第7話(17) 姫の秘め事 A Marriage of Inconvenience
監督/Edward Bennett 脚本/Steve Bailie
【ストーリー】
馬車を走らせパリへと向かうルイーズ姫。マントヴァからの長旅で
少し身体を動かしたいとして馬車を止める。道中彼らを警護している
のは銃士隊だった。ダルタニアンはあと1時間もすればパリに到着する
という。陛下とは子供の時に遭ったきりだというルイーズに対して
アトスはほぼお変わりないと皮肉る。スウェーデンのこと、誰か何か
ご存じかと問うとアラミスは雪が多くて寒い国というイメージだという。
ルイーズはそこで暮らすことなるとし、イタリアの日差しが恋しくなる
と語る。
そんな中トウモロコシ畑からは刺客が現れてルイーズたちを襲う。
ルイーズの従者のフランチェスコは姫をかばってケガをする中、
銃士隊が何とか全滅させる。ポルトスは倒れた盗賊の持ち物を探ると
スペインの金が入っていた。これは偶然に襲われたのではないという
ポルトス。
姫たちはパリへ到着。しかしジャケム大司教な遭う前に彼女を
銃士隊の兵舎に連れて行きトレヴィルに相談する。途中で襲撃を
受けたこと。スペインの金貨を持つ連中だという。フランスが
スウェーデンと手を結ぶのがスペインには我慢が成らないのだろう
と推察。まだ姫は危険かとするが、ここはパリなので危険は及ばない
と語る。一息ついたらジャケム大司教の元へ行きましょうと。
フランチェスコは姫の従者失格だというが、僕らが姫を守るとダル
タニアンは語る。
ロシュフォールはバルヴィル公爵に逢いに行く。
陛下の従姉妹のマントヴァのルイーズ姫がスウェーデンの王子に輿入れ
すること。銃士隊の護衛でもうすぐ来る事を語る。
ロシュフォールは覚えているかとして、これは顧問海馬でスペインから
身代金要求に応じないと決めた時の記録だという。牢獄にいたオレは
釈放がかかっていたのだという。すると公爵はご理解頂きたいとして
当時の複雑な事情が有ったのだという。顧問会議はオレを切り捨てたと
して何故だというロシュフォール。私はリシュリュー枢機卿に従った
だけだという。どうして枢機卿は忠実な部下を無下に見捨てるのか?と。
精神的に万全ではないと見て居た節があるとしていたという。
オレは5年間生き地獄を味わったというと、それがルイーズと何の関係
が有るのかという公爵。あんたに一番に知らせたかったとし、彼女の
結婚は色々と遭って頓挫すること。陛下はご存じなのかと問うと、顧問
会議にかけないといけないとし、スウェーデンとの関係強化は最優先事項
だという。残念だが計画は変わったのだとしてロシュフォールは
公爵を刺し殺す。
ジャケム大司教はルイーズに対して、この結婚に神の祝福を、神の下僕
ルイーズが子供に恵まれますようにと語る。フランスが強力な統一
国家になるかは結婚にかかっているという。結婚して幸せになると
いうルイーズに対して、幸せは身勝手な願望だとし、務めを果たすこと
を考えないといけないという大司教。
そんな中二階からルイーズと大司教を狙う刺客の存在がいた。
矢が放たれるがたまたまルイーズは段差に躓いた為に、その矢はルイーズ
を超えて大司教の喉に突き刺さる。
黒いマントの男が逃げるとダルタニアンはすぐに追いかけるが、男は
城下町を行き交う人々の間に消え去ってしまう。
犯人がクロスボウを使った場所を調べるとこれはよく寝られた計画敵犯行
だと語るアラミス。この距離だとマスケット銃よりもクロスボウが
正確だという。
ロシュフォールがやってくると、またしても銃士隊がいるにも関わらず
目の前で大司教を殺され、更に犯人を逃がすとは流石だなと嫌みを言う。
ルイーズがたまたま足が滑ったお陰で無事だが狙われたのは姫だという
アトス。誰かが結婚を止めたがっているのではないかと。ここに姫は
泊められないとし、ルーブル宮殿に連れて行こうというロシュフォール。
アトスは矢を見ると特注品で最上の鋼が使われているという。短い矢尻
と貫通力、暗殺者の武器だと。古い武器だが確実に殺せること。
トレヴィルはそこまでのものを作れるのはパリには5、6人だという。
