第3話 執事の過去 Time and Tide
脚本/Andi Bushell
監督/Scott Winant
【これまでのあらすじ】
第2次世界大戦でカーターはキャプテン・アメリカと共に戦い敵を
倒したが最愛の人を失う。勤め先はアメリカ随一の秘密諜報機関の
SSR(The Strategic Scientific Reserve)。でも戦争が終わった今、
私の仕事は雑用だった。ある日古い友人・カタークから禁固の中身が
無くなったとし、その2週間後にボクの発明品がブラックマーケットに
流されたという。ドゥーリーはスタークは逃亡者だとする中、
スタークはカーターにジャーヴィスを協力者に付ける。発明品を盗んだ
男は見つかったがもっと大きな陰謀が潜んでいた。ブラニスは
“リヴァイアサンが来る”とし、謎の記号を残して息絶える。私の動きを
SSRに知られる前に謎を解かないと・・
【ストーリー】
カーターは夜新しく引っ越したグリフィンホテル/女性専用の部屋に
いるとブラニスが残したダイイングメッセージについて調べていた。
シェイクスピア全集と書かれた分厚い本の下にはシンボル辞典が
隠されていて一番近いものを探す。物音に気がついて窓に向けて銃
を突き出すと、そこに居たのはジミーという男だった。カーターは
ここの規則を知らないようねと語ると恋人のモリーがここに住んでいる
んだという。165cm・ブロンド、デパート勤めだというと、カーター
は隣の部屋だと語ると窓を閉める。
ドゥーリーたちは手がかりはルームキーだとしてその鍵の有るアパート
にトンプソンやクルゼミンスキーたちと来ていた。コールガールの女性
はアパートですれ違うレイに対して元気かと声を掛ける。
支配人にどんな男なのかと問うと手のかからない人で客が来ても一時間
程度だったという。424号室へ入ると、早速諜報員が最も隠す場所を
ピンポイントで調べる。それはソファーの中だった。ソファーを破ると
案の定そこには多数のパスボートと現金が入っていた。
イギリスのパスポート名義はアルフレッド・リーン、アメリカのパスポ
ート名義はオーソン・ホークス、イタリアのパスポート名義はフェデリ
コ。フェデリコ・ロッセリーニ。ドゥーリーは映画ファンだなと語り、
机の上に置いてあるタイプライターに目を通す。
グリフィスホテル女性専用。
朝食の際にキャロルはまた粉末タマゴだと語る。アンジーはイギリスより
マシでしょと。モリーは遅れて起きてくるとみんなにオハヨーと語る。
ジミーがどうしてもというので部屋に入れたことを語る。カーターに
対して恋人はと尋ねるが、仕事で忙しくてそんなの作る暇がないという。
アンジーはダンディーさんは?と尋ねる。よくウチの店に来るスーツ
も車も素敵な人のことだというと、彼は同僚だという。
ミリアムはカーターが仕事に行こうとするのを止めるとイスに座ってと
語る。
1925年偉大なるハリー・フーディーニがここで奇術を披露したこと。
素晴らしい脱出芸でトランクや拘束衣から抜け出したという。一つ
だけ彼にも出来ない技はここの2階に上ること。規則があるからだとして
モリー・ボーヴェンに対して荷造りしなさいと語る。ここでの最後の
夜は楽しめたのかと語ると、みんなは彼女のマネはしないでと語る。
このホテルは例えるならフォートノックスやアルカトラズのようなもの
でどんな力や小細工でも人知れずに侵入するのは不可能だと語る。
しかしカーターは不可能なんてあり得ないと呟く。
ニューヨークベル社。
トンプソンは、写真をホワイトボードに張り出すとこれはリート・ブラ
ニスだと語る。歯の詰め物からしてロシア人。ドゥーリーは喉の傷はと
尋ねると、喉頭摘出の跡で恐らく戦時中に取ったもので、ソ連の第478
小銃師団だったこと。しかし2年前に死んでいること。トンプソンの友人
がモスクワのアメリカ大使館に居て、彼によると第478小銃師団は1944年
にドイツのフィノーで全滅だという。死人は歩かないだろうと。
クルゼミンスキーは、まだミルクトラックの残骸を調べている所だが
ホテルのパスポートの指紋跡とウォッカボトルとお宝を手に入れたと
いう。タイプライターは長距離の送信機らしいという。大使館に写真を
送って確認しろというドゥーリー。スーザは精油所の残骸のナンバープ
レートはスタークの車のものだったという。バンパーだけ。しかし逃走中
