第17話 約束された名声 Pay to Play
脚本/Andrew Dettmann
Steve Cohen
監督/Alex Zakrzewski
【ストーリー】
「ヒップホップアルバム1148枚、総売上36億ドル、ラジオ局186局、
アーティスト3人」。
ハンター、SBY4は所属するレコード会社のセンター・マス・レコード
社長のブランチャードの誕生日の為にパーティー兼ライブを行う。
社長がステージに上がると、君らが居たから今があるとして、
センター・マス・レコードの基礎を作りビジネスチャンスを作り、
注目を集めてくれたスターだと称賛する。そんなステージにデレクが
乱入してくると、魂を売り渡した偽物たちだとして争いに発展する。
彼もラップ歌手だった。ボディガードのキロが何とか止めるが、オレには
テクがあると主張してデレクは立ち去る。社長は客たちにみんな
楽しむ為に来たのだろうとして再び盛り上げる。
アミタは両親に会いにいく為に用意していた。
110号線と105号線で行くべきかと問うアミタに対して、アランは
ドジャースはヒューストンだしラッシュには早いのでその道で大丈夫
だろうと語る。チャーリーは凝集速度の密度関数でメゾスコピック型の
交通シミュレーションをしようか?と語る。僕も一緒に行かないで良い
のかと問うと、両親も長旅で疲れているだろうし明日にした方が良い
と語る。どうせ明日には会えるのだからと。
ロバート・ハンターは社長のパーティーライブが終わるとローランド
にこのまま帰宅すると語る。するとハンターは停まっていた車が急に
走り出し、突然ハンターが乗った車に銃を乱射して逃げられるのだった。
コルビーはリズが事件現場にいるのを知ってどうしてここに来たのか
と問う。ドンもやってくると被害者は?と尋ね、センター・マス・レコ
ードの売れっ子ラップスターだという。会社自体この半年麻薬捜査班の
監視対象だったのでリズも来ていた。しかし麻薬が事件と関係している
のかは分からないという。
駐車係によると犯人は車をアイドリングしていたとし、被害者が車に
乗るのを待っていたのだという。ナンバーは見て居ないとのことだった。
そんな中規制線を抜けてやってくる女性・ニーナの姿が有った。
私の夫が殺されたのだとしてやってくる。
リズたちは彼女から話を聞こうとする。犯人に心当たりはあるのか。
夫はマジメでギャングのマネをしたこともないという。捜査協力を
して欲しいと頼むが、あなたたちに何が出来るのかとして、私は葬式
の準備をしなければならないのだと語る。
コルビーはプレイヤーが2つ被害者の車から見つかった事を語る。
再生して見るが音楽ではないというリズ。
チャーリーはそのプレイヤーのデータを見て暗号化コードは単純だと
して類似解析文字メトリックだと語る。アルゴリズムみたいなもの
なのかと問われると、複合システムの中から共通点を見つけ出す
ソフトで、盗作探知プログラムとかで使用されるものだと語る。
本など二つのシステムを比べて盗作かどうかを見つけられるというもの。
ラップスターが何をしていたのか。
ハンターは妻が言う通りクリーンだったとし、暴力的でも挑発的でも
なかったというデビッド。
発砲事件の現場に聞き込みに行くコルビーとリズ。
トラヴィス・トリットのファンならもっと協力的なんだろうけどと
コルビー。コルビーはリズが担当で嬉しいと語る。そこにSBY4がやっ
てくるとハンターに必ず敵を取ってやるという。内輪揉めは中で片付ける
とのことだった。ハンターはパーティーのごたごたから殺されたのだ
とし、今度は仕返しする番だという。これが命輪っかというものだと。
パーティーで何が有ったのかと問うとあの場にいないと分からないと
いう。
リズはコルビーはブランチャードに遭いに行く。
経済的損失が大きいのではないかと問う。射殺されたことで皮肉だが
3週間後に発売するアルバムは大ヒットするだろうこと。2BY4が復讐
しようとしているとし、もう一人失うことなると語る。カンハラに休憩
しょうと語ると、ブランチャードは控え室にFBIたちと三人だけに
