第4話 ハワードの帰還 The Blitzkrieg Button
脚本/Brant Englestein
監督/Stephen Cragg
【これまでのあらすじ】
亡くなったロシア人の部屋からタイプライター型の長距離送信機を
見つけるSSRのドゥーリー。クルゼミンスキーとスーザは密告を受けて
埠頭に停泊する船を調べるとスタークの盗まれたものを発見する。
しかし帰り道に踏切の所で後ろから車をぶつけられクルゼミンスキー
は射殺される。ドゥーリーはスタークのせいだとし、引き金を引いて
なくても責任は彼にあると語る。
【ストーリー】
手下はジャーヴィスと取引する。ブツは金をもらってからだという。
1000ドル札で支払いなのか?と問うと立派な法定貨幣だと語る。
1ドルを5万枚運ぶよりも良いだろうというジャーヴィス。
しかし手下はジャーヴィスに対してあと100枚出したら信じるという。
ミンクさんは慈善事業でブツを運んでいるのではないとして手下は
ジャーヴィスに対して銃を向ける。
一方外で取引の見張りをしていたジミーは物音に気がつく。すると
カーターが彼を倒し、残りの見張りも倒していく。
取引現場ではジャーヴィスは手下に対してアメリカドルで5万ドルの
契約のハズだというが、手下は5万ドルは配達代だとし、口止め料には
10万ドル出せと更に要求する。外に手下があと3人いるのだというと、
ジャーヴィスは応じられないとし、これでは強請だと語る。強請でなく
たかりだよというとジャーヴィスは5万ドルはここにあるとして荷物
のケースを差し出す。ウチのボスは細かいからとしてここで金を
調べようとする。すると箱を開けた途端に中からガスが噴出。
その間にカーターがやってきて手下たちを倒していく。
取引が上手ねというと、ジャーヴィスは積み荷が無事だと良いがと語る。
積み荷を確認しに行くと中に居たのはなんとスタークだった。
“僕の大好きなイギリスコンビだ”というスターク。ミンクの手下に脅迫
されただろうというスターク。取り引き相手は選んでいるとし、タチの
悪い運び屋だがお陰でこうやって国に帰れたし、欲を出すのは予測出来た
というスターク。
カーターに対してジャーヴィスと仲良くしているかと問うと、アナの
手料理は食べたのかと問う。君が片手で腕立て107回出来る事は
ジャーヴィスも知っているという。ありとあらゆる諜報機関があなた
を探しているのを承知で何で戻って来たりするのかと告げる。家に帰って
シェリー酒を飲んだら説明するという。
しかしカーターは車を止めてくれと語ると、バスを待っている男は
エージェントのヨークであり、消火栓の傍にいるのはエージェントの
ヘンリーの車だと語る。バレていないと思ったのにというスタークは
ダミー会社名義の家であり、その親会社もダミー会社だという。ボク
とジャーヴィスの他にあのペントハウスのことを知っているのは
ラナ・ターナーとジェーン・ラッセルだけだという。あなたが遊び回
っている間に同僚が殺されたのだという。SSRはあなたのことを恨んでいる
とし家、銀行、会社も全部調べられ尽くしているという。
カーターに何処か行く所はないか。
彼女は女性専用のホテルのグリフィスホテルに連れて行くと、スターク
はミリアムは元気かと問う。洗濯用のエレベーターシャフトに乗せる。
スタークは怖いとして拒むが、ミリアムに見つかったらもっと怖い目に
遭うわよと言われるスターク。スタークがエレベーターに乗った直後に
突然洗濯室にミリアムがやってくる。間一髪見つかりそうだった。
ミリアムは入居者の中で一番心配なのはあなただとして、こんなに
遅くまで起きているなんて電話会社の交換手とは思えないという。
まるでダンスホールの踊り子みたいだとすると洗濯をしていただけだ
と語る。私が何人捕まえたか知っているか?というと、そのエレベーター
を使ってレディーの部屋に行った不届きな輩が多い事。あなたが見張って
くれているので純潔は守れているという。アリスが姉と言って連れてきた
時もすぐに見破ったとし、姉はガードルを付けた男だったという。
部屋まで一緒に同行しても良いかというミリアム。
トンプソンはドゥーリーに徹夜で調べ物なのかと問う。
死んだロシア人の情報に「フィノーの戦い」の記録が有り取り寄せた
が全て資料は検閲で塗りつぶされているという。ドゥーリーは陸軍諜報
部の仕業だろうとし、削除したのはジョン・マクギニス准将だという。
しかし彼は先日死んでいたという。魔法のタイプライターについては?
