December 12, 2006
第18話 よみがえった男 Iceman
脚本/Shane Brennan
監督/Thomas J. Wright
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ダッキーはモルグで遺体を調べに行く。
被害者として運ばれて来たのはリアム・マイケル・オニール
伍長(24歳)。アイルランド系の兵士に対して、ダッキーは私は
スコットランド系だとして、その件を指摘しつつ遺体に話しか
ける。アメリカ海兵隊でモントローズパークの雪だまりでうつ
伏せの状態で発見されたもの。朝の6時からなんであんなところに
いたんだと呟く。ここモルグは死んだ者が生きているものに
教訓を与える場所だとして、君は何を教えてくれるのかと問う。
被害者の体を見ると小さなこぶが頭部に出来ていた。しかし
次の瞬間息を吹き返した為にダッキーは驚く。
トニーとマクギーはダッキーが検視中遺体が生き返ったことに
関して会話していた。ラッキーなのはダッキーだ。そんな会話
をしていると遅刻してきたジヴァがやってくる。トニーは嫌み
を語る様に”ようやくお見えになりましたか”と語ると、そっち
こそいつも遅刻し早退しているでしょと問う。トニーはたしかに
しょっちゅうしているとして、ボクのミドルネームは”遅刻魔”だ
と語る。しかし君は時間厳守の優等生だとして、夜遊びが過ぎた
のではないかという。しかしジヴァは朝早起きして初めてのコ
ースを走っていたに道に迷ったのだという。明日からペースを
あげて時間を間に合わすと語る。ジヴァはダッキーの件を
聞くと生きた死人はもう沢山だと語る。
今回は一度はホントに死んでいるとし、ラザロみたいだと語る。
被害者のリアム伍長は海兵隊の中でも通信のスペシャリスト
でバグダッド駐留中の海兵隊の補給師団の戦闘支援病院に所属
していたという。15日間の有休中でアメリカに戻っていたこと。
イラクには3期目だというベテランで明後日にはバグダッド行き
が決まっていたという。
DC警察からは確かに死者一名だとして報告が来ていた。
救命の教訓として死亡の判定は体温が戻ってから行うべしだと
いう。ギブスによると蘇生措置は死んでから時間が経過していた
ので無駄だと思って行っていないのだという。ダッキーは子供
ならば蘇生の希望はあるが大人では無理だろうとのこと。当分は
人工呼吸器をつけることになるとのこと。手がかりはこめかみ
付近にあるコブで首や脇にあざが出来ているという。無理矢理
雪に顔を押しつけられた跡だという。
現場にいって証拠が無いか調べる。
トニーは最近電話が鳴っていたが、ジヴァは女性側から電話
が鳴っているので温度差があるようだと語る。女性の方がお熱
だということだという。ジャンヌに電話し直すと、今度のデート
には運動靴を持って来てということだった。
伍長はシャツ姿で亡くなっていたが上着を着ていなかった。
この寒い中どういうことなのか。
近くにシルバーのマスタング、デルタズールー15リマ37の車が
駐まっていて伍長のものだと判明していた。上着が車の中に有り、
更にサイフも手つかずで残っていた。ヒーターは高温でイグニッシ
ョンもオンになっていることから急いで逃げて追いつかれたのだ
ろうとのこと。
アビーの元にギブスが現れる。
アビーはギブスが後ろから来るのを知ってごきげんようギブス
と先に声を掛ける。手がかりを見つけた時にはいつもギブスの
方からやってくるという。オーガニックの緑色の粉が入っていた
こと。質量分析計にかけるという。またバグダッドのレストラン
のレシートが有った事を告げ、3日前にファラフェルを食べている
という。
アビーは私ってテレパシーを持っているのではないかとして、
脳波が出ていることをギブスに語る。出て行ってしまったギブス
に対して”戻って来い”と脳波を送るが・・・
オニールは8日前民間人として出国していて戻ったのは2日前だった。
フランクフルト経由でバグダッドに渡っていて、民間航空会社の