のスタークがロクソンを爆破なんて大胆すぎるというスーザ。とにかく
誰が運転していたか突き止めろという。
アナはジャーヴィスに対して皿は私が片付けると語る。
■概要
・スタークが盗まれたものを追跡していくウチに二つの大きな爆破
事件を目撃するSSRのエージェント。
ロクソン石油・精油所の爆発、そして湖の爆発は全て、スタークが
開発し盗まれたニトラミンの爆弾によるものだった。
・ドゥーリーたちは現場に残された証拠品から、ブラニスやサーシャ
が盗んで売買しようとしていた人物だと分かり、二人とも記録では
既に死んだことになっているロシアの人物だと知る。
・精油所跡地で見つけたバンパーからスタークの車のナンバープレート
だということで、捜査はジャーヴィスにまで手が伸びるが・・・
■感想
色々と民族的なネタが加味されてきた感じがするね。
ドラマではアメリカ人、イギリス人、ロシア人、そしてユダヤ系の
人物が出て来た。勿論他民族の入り交じるアメリカらしいところだ
し、当時の事情からすればロシア人が技術を盗もうとしてアメリカに
来ているという設定は自然な流れだと思うけど、カーターはイギリス人
で有り、ジャーヴィスとかアナはユダヤ系なのかな。
命を預ける為には秘密をさらけ出せるような信用が必要だとされて
いるけど、そういう人種を越えた繋がりというものを見事描かれる
のかな。
■信頼問題
・ジャーヴィスの秘密
ジャーヴィスは戦前に将軍のお供でハンガリーのブタペストに行った
際に紳士服店でアナに出会い、彼女の作るネクタイを気に入ったと
いう。戦争が始まり問題とされたのはユダヤ系だったということ。しかし
将軍の署名入りの通行証のお陰で安全に逃げられたとするが、問題
なのはそれは偽造されたものだということだった。
ロンドンで逮捕された時には火曜日だったとしていたけど、何故火曜日
と言ったのかな。
カーターが42年の冬に一週間下水道に潜っていたという事情に関しては
言及が無かったけど、何があったんだろうか(笑)
・グリフィスホテル
ここでも規則遵守。信用は必要となってくる。
夜這いにやってきたモリーの恋人・ジミーのせいで思いっきり寮長とも
いえるミリアムから追い出されることに・・
代わりに入って来たのはドロシー・アンダーウッドというアイオワ出身
のバレエダンサーだった。
・カーターの職場での信用問題
どうしても今のカーターは職場に於いては不利な立場に追い込まれる。
今回はジャーヴィスを助ける為に、車の盗難届(シボレー・フリートマ
スター)が出されていることを、SSRは隠してでも逮捕して口を割らせよう
としていた。当初は余裕かと思われたが、徐々にジャーヴィスが隠して
いる過去がネックとなり、脅される材料になってしまった。
しかしカーターが間違えて盗難届の報告書を提出してしまったという
ことで、ドゥーリーはトンプソンの手柄が不意なったとして激怒して
いたけど、元々不正を働いてでも逮捕しようとしていたのはSSRだから
ね。
・カーターの私生活での信用問題
アンジーとは喫茶店で逢うだけの仲だけど、それでも友達として良い感じ
の関係を作っている。しかしアンジーはカーターが何も話をしようとせず
夜に愚痴を話し合う為にシュナップスとルバーブパイがあるので
話に付き合ってと語るも、カーターは金庫の件で調べる為にジャーヴィス
の家に行かねばならず、断ってしまうことで信用を失う。
■カーターのスキル
今回はミリアムのマジックの話をヒントに、スタークの家の金庫室から
何故何百kgもするものを持ち出せたのかということになる。
金庫室には床に穴が明いていて、そこから盗まれたことは確かだった
が、その日は大雨で、ジャーヴィスはその雨音でぐっすり寝ていたと
していたけどちょっと怪しいな。
でもカーターはニューヨークの雨水は下水に流していて下水道が一杯
になるとゲートをあけて流すこと。当初想定していたマンホールから
逃走していたとする説は覆されて、寧ろゴムボートで川・海の方に流し
て行ったのではないかとされる。案の定下水道をたどっていくと、その
先にブラニスが残したシンボルマークがあり、それは“失恋丸
(The Heartbreak)”という舟であり、サウスサイドの埠頭・第12桟橋
に停泊していることを見つける。
一連の流れを帽子とスーツ姿の男が監視している光景も有ったりする
し、カーターに対して襲いかかってくる男が居た。
■夜勤
今回はクルゼミンスキーがミュージカルに行くので夜勤を変わって欲し
いとして署内で変わってくれる人を捜していた。
今までクレジットだけでしか知らなかったけど、ブッチとヨークという
エージェントが働いているのを初めて確認出来た。
Yauchって名前なので今までヤウチと表示してしまったけど、ヨークと
読むようだ。
夜勤に変わってもらえなかった為に仕方なくスーザと勤務。
しかし突然失恋丸にはスタークが発明し盗まれたものが積まれている
という密告の電話が来たことで、一気に昇格のチャンスに恵まれ、
良い感じの展開になるかと思った。
しかし逮捕したコニーアイランドの大道芸人はカーターと交戦している
為に署まで連行するクルゼミンスキーに話してしまうと彼女のことが
バレてしまう。
都合良く現れたのは、二人を殺害する暗殺者だったけど、果たして
それが誰なのか。
そして一番死にそうになかったクルゼミンスキーも殺されてしまった。
スーザにしても明日は我が身だとしていたけど、カーターもまた
何でショックかも分からないとし、ガサツでせこくて口が悪くて
下品な男でただ仕事だけは出来たことを語り、アンジーに愚痴っていた。
当初はアンジーもカーターに怒っていた様だが、退屈していたとして
一緒に話を聞くことになった。
■その他
・通信装置
タイプライターがSSRの手に渡った。そこから何処に繋がっていたのか
を調べる事は可能なのか。
・収縮器
スタークの開発品の一つ。あの木箱の中にはスタークの開発したものが
沢山あるけど、何か使えそうなものはないのかな。
スタンガンのような収縮器はかなり大男を相手にして使えたよね。
・ドッティ・アンダーウッド役のBridget Regan
顔が変わって一瞬分からなかった。
「ホワイト・カラー」ではレベッカ役の女性。
「The Last Ship」ではシーズン3からレギュラー出演してくるキャラク
ターのサーシャ・クーパー役。
■使用された曲
・Jam That Boogie by Lowell Fulson
・Someone to Watch Over Me by Helen Forrest
・I Don’t Want Your Kind of Love by Peter Sivo
・Someone To Watch Over Me
Written by George Gershwin and Ira Gershwin
■出演者
ペギー・カーター (Hayley Atwell) SSRエージェント
エドウィン・ジャービス (James D’Arcy) スタークの執事
ジャック・トンプソン (Chad Michael Murray) SSRエージェント
ダニエル・スーザ (Enver Gjokaj) SSRエージェント・松葉杖
ロジャー・ドゥーリー (Shea Whigham) SSR支局長
ハワード・スターク (Dominic Cooper) スタークインダストリーズCEO
アンジー・マルティネリ (Lyndsy Fonseca) “L&L Automat”ウェイトレス
レイ・クルゼミンスキー (Kyle Bornheimer) SSRエージェント
リート・ブラニス (James Frain) 武器を買いに来る
サーシャ・デミドフ (James Landry Hebert) ペギーを殺しに来る
ドロシー・アンダーウッド (Bridget Regan) “ドッティ”、バレエダンサー
ミリアム・フライ (Meagen Fay) 女性のオアシス”グリフィスホテル”管理人
ローズ (Lesley Boone) ニューヨークベル社、職員
ブッチ・ウォレス (Patrick Robert Smith) エージェント
ヨーク (Alexander Carroll) エージェント
ジェローム・ザンダラ (Rob Mars) 大道芸人、”失恋丸”で襲ってくる
キャロル (Benita Robledo) グリフィスホテル住民
モリー・ボーヴェン (Laura Coover) デパート勤務、グリフィスホテル
— (Paul Roache) Building Manager
エミリー (Christie Herring) レイの愛人、娼婦?
— (Rick Steadman) Automat Customer
ジミー (Tim James) モリーの恋人
デイヴィス刑事 () 19分署