ポルトスはその中でスペインの為働くのは一人だけだという。国と陛下
を恨んでいそうな人はブーシュだとし、ポルトスはラ・ロシェルの包囲
戦を生き残った新教徒だという。アトスは話を聞こうと語る。
ルイはミレディをここから追い出しルイーズとも遭わないようにしろと
語る。ロシュフォールは結婚に反対されているのはと問うとばからしい
という。みんなで歓待しているとし、スウェーデンに送り出せと語る。
午後からは顧問会議に出て行かないといけないとし、デュプレ大法官が
わざわざお見えになるという。
ルイーズはアラミスに偶然じゃないんでしょと問うが憶測は無意味な事
だと語る。ここはフランスで一番安全だという。マントヴァが恋しいと
呟くと幸せだったとし、結婚は死刑宣告ねと語る。
コンスタンスはダルタニアンに話があるとし、夫に使いを送ったとして
私たちのことを打ち明けるという。ダルタニアンは自分がいくというが
これは筋を通す為にも私一人で言わなきゃいけないことだという。
姫の護衛の方を頼んだわと語る。その光景をルイーズは見て居た。
ロシュフォールは遺体を隠す中、マルグリットに対して理解出来ない
と語る。良縁を求めて宮仕えしているのでないのかとし、何故私に君の
秋分を暴露させるようなマネをするのかと。マルグリットはそれだけは
勘弁して欲しいと語る。私だってそんなことはしたくないとし、あんな
要求応じられないという。私は王妃の様子を教えろと頼んだだけだとし、
結果を出さないということは、つまり父親にバレても良いということ
だろうと。父には酷だと語る。ロシュフォールはもう一度チャンスを
やるとし、アラミスの十字架のペンダントを取ってこいと語る。
■概要
・ルイ国王の従姉妹のルイーズ姫がフランスとスウェーデンの和平
協定の意味を込めてスウェーデンの王子と結婚することになる。
スウェーデンに渡る前にルイーズはカトリックの大司教に有って、
子宝の祈願をしてもらう。
しかしその裏で何者かがルイーズの命を狙う影が有り、バルヴィル公爵、
ジャケム大司教、そしてデュプレ大法官の命が狙われる。
・一方コンスタンスは覚悟を決めてダルタニアンと結婚することに
決めたことも有り、夫に離婚を申し出るが、夫はそれを許さずに
コンスタンスに侍女を辞めて戻れとして、命令に背く妻を殴る。
・ルイによってルーブル宮殿を追い出されたミレディ。
■感想
もの凄く色んなことが含まれるエピソードでしたね。
過去の清算スペシャルみたいな感じになるのかな。
王族なので親戚は多いのだろうけど、ルイ国王とルイーズ姫が会わない
というのが意味不明だった。
冒頭からルイーズが国王と遭ったのは子供の時以来と語ったのに対して
アトスが大して変わってないとする流れは、子供のまま大人になったと
する皮肉を込めたのだろうけど、展開上、そのまんま伏線として示唆
しているところが大きかった。
何よりも今回は愛憎劇が強く展開上関与し、
・アラミスとマルグリット
・コンスタンスとダルタニアン
・ミレディとルイ
・アンヌとロシュフォール
これらが互いに愛情を掴む為、自分の利益の為に他人を利用するという
展開が大きく描かれた。
特にアラミスのマルグリットに対する別れ方は、なんだか納得出来る
ものなのかどうかイマイチよく分からず、
「このまま続けるのは無理。君は多くを失うし僕じゃ幸せに出来ない」
「ここまで良い関係で来られた。今なら相手を思いやりながら別れられ
る。傷ついてからじゃ遅い」
とアラミスが一方的に語っていたけど、この人どんだけ身勝手な論理
で動いているんでしょうか。それとも遊びの関係だというのは最初から
納得の関係でことを運んでいたってことなのかな。
この主張をコンスタンスがボナシューに言うのであれば分かるんだけど
ね。
■弱みを握る
何と言ってもこの時代でも情報戦は大切な要素。
ロシュフォールはマルグリットを使って色々と諜報活動したり、
彼がスペインに潜入していた時代に助けてくれるハズのフランス国
の要職に就くものたちが、逆に助けようとしない証拠が顧問会議の場
で行われていたことを知る。
