第18話 翼 Foundation
脚本/Jim Clemente
監督/Dermott Downs
【ストーリー】
アリゾナの山道を帰宅に着く夫・マットと妻・エマと息子・アダム。
運転しているマットは少し眠いので車を駐めて外の空気を吸ってくる
という。マットはイタズラ好きで、突然消えたり、バッテリーがあがって
エンジンがかからないと嘘をつく。しかしそんな中、突然ボロボロに
なった男性が助けを求め傷だらけの状態で現れる。
ガルシアは深夜にみんなに謎めいたメールを送ったことを謝罪する。
「詳細は機内で・・」と書いて送ったものだった。
ガルシアは2時間前に地図に載っていない場所で少年が発見。
アリゾナ州クロフォードの外れで、何処かに監禁されていたのだという。
足に切り傷がいっぱい。多分道端脇に生えているサポテンで切った跡
で、足首には鎖で繋がれた跡があるという。
隙を突いて逃げたのかというモーガン。プレンティスはまたは何処かに
運ばれる途中だったのではないかという。JJは目に黄疸が出来ていると
し、ずっと光に当たっていないことを意味しているという。プレンティ
スは年齢は13歳くらいかと。リードはその辺で行方不明の子はいるのか
と問うとホッチはフラッグスタッフで少年が行方不明になったという。
そう遠くは無いというロッシは関連があるだろうと。アリゾナは誘拐
発生率が全米で最低なのでこの二件が関係しない可能性の方が低いと
語る。
誘拐特捜班が現地で待っているというガルシア。
フラッグスタッフの少年はビリー・ヘンダーソン(13歳)。友人宅に
夕食に呼ばれて戻らずだというと、まず保護された被害者から話を
聞くべきだというモーガン。ホッチも同感だとして、モーガンとJJは
病院で助かった少年から話を聞いて、残りは警察に直行だと語る。
犯人は逃げられて同様しているならビリーに何をするか分からないと。
ロッシとプレンティスは夕べビリーは自転車で帰ったことを確認。
自転車が見つかって居ないことから犯人は足取りを隠す知恵があると
いうロッシ。しかも治安の良い住宅街で子供をを浚う気の強さがある
というプレンティス。友達の家を出たのが午後8時20分。自宅まで1km
足らずの距離だという。最初の被害者が監禁されたのはクロフォード
で間違いないとし、今朝クロフォード警察に来た女性が夕べ見つかった
子供みたいに鎖に繋がれた男の子を見た事が有ると言っていたという。
30年前のクロフォードのこと。サマンサ・アレン(通称:サム)(36歳)、
独身で生まれも育ちもクロフォードだという。職業は植木の栽培と販売
だという。5歳で母を亡くして父は土地の開発業者だというガルシア。
ロッシにサムについて調べて欲しいというホッチ。我々は警察に
行こうとリードに語る。
ラーソン医師はモーガンとJJと遭う。
被害者の子は傷も見せないし近づけない状態で、極度の条件性情動反応
だという。ベトナム帰還兵並でPTSDよりも深刻だというJJ。光と音に
敏感だろうとモーガン。足の関節炎が酷く発育が止まり、虫歯と肌荒れ
が酷いという。これはビタミンD不足。大体推察して16歳の子だという。
モーガンとJJ、2人は少年がいる部屋にいく。
暗い部屋の中子供はテーブルの下に隠れていた。
モーガンとJJはもう安全だとし、メシも美味そうだぞと語る。
相当長い間捕まっていたなとし最低10年は遡らないといけないと語る
モーガン。
ペレス刑事はロッシとホッチに会う。
少年の逃げてきた経路はたどっているし、ビリーの自転車を追っている
チームも居ること。ビリーの両親が現在署長室に来ているという。
リードはカメラ映像からサムは警察に来た時、この棚を見て動揺して
いたことを語るとペレスは殆ど亡くなっている人たちたという。
