurse
— (Shawn Andrew) ND SWAT Agent
— (James Michael Reilly) Suit