第5話 会議場の遺体 The Corpse at the Convention
脚本/Dave Thomas
監督/Chad Lowe
【ストーリー】
ブレナンは法医学関係者が集まる場で基調講演を頼まれた為に
スピーチを考えていた。最初はジョークで始めるとして、
「シュレーディンガー博士がスピード違反で警察に止められて、
こう質問された。トランクの中身は何か?博士はネコだと答えた。
警察は確認するのでトランクを見せてくれといって仲を見ると警察は
こういった。”このネコは”死んでいる。博士は答えた。そりゃぁ今は
ね」と。ブースはそれを聞いてオチは?と尋ねると今のがオチだという。
彼の有名な思考実験を皮肉ったものだというが、ブースはジョーク
とはどれだけ笑えるのかが肝だという。じゃあ法医科学会議の公演
の出だしはこうしようとして、これはどうだとブースはジョークを
聞かせる。
「月にあるレストランは美味いが息が詰まる」。科学っぽいだろう
として月には空気がないのを絡めたんだという。
ブースはパンケーキをつくるがブレナンは食欲が無いので要らない
という。そんなに緊張しているのかと問うと、国中の法医学関係者が
集まる場での基調講演者に選ばれるなんて凄く名誉で責任重大だという。
それならジョークはなしだとして、君は最高に賢いのだから・・と
語る。
みんなで会場のThe Baird Hotelにいくと、そこは展示場として盛況
だった。アンジェラもこの展示品は驚きだという。ブレナンが来る
とみんなが集まってきて自分たちの商品をお勧めする。
ガーツ博士は自分は実習生として最適だとして売り込む。ギャップ結合
能力を持つ細胞の以上を研究しているというと、カムは後で見せて
もらうとして資料を受け取る。ハワード・フィッチは自分は可燃性
ガスの探知機を開発しているとすると、名刺を預かると語る。
ブレナンは人気ねと語るアンジェラはホッジンズにパパとライブ
に来てるみたいだという。そんなアンジェラにも声を掛ける女性が
いて、あなたのステガノグラフィー解読確率演繹推論は最高ですと。
ホッジンズにも声を掛ける女性・レオナ・サンダースの姿が有り
お久しぶりだという。するとホッジンズは顔色を変えてここの警備は
緩いのかという。私はもう同業者だというと、君は無能な法昆虫学者
だとし、この職業の面汚しだと激怒する。カムはどうしたのかと
語ると大昔のことだと語る。
これを使えば録画していつでも再生出来るものだというアンジェラ。
記憶力や観察力がない人には有益なツールねというブレナン。
アンジェラはホッジンズに大丈夫かと問うと片付けることがあると
して出て行く。レオナって人の事聞いた事があるかとアンジェラに
尋ねるカムだが知らないという。
テス・ブラウンがブレナンに声を掛けてくる。テスは今法医学小説
を書いているとし、知識はまるでない人だとブレナンはアンジェラたち
に紹介すると、誰かは知っているわと語る。テスは新刊のリサーチに
来たと言うと私はもうただの物書きから卒業したのだという。私たち
和解しましょうというテス。しかしあからさまに読者を侮辱する人とは
友達になれないことを語る。
ブレナンの元にはオールダス・カーターがやってくると、手に付かない
検査用手袋を開発したとして持ってくる。またエドワード・ハークネス
博士がブレナンに声を掛ける。公演前に他の理事に招待させて欲しい
と語り彼女を連れて行く。カムはここは確執だらけなのかと呟く。
全米法医科学会議の理事長のハークネスは壇上に立つと、本日の
基調講演者のブレナンを紹介する。その際彼女のことを、上質な
カベルネ、ポルフェノールとアントシアニン、そしてコロイドが結び
ついたような人で、彼女は50年来最も偉大な法人類学者だと語る。
ブレナンは壇上に立つと、練習していたスピーチを語る。
シュレリンガー博士の話をし始めた所で館内に火災を知らせる警報が
なる。テスはみんなにあっちの部屋が燃えて火事になっているとし、
あの中には遺体が有って燃えていることを語る。
急いで現場を見に行くブレナンたち。ホッジンズは臭いからしてガソ
リンだと語る。ガソリンなら消化器で消えるというが、まるで消える
気配がなかった。証拠が燃えるとしてブレナンはなんとか消そうと
するが、カムたちは逃げるのよと語りブレナンを連れて行く。
消火後。このやけ方は何時間も燃えたように見えるというカム。
ホッジンズは燃えたのはせいぜい10分だろうという。
ブースはこの設備室には防犯カメラがないことを語る。室内が暗く
て見えないとする仲、カーターは高機能LEDライトがあると語り、
ライバル心むき出しのフィッチは放火現場用の道具があることを語る。
ブレナンはみんな分のヘッドライトが居ると語りカーターから