この写真は前の署長と警察署の建設を請け負った会社でJBアレン、
サムの父だという。
サムの元にロッシとプレンティスが訪れると、今日警察に行ったでしょ
と語る。父の写真を見て気が変わったのかと問う。昔鎖に繋がれる男
の子を見たのでしょ?と。何故父親が関与していると思ったのかと問う。
父は立派な人だとし、あれは勘違いだったという。夕べ発見された
男の子のニュースを見て何か思い出してきたのではないかというプレン
ティス。知って黙って居れば加害者に手を貸すことになるという。
サムは犬のランディを呼ぶ。
モーガンは少年に対してアイツが怖いんだろうとし、ドアの外にヤツは
いないこと。ヤツは君に会うにはオレを倒すしかないがオレは絶対に
倒れないと語る。
■概要
・アリゾナ州のクロフォードの外れで帰宅途中の親子がボロボロの
男性が道に現れたのを知りすぐに警察に知らせる。長年にわたって
監禁されていたであろうこと。状態を見て少なくとも10年は監禁され
ており、医者の話ではPTSDよりも酷く、一言も話さないという。
JJとモーガンは何とかして少年の心を開かせる為に近づいていく。
・一方捜査ではクロフォードから100km離れたフラッグスタックで
13歳の少年ビリー・ヘンダーソンが友人宅から帰宅しない事件が発生。
・そんな状況の中、サマンサ・アレンという女性が過去に鎖に繋がれ
た男の子を見た事が有るが記憶は曖昧でハッキリしていなかった。
■感想
今回は難しいようで簡単なようでやっぱり難しい事件でしたね。
誘拐事件でも手がかりがないとなかなか見つけようがないと思う
し、いつものように殺人事件として、事件発生のインターバルが短く
なっている・・・なんて事にもなっていなかったことも有って、
新たな証拠が出てくるなんてことが無いんだよな。
アメリカの場合、土地が広大なので地下室に閉じ込められたり人里
離れた場所で拉致されたらなかなか見つからない部分が有る。
周りの人たちの監視の目というのが頼りにならざるを得ないのだろう
が・・
しかし冒頭からいきなり少年事件だったからでしょうか。
ガルシアが深夜に謎めいたメールを送ったところから始まったと
していたけれど、緊急性を要するからだったのかな。
アンバーアラートは確実に発せられていると思うけど、こういう田舎
でそれが鳴っても果たして気がつく人が居るのかどうかだよね。
■捜査
今回はプロファイラーとしての作業というよりも、心理的カウンセラー
としての行動で事件に挑んだ感じ。
プレンティスはサム・アレンに対して、なんとか記憶に残されている
30年前の真意を探る為に手を変え品を変えアクションを起こしていたし
モーガンは発見された被害者の心を開くためにあらゆる方法論を使って
接近を試みる。
まずは相手に話をさせるということが一つの解決への方法なんだよね。
ただ気になるのはサムは30年前の記憶だとしていたけど、エンジェルは
30年前の人ではない。
サムが見たとする30年前から少なからずそういう行為が行われていた
とすると、どれだけの被害者が居るのかな。
妻を亡くした悲しみの受け取り方は人それぞれ。
母親を亡くしたサムはカウンセリングを受けたとしていたけど、まだ
幼少期のことだったので、それ程のダメージを受けなかったのかな。
幼い頃には父親が必要だった為に告発することは出来なかったけど、
自活する事が出来るようになった36歳の今、告発するに至った。
30年前というと彼女にとっては6歳のこと。どれだけ正確に記憶という
のが残っているのかだよね。
■父親から娘へのプレゼント
過去の記憶を思い返して、父親からもらったプレゼントが戦利品の
ようになっていた。
ただこういっては何だけど、サムの父は社長という立場であり、
相手だってすぐに見つかるだろうに、何で子供を監禁しようとしたの
だろうか?
