第13話 囚われた少年 Quarry
脚本/ Jose Molina
監督/Constantine Makris
【ストーリー】
マンチは仕事が終わるとお先に帰るという。
クレイゲンはオリビアに対して自供は取れたかと問うと、9時間
かかったという。オリビア宛に封筒が届いていると言われる中
クレイゲンはコーヒーでも飲むかと問うと、目玉焼きとトースト
もお願いとジョークを告げる。
封筒を開けると写真と捜索時のチラシが入っていた。
『1980年3月22日消息を絶ったジェフリー・ロンソン。』
その名前を聞いてクレイゲンは敏感に反応する。行方不明児の
捜索のチラシと野球場の写真が入っているとし球場の隅にはバツ
印がついているという。
早速YANKEE CLIPPER PARKに行く。
失踪時、ジェフリーは7歳だったとし大がかりな捜査だったと
いう。当時の容疑者はルーカス・ビッグスで独立リーグの選手
だったと。少年への性的いたずらが趣味で失踪当時に一緒に
居たのを目撃されているという。彼は今バージニアの誘拐殺人
で死刑が確定していますねとオリビア。死刑執行は来週だという。
現場で調べていたメリンダは遺体が見つかった事を語る。地中
探知レーダーが反応した場所を調べた所、子供の頭蓋骨が見つ
かっていた。ユニフォームを着ていることからジェフリーだろ
うと。自宅からは近い場所だった。捜査が再開すれば死刑は延期
になるという。ビッグスの策略なのか。それならば協力者が
居るはずだという。写真を届けた人が協力者かも知れないが
何故それがオリビアの元に届けたのかというクレイゲン。
歯科記録からもジェフリーの遺体と一致したというメリンダ。
死因は首の骨折だというと、クレイゲンはヤツの手口じゃない
というと、ヤツの被害者は口を塞いで窒息死させられたという。
しかしメリンダは首の骨折は埋めた時の可能性も否定できない
事を語る。明日両親には連絡しようと。
そんな中エリオットに電話が鳴り、ディッキーが虫垂炎で入院
したと連絡が来たとして行ってしまう。
オリビアは万が一に備えて葬儀を監視するという。遺族にも話
をして承諾を得るとのこと。
12月10日(金)・ロイツ葬儀場
オリビアたちはロンソン夫妻にお悔やみを述べる。
関係者が多数参列に来る中、記帳した文字はモニター室で
監視しているルーベンとマンチの元にリアルタイムで届いて
いた。ルーベンによるとあのペンで書くとそのまま即座に捜査
記録と照合されると語ると、マンチはまるで魔法のペンだと
語る。
ロナルト・フーパーが記帳。彼は母方の叔父で当時はシアトル
在住だという。ディーコン・ブリン。近所に住む上級生で当日
被害者のジェフリーズを預かるが一人で返したという。つまり
生存時の最後の目撃者とのこと。クレイゲンはオリビアに
葬儀が終わり次第話を聞くよう告げる。エイブリー・ショウ
は野球チームの仲間だった。失踪の一週間後に証言していると
いう。被害者と話すビッグスを見て居るとし、彼は参列せずに
帰ろうとする。そこにオリビアがエイブリーに接触して話を
聞くことにする。エイブリーは昔の仲間とは会いたくないとし
親友に別れを告げに来ただけだとして写真を見せる。
写真にはディーコンの指が写ってジェフリーが不満を言っていた
という。ディーコンはいつも年下の僕らの面倒を見てくれたとし
家まで送ったりしてくれたという。ビッグスについて話をして
くれと頼むと、彼は”野球カード”のコレクターだという。変質者
には見えなかったとすると、オリビアは彼を信頼していたので
一週間も証言しなかったのかと尋ねる。証言すれば非難される
ことが分かっていたので怖かったとのこと。ディーコンのように
なると。
ディーコンから話を聞くオリビア。
何故あの日送らなかったのかと両親から叱られて自分を責めた
という。僕にジェフリーを預けて彼の家族は食事に行ったの
だという。当時13歳の僕は友人達と遊びに行きたくて一人で
帰らせてしまったのだという。ジェフリーの家族とは口も利い
てもらえないとのこと。あんな女を雇うのが寧ろ悪いのだという。
ビッグスの恋人・ビビアンがあの家の家政婦だったのだという。
オリビアはクレイゲンに特に葬儀では新たな証拠はなかったと
報告。バージニアに行って本人に話を聞いてこいというクレイ
ゲン。今更何の話を聞くのかと問うと、君に伝えたいことが
あるのかも知れないぞと。
12月10日(金)・サセックス州刑務所
ルーカス・ビッグスに逢うオリビア。刑事は何でもオレに罪を
着せるというビッグス。何処から来たのかと問われニューヨーク
だという。オレは来週には処刑されるという。ジャック殺しを
認めろと迫った刑事は君で13人目だという。幸運の数字だと。
恋人のビビアンはロンソン家で働いていたのは偶然なのかと
問うと、ビビアンを迎えに行くとジェフリーは裸で走り回ってた
という。入浴の最中でシャンプーの香りがしたという。しかし
好みの子ではないという。あの夜球場に行ったのでしょとし、
ジェフリーを虐待して殺したのではないかと問う。オレはやって
いないとすると写真を送ってきたのではないかという。来週の
金曜日に丸焦げになるのに送る意味があるのかと問うと、捜査
が再開されれば執行が延期されるという。すると彼は死ぬ覚悟は
出来ているのだとし「神に祈りを捧げ罪は許された」と語る。
オレはジェフリーは殺していないと語る。
12月13日(月)・ビビアン宅
12月14日(火)・鑑識課
12月15日(水)・ディーコンの部屋
12月16日(木)・キンバー・フォーク宅
12月16日(木)・罪状認否・第46法廷
——————————————————–
■今回の事件
仕事を終えてみんなが帰宅しようとしていた際に、突然オリビア
の元に送られてきた一通の封筒。
中には1980年3月22日に消息を絶ったジェフリー・ロンソンの
捜索チラシと、如何にも被害者が埋められているということを
示唆する野球場のある場所にX印がつけられていた。
ジェフリーは失踪当時7歳。容疑者は独立リーグの選手だったと
いうルーカス・ビッグスで失踪当時に一緒に居たのを目撃されて
いた。彼はバージニア州での誘拐殺人事件で既に逮捕され、
死刑執行も確定していた。しかも処刑日は来週。
メリンダらが現場を調べた結果、遺体が発見され、ジェフリー
であることを確認する。
しかし死刑執行時期からしてあまりにもタイミングの良い匿名
の通報から、幾つかの可能性が考えられた。
その最たるは、この事件が再び捜査ということになれば第一容疑
者であるビッグスの死刑執行が延期されるということ。
ビッグスがこの資料を送れないとするならば、共犯者の存在や
事件の詳細を知る人物がいることを示唆するものがある。
■ドラマでは2話連続の実話
12話と13話は実話を元にした内容だ。
死刑執行事件が取り上げるドラマは結構あるけど、意外と多い
のがえん罪事件で、執行までに新たな証拠と同時に解決出来る
かどうかというタイムリミット的流れが存在する中での捜査を
強いられることが多い。
今回のドラマは実話を元にした内容ということもあるので、
よりドラマとしての興味深さは増したかな。
このドラマの放送が2005年1月25日となっていることから、
1980年の事件を取り上げたとなると25年も前のことになり、
ちょっとした「コールドケース」的内容として描かれた。
■今回の捜査の中心はオリビアとクレイゲンとマンチ
実は13話の方を先に見ているのだけど、13話ではオリビアが
研修という名の下で事件捜査には加わらなかった。
今回はエリオットが突然息子のディッキーが盲腸で緊急手術
ということを受けて、捜査からは外れる。13話の中では
そのディッキーが出てきてエリオットと一緒に過ごす姿が有った
のだけどね。
今回はフィンも全く出ず・・
ホアンは久しぶりにちょっとしたプロファイル的なことを
語っていたけど、大きく関わり合うこともなかった。
こういう過去の件では、デジタルフォレンジック技術班の
ライアンとか、TARU Techのルーベン、そして何よりもメリンダ
のスキルが必要となってくるな。
■25年という月日
当時も相当大がかりな捜査を行ったとしていたけれど、
今回はかなり少ない人数で捜査を行っていた。
遺体が見つかったことで、葬式が行われることになり、家族の
ものとしては、事件の真相の究明以上に忘れたい気持ちの方が
強そうだった。25年間経過している訳で、決して忘れられるもの
ではないのだろうけど、触れられたくもないところがあるのかな。
何せ13歳の子にジェフリーを預けて自分たちは食事に出かけて
いたという罪悪感もあるんだろうね。
それにしても誰が封筒を送ってきたのか。
25年の月日は、当時のことを告白するには良い年月なのでは
ないかというところもある。
それを調べる為に葬儀場では筆跡鑑定をする為にルーベンと
マンチが監視している姿が有る。
その中でも不審な行動を取っていたのは少年野球時代、被害者
ジェフリーと親友だったエイブリー。
オリビアが声をかけた際には「昔の仲間に会いたくない」こと
を口にしていた。
■ちょっとした問題点
大抵の行動には何かしら意味がある。
エイブリーが事件の件でビッグスのことを通報・証言したのは
失踪してから一週間後のことだった。
また失踪日当日にジェフリーを預かっていたというディーコン
には、被害者宅で家政婦として働いていたという恋人のビビアン
がいることが判明する。
ビビアンが未だにビッグスの年金を引き出しているとしていた
けれど、年金がもらえる程働いていたのかな。
■貸倉庫には戦利品が・・・
ビビアンはビッグスの年金の一部を貸倉庫の賃貸料として支払
っていた。そこを調べたところ、野球の帽子が100個前後並んで
いる光景が有り、なんとそれはこれまで虐待の被害に有った
子供たちのものだった。
コワイのはそれら全ての臭いを嗅ぐだけで名前を覚えている所。
こういう小児性愛者のその辺の脳の仕組みがまるで分からない。
100件も有ったので全てはドラマでは聞けなかったけど、1977年
の6月1日の犯行が一番古かったみたい。
ウェンディ・モーガン、ペニー・ジャイルズ、フレディ・ルール、
ラリー・ジョーンズ、スコット・ロビンス、チャーリー・トーマ
ス、マーカス、ジョニー、ドニュー、ケニーetc…..
イーグルスの帽子は1980年3月2日・ニューヨークで行った
ディーコン・ブリンのものだと判明する。
ディーコンから事情を聞く中、後日彼の遺体が発見される。
■攻撃者への同一化
遺体発見の現場の証拠から次々と新たな証拠が判明する。
ガムにDNAが残っていてもおかしくはないと思うのだけど、指紋が
残っているというのはちょっと違和感があるな。鑑識課の
ライアンが指紋識別システムを使ってディーコンのものだとして
いたことで、ジェフリーを殺したのは彼ではないかとの疑いが
出るが、彼は既にこの世にはいない。
マンチが語っていた。
「被害を受けた怒りをより弱いモノに向ける”攻撃者への同一化”
だ」と。
■ディーコンの遺体の検視
ディーコンの妻・ジュリアから事情を聞く。
ジュリアのアリバイは息子と共に閉店までピザ店にいた
こと。10時過ぎに帰宅して、夫の携帯に電話したこと。
実はジュリアはディーコンには浮気の疑いが有ったとし、
半年前から家を出て、前に住んでいた部屋に行っていたこと
が分かる。
ディーコンの部屋からは脅迫状が届いていて、
「罪を償うときだ」「真実を暴く」「幸せな家庭はやがて崩壊
するだろう」などの文言が書かれていた。
マンチが発見したメモの中に「今度は私がお前を奪う」と書か
れていたことから、ディーコンが虐待されていた事実が
何者かによって判明していた事が分かる。
ディーコンと当時一緒に居たのはエイブリーだったこと。
■エイブリーの苦悩
ディーコンはビッグスに虐待され、そのディーコンはエイブリー
を虐待していた様だ。エイブリーはキンバー・フォーク宛てに
定期的に1千ドルを送金していたことが判明。
セオという息子がいて、エイブリーの子だと分かる。
エイブリーは捕まり、自分がディーコンを殺したことを認める。
ディーコンの悪事を止めたかったとし、反省しているかと思えば
未だに子供を傷つけているという。彼の部屋には相当ビデオ
が残されていることが判明する。
■虐待の連鎖
これは切ないけど、虐待されたものは虐待する構図ができあがり
一連の事件はビッグスという人物がこの街に存在して、子供
たちに毒を与えたことによって、それが伝染していったという
内容だった。
ただ最後にはビデオが今でも室内で録画されていたことが判明
し、それを調べると、エイブリーは銃を持ってディーコンを殺
そうとしていたけれど、それが出来ずにいて、銃を置いていった
ことが判明。
そしてその銃を使用したのが、ディーコンの妻のジュリアだった。
ピザ店では息子から父親に虐待されている事実を聞いたこと。
通報すると脅したジュリアに銃を向けたディーコンの隙をついて
銃を奪って殺したというのが顛末だったようだ。
■オリビアの不安
最後にまたエリオットが大して今回登場しなかったのに良い
ところを持って行った感じ。
オリビアとしては自分の出生の件から悩んでいることを吐露する。
「父親になる前に不安ではなかったのか?」(oli)
「今でも不安だよ」(eli)
「あなたたちは立派な親よ。酒と虐待で出来た遺伝子の私とは
違う」(oli)
「でも立派に育った。遺伝子は関係ない。ただ子供を愛せば良い」(eli)
■使用された曲
■出演者
エリオット・ステイブラー (Christopher Meloni) 刑事
オリビア・ベンソン (Mariska Hargitay) 刑事
ドナルド・クレイゲン (Dann Florek) 主任警部
ジョン・マンチ (Richard Belzer) 刑事
? (Steven Zirnkilton) Opening Announcer (voice)
オダフィン・チュツォーラ (Ice-T) “フィン” 刑事
メリンダ・ワーナー (Tamara Tunie) 鑑識
ジョージ・ホアン (BD Wong) FBIにも精通する精神科医
ケイシー・ノバク (Diane Neal) A.D.A 検事補
ライアン・オハロラン (Mike Doyle) Forensics Tech
レナ・プトロフスキー (Joanna Merlin) 判事
ルーベン・モラレス (Joel de la Fuente) TARU Tech
エイブリー・ショウ (Michael Shannon) 野球仲間
ディーコン・ブリン (Terry Serpico) 近所に住む上級生、目撃者
ジュリア・ブリン (Angelica Torn) 妻
ジーク・ブレン (Jack Pavlinec) 息子
クレオ・コンラッド (Jill Marie Lawrence) エイブリーの弁護士
ルーカス・ビッグス (John Savage) 死刑囚
テリー・ロンソン (Bill Buell) ジェフリーの父
リン・ロンソン (Suzanne Grodner) ジェフリーの母
キンバー・フォルク (Julie Lund) エイブリーの恋人
ビビアン・テイト (Kathryn Rossetter) ビッグスの元恋人
— (Corey Carthew) ESU Leader
ジェフリー・ロンソン () 7歳、被害者
ロナルド・フーパー () 母方の叔父