November 15, 2002
第10話 ゆがんだ愛情 Resilience
脚本/Patrick Harbinson
監督/Joyce Chopra
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ジェフとクリスは電車が来るのを待ちながらも雑談していた。
話題の中心は甥の息子のことで、子供部屋に音声モニターを
つけたが、最初の晩には音声が通じず”坊や何か言ってくれ”と
語るも返事がなく不安だという甥の妻・メルと息子の話だった。
そんな中クリスは女性がプラットホームにふらふらと現れて、
不審な行動を取ろうとしているのを察知し、電車が来た際に
飛び込もうとしているのを止める。
フィンは仕事を終えた後だった、オリビアとエリオットを
呼び出すと飛び込み自殺しようとした女性が保護されたことを
語る。彼女の服は破れ、下着は身につけず、陰部にアザのあっ
たとして何も話してくれないので対応に困っていることを語る。
オリビアは少女に話しかけるが何も話してくれなかった。
エリオットは少女の前で自分にも娘がいるが、親が心配している
事を告げ、娘が心配で何処にでも駆けつけてくれるのが親だと
して、名前を聞き出す。すると彼女は自らをジャッキー・ランド
リクスで、家はチェルシーの16丁目に住んでいるという。
駅に設置してある監視映像を調べようと告げる中、少女は救急車
で運ばれる前にエリオットに対して親には黙って居て欲しいと
し、話せば殺されると語る。しかしエリオットは君は何も悪く
ないと説得する。
防犯カメラ映像を調べる。
マンチによるとロンドンには自殺しそうな人を識別する装置
がありその人をカメラが自動で追いかけ警告するシステムが導入
されていると語る。ジャッキーの後ろを青年が尾行しているのを
知る。服のロゴを見るとバイク便の会社のものだと判明する。
カール・シレット(19歳)、配達中に恋人に会い、先月解雇され
ているという。しかも配達先で女性を襲い二度逮捕されている
とのことだった。
11月25日(月)・聖グレゴリース病院。
医師のガーディップによると被害者の女性の膣には精液と
擦り傷があり、腹部にはアザがあるとして写真を見せる。
恐らく縛った跡だろうという。数回に渡り犯された跡が有り、
本人は初体験であると語っているとのことだった。
病院には既に父・トムと母・アンジーが来ていて、娘のベッド
の傍らで様子を見ていた。
オリビアとエリオットは父・トムから事情を聞く。
エリオットは家族の男性にはDNA採取が義務づけられていること
を説明すると、12歳のギャリーと9歳のジェイソンも必要なのか
と問われる。
ジャッキー本人から話を聞くと、学校の帰り道に近道をしよう
とした所10番街のA&Mで駐車場を通り抜けようとしたら車が
停まり拉致されたという。目隠しをされていたので犯人の顔は
見ていないとのこと。ベッドで縛られその後男に襲われたと
いう。どのようにして逃げてきたのかと問うと、行為が終わった
後、男が出て行ったので自力で逃げてきたのだという。
オリビアは地下鉄の防犯カメラの写真の男の写真を見せると
私を尾行していた男だと語る。
襲って来た男の特徴を覚えて居ないかと問うと、犯人はペニスに
ピアスをしているような感触が有ったという。
カール・シレットを取り調べるマンチとフィン。
しかしカールはジャッキーのことをあの日初めて見た子だと告
げる。過去に二度逮捕されている事を指摘すると、しかし二回
とも保釈されたと語る。DNAの提出を求めるが拒否するカール。
取り調べを見ていたクレイゲンは、オリビアたちに類似する事件
はないのかと問うと、2年前にチェルシーの川から発見された
遺体は、今回の事件同様に体にアザが有ったという。ただし、
頭と指がない状態で発見された女性の遺体だったという。
トイレにいくカールのことをマンチとフィンは取り囲むように
して隣で連れションする。マンチは小便するカールのペニスを
見るとその視線に気が付いたカールは嫉妬かと問う。
それを否定する中、ムスコにピアスをしているのを初めて見た
と語る。フィンはそれが命取りだとしてレイプ容疑でカールを
逮捕する。
そんな中弁護人のベルナルドがやってくる。
彼女は不当逮捕だとし、レイプの証拠がないと語る。しかも5時間
も取調室でソーダ水を飲ませて意図的にトイレに行かせて、
DNAを取ろうとしたことを非難し、裁判では逮捕以前の証拠・
拘束中に得た情報は何一つ使えないと語る。
それを聞いていたキャボットも確かに同感だとして新しい証拠
が必要であるとクレイゲンに語る。
検視医のメリンダによると、2年前の身元不明の遺体は、
白人で髪の毛は茶色、20代後半だという。
身元を隠す為に頭と指を切ったものなのか?と。
ジャッキーの体の傷跡と比較して同一犯によるものだと思うか
と問うと、死体は2時間も水に浸っていたのでレイプされたかどう
かは不明だが、死体の後はロープで縛られたものであり、
ジャッキーの体の跡は梱包バンドだと語る。頭と指は斧のような
刃物で切断されており、切断前に絞殺されたのだという。
またジャッキーの膣内からは2人分のDNAが検出されたとのこと。
片方は抗コルステロール剤の常用者だという。
父親のDNAではないかと問うと血液型は一致しないので多分
違うだろうとのことだった。
11月26日(火)・トム&アンジー・ランドリックスの家
11月26日(火)・ジェームズ・F・クーパー校(ジャッキーの学校)
11月27日(水)・アダムス治療センター
11月29日(金)・第22法廷
11月29日(金)・検視室
11月30日(土)・児童保護施設
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駅のプラットホームで自殺未遂を図ろうとした15歳の少女。
保護して事情を聞くと、体を梱包バンドによって縛られた状態
でベッドに寝かされ、目隠しをされた状態で男性に襲われたと
いうもの。膣内からは2人分のDNAが検出され、すぐに犯人は
