December 12, 2006
第19話 生死の境目 Grace Period
脚本/John C. Kelley
監督/James Whitmore Jr.
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ジムとリックは匿名の通報者からテロ情報があるとして、
指定された場所で待っていたが、3時間待ってもそれらしき
人は現れなかった。前回同様ガセネタではないのかと車で待機
しているポーラ・キャシディに対して無線で会話するが、
テロ攻撃に関する情報である限りは待つしかないと語る。
そんな中ポーラの携帯に再び電話が鳴り、ミルストン通り408で
逢おうと言ってくる。店の中で説明するというが、ポーラたち
は外でないと困ると告げる。しかし見張られている事を理由に
男は室内に拘る。サングラスの男がこちらを見ていたのを知り
ポーラはジムとリックに追いかけるよう語る。サングラスの
男が店の中に入る中、ポーラも車から降りて店内に入ろうとした
ところ爆発が起きる。
ギブスはホリス・マンと共にバッティングセンターに来ていた。
ホリスがソフトボールチームの監督をしている為に、ギブスは
密着して指導しようとしていたが、ホリスはギブスが思っている
以上に野球に精通していて、ストレートの弾をガンガン撃ち返し
ていく。
そんな中ギブスの元にマクギーからの電話で、キャシディの部下
2人が自爆テロで殺害されたと語る。
亡くなったのは、リチャード・ホール(リック)とジェームズ・
ネルソン(ジム)だった。マクギーはジムとは訓練センターで
一緒で有り、2ヶ月前には彼の結婚式に出席したばかりだと語る。
トニーも突然呼び出されてオフィスにやってくると、折角NBAの
アリーナ席を取ったのに何事だと語る。ジヴァは爆弾でNCISの
職員が2名命を落とした事を語る。
爆発の有った現場にいく。
ジヴァは店内にはイラン、イラク、シリア、サウジアラビアの
国旗があるとして、何の店なのかと呟く。
ダッキーは二人共即死だったことを語る中、電気コードが現場
に落ちており、爆発した形跡が生々しく残っていた。
被害者二人の体に付着する傷は爆弾によって付けられた傷で
金属の弾や釘が仕込まれていた手製の爆弾だという。
部屋の中央で爆発が有り、自爆テロ犯の頭だけが見つかって
いないという。
そんな中店は非営利団体に貸していたということが分かる。
現場で呆然としていたキャシディは私のせいで殺されたという。
トニーはジヴァに対して、”ヘッドハンティング”だと語る。
ギブスはキャシディから事情を聞く。
通報の内容はテロ攻撃があるというもので、相手の待ち伏せだ
ったという。ギブスは亡くなった原因はキャシディにはないこと
を告げると、犯人を牢屋にぶち込むまでは泣くなと語る。
マクギーは自分とジムが仲が良かった事を告げると、今週は
ホントはギブス班がホットラインの担当をすることになっていた
事を知る。
アブドゥルとジャマルは、店にやってくると、ここはイスラム
和平連合の支部があったという。ヤジード・ファハドはどうした
のかと問うとウチの支部長をしている男でペンキ塗りの手伝いに
来たのだという。
アブドゥルとジャマルを取り調べ室で話を聞く事になる。
ヤジードは平和主義者で自爆テロに関しても卑怯なことだと
言っていたという。彼が爆弾を所持していたのであれば無理矢理
付けられたものだろうという。会合を企画していた事を告げ、
シーア派とスンニ派の指導者に呼びかけ今度の金曜日にアラブ
五カ国の聖職者が集まる場を作ろうとしていたこと。そこで
イラクの宗派の行いを非難する見解をだすつもりだったという。
アブドゥルとジャマルの当日のアリバイを尋ねると、二人共
食事をしていたとのこと。グレース通りの店に一時から二時半
まで食事をしていたという。
アビーは通報の有った録音データの解析作業をしていた。
マクギーはアビーのラボにやってくると、ショックの余り
座り込んでいた。マクギーはアイツが居なければ訓練過程を
終えられなかった事を告げる。アビーは物事には理由が有る
ものだとして、しゃがんでいるマクギーにハグする。
そんな状況の中ギブスがやってくると、私たちはしゃがんで
ハグする・・略してシャグだとアビーは語る。
ギブスとキャシディにアビーに対して音声解析の結果を聞きに
くると、二本の通報の電話は同じ人物からのもので、ヤジード
で間違いないという。
ヤジードは海軍として2004年に名誉除隊していた。
そんな中ダッキーからギブスに見て欲しいものが有るとして
モルグに呼び出す。
ヤジードの頭の状態の保存状態がよく、脳組織の崩壊具合から
すると死亡と爆発事故の時刻が合わないのだという。
爆発する24時間前には既にヤジードは死んでいるとのことだった。
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ポーラ・キャシディ率いるNCISのチームはホットラインに
寄せられた匿名のテロ情報の密告者と会う為に、指定された
場所にいく。するとポーラの部下であるジムとリックは
自爆テロの被害に遭い命を落としてしまう。ポーラは責任を
感じる中、本来ギブスたちが週末・ホットラインに寄せられる
情報を元にした捜査の担当をすることになっており、変わり
に捜査を担当したポーラのチームが死亡した琴を受けて、
少なからず自分たちの捜査が死と隣り合わせにあることを
実感し、助かったことに安堵する訳でもなく、ただ現実と
向き合うことしか出来なかった。
なんとかして犯人を捜そうと躍起になるが・・・
前回トニーがジャンヌに対して「愛している」の一言が言えなかった
ことに対して、背中を押すことになる内容であり、トニーの