受け取ってきてもらう。遺体に付着する白い物質は何かというブレナン
に対してホッジンズはD火災用の消化器の跡だという。遺体が塩化ナト
リウムの結晶で覆われたという。ブースはDって金属火災のことだろう
と語ると、マグネシウムとかチタンなどだというホッジンズはいずれも
燃焼温度が高いという。その為コンクリート、階段、手すりに遺体が
張り付いていた。
するとそこにウェンデルがやってくる。
彼は眉弓は小さくて眼窩上縁は鋭いとし、遺体は女性だという。
彼は一ヶ月医療大麻を使っていないので司法省も研究所で働く許可
を出したというカム。ブレナンの紹介してくれた治験のお陰で元気
になったという。ブレナンは今も寛解中かと問うとそうだと語る。
骨盤の恥骨結合面から年齢は40歳だというウェンデル。
カムはストラップが焦げているとすると、恐らく館内入場IDだろう
という。アンジェラに持って行って割り出してもらうというブース。
オーブリーは規制線のところで人が入らないように現場確保を
していた。ブースがやってくると、ビヨンセのライブの警備員の気分
だと語る。
そんな中、テスはこの混乱に乗じてテレビの前で、新刊「心より熱く」
のリサーチをしにやってきたと語る。ブースはカメラを止めさせる
と殺人を宣伝には使わせないと語る。誰かに迷惑をかけたかというテス。
あんたが遺体の第一発見者だとして話を聞かせてもらうと告げ連れて
いく。
■今回の事件と流れ
・ブレナンが法医学の権威たちが集まる場で基調公演を任される。
・会場には法医学の現場で使用する道具の売り込み業者たちで溢れて
おり、ジェファソニアンで使われれば確実に売れると考えていた人
は必至に売り込む。
・まるで関係のない犯罪小説家のテスが宣伝のために来ていたり、
アイデアを盗んで儲けているレオナなど、ジェファソニアンに
とっては逢いたくない人も多く、カムは確執がある現状に驚く。
・流石のブレナンも緊張する中で、公演の為に考えていたジョークを
語ろうとしていたところで火災報知器が鳴り、設備室が燃えて
遺体がある事を知る。
・消化器では消えず一時避難する中、金属火災が発生していたという
ことで消防士たちはD火災用の消化剤を使っていた。
・被害者は女性だと分かる中、ジェファソニアンのスタッフたちは
まさか調査が行われるとは思っていなかった為に、調査キットを
持参していなかったが、そこには沢山の売り込み業者がいたことも
有って、上手く活用していく。
・そんな中、ガンの進行で医療大麻を使っていたハズのウェンデルが
治験の末、寛解した状態であり、調査に関われる状態にあることを
知る。
・アンジェラは現場に出席したものの中でリストに居ない女性を
探り、顔写真と骨格から、被害者はレオナであることを掴んでいく。
・公演前に殺害されていた彼女は、ホッジンズとケンカしていたこと
も有った為に容疑者として扱われる。
■感想
今回は色んな確執が有ったり、確執の相手が殺されたことで
ジェファソニアンのスタッフが疑われるというものが有った。
ブレナンと対立していたテス役のNora Dunnは、S9-8に続いて二度目
の登場。
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=3418
ホッジンズと対立していたレオナは最初にして最後の登場だった
けど、大学時代にホッジンズのアイデアである埋まっている遺体を
探す臭い探知機を開発した際に、レオナがアイデアを盗んで
400万ドルを稼いだのだという。
ブースにして見ればホッジンズが人を殺すハズはないと思っていても
400万ドルという額からすれば殺す動機となりえることから取り調べ
は行われたけれど、ブースは形式的な調べだけですぐに釈放していた。
オーブリーとしては納得いかない感じだったけど、この辺は流石に
ブースの横暴な感じにも思える。しかもその関係者を捜査に加える
訳だからね。
ホッジンズは「殺人の容疑者として疑われのは3度目だぞ」と
語る中、「いっそ殺せばせいせいするな」とジョークが語られ、どんな
状況でもジョークを忘れないところはアメリカ人らしいところ。
また上述したようにインターンはたまたまこの公演を見に来ていた
のか、ウェンデルが参戦する。
ウェンデルの前回のエピはS9-20だった。
https://dramatimez.sakura.ne.jp/blog/?p=3896
この時のウェンデルは化学治療をして既に髪の毛も抜けている状態
だったので、今回ふっさふっさの髪の毛で現れた際にはちょっと
驚かされた。当時は医療大麻を使用しているので正式契約は出来ない
が契約社員として証拠に触らない限りの捜査協力は出来るとされていた。
その話を持ちかけたのもブースであり、今回ウェンデルが治験に於いて