貨物機・ファストフライト社を利用していた。ダレス空港近くの
倉庫に本社があるということだった。
ファストフライトのテイラーは電話している中、ジヴァとギブスが
やってくる。リアムのことを貨物機に乗せただろうと問うと、
俺も元軍人なので、海軍にはサービスで乗せている事を語る。
彼は部隊が攻撃を受けて仲間が負傷したらしいので逢いに行くと
言っていたのだという。バグダッドの空港では伍長を出迎えていた
ヤツがいたとし、見るからに悪だったという。彼を見て塞ぎ込んで
いたようだったとのこと。
そんな中ジヴァの携帯にリアム伍長の入院する病院に何者かが
来ているとの連絡が入る。
来ていたのはギブスの事を新米だと呼ぶマイク・フランクスだった。
リアムは俺の息子だというとギブスは息子がいたなんて初耳だと
語る。
2年前まで俺も知らなかったとし、電話してやっと見つけたと言って
来たのだという。もうすぐイラクにいくと言っていたこと。現在
トラブルになっていると言っていたという。母は何年か前に死んで
おれと彼女は半年間しか付き合っていないのでその間に妊娠していた
ことは知らなかったのだという。
そんな中医師のジェーンは、外部からの刺激に全く反応がない
事を告げ、脳に血流が渡っているかを検査するという。あした
にはハッキリするだろうとのこと。
トニーはジャンヌに逢うと二人はフリークライミング場へと
やってきていた。ジャンヌはトニーが初めてならば隣で指導して
あげるとし、私より先に登れば「愛していると言ってあげる」し
私が先に登れば「愛していると言わせてあげる」と語る。
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ダッキーのモルグに運ばれて来た海軍の兵士・リアム伍長の遺体。
雪降るモントローズパークで殺害され発見された遺体で、ダッキー
はいつものように死体と語り合いながら検視を始めるが、なんと
袋から出した途端、リアムは息を吹き返す。しかし頭に付着した
外傷と一度は窒息死させられていたことから、脳に酸素が供給され
ていない状況だったので、運ばれた病院でも意識を取り戻すのは
難しいのではないかとされる事件だった。
伍長は任務でイラクのバグダッドへ繰り返し渡っているが、現在
は15日間の有休をとっており、アメリカに帰国している最中に
殺害されていた。しかし個人的にもバグダッドに足を運んでいる
形跡があり、彼の足取りを追っていくことになる。
被害者・リアム伍長はイラクに赴任する兵士だが、足取りを追って
いるウチに何か事件に巻き込まれたのか、それとも自ら犯罪に
荷担していたのかという証拠が少しずつ明らかにされていく。
ギブスがシーズン3の最後に失意を負いメキシコに逃避していた際に
世話になったフランクスが再登場するエピソード。この辺のエピソ
ードはシーズン3の最終話からシーズン4の序盤を引っ張ってきた
もので、メキシコで一人で悠々自適な暮らしをしていたフランクスが
アメリカにやってくる。フランクス演じているMuse Watson
って前にも書いたかも知れないけど、「プリズン・ブレイク」で
の伝説の囚人・チャールズ・ウェストモアランドのインパクトが強い
けど、こういう役が似合っているなとは思う。
天涯孤独の身かと思いきや、実はリアム伍長は彼の息子だったと
いうことで、彼のために暴走するであろうフランクスの姿が有り、
その息子が行って来たことは果たして犯罪だったのかどうかという
ことが興味深く描かれた。
人身売買とか麻薬絡みのネタかと思ったけど、結論から言うと、
リアム伍長はイラク人女性と恋仲に落ちていて、子供まで授かって
いたこと。そんな二人を密入国させる為にリアムが動いていたと
いうことで、潔白が描かれ、想像していたよりも割と小粒な流れ
が有った。
「脳波」が一つのキーワードとなっていた。
冒頭からアビーとギブスの以心伝心な姿に微笑みを覚えるやりとり
のオンパレード。「ギブス戻って来い」と念じるアビーの姿は