なり、デレクを調べろという。キレやすい三流ラッパーでしつこく売り
込みに来ていたヤツだという。大勢のものが携帯やビデオで動画を
取っているだろうからパーティーのものを探すと良いと語る。
■概要
・ラップスターの社長の誕生パーティーのライブの後で、ラップ
歌手の一人・ロバート・ハンターが殺害される。
彼はセンター・マス・レコードで2BY4と並んで人気で収益の柱であり
衝撃が走る。
・ハンターを殺したのはライブに乱入してきたデレク・レインズだろう
としてレコード会社の所属アーティストはいきり立ち今にも復讐の
連鎖が始まろうとしていた。
・聞き込みしている最中にそんなデレクが撃たれ、更にニーナもまた
車に乗った瞬間リズの前で爆発死する。
■感想
色々と切ない一方通行の連鎖って感じのエピソードだったな。
コルビーはリズに好意を寄せて言い寄る姿が有る。
冒頭ではコルビーはリズと一緒に仕事が出来てやりやすいと語るが
リズの方は逆だと言っていたのに、最後にはちゃっかり一緒に
酒を飲みに行く姿が有る。
また今回はミーガンと連絡が取れないようになり、しきりにドンが
心配する姿が有った。コルビーに何度となくミーガンのことを聞いた
り、ラリーにも聞いたけど、ラリーはニューヨークに行っている
ことを知っている様だけど、それ以上のことには言及しなかった。
そして何と言っても今回はアミタの両親にチャーリーがようやく会う
ことになるも、ディナーの席ではアミタの母はチャーリーに良い男だ
としながらも、カピルという人物をディナーの席に同席させて
アミタを結ばせようとしていた。
後にチャーリーがどんな人物だったのか知らなかったとして、心配して
いた事を告げ、彼らはアメリカ育ちとはいえインドのデリーでの仕事が
多いことも有ってアミタを心配している姿が見て取れた。
チャーリーはカピルに嫉妬して、アミタとの間に入れない感じを受けた
としていたけどカピルはゲイであり、それを知らずにディナーを取った
為にずっと気分が悪かったことを語る。
アミタが最後にクッキーを焼いてきたけど、
「僕の苦しみはクッキーじゃ癒えない」というチャーリーの姿が有る。
■捜査
罵り合いから殺しに発展するなんて事件が過去には現実に起きている
ので、そのパターンかに思わせて、実際には不正しているレコード
会社が隠蔽工作のために殺したという顛末だった。
ラップ/ヒップホップ歌手同士の対立関係の構図が有り、大抵ストリート
でギャング出身も多いので、出世のためや金の為に蹴り落としたり
蹴落とされたり、そしてプライド有りで、日本では考えられないけど、
日本も殺し合いはないけど、事務所同士、裏ではこのドラマで行われて
いるようなことは確実に起きているよな。ライバルの歌手を蹴落とす
為にテレビ出演を阻んだり、共演NGにしたりして・・
今回の事件の背景には二つのプログラムやデータの解析が有り、
いずれもハンターが持っていたものだけど、彼は果たして何をしようと
していたのかということになる。
偏見かも知れないがラップ歌手がこういうプログラムを使って類似解析
をしているというところは驚きだし、
「音楽は理屈抜きの主観的なもので、方程式で決まるはずはない」
というコルビーに対して、
「あるリズム、キー変化には一定のコードパターンが存在する」
として人の好みのパターンが有ることは否定出来ない事実として存在
していることを語っていた。
コード進行のパターンは限りがあるので似たような曲が出来てしまう
のは仕方が無いなんてことを言われることが有るよね。
■チャーリー先生
・凝集速度の密度関数
アミタが渋滞を気にしていたので、チャーリーはメゾスコピック型の
交通シミュレーションでもして調べようかと語っていたけど、そんな
のはきっと今時のカーナビには標準装備されていることだろう(笑)
・類似解析文字メトリック
殺されたハンターが所持していたのがこのプログラムだった。
彼はまだ分析こそしていなかったけど、比較しようとしていた。
分析はハンターのものと2BY4のものを比較しようとしていたけど、