フランスの為にしてきたロシュフォールだけど、裏切られた感じは強い
のかな。元々彼の精神的不安定さが生じていたのか、それとも5年間に
渡る牢獄生活が精神に異常を来したのか。
それ以外にもアンヌの為の意味も多く含まれていると思うけど、彼は
ルイからアンヌを取り戻すみたいな妄想は無いのだろうか。
今回の彼はルイ国王からの寵愛を受けて、高い役職に就くというのが
夢のように語られていた。
ロシュフォールはアラミスがしている十字架のネックレスに気がついた。
元々アンヌのものだということを知っていて、それをアラミスに
持っていて欲しくない意図は有ったのだろう。
一連の事件で犯人に仕立てる為に盗んだのかと思ったけど、結局返還
して再び様子見なんですね。
■様子見と言えば・・
ミレディが重要な場面に居合わせたりして、いつでもこの流れを止め
ようとすれば止められる感じはしたけど、彼女の動物的直感によって、
一連の事件は利用出来るものとして計算高くはじき出す流れが有った
のだろう。
ミレディを追い出す際に、持ち物を全て奪ったロシュフォールに対して
私を敵に回さない方が良いとしていたけど、彼はそれを一蹴した。
最後にルイーズに扮していた ソフィア・マルティネスから協力者は
ロシュフォールだったこと。ロシュフォールに一連の計画を指南
したのがバルガスであること。
問題はそういう意図をミレディが知ったけど、ロシュフォールが
それに関与しているという証拠がない。
■都合良く亡くなったボナシュー
ソフィアはダルタニアンを気に入っていたので、暇が有ればボナシュー
を殺してあげたのに・・と語っていたけど、結果的に矢で彼を射ること
になった。帽子を忘れて取りに行ったところで暗殺しようとするところ
を見てしまった為のもの。
フランチェスコがトレヴィルに襲いかかる瞬間というのもミレディに
よって見られているし、暗殺者という割りに失敗が多い。
■トレヴィルは回復するのか
16世紀の医療技術がどうかは分からないけど、一応消毒の概念はある
ようで・・・。
しかも肺に水が貯まっている状態だとして、チューブでそれを取り除く
手術などをしていたけど、内臓を傷つけてしまったトレヴィルは回復
することが出来るのかな。縫合するとは言っていたけどね。
そしてトレヴィルは死を意識する中で、ポルトスに対して回復したら
父親のことを話すのでもう少し待って欲しいと語っていた。
ということは回復するのか。それとも結局全ては聞けずに死んでしま
ったりするのか。
■出演者
アラミス (Santiago Cabrera) 銃士、剣の腕、色男
アトス (Tom Burke) 銃士、リーダー、剣の一番の使い手 、ラ・フェール伯爵
ダルタニアン (Luke Pasqualino) 銃士の一人
ポルトス・デュ・ヴェロン (Howard Charles) 銃士、パワー、情熱
トレヴィル (Hugo Speer) 銃士隊長 (s2-4で隊長をクビ)
コンスタンス・ボナシュー (Tamla Kari) 下宿屋の女主人(s2から女王侍女)
ジャック・ミシェル・ボナシュー (Bohdan Poraj) コンスタンスの夫
ルイ13世 (Ryan Gage) フランス国王
アンヌ王妃 (Alexandra Dowling) フランス王妃、スペインフェリペ王の娘
ロシュフォール (Marc Warren) 伯爵、リシュリュー枢機卿の腹心
ミレディ・ド・ウィンター (Maimie McCoy) 元アトスの夫人、元泥棒
マルグリット (Charlotte Salt) 王妃の付き人
フランチェスコ (Ben Starr) ルイーズの従者
ルイーズ / ソフィア・マルティネス (Perdita Weeks) マントヴァ在、ルイの従姉妹
バルヴィル公爵 (Nicholas Blane)
ジャケム大司教 (Laurence Kennedy)
— (Andrew Westfield) Boucher
ルメー (Ed Stoppard) 外科医
— (James Joyce) アルノーの使用人
デュプレ大法官 (Tony Guilfoyle)
アラベラ (Chelsea Grant)