もともと幼児虐待とか法廷強姦罪的要素を持ち合わせているのであれ
ば、いつものようにインターバルが短くなり、自分の好みに合わなく
なった年齢の子供たちは殺されて埋められるという行動に出るハズ。
娘だけは手を出さなかったということなのか。
それも妻に対してロクに面倒を見てあげられないことへの罪悪感が
そこには有ったのか。
■モーガンが語る兵士の話
モーガンはエンジェルと会話する為に、チャレンジコインというもの
を彼に渡した。第一次世界大戦中、ドイツで追撃されたアメリカ人
パイロットがいて、その人は緩衝地帯をフランス領あてに歩いていった
という。たどり着いたらフランス人はドイツ兵に間違えられて殺され
そうになったが、このコインを見せたこと。飛行中隊のマークがあり、
パイロット仲間から記念にもらったというもの。フランス兵がこのマーク
を知っていて釈放してくれたという。
モーガンはカールビュー・フォードという人物に傷つけられたこと。
オレもその時仕返しに同じことをしようとしたが、しかし思いとどまって
苦しみを自分の中に閉じ込めて培ったという。とにかくそいつに負ける
のが嫌で頑張ったと。
その時のコインをプレゼントしていたけど、コインはかなり沢山持って
いたね。
ただ私は軍事オタクがこういうグッズを集めていることがあるけど、
戦争時代のものを集めるというのは、一つの戦利品的行動でなんだか
気持ち悪くないのかなと思うところも有る。まぁこのコインが直接
血を浴びた訳でも無いんだろうけどね。
■その他
・ロッシ
過去に同様のケースでトラウマを抱えた回復記憶が生まれやすい状況に
於いて、多くの女性が父親の虐待というニセの記憶を主張したことで
セラピストがその悪夢を現実のものとして誤解したことがある為に、
ロッシはその時の失敗から自信が持てないケースだとして捜査には
深く関わらなかった。
・ジェニファー
最近JJとばかり聞くのでジェニファーと言われると新鮮。
彼女はスペイン語で話しかければ分かるのではないかとして、スペイン
語を語る。
エンジェルは確かに不法移民の子なので英語がどれだけ話せるのか謎
だったし、30年前にこの子が誘拐されているハズもないので、よく
分からないところが有ったな。
・エンジェル
アメリカではそういう名前を付ける人が多いのかな。
どうも目立つ名前って感じがする。
ガルシアが検索した際に、学校の名簿を見ると2011年、同様の名前の
子が4173人居るとしていた。
・記憶に蓋
辛い記憶を持つ人はよくそういう蓋をしたりするけど、父親にとって
子供を地下室に閉じ込めてフタすることには何の意味があったのか。
妻の遺体とか何処かに残っていれば分かるんだけど。
■使用された曲
・Touch by Battleme
■出演者
デビッド・ロッシ (Joe Mantegna) BAU創設に携わったベテラン
アーロン・ホッチナー (Thomas Gibson) リーダー
デレク・モーガン (Shemar Moore) 爆弾処理が得意
スペンサー・リード (Matthew Gray Gubler) ドクター
ペネロープ・ガルシア (Kirsten Vangsness) 解析
ジェニファー・ジャロウ (A.J. Cook) 国防総省
エミリー・ペレンティス (Paget Brewster) BAU
サマンサ・アレン (Hedy Burress) 娘
J.B.アレン (Garrett M. Brown) 父、建設会社社長
ペレス (Mike Gomez) 捜査官
エンジェル・スワレス (Jonathan Castellanos) 助かった少年
ルペ・スワレス (Odaylys Nanin) エンジェルの母
Dr.ラーソン (William Duffy) 医者
マット・ネルソン (John Gleeson Connolly) 父
エマ・ネルソン (Mary-Bonner Baker) 妻
リチャード・ヘンダーソン (Lance Irwin) ビリーの父
メレディス・ヘンダーソン (Kate Enggren) ビリーの母
アダム・ネルソン (Max Rose) 息子
若い頃のサマンサ・アレン (Madison Carlon)
ビリー・ヘンダーソン () 13歳、誘拐される