中の人生感をガラリと変えるエピソードに繋がった。
そんな気持ちの後押しの為に三人もの捜査官を犠牲にしたかと
思うとなんとも切ない感じがするし、トニーとしてはキャシディ
との関係も一時期良い雰囲気が有っただけに、あの状況を目の当たり
にした後に告白するというのもちょっと気が引けそうな感じもする。
「人生は短い、愛しているならば言葉で伝えろ!」というキャシディの
アドバイスが遺言となってしまうけど、果たして上手くいくのか。
今回の任務は本来ギブスたちが担当するもので、ギブスがマン捜査官
とのデートがきっかけで交代したものが有るとなれば、ギブスと
しても決して良い気持ちはしていないのかと思えば、肝心の
ギブスはシラーっとしていて、妙に割り切っている姿が有った。
キャシディ捜査官の出演は過去5つのエピソード。
Season 1, Episode 8
Season 1, Episode 16
Season 1, Episode 23
Season 2, Episode 8
Season 3, Episode 3
トニーがジヴァとキャシディの対立の中に入り、どちらの味方に
付くのかみたいな選択を迫られるシーンが有ったこと。
ギブスもまた同様に、遺体の死亡時期を巡って、アビーの証拠が
正しいのか、それともダッキーの見立てが正しいのかの選択を
強いられるところがある。マクギーに至っては「シュレーディンガ
ーの猫」と称して、生きていると同時に死んでいること・・
量子力学の理論で二つが重なり合う状態のことだと語る姿が有った。
どちらかが間違っているとして選択に迫られたジヴァが「私は猫に
なりたい」と語るところが可愛かった。冒頭からジヴァが
「パラッパラッパー」のパラッパの被っているニット帽を被って
登場するところなど、妙に可愛い役になってるな。
犯人はアビーが見分けが付かない程に、精巧な音声合成
システムを確立していたけど、正直そこまで精巧な音声合成システム
を作ることは不可能だと思うけど、そんな面倒なことをしなくても、
被害者のヤジードに予め通報するあらゆる台詞を録音させておいて
ICレコーダーで再生させるだけでも良かったんじゃないのかという気
もする。
自爆する前に自殺した自爆犯なんてバカな話はないとするジヴァに
対して「まるで瓜売りが瓜売りに行き瓜売り残して・・」と語る
トニーが面白かった。
キャシディは当時のトニーと違って気遣いすることを覚えたという
ことを指摘していた。すぐにキャシディは好きな相手が出来たのだろ
うと感じて、それが誰なのかと問う姿が有ったけど、昔
良い感じの雰囲気になった相手とそういう会話をしている姿を
見ると、ギブスと局長の関係を彷彿とさせるな。
ジヴァも気遣いすることを覚えて、キャシディに対して敢えて
怒りの矛先を自分に向けさせようとする姿が有り、気持ちを
はき出させる姿が有った。
いつもはジヴァが言葉の言い間違いをするけど、今回はキャシディ
がジヴァのことを「ディヴットさん」と呼ぶ中、「ダヴィードだ」と
突っ込む姿がある意味斬新だったのかも。
今回の現場ではマジックの扉が使われていた。
トニーが葉巻の煙を使って空気の流れを探りそれを調べるけど、
爆風で扉なんて壊れそうな気がする。
消えてしまうといえば、ダッキーがギブスに対して、「最近パーマー
くんが消えてしまうんだ」と語る姿が有り、リー捜査官とHばかり
している姿が有ることを視聴者は目にしている。
「そういう時は頭の後ろを叩いてみろ。トニーとマクギーには効果が
有ったぞ。」との事だけど、パーマーくんは叩かれると嬉しいらしい。
結果的に悲しい結末だけど、キャシディにとっては勇気のある決断
だった。仲間を助けて自爆テロを食い止める勇気。
壁一枚の差、スケジュールのタイミングの差で生死を分けてしまう
人生の皮肉さ加減がたっぷりと含まれたエピソードであった。
・Everybody Hurts by R.E.M.
・Resident Outcast by Dominic Kelly
・Gothic Avenger by Dominic Kelly
・Lit at Both Ends by Dominic Kelly
リロイ・ジェスロ・ギブス (Mark Harmon) 主任
アンソニー・ディノッゾ (Michael Weatherly) “トニー”
アビゲイル・シュート (Pauley Perrette) “アビー”コンピュータ
ドナルド・マラード (David McCallum) “ダッキー” 検視
ティモシー・マクギー (Sean Murray) コンピュータ
ジミー・パーマー (Brian Dietzen) ダッキーの新しい助手、検視
ジェニー・シェパード (Lauren Holly) NCIS Director
ジヴァ・ダヴィード (Cote de Pablo) モサド
ジャンヌ・ブノワ (Scottie Thompson) トニーの彼女、看護師
ミシェル・リー (Liza Lapira) 法務部
ポーラ・キャシディ (Jessica Steen) NCIS Special Agent
アジッド・アブ・セロム (Shaun Duke) カーテック社
アブドゥル・ワヒド (Haaz Sleiman) ヤジードの仲間
ジャマル・マリク (Dominic Rains) ヤジードの仲間
リチャード(リック)・ホール (Sasha Roiz) NCIS Agent
ジェームズ(ジム)・ネルソン (Jacory Gums) NCIS Agent
ホリス・マン (Susanna Thompson) 陸軍中佐、CID
サルマン・ウマル (Ankur Bhatt) サングラスから指紋
ハーズ・スレイマン (Abdul Wahid)
ヤジード・ファハド () イスラム和平連合