第12話 眠らされたキャメロット The Fires of Idirsholas
脚本/Julian Jones
監督/Jeremy Webb
【ストーリー】
モルゴースは城の中で甲冑を着た7人の騎士に呪文をかける。
するとミイラのようにして死んでいるハズの騎士が動き出す。
その頃羊使いは北の平原が放牧中にイディアショラスの砦で一晩
過ごしたことをウーサー王に報告。この季節は牧草地が無いので
仕方なくそこに行くしかないとし、その時に砦からは煙が上がっていた
のだという。300年間砦の中に入ったものはいないとし、言い伝えに
関しては王様もご存じでしょうと語る。ガイアスによると、
「イディアショラスに炎が上がる時、メディナの騎士が蘇る」
というものだった。王は羊使いに一夜の宿と食事を与えると、アーサー
に対して砦を見てこいと命じる。民を安心させる為に確認するよう
告げるが、アーサーはただの迷信だとして行く気を失っていた。
ガイアスはマーリンに対してメディナの騎士は侮れないとし、ただ
の言い伝えではないことを語る。300年前にキャメロットの騎士7人
が魔女の誘惑に合い、次々と魔力に屈して命じられぬまま国中で殺戮を
繰り返したのだという。彼らが通った後には死者と破壊しか残らず、
ついには魔女本人まで殺されたというもの。メディナの騎士は長いこと
眠りについているというガイアスは羊飼いの話が本当ならは大変だ
という。何者かが騎士を起こしたかも知れず恐ろしい予感がするという。
モルガーナは窓の外にメッセージの入った小箱があることに気がつく。
モルガーナはそのメッセージを読む中、グウェンは何をしているのか
と問う。少し寒いだけよと語るモルガーナ。
モルガーナは深夜になるとフードを被って森の中を一人進む。
すると彼女の前に現れたのはモルゴースだった。彼女はモルガーナの
体調を気遣うと、このブレスレットのお陰で悪夢を見ることなく眠る
ことが出来ているという。しかし幸せそうではないと指摘されると、
自分自身を偽るのに使われたのだという。ウーサーの庇護を受けながら
彼を憎んでいるからだというモルガーナ。モルゴースは新しい世界を
思い描いたことはないかとし、ウーサーの居なくなった世界だという。
モルガーナは一度は王を殺しかけたことを語ると何故辞めたのかと問う。
自分でも分からないがその時は彼の愛を感じたからかも知れないと
いうが、今は違うとし彼に愛はないという。支配を終わらせたくないか
と問われると心から望むがでも、そうはならないという。私に未来は
変えられないというと、あなたは自分に秘められた力を知らないと
いう。決断一つで未来は変わるとし、全ては貴方次第だという。
どちらの味方なのかとし、王様か私かとすると、モルガーナはあなただ
と語る。破滅の手助けをしてくれるかと問うとするわというモルガーナ。
モルゴースは彼女に魔法をかけると、彼女の周りに円を描いて呪文を
かけるのだった。
翌朝グウェンがモルガーナを起こしに来るとグウェンは眠そうにして
いるが、モルガーナは元気だった。
王は今日は大事な執務があるのに熱が出ている。ガイアスは熱が有るの
で起きてはダメだとし、薬を用意するという。レオン卿に対して、
いつから王の具合が悪いのかと尋ねると、気がついたのは今朝だと
いう。変わったことが有ればすぐに知らせてくれというガイアス。
マーリンとアーサーは王に言われたようにイディアショラスの砦を
調べに行く。
マーリンは何かカタカタ音がするというと、お前の膝の震えの音だろ
うというアーサー。
ガイアスはグウェンもダルいとしてやってくると、妙な病が流行って
いるとし、グウェンで5人目だと語る。しかしそんなガイアスにも
薬が必要かも知れないと自ら語り出す。
そんな中羊飼いの話は本当だろうとして、近くに野営したような形跡
が有った。旅人が泊まったのだろうというアーサーだが、マーリンは
そうじゃないかも知れないとしてやってくる。するとなんと不気味な
騎士が目の前に立っていた。騎士が襲ってきた為にアーサーや他の
キャメロットの騎士が戦う。マーリンは逃げ惑う中、アーサーは騎士
に剣を突き刺すが何故か死なず、きりがない為にマーリンには外に
逃げろと語る。マーリンはそんなことは出来ないとして、アーサーを
助ける為に魔法を使って出入り口の所に崖崩れを起こしてアーサーを
逃走させる。マーリンは傷を負うとアーサーが珍しく手当してくれる。
他に逃げ延びたものは居るのかとするが、誰もいなくキャメロットで
兵を集めて出直そうという。
しかしキャメロットに戻るとみんなが倒れていることが分かる。
殺されてしまったのか確かめると寝ているだけだった。一体何が有った
のか。城の中の衛兵や従者たちも全てが寝ていた。アーサーに大変だ
として報告する。何か疫病なのかもしれないというと、アーサーは父
は何処だとして王を探す。
マーリンはガイアスの元に行くと彼も机の上で眠るように倒れていた。
マーリンはアーサーに対してこれは魔法の仕業だと語る。
王を探す中、グウェンも倒れていたのでベッドに寝かせる。
カーテンが揺れるのを目にするアーサーたち。
剣を構えてカーテンをかけるとなんとそこにいたのはモルガーナだった。
何が有ったのかと尋ねると、みんな気分が悪いと訴えたとし、次々と