やっぱり面白い。ギブスにまだ脳波を送っていないバージョンの
エピソードが有り、ギブスがラボ内でせわしなく動く姿は、
職員たちに無言で調査を急かせているでいるであろう流れがあり、
その辺は友人であるフランクスの息子が関係していて、
下手すればフランクスが復讐の為に動いてしまうというのを
阻止したい気持ちが有ったのだろうね。
今回のリアムもまた植物状態となってしまうものの、脳波で父親
をたぐり寄せ、自分の妻と娘を守って欲しいという思いが有った
のかもしれない。
以心伝心といえば、トニーとジャンヌはその意思疎通が図れなかった
ペアだった。彼女のことを愛していて、それを告白するチャンス
を与えてもらったのにトニーは語ることが出来なかった。トニーが
鈍感というのではなく、寧ろ敏感に察知していたことだと思うけど、
それでも言わなかったというところに、トニーが背負う心の傷なり
今の職業に問題が有るのだろう。フリーロッククライムをして
頂点でトニーが昔、松の木に登っていい景色を見ていた際に母親に
消防車を呼ばれたというエピソードを披露していたけど、それを
見る限りではそう悪い生活でも無さそうなのに、金持ち時代のトニー
の過去の傷ってどれだけ深いものがあるんだろうね。
何度も繰り返し電話して自らのことを”ストーカー”ですという
トニー。それを聞いていたジヴァさんが、「”ひざ鉄”を喰らわされた
のか?」と大ボケを噛まし、「肘鉄だ」とするトニーのやりとりは
相変わらず心地良さが有った。最近はトニーも彼女と付き合っている
ということは隠さなくなっているのね。
「言葉は大事だ」とするジヴァさん。
そして流れの中でも言葉は必要な要素だが、それ以上に伝わる思い
も有るということを示すエピソード。
母の形見と信仰が有ったとして、「戦争と平和」を望んでいるであろ
う兵士の姿にちょっぴり泣かせるものも有り、生前の彼がタトゥー
を入れていなかったという辺りも人柄が分かるようなところに
繋がって居る気がする。
ギブスとフランクスがソックリだというように、今回のエピソード
の殆どがフランクスによって誘導され実際解決してしまったような
流れが有り、アメリカンな軍隊ものはオヤジたちが頑張る姿が
有ったりするよなと改めて感じさせた。
フランクスは僅か2週間前に息子の存在を知っただけで、相当
肩入れしていた。息子を失うことへの辛さをギブスに対してぶつけて
いる姿が有ったけど、ギブスも妻子を失っているんだよね。
そういえば相変わらずトニーとジャンヌを撮影しているものが
居るけど、一体誰なんですかね。
・Dominic KellyのHallow’s Eve
・Dominic KellyのLondon Bridge
・Dominic KellyのMalicious Gift
リロイ・ジェスロ・ギブス (Mark Harmon) 主任
アンソニー・ディノッゾ (Michael Weatherly) “トニー”
アビゲイル・シュート (Pauley Perrette) “アビー”コンピュータ
ドナルド・マラード (David McCallum) “ダッキー” 検視
ティモシー・マクギー (Sean Murray) コンピュータ
ジミー・パーマー (Brian Dietzen) ダッキーの新しい助手、検視
ジェニー・シェパード (Lauren Holly) NCIS Director
ジヴァ・ダヴィード (Cote de Pablo) モサド
ジャンヌ・ブノワ (Scottie Thompson) トニーの彼女、看護師
ミシェル・リー (Liza Lapira) 法務部
マイク・フランクス (Muse Watson) 元海兵隊、ギブスの先輩
ジャリル・シャルーブ (Navid Negahban) “ジミー”、パゴダ投資信託
Dr.ジェーン・レイステン (Stephanie Venditto) 医者
ニック・テイラー (Steven Elder) 民間貨物・ファストフライト
リアム・オニール (Jeremy A. Roberts) 伍長、24歳