何故2BY4の曲が売れるのか不思議だったようだ。
盗作の問題かと思わせたけど、売れるものと売れないものの違いを
調べていたのだろう。ハンターの友人のデレクが売れないで、2BY4の
曲が売れていたことに疑問を感じていた様子。
ヒット予測プログラムと称して、デビッドのチョコバーとリズの豆腐
チップスを引き合いに出していた。
・ハドロンコライダーのデータ抽出
ラリーがチャーリーに手伝ってくれと言った時のセリフ。
しかし彼はFBIの仕事とアミタの両親と会うことで頭がいっぱい一杯だ
として断っていた。
・グレブナー基底
ハンターのパソコンの中に入っていたHDDのデータが爆発によって
データの全てが取り出せない為にこの理論を使っていた。
データが全て揃っていなくても不明情報を推測して割り出すというもの。
一部の情報が欠けていても全体の絵が見える。
その際巨大ディスプレーのことを引き合いに出していた。
・ゲーム理論・孫子・兵法
アミタの両親と会うということで、どうやって攻略すべきかとチャーリー
は頭を悩ませ、これらの理論で攻略しようとしていた。
■その他
・爆弾が使用される
ニーナの車に仕掛けられたのは高性能爆弾ではなく、イグニッションに
繋がれていてキーを回すと爆発するというもの。
・保護を頼む、連行してくれ
2BY4がコルビーたちに強がっている割りに、助けを求めて来たこと。
デレクに狙われているとし、犯人はキロだということを話した様だ。
・キロはチャーリーの本を読んでいた
ラッパーという常識外のことが色んな面で現れた話だったね。
キロがチャーリーの本を読んでいたという事実もまた意外性の有る
ネタ。友情と数学のラップでも歌ったらどうか
言われていた。
・デビッドとデレクの不思議な絆
ネタとしてはリズが主人公っぽかったけど、デビッドが美味しい所
を持って行ったかな。デレクを説得したのはデビッド。デレクが
逆上して社長を殺すのかと思ったけど、人質に取り会話する中で、
彼が殺しを指示した証拠や不正会計・ラジオ局を買収して2BY4の曲ば
かり流していた事実を語らせ録音していた。
■使用された曲
・Lolli Lolli (Pop that Body) by Three 6 Mafia
■出演者
ドン・エップス (Rob Morrow) FBI捜査官
チャーリー・エプッス (David Krumholtz) 数学者
アラン・エップス (Judd Hirsch) 父
デビッド・シンクレア (Alimi Ballard) FBI捜査官
ラリー・フラインハート (Peter MacNicol) 物理学者
アミタ・ラマヌジャン (Navi Rawat) 学生
メーガン・リーブス (Diane Farr) FBI捜査官
コルビー・グレンジャー (Dylan Bruno) FBI捜査官
ロビン・ブルックス (Michelle Nolden) 連邦検事補
リズ・ワーナー (Aya Sumika) FBI捜査官・麻薬取締班
デレク・レインズ (Dorian Missick) ラップ歌手
ニーナ・ハンター (Susan Kelechi Watson) ロバートの妻
2BY4/セオドア・デューレンバーガー (John Paul Pitoc) ラップ歌手
キロ (Lester Speight) センター・マス・レコードの守衛
サンジェイ・マラヌジャン (Brian George) アミタの父
タプティ・ラマヌジャン (Gita Reddy) アミタの母
本人出演 (Three 6 Mafia)
ブランチャード (Richard T. Jones) センター・マス・レコード社長
— (Mustafa Shakir) Crew Member
— (Chris Kelley) Crew Member
— (Derrick Williams) ミュージシャン
カピル (Frank Maharajh) アミタの幼なじみ
— (J. Kristopher) Bouncer
— (Ashley Wilkerson) Hip Hop Star