眠り始めたのだという。誰か来たのかと問うと隠れていた分からない
という彼女。何故隠れていたのかとし、父は何処だと問う。起きていた
なら何かみて居るはずだとし、みんなが病気にかかる間何をしていた
のかとアーサーは尋ねる。
■感想
今回のキャメロットは相当ヤバかった。
というかモルガーナはウーサーと縁を切ると啖呵を切った割りにまだ
城でお世話になっているのはどういうこと(笑)
冒頭からブロンド女性が呪文をかけていたので誰なのかなと思っていた
ら、その女性はs2-8に出て来たモルゴース。
モルガーナの義理の姉。
そんな彼女から伝書ハトから送られて来たのか、メッセージが届いて
夜な夜な逢いに行くという怪しい行動。
前回の件でウーサーとは決別宣言したけど、モルゴースの目的は彼を
殺して新しい世界を創造すること。それに協力するとしていたけど、
モルガーナって結局民衆の命が大切というよりも自分が自分で居られる
環境を求めているだけじゃないのか。モルガーナがしようとしていること
だって残虐さはウーサー以上のものがあるぞ。
モルゴースは呪文を使って300年前のキャメロットの騎士を生かした
けど、それだけのことが出来るのであれば相当な魔力の持ち主。
更に今回はキャメロットの人全員を眠らせていた。
確かに中継しているのはモルガーナだけど、その呪文そのものを
使っているのは、モルゴースだと考えると相当強い魔術がありそう。
大抵のファンタジー小説設定では魔法を使うだけで相当力を使うんだ
けどね。無尽蔵に魔力を発する事が出来る彼女の背後には何があるんだ
ろうか。
時々アーサーにしてもマーリンにやりとりにイラっとさせる。
特にマーリンは危ないって時にくだらないジョークを言う。
ただガイアスを起こそうとして変な呪文を使いまくった時はちょっと
笑えた。
アーサーはモルガーナだけがこのキャメロットで目が覚めている現状
を知って彼女を怪しむ。マーリンがフォローしていたけど、やはりアー
サーとしてはモルガーナにどれだけの不信感を抱いていたことなのか。
肝心のモルガーナは協力するとはしていたけれど、彼女が存在して
いることだけが協力していることになるのか。モルガーナ本人は
悪い事・悪影響を与える存在としての自分をどれだけ認識しているのか
気になる。
モルガーナが時々アーサーから剣を手渡された際には、いつでも
ウーサーを殺す機会は有ったけど、直接手を下すことはなかった。
モルガーナも流石にアーサーとマーリンは殺さずにウーサーだけは
死んで欲しいと感じていたのかな。
最後にマーリンが頼ったのは、ドラゴンだった。
これまで散々困った時のドラゴン頼みのところが有ったけど、今回は
協力すれば逃がすという約束をついに履行することで協力を求めた。
ドラゴンによると騎士を復活させた魔法と、キャメロットの人たちを
狙わせた魔法源は違い、魔力の源を断たねばならないことを語る。
マリーンに対してこれまでにもドラゴンはモルガーナの危険性を唱えて
来ていたけど、彼女のことを同じ魔法使いとして支えたい気持ちも
有ったのかも知れない。しかし彼女を殺さなければこの窮地を乗り切れ
ないとした時には、いよいよモルガーナを殺さなければならない事態
にまで発展する。
マーリンは毒をもって来た。
それを飲ませることでモルガーナを殺そうとしたようだ。
アーサーはウーサーを助けることに必死で、大広間に逃げ込んだ後、
自分が犠牲になってでも助けようとした。しかし眠りの呪文にかかり
そうになると、マーリンがすかさずビンタしたところが笑えた(笑)
「来世で従者を雇うときはボク以外を・・」なんていうが・・
マーリンはモルガーナに水を飲ませようとして毒を仕込んでいた。
なかなか飲まない姿に苛立ちを覚えたけど、ついには口をつけるに至る。
モルゴースと約束を取り交わして、毒の種類を教える変わりに騎士を
撤退させるよう求めた。その交渉が成功したけどマーリンが毒を盛った
ことをモルガーナ本人は知ったよね。
二人の関係にひびが入ってしまったかな。
また今回は何と言ってもドラゴンの鎖を取り外した。
太古の魔法のかかった騎士の剣を使ってウーサーを繋いだドラゴン
の鎖を切ったこと。マーリンは先日の夢からもドラゴンを放てば
キャメロットを攻撃するのではないかとして不安なところがあるだろう
けど、果たして攻撃してくるのかな。ウーサーに対してドラゴンの
恨みは相当有るだろうしね。
■使用された曲
・
■出演者
マーリン (Colin Morgan) 生まれながらに魔法の力を授かる
アーサー (Bradley James) ウーサー王の息子。武術の能力
ガイアス (Richard Wilson) 思慮深く賢い宮廷医師
ドラゴン (声) (John Hurt)
ウーサー・ペンドラゴン (Anthony Head) キャメロットの王
モルガーナ (Katie McGrath) ウーサー王が後見人となり王女
グウェン (Angel Coulby) モルガーナの世話係。
モルゴース (Emilia Fox) 魔女、モルガーナの義姉
ジョセフ (Jem Wall)
レオン卿 (Rupert Young) 騎士
— (Simon Blood DeVay) Camelot Knight