12人居る治験者の一人が突然死亡したことを受けてナーバスになった
時にも勇気づけたのはブースだった。
ブースは自分が2002年、ガスニーの掌握を任された時に本部隊が到着
する際にタリバンが待ち伏せされて6日間釘付けにされて、15人に
いた仲間の兵士を一人ずつ殺されて残された3人になったことを語って
いた。ブースは面倒見が良いね。
■捜査
今回はほぼ一通り主要メンバーに容疑の目が向けられた。
マグネシウムやチタンが使われたことも有り、燃焼温度が高いので
証拠は全てかき消されるかと思われた。
・現場では血痕から見て燃やされる前から死んでいたことを突き止める。
・現場には靴跡が残っていた為に非侵襲製のポリマー樹脂を使って型ど
りをしていた。
・足跡からはオリーブオイルとキャノーラ油、食べ物の微粒子から
容疑者は厨房にいた人物ではないかとされる。
・炎で損傷が有り死亡推定時刻の特定は難しかったが、死斑や乳酸の
蓄積を見て火を付けられる1、2時間前には殺されていたのではないか
とされる。
・絆創膏
組織ではなくベトついたものが有るのを見つけたウェンデル。
恐らく絆創膏だろうとして、それをDNAで調べてもらうと、そこからは
ホッジンズのDNAが出て来た。
・胃の内容物の中にワインの澱が出てくる。
ハークネスが前の晩に一緒にいたことを指摘するが、消化具合から
深夜3時のこと。
・体の右側のキズが左側よりも深いので右利き。
左側の致命傷の方が弱いこと。右のキズなど狙いは正確じゃないこと
から、左手を使い慣れていない人が無理に左手を使ったのではないか
ということに。
・刺し傷に残っていた黒曜石。
ブレナンによるとアシュール文化の頃から武器として使われていた
という。マグネシウム火災で殆ど溶けていたが採取に成功。
テスの処女小説にこの武器が凶器に出てくること。
■面白いセリフ
・ピンセットと綿棒の素晴らしき世界へ
微粒子が残っている為になかなか骨を調べられないが為に、ホッジンズ
はウェンデルに手伝ってもらう際にこのセリフを語る。
・臓器の神様が微笑んでくれたみたい
軟部組織は全滅かと思われたが胃が残っていることが判明。
・微粒子を物なんて言うのは冒涜だ
ウェンデルの発言に対してホッジンズが語った言葉。
■結局
それぞれに色んな嫉妬や陰謀が渦巻く会議だった。
その場はまさに自分が大成する為の場であり、アピールする方としても
必至だ。
女性ならば男性と寝て仕事を取ることだって有りそうだし、
男性のオタク同士、技術力で競い合っているところがある。
その中でもカーターとフィッチは分野こそ違うが遺体の調査に於いて
自分の技術こそ必要なものとばかりに張り合う光景が有った。
究極の戦いはジェファソニアンの科学者たちに挑戦することなのかも
知れない。
遺体は巧妙に偽装されていたし、それを上手く見抜いていくところに
ジェファソニアンの凄さが誇示された格好だった。
硫酸と塩素酸カリウムとアルミホイルが検出された件で、ホッジンズ
がそのトリックを見抜いたけど、軽い実験の様にしてカムも巻き込んで
それらがどのように発火させて科学的時限装置を作ったのかを証明
させた。
自分が発明したナノ複合体が付着したリトリルゴムが検出されたり、
超疎水性のコーティングが検出、酸化マンガンとポリスチレンの
ナノ複合体が付着していたりと、発明が足跡になってしまうという
ところは皮肉だったかな。
■使用された曲
・
■出演者
テンペランス・ブレナン (Emily Deschanel) “ボーンズ”、法人類学者
シーリー・ブース (David Boreanaz) FBI捜査官
アンジェラ・モンテネグロ (Michaela Conlin) 骨格から似顔絵
ジャック・ホッジンズ (T.J. Thyne) 知識が豊富、実家が金持ち
カミール・サローヤン (Tamara Taylor) スミソニアン責任者、”カム”
ジェームズ・オーブリー (John Boyd) FBI捜査官
ウェンデル・ブレイ (Michael Grant Terry) インターン、末期
Dr.エドワード・ハートネス (John Billingsley) 全米法医科学会議理事長
オールダス・カーター (Gabriel Tigerman) 開発
Dr.ハワード・フィッチ (Sean Gunn) 開発
マリク・ハリス (Keston John) 厨房
Dr.レオナ・サンダース (Amy Davidson) アイデア泥棒、被害者
テス・ブラウン (Nora Dunn) 小説家
— (Helen Hong) Attendee
— (Amanda Troop) Attendee
— (Bob Brauer) Forensic-Academic Professor
— (Jacob Figueroa) FBI捜査官