特定されていくが、本人たちは暴行を否定する。
類似する事件を調べていると2年前にロープで縛られた痕の有る
女性の頭と指先のない遺体が発見されていることが分かるが・・
本家「Law & Order」のシーズン2-20話にも同様日本語タイトル
のドラマが有る。スピンオフとはいえ、タイトルが被るというの
も珍しいものがあるな。
今回は久しぶりにエリオット色の強いものが有った。
同世代の娘を持つ父親の立場という意味で、エリオットが抽出され
た格好だけど、エリオットってクレイゲンと衝突して以降少しトーン
が大人しくなった印象も有る。しかし取調室に於ける激高した姿を
見ると、熱いものが流れているなという感じ。
ただ前回のエピソードの中で、被害者だった娘の父親にDNAの
提出を求める際に思いっきり殴られた事情も有るので、今回は
その失態を演じまいとして、配慮していたような印象も見られた。
テーマとしてはそのものズバリ「性器」というのがワードとして
すり込まれていた感じで、至るところで男性器・女性器のことに
言及されていた。勿論性犯罪特捜班なのでそういう部分に言及され
ることは避けられないものが有るんだけど。
ネタ的にはやはりフィン&マンチが容疑者の少年からDNAを採取する
為に5時間の取り調べ室中にソーダ水を飲ませてトイレに行かせる
流れが有ったことかな。用を足す青年の”ムスコ”を覗くという
マンチの姿が笑えたけど「トイレへの同行が自己負罪拒否特権に反する」
という理由で前回にも登場した弁護士のベルナルドから語られ、
俺のミスだとするマンチさん反省の姿。
ドラマとしては比較的容易にことが進んでいくかに思えて一癖
も二癖も有った。
DNAで簡単に分かるのかも知れないけど、2年前の遺体に顔がない
にも関わらず、白人で髪の毛が茶色だと語るメリンダの姿が有ったし、
被害者の少女は膣に擦り傷が有って暴行を臭わせているけど、実際に
は当日スポイトで父親に精液を注入されたものだとされていたし、
子宮頸部異形成が有り、処女だとされていたものが実際には性体験が
豊富だとしている流れが有って、状況的は分かりづらい。
2人のDNAが被害者から検出。
DNA検査に協力的なもの、そしてアリバイがあるものの人物が
犯人だとする事実がそこにある。裁判をすれば明らかに有罪は
免れなさそうなものだけど、DNAだけを過信して捜査をすると
危険だということを感じさせるものが有る。
ランドリックス家の言動は全て矛盾に満ちあふれているものだった。
それ故にホアンの心理分析は頼みの綱だった。
妻子にセックスを強いていることを知り家族にとっては父親は
教祖も同然であり、娘を女性として扱い自分が選ぶ相手とセックス
させるという。
「原因は父親の自己愛性人格障害だ」
「児童性的虐待適応症候群だ」
とのこと。
トムは何故それ程までに子供を産ませようとしていたのか。
2年前から性的不能に陥った原因には、シッターとして雇っていた
女性・カレンの殺害に有るのかも知れないけど、矛盾するのは
トムの中には連続殺人犯の性格を持ち、戦利品だと称して殺人鬼
のフレッドウェストを引き合いに出して、頭と指を家の中に埋めて
いる姿が有るとしているけど、寧ろカレンの死は殺人鬼としての
性格ではないような気がする。
父親に酷いことをされた娘のジャッキーとしては
“自我を助ける適応的退行”ということで、現実と虚実を行き来して
いて、裁判ではなんとも言えないもどかしさを感じるところが有った
けど、どう見てもこの子はケアがない限りヤバい子に成長しそうな
感じだね。
娘のサリーが持っていたブレスレットが結果として、家族に平和を
もたらすアイテムとして存在していた。
カレンの実家に行った時に写真に写っているブレスレットを見ると
捜査官としてはパズルのピースがハマったかのような快感と同時に
恐ろしいものを探り当てた感じも同時にしてくるのだろうなぁ。
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
— (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
アレクサンドラ・キャボット (Stephanie March) A.D.A 検事補
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホァン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
トム・ランドリックス (Titus Welliver) 父親
ジャッキー・ランドリックス (Rachael Bella) 娘、15歳
アンジー・ランドリックス (Cynthia Ettinger) 妻、託児所
サリー・ランドリックス (Justine Caputo) 娘、6歳
クレオ・コンラッド (Jill Marie Lawrence) トムの弁護士
ジェームズ・ランドル (Drew McVety) 証券マン、同居人、40歳
スーザン・バルデラ (Leslie Ayvazian) 判事
ティナ (Anna Berger) Karen’s Grandmother
ジーナ・ベルナード (Illeana Douglas) カールの弁護士
ミランダ・ボウエン (Sandra Daley) 学校の教師
ラリー・デレイ (Ernest Mingione)
カール・シレット (Billy Lush) ジャッキーと付き合っていた若者、19歳
チャールズ・エノ (Kevin Campbell) 近隣住民、暴行の前科有り
ジェフ (Wally Dunn) 甥っ子の話をする
レイトン (Jordan Gelber) CSU Tech
Dr.ガーデップ・ソーハル (Ajay Mehta) 聖グレゴリース病院医師
— (Claudia Fielding) ACS Supervisor
クリス (Brian Donahue) ジェフの友人、ジャッキーの自殺を止める
カレン・ステンスリン () 2年前の被害者
フィリップ
アントワープ
ギャリー
ジェイソン