とトンプソンは尋ねると、信号を送受信しているが相手は分かっていない
という。敵にメッセージを送ったらどうかというトンプソン。他のやり方
で話しかけるという。フィリーの戦いでソ連軍が敗れた相手はナチスの
連隊で、その連隊長はエルンスト・ミューラー大佐だという。でも2日後
に死刑執行が行われるという。殺人とユダヤ人の迫害の罪で・・・。
今すぐに出発すれば逢えるというと、ドイツに行くのかとし、しかも
ナチスに逢いスタークのことを聞きに行くのかと驚くトンプソン。
フィノーの戦いで死んだことになっているロシア人が二人、スタークの
発明品を狙ってニューヨークまで現れたのだとし、この国の政府まで
フィノーで何が起きたのかを隠しているというドゥーリー。ナチスを
信じるのかと問うとゲーリングにキスされても平気で解決のためなら
なというドゥーリー。戻るまではトンプソンが指揮を執ってくれと語り
それを命じる。
ミリアムはこの神聖な館に男性を忍ばせた方はどなたでもすぐに出て
もらったという。イドとエゴって言葉はご存じか?と問うと、女性が
フロイトなんて読まないわねという。ある年齢に達するまで人は衝動を
抑えられないもの。だから私が衝動から守っているのだという。
カーターは部屋の前にいくが、ミリアムは彼女に洗濯物は?と問う。
カーターは恐る恐るエレベーターのドアを開けるがそこにスタークの
姿は無かった。それを確認するとミリアムにお休みと語るが、もうすぐ
朝の6時よと言われる。
カーターはスタークを探すと、ロレインの部屋で騒ぎ越えがしている
ことに気がつく。ロレインのドアを叩くと、スタークが彼女とじゃれ合い
従姉妹のペギーだと紹介する。ペギーの従姉妹はスタークにそっくりね
というと、従姉妹の方が背が低いと語るカーター。ボクの方が男前だよ
と語る。これから親族会議だと。
カーターは今から仕事にいかねばならないことを語る。
スタークは3日後にはリオに向かうというがその前にどの発明品が見つ
かったのか調べて欲しいという。何が回収されているか分かれば市場
に出ているものが分かるという。スタークはカーターにカメラペンを
渡す。まるで驚かないカーターにちょっぴりショックのスターク。
レンズの小型化には相当時間をかけたのに・・と。
■概要
・ジャーヴィスは密輸組織のミンクにブツを運んでもらう。
そのブツとはなんと海外に逃走していたスタークだった。
・SSRではスタークの盗まれた荷物を追って確保した挙げ句クルゼミン
スキーが殺害されたことを受けて、その責任も元凶でもあるスタークに
あるとしてより捜査は厳しくなる。
・スタークは何故そんなリスクを押してまで戻って来たのか。
本人によると盗まれたものの一つに「ブリッツクリーク・ボタン」と
いうものがあり、そのボタンを押すと一瞬で街中が停電するもので、
元々はロンドンの街をドイツの爆撃機から守る為に開発したもの
だという。
・ドゥーリーは殺された2人のロシア人(ブラニスとサーシャ)に関して
「フィノーの戦い」で死んだと記録されているが、その記録を取り寄せ
るとアメリカ政府までフィノーで何が起きたのかを隠している為に、
生き証人でも有る戦犯でナチスの連隊長だったエルンスト・ミューラー
大佐に話を聞きに行く。
■感想
スタークの存在はクセがあるな。
女ったらしという設定もそうだし、発明家だからと言っても何でも許さ
れるものではなく、彼が盗まれたものは全て国家の危機を誘発するもの
ばかり。全ての後始末をカーター任せじゃないかって感じで、彼は
楽しかしていない。
これまでジャーヴィスの妻のアンの姿を見たことがないのだけど、
実は今回は本性を現し始めたドッティに何か関係していないかという
気がしてきた。そろそろアンに遭わせてくれと小一時間だけど、
本当にアンは実在するのだろうか?どうも名前だけが先行している物語
が動いているのでこういう時は大抵怪しい(笑)
ジャーヴィスは嘘のつけない男のようで、嘘をつくときには分かりやすい
ように耳たぶに手を触れてしまうという気弱さがあるけど、逆に分かり
易すぎて嘘くさい。
波止場で賭けをしている二人の男がいたけど、ジャーヴィスに対して
ポーカーなどをしない方が良いと語る流れを意識しているような感じ
にも受ける。
■悪人たちが相殺した?
今回スタークのことを狙っていたミンク。
女性たちの園を守るミリアムだけど、今回はその牙城が幾つかの
場面で崩れることになった。
スタークを2階以上の部屋に連れ込んでしまったこと。
そしてスタークを狙うミンクもまたカーターが3階に住んでいることを
ミリアムから掴んで侵入していた。しかしミンクが銃を持っていた
ところをドッティが凄いアクションを使って一瞬で倒して殺害していた。
銃を手にしていたけど、ドッティはどんな人物なのだろうか?
ミリアムの嗅覚の鋭さも感じるところが有るので、ミリアムとドッティ
などを使ってグリフィスホテルを女性だけのSSRにすれば実は案外
使えそう。
ドゥーリーの代行となったリーダーのトンプソンがこんな嫌なヤツだ
ったっけ?ってくらいムカツク態度を見せていた。
■スーザが手がかりを見つける
スーザはホームレスのフランクが失恋丸にいた人物をみて居るはずだ
と踏んで署につれてきた。
スーザはフランクに対して、ダイナーで起きたことを話した。
「ある日ダイナーに入ったら店中の人が拍手を始めた。軍服を着ていた
帰還兵であなたと同じだった。しかし食事をしていたら別の帰還兵が
来たので拍手が起こると思って拍手の準備をしていたらみんなは知らん
顔をした。それで分かったのは、拍手は軍人として国の為に戦って
いる自分にではなく、傷痍軍人への罪悪感を拍手で誤魔化すためのもの
で、拍手していたのは怪我した足と松葉杖に対するものだった」という。
自分本人は見向きもされていないのと同じでフランクと同等だという。
しかしそういう不幸ネタは誰でも持っているとし、
フランクも帰国したら妻は寝取られ、仕事も奪われていたとして不幸
なら負けないとばかりに主張された。
スーザが見つけた目撃者だったけど、その口を割らせたのはトンプソン
だった。彼はハンバーガーとドゥーリーのオフィスからガメてきた
スコッチを持って来て取調室内で食べ始める。今のフランクにはプライド
以上にアルコールが必要だということを知っていたようだ。
酒を渡すことであっさりと告白。
「洒落た格好の男と黒っぽい髪の毛の女がいた。」
バーで撮影したブロンド女性とは別人なのか。
トンプソンからスーザに対して
「その鉛の棒は何処からもらったのか?」
「棒じゃなくて足だ」。
まぁ今回のトンプソンが相当気合いが入っていたのは分かるんだよね。
冒頭で限界まで働けとした際に、自分たちが「エージェント」だという
ことを忘れるなとしていたしね。
■仲間へのウソ
従姉妹のペギーです。カーターがついたウソの一つ。
カーターに対してスタークは「ブリッツクリーク・ボタン」をSSRの
研究施設から盗み出して欲しいという依頼を出す。
盗まれたものの殆どは未完成だが、金庫に入っていたものは完成された
もので全部が破壊兵器だという。その中でも「ブリッツクリーク・ボタ
ン」を使うとニューヨークが停電で麻痺し、それはコネティカットや
ニュージャージーにまで及ぶ可能性を示唆する。
装置の解除法はスタークしか知らないとのこと。
自分を「世界一の街を闇にした」なんて言われたくないとし、反逆者
扱いだけでも辛いことを述べる。
いざ盗み出したけど、まるで花火に使われる火薬の玉みたいだったね。
中に入っているものは何か。
カーターは二人が嘘をついていると考えて、ボタンを押してしまう。
中からは血清が出て来たかと思うと、それはキャプテン・アメリカの
血だということだった。それを使えば病気の治療に役立つかも知れない
のだとして主張したスターク。しかしカーターは彼は自分のことしか
考えていない人物であり、それを使って金儲けでも企んでいるのだろう
として信用していなかった。彼にそれを渡すことなく壁の中に埋めて
隠すことにしたけど、血の保存は難しいのであれだけの装置で保存して
置けるのかな。
因みにその血は「SR53」と呼ばれているみたいだね。
■フィノーの戦い
処刑を受ける直前のエルンスト・ミューラー大佐から話を聞きに行った。
フィノーで何が有ったのか。
ナチスが深夜にソ連襲ったのかと思われたが、実はフィノーでドイツが
ソ連を戦ったことはないという。自分たちが到着した際には、既に殺戮
を終わっていて、辺り一面八つ裂きにされた遺体が積み上げられていた
のだという。フィノーでドイツ軍の手にかかったものは一人もいない
とのこと。一体誰が何のためにそのような虐殺をしていたのか。
渡航記録・飛行機の記録ではスタークの名前が書かれているとしていた
ね。まぁ幾らでもごまかせるけど、劇場版辺りでこの辺の事情って
描かれているんだっけ?
■再生プロジェクト
キャプテン・アメリカの血を使って再生させる技術を確立しようとして
いたのかな。元々は12本あり、当時スタークも1本手に入れたという。
政府が持っている分の残りが少ないのでのでボクのを見つけたら取り上
げられると感じているようだ。
キャプテン・アメリカの血がそんなことに利用されていたことに
カーターは憤りを感じたのだろうか?
彼女がそんな血を持っていても役には立たないし、嘘をついていたこと
とはいえ、そこまで怒ることだったのかという感じがしないでもない。
ジャーヴィスが説得しようとするが、残念ながら失敗。
カーターはもうスタークの仕事を手伝わないのか。
新聞を読んでいたが、スタークの隣で新聞を読んでいたおじちゃんは
Stan Lee本人みたいだ。
■宇宙の摂理
カーターに対してトンプソンは、
「何で働いている?」
「働く権利があるから」
「何か隠しているだろう?結局自分をダマしてるだけだ。」
「宇宙の摂理ってヤツ。君は女だ。男と対等には見られない。哀しい
けど真実は変えられない」
トンプソンが人を怒らせるのはスタークと一緒だな。
■スーザ
スーザはカーターのことを疑っているのかと思った。あのバーでの写真で
気がついているのかなと思っていたけど、後ろ顔だけではやはり無理みたい。
黒く髪の毛を塗っていたけど・・
ただ正直暗闇の中で、(フランクの)目撃証言なんて当てにならないよな。
元々酒飲みで酔っていた可能性だってあるわけだし・・
警察に情報は話さないとか言ってあっさり酒に墜ちたけどね。
■使用された曲
・Drum Boogie by Gene Krupa and his Orchestra featuring Irene Daye
■出演者
ペギー・カーター (Hayley Atwell) SSRエージェント
エドウィン・ジャービス (James D’Arcy) スタークの執事
ジャック・トンプソン (Chad Michael Murray) SSRエージェント
ダニエル・スーザ (Enver Gjokaj) SSRエージェント・松葉杖
ロジャー・ドゥーリー (Shea Whigham) SSR支局長
ハワード・スターク (Dominic Cooper) スタークインダストリーズCEO
アンジー・マルティネリ (Lyndsy Fonseca) “L&L Automat”ウェイトレス
ドロシー・アンダーウッド (Bridget Regan) “ドッティ”、バレエダンサー
ミリアム・フライ (Meagen Fay) 女性のオアシス”グリフィスホテル”管理人
エルンスト・ミューラー (Jack Conley) 大佐、ドイツニュルンベルク刑務所
オット・ミンク (Gregory Sporleder) 15万ドルを受け取ってこいと命令
フランク (John Bishop) 埠頭で賭けしているホームレス
— (Stan Lee) ベンチに居る男、スポーツ欄を見せてくれと。
ヨーク (Alexander Carroll) エージェント
ジョージ (Tim DeZarn) 埠頭で賭けしているホームレス
アレックス・ドゥービン (Kevin Cotteleer) SSRの研究員
ロレイン (Sarah Schreiber) グリフィスホテル住民、スタークがちちくる
キャロル (Benita Robledo) グリフィスホテル住民
ヴェラ (Meagan Holder) グリフィスホテル住民
グロリア (Joanna Strapp) グリフィスホテル住民、バッグに
— (Billy Malone) Larger Smuggler
— (Jeremy Timmins) Larger Smuggler
ジミー (Jim Palmer) 殺し屋
— (Tim Garris) ギャング
— (Chad Dashnaw) 殺し屋
— (Kai Valerius) Movie Goer
ジョン・マクギニス准将
ラナ・ターナー
ジェーン・ラッセル
ヘンリー () エージェント
アナ ()
ヘレン () グリフィスホテル住民、スタークがちちくる
カイテル将軍