第7話 遺体は二度消える Body of Evidence
脚本/Jonathan I. Kidd
監督/John F. Showalter
【ストーリー】
ブラッドの葬儀の場で、従兄弟のショーナから一言。
ブラッドは子供のこと小銭を貯金していたが、私はちょくちょく盗んで
使っていました。しかし彼は私が金を使っていたことに気がついてそれ
でも何も言わなかったという。今そのお金を返したいとして、ブラッド
の母・ジューンに棺に金を入れる許可をもらう。しかし棺の中に遺体が
ないことに気がつく。
この時の映像を撮影していた為に、遺体が無くなったことに気がついた
ジェーンたちが警察に届けを出していた。
ブラッドの死因は何だったのかと問うホワイトに、仕事で荷物を配送中
に階段から落ちたのだというサットン。カルト教団の仕業なのかと
茶化すホワイト。死体の闇取引とか、窃盗団かもというドワイト。
葬儀場は捜査したのかと問うと、くまなく探したとのこと。まずは
葬儀社に話を聞いた方が良いというドワイト。ホワイトに行こうと
いうが、彼は何処か乗り気ではなかった。
ターニャはジェーンに対してあり得ないことが起きたが全力で捜査する
ことを約束する。あの子は良い子で絶対に人の悪口を言わない子だった
という。ブラッドを最後に見たのはいつか尋ねると、昨晩の弔問の時だ
という。息子の好きなものを棺に入れたこと。ショーナは間に合わなか
ったので今朝やってきたのだという。棺は閉じて置いたのでしょというと、
息子の姿が何か変なので人前にさらしたくなかったという。
葬儀社にいく。
昨日はここに有ったが今朝来たら亡くなっていたのだというティム。
防犯カメラは設置していないのかと問うと、一年前に浸水で壊れた
ままだという。何だか都合の良い話だなというホワイト。死体が歩いた
というのか?何故警察に知らせなかったのか?と問うと、埋葬までに
見つかると思ったのだという。従業員は不況で解雇して今は私と妻
だけでやっているという。妻は里帰り中だと。お前しか居なかったの
かとして益々怪しい事を告げると、トイレの鍵が弔問後ずっと閉まって
いたのだという。元従業員と出入り業者のリストを提出を求めるドワイト。
ドワイトはホワイトがどうも様子が変なことに気がつき尋ねる。
子供の頃死人が生き返る映画を見たというと、ゾンビかと。何よりも
怖いのだという。世界の終末と同じくらいに恐ろしいというと、知らな
かったというドワイトはオレは脳みそが好物だとドワイトはふざける。
葬儀場へ。
周りにカメラは無いのかと告げる中、ブラッドの親友のマット・ハリスは
弔問には来たが葬式には現れていないことが分かる。そいつがトイレ
にいたのか。ゾンビ説よりはマシだろうという。
サットンはターニャに対して葬儀の関係者に犯罪歴がある人は居ないとし
職場への苦情もなかったという。
葬儀の参列者の経歴も洗ってというターニャ。
そんな中署にはポーラがやってくる。
今日は警察のチャリティ祭の調整役として来たので協力してという。
サットウには受付をお願いとし、ターニャには電話で募金を集め、
お礼状の手配、会場の準備を・・と語るが、一つにしてと語り、お礼状
の件を担当するという。サットンは警部補は元々お礼状の担当だった
と語る。
マットの元にいくと彼もブラッドの件で来たのかと語る。
ブラッドの遺体は車の中だと白状する。
アメフトの競技場に埋めようとしたこと。高校時代に死んだら埋める
と約束したのだという。そのつもりで運び出したが埋める覚悟が付かな
かったとのこと。自分の過ちに気がついて途方に暮れていたのだという。
ガレージの車の後部座席に遺体が有る事を告げるが、遺体はまたしても
消えていた。ドワイトは遺体がないことを語ると、この計画を知っていた
ヤツはと尋ねるが居ないという。暫く留置所で頭を冷やせば思い出すか
も知れないと語ると、オレは無実だという。しかし遺体盗難は立派な
重罪だと語る。
■感想
弔問の際には存在していた遺体。しかしいざ葬式の時には葬儀社から
亡くなっていたことが判明する。ブラッドの母・ジェーンは遺体を
見つけて欲しいとしてやってくる。葬儀社、元彼女、親友などから
話を聞いていくウチに事情を掴んでいく。
それぞれの役割が面白く現れていた話だったな。
ドラマとしては遺体が消えたブラッドの生前の事情なり性格を調べて
いくことで、何故遺体が消えたのか。消えざるを得なかったのかを
調べていく。
色んな可能性が考えられた。
何よりもブラッドは本当にみんなが語るような人格者ではなかった
のではないかという疑問。誰から聞いても彼は良い人だったという
ことで、あまりに出来すぎた人の裏には何か有るかと思ってしまう
心理が働く。
そのせいも有ってか、彼が殺された地域性やストーカー元彼女からの
話で黒人ギャング団のBGDに入っていたのではないかという疑惑が
出たり、また捜査の過程で被害者の遺体の臓器から鍵が見つかりそれ
がスポーツジムのロッカーの鍵で麻薬の粉が大量の靴の中から見つけた
際には、ドラッグを売りさばいていたのではないかという疑惑も
出てくる。
そして何よりも究極の仮説としては、死んだと思わせて実は本人は
生きて居るのではないかと思わせる様にして、二度にわたって遺体
が消えていること。
生前にも人気が有って、死んでからも尚人気が有るかのようにして
遺体が消えてしまう皮肉。
結果からすれば、彼は話通りの人格者で、貧しい地区ではボランティア
していたり、若者の悩みなどにも耳を貸す良い人物だった。
黒人同士ってこともないけど、被害者遺族のことに耳を傾けたグリーン
が遺族から特別に感謝されて、思わず自分の仕事に誇りを持てた
かのような表情をして感無量的な感じだったのが印象的だった。
■それぞれの役割
それぞれのキャラクターの掛け合いも面白かった。
今回はメンフィス署としてもチャリティーパーティーが開催される
ことも有り、捜査官たちが手伝わされる。
こういうパーティーって署がやるのも良いけど、普通は地域住民が
率先してやっくれれば良いんだけどね。
被害者の男性が恵まれない子たちを助けているところが有ったので
それとは対照的に描きたかったのか。
ポーラが次々と署員たちに役割を持たせて仕事を押しつける。
その辺の駆け引きは面白かった。駆け引きの中にもポーラが仕掛ける
ものだったり、ターニャが仕掛けたりするものだったりして、微妙な
ところで駆け引きが有った。
ホワイトはゾンビ嫌い。その理由はピクルスという名のネコがある
時、ゾンビ映画を見ている時に居なくなったからで、喰われたもの
だという思い込みから恐怖心を抱いている様子。
ターニャのお礼状を見て達筆だなと語る際に、彼女はホワイトが珍しく
褒めたことに驚いていたけど、誤字があるぞと言われて、なんとも
言えない味が有った。
サットンは得意の話術を使って拘置所にいるブラッドの親友から
事情を聞こうとして活躍したり、グリーンは今回黒人同士ということも
重なり親身になった結果、上述したように遺族から感謝された。
パーティーではドワイトを歌わせるということを条件に自分のしたい
ことをさせてもらう。彼の特技は占いみたいだ。
■事件の結末
色んな事件のコラボレートって感じ。
階段から落ちたのは事故ではなく事件だったこと。
遺体を盗んだのは親友だったこと。
遺体の体から臓器を抜き取ったのは葬儀社の男だったこと。
配達と称してニセブランドの靴に乗じて25万ドル分のクツを運んでいた
のが、運送会社の社長だった。
被害者がその事実を知ったことで荷物を隠して鍵をかけて、その鍵を
飲み込んでいた様だ。GPSの動きによって上手く判明していった。
■使用された曲
・Heaven by Dorothy Love Coates & The Original Gospel Harmonettes
・Messin’ With the Kid by Junior Wells
・Mercy, Mercy by Wilson Pickett
・Attitude Strut by Nick Evans Mowery
■出演者
ドワイト・ヘンドリックス (Jason Lee) メンフィス市警
チャーリー・ホワイト (Sam Hennings) “ホワイトヘッド”、ドワイト相棒
ディヴィー・サットン (DJ Qualls) メンフィス市警・制服警官
ポーラ・アン・ヘンドリックス (Celia Weston) ドワイトの母
レジナルド・グリーンバック (Leonard Earl Howze) メンフィス市警
Lt.ターニャ・ライス (Alfre Woodard) メンフィス市警・警部補
ティム・ウェイン (Garret Dillahunt) 葬儀社
シェット・メイランド (Geoffrey Blake) 運送業者・経営
マット・ハリス (Bug Hall) ブラッドの親友
— (Keb’ Mo’) 音楽の教師
ジェシー (Tequan Richmond) ブラッドと精通
ジェイコブズ (Felder Charbonnet) 捜査官
— (Ron Flagge) Minister
グレイス (Adella Gautier) 情報提供者
ショーナ (Dana Gourrier) ブラッドの従姉妹
デヴォン (Indigo) “子供の家”の先生
キャット・メルヴィン (Lyndsay Kimball) ブラッドの元恋人
マーティン・フォックス (Chris Marroy)
— (Ken Massey) Memphis Swat Team Member
ベン (Caleb Michaelson)
ジューン・ワッツ (Deneen Tyler) ブラッドの母
— (David Lee Valle) SWAT Team Commander
— (Timothy A. Vasquez) 捜査官
— (Elizabeth Rose Young) 捜査官
— (Nic Christie